難易度「A」の資格は、難易度は高いですが人気のある有望資格が多く集まっています。代表的な資格には「行政書士」や「社会保険労務士」、「中小企業診断士」、「一級建築士」などがあります。いづれも最終合格率は10%前後になる難関の資格試験ばかりで独立を目指せる資格でもあります。
- 「社会保険労務士」はその膨大な試験範囲の法律を理解する学習が前提となる試験で、知識を土台にしっかり読み解く力が問われます。合格基準を突破するためには、労働・社会保険関係の主要8法令以外に、多岐に渡る関連法令や、各種の最新統計動向、白書等についても、一般常識として知識の習得が必要です。その上、難易度が年度により大きく変動することで一層苦戦を強いられます。
- 「行政書士」は、司法書士試験や司法試験のような法律系の資格試験と比べると,難易度が低いイメージがする試験に思われがちですが、十分な準備なしで合格できるほど簡単な試験ではありません。配点の高い記述式問題と出題範囲の広さで、法律家としての素養が問われる内容になってきており、最近では、今まで以上に法的な理解力や思考力を問うような内容の出題も多く、単なる法律の丸暗記では合格が難しくなってきています。
- 「中小企業診断士」は、経営コンサルタント系の資格では唯一の国家資格です。そのため、経営に関する幅広い知識が必要になり、一次試験では経営関連全7科目に合格が必要です。すなわち、中小企業診断士の試験は分野が多岐に渡っていることで、一次、二次の2回の試験と試験範囲が専門的で広範囲であることがハードルを高くしています。
他には、合格までには最低3年はかかる覚悟が必要と言われる「不動産鑑定士」や、近年は過去問以外からの出題が増えて難易度が上がってきている先端事例の知識が必須の「知的財産管理技能検定1級」、それに「S」クラスでもおかしくない難易度の「プロジェクトマネジャー」などが並びます。また、新しいところでは2017年度に新しく登場したセキュリティ資格、「情報処理安全確保支援士」や、2018年に登場したIoTやAIなどに関連する「E資格(エンジニア資格)」なども難易度「A」にランキングしています。
その他には、Cisco Systems社の技術者認定資格「CCIE」や、日商簿記1級、国連英検 特A級、マンション管理士などの民間資格。国家資格では「地方公務員 上級」や、「技術士」、「気象予報士」、「通訳案内士」、「薬剤師」など、メジャーな「難易度A」の資格としてランキングしているのは著名な資格ばかりです。
また今、機械学習やディープラーニングなどAI(人工知能)技術の発展に伴い、先端技術の研究開発やビジネスへの適用を担うAIエンジニアやデータサイエンティストといった職業が脚光を浴びています。AIエンジニアのスキルレベルに関する資格や検定試験は様々ですが、現在では数も実績もまだ少ないため、どの資格を取得すれば良いのか迷うこともあるでしょう。その中でも、今注目されているのは、「G検定(ジェネラリスト向け)」、「E資格(エンジニア向け)」、「Python3エンジニア認定データ分析試験」、「画像処理エンジニア検定」です。難易度はどれも「A」~「B」クラスになります。
難易度「A」の資格では、どのジャンルもランキング上位には合格率10%前後の資格が多く、難易度は「S」ほどではありませんが、かなりハイレベルな資格ばかりが並び、どれも相当な難関であることは間違いありません。難易度「S」の資格と同様、合格には相当な時間と労力、気力が必要になります。さらに、長期間勉強漬けの毎日を覚悟しなければならないのは当然のことながら、毎日3~4時間程度の勉強は苦にせず、こなせるだけの集中力と知識、体力がないと合格はおぼつきません。また、このレベルの資格試験に合格するためには、集中して勉強するための自分の勉強の「型」が必要になってきます。思いつきの勉強のやり方ではとても歯がたちませんので、受験勉強を始めたら早い時期に、自分の勉強の型にはめて、生活リズムを考慮した学習ペースとパターンで臨むことができなければなりません。もともと学生時代からある程度勉強好きの人でないとこのレベルの勉強の持続は困難かもしれません。
また、このレベルの資格には「記憶力」を求められる試験も多いので、早い時期から覚えるための学習ペースに持ち込み、繰り返し覚えることに集中できるかどうかが1つのカギになるでしょう。在宅での学習でも、スクールの場合でも綿密な学習計画と履歴管理がどうしても必要になります。特に通信講座など、在宅で勉強する人は、モチベーションの維持も勉強方法と並び重要事項の一つであることは言うまでもありませんが、資格専門学校などの情報収集につとめ、公開模擬試験などには積極的に参加することで、今の自分の立つ位置と状況を把握することも大変重要です。これを怠って失敗する人も多い、ということを知っておきましょう。試験対策ではできるだけ多くの過去問を繰り返しこなしておくことと、そこで分からなかったところや間違ったところは、確実に理解し、頭を修正しておくこと、さらに徹底して重要事項を覚えること、これに尽きます。
難易度「S」と難易度「A」は、国家資格とそれに準ずる資格が多く、その資格がないと就けない職業が多いことが特徴になっています。そのため、難易度「S」の資格ほど難しくない難易度「A」の資格は、全体的に人気があり、受験者数が多く、ここの資格を最終の目標に勉強している人が多いのが特徴です。
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