資格名

気象予報士

資格の種類

国家資格

主催

気象庁

資格の概要

気象業務法が1993年5月に改正され、気象庁以外にも気象庁長官から許可された者が一般向けに天気予報を発表できるようになりました。このときに、予報についての資料やデータを適切に扱い、防災面も的確に配慮できる人を確保する目的で「気象予報士制度」が導入されました。予報業務を行う事業者は、現象の予想を気象予報士に行わせることを義務づけられています。ただ、1995年5月から、気象庁以外の事業者が一般の不特定多数の人に対して独自の天気予報が出せるようになったため、現在の天気予報の発表は、(財)日本気象協会、民間の気象会社、防衛庁、個人で登録した事業所、地方自治体など、様々なところが行っています。

気象予報士の資格は国家資格の一つで1994年に創設されました。気象予報士となるためには、(財)気象業務支援センターが実施する気象予報士試験に合格し、 気象庁長官の登録を受けることが必要です。資格を得ると、気象情報会社などで予報業務に携わることができますが、テレビで予報の解説をする場合は必ずしも必要はありません。

※令和4年8月末日現在、11,273名が登録しています。
これまでに45回の試験を17万5000人以上が受験し、平均合格率は5.6%になっています。ちなみに、初回の試験は1994年8月28日に行われました。2,777人が受験して合格者は500人、合格率は18%でした。
気象予報士の主な仕事は、気象庁から提供される数値予報結果や気象衛星、気象レーダー、アメダスなどからの観測データを総合的に判断し、予想を行うのが仕事気象庁から提供される数値予報データを分析し、総合的に判断しながら天気予報をすることです。この資格は、台風情報や地震情報などの防災という公共的側面を合わせ持つ以外に、商品の売上動向など様々なビジネス活動への経済活動とも深い関わりがあります。



試験方式

●マークシート式試験の「学科試験」と、記述式試験の「実技試験」の2段階で行われます。
【学科試験】
・多肢選択式
 ①予報業務に関する一般知識(試験時間:60分)
 ②予報業務に関する専門知識(試験時間:60分)
【実技試験】
・記述式(試験時間:75分×2)
 ①気象概況の変動の把握
 ②局地的な気象の予想
 ③台風等緊急時における対応

・合格基準
 ・学科試験(一般):15問中11問以上の正答
 ・学科試験(専門):15問中11問以上の正答
 ・実技試験:満点中、70%以上の正答率

受験資格

制限なし。誰でも受験できます。

試験科目

●学科試験  
①予報業務に関する一般知識(大気の構造、大気の熱力学ほか) 
②予報業務に関する専門知識(観測の成果ほか)
●実技試験
 ・気象概況及びその変動の把握 
 ・局地的な気象の予想 
 ・台風等緊急時における対応

【科目免除】
以下に該当する者は、学科試験の一部もしくは全てが免除になります。
①合格発表日から一年以内に行われる学科試験において、合格した科目の試験が免除となります。
②以下該当者は「学科(予報業務に関する一般知識と予報業務に関する専門知識)」が免除される。
・防衛省・気象庁の養成課程を修了し、気象業務に関する業務経験が3年以上の者
・技術士の登録 (応用理学部門に限る)をしたの者で、気象業務に関する業務経験が3年以上の者
・国の行政機関で気象庁長官が定める予報業務に7年以上従事した者
・気象庁の養成課程を修了し、国の行政機関で観測業務に3年以上従事した者
・応用理学部門の技術士資格所有者で、3年以上予報業務に従事した経歴のある者

スケジュール

・試験実施:8月と翌年1月の第4日曜日(年2回)
・受付期間:①11月中旬~12月上旬 ②6月中旬~7月上旬
・合格発表:①3月中旬  ②10月上旬

  令和4年度第2回気象予報士試験日程   
    (通算59回試験)

試験会場

北海道,宮城県,東京都,大阪府,福岡県,沖縄県

受験料

・11,400円
(全科目受験:11,400円、学科1科目免除:10,400円、学科2科目免除:9,400円)

資格難易度

難易度 
  「A」  難関

【資格の難易度レベル】
気象予報士試験の王道の勉強法は多くの人がやっています。まず学科試験の合格を目指し、その後に実技試験の合格を目指して勉強するという手順です。結局2年かかって資格取得を狙う方法です。試験の全体的なレベルは、「高校の物理学レベル」ですが、試験科目が大気力学や熱力学、数値予報など、大学一般教養レベルの数学や物理学の問題が出題されます。従って、この学科試験で8割程度の得点が必要であるところがこの試験の一番の難関になります。
見かけは理系の試験ですが、多くの人が何度目かの挑戦後の合格なので、一発合格を目指すのでないなら、文系の人でも気象のことが好きな人なら突破は十分可能です。また、気象のことが好きな理系の人なら独学でも合格できるレベルです。

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・合格率 
令和4年第1回気象予報士試験(58回)結果
 受験者数 4,173名 合格者数 251名 合格率 6.0%

※参考データ
・令和3年第2回気象予報士試験(57回)結果
 受験者数 3,629名 合格者数 177名 合格率 4.9%
・令和2年第2回気象予報士試験(55回)結果
 受験者数 2,616名 合格者数 146名 合格率 5.6%
・令和元年第2回気象予報士試験(53回)結果
 受験者数 2,969名 合格者数 172名 合格率 5.8%
・平成30年第2回気象予報士試験(51回)結果
 受験者数 2,857名 合格者数 135名 合格率 4.7%
・平成30年第1回気象予報士試験(50回)結果
 受験者数 2,915名 合格者数 158名 合格率 5.4%
・平成29年第2回気象予報士試験(49回)結果
 受験者数 2,788名 合格者数 163名 合格率 5.8%

受験対策・資格の将来性

気象予報士試験は、平成6年度から導入された日本の新しい国家資格の一つで、(財)気象業務支援センターが実施する知識及び技能についての試験です。
学科試験は,予報業務に関する一般知識と予報業務に関する専門知識で5者択一式ですが、法規問題は60分で15問を解答します。また、実技試験では応用力が問われ、文章や図表で解答する記述式で、全体の7割程度の正解は必要です。
試験の内容は、 学歴や年齢などの制限はないものの気象や大気などの専門的な知識が必要になり、扱う範囲も非常に広いため、経験を積んだ成人でもなかなか合格できません。独学で普通に勉強していたのではまず合格できないと思うべきです。初学者や文系の方にとってはハードルが高い印象があるかもしれません。まったくの初心者から勉強をスタートするのであれば、やはり通信講座を受講するのがいいでしょう。通信講座ならしっかりと勉強すれば1年くらいの学習で合格できます。ただ、予測といった内容が含まれる試験なので、理系が有利な難関資格であることは間違いないともいえます。

学科試験の「一般」は気象業務法や地球の自転、雲の発生過程など多岐にわたり、高校の地学や物理、数学の知識なども関わってきます。また「専門」では気象観測のほか、予報の仕組みや精度評価など、予報の現場で使う内容が多く含まれます。
実技試験では、過去の気象現象について資料を基に解答していきます。例えば、九州北部で大雨が降った日の実際のレーダー画面や予測資料を提示され、それをもとに強雨の時間帯や低気圧の位置などを答えるような問題です。
ただ、試験は難関ですが、学科試験に合格して実技試験に不合格、または学科試験の一部のみ合格点を取った者は、その後、一年間はその科目の合格が有効になり、その試験が免除される、という規定があるため、これを利用すると最初の1回目の試験は学科試験を集中的に勉強して、2回目の試験は実務試験を徹底的に勉強するという方法が使えることも頭に置いておくといいでしょう。




気象予報士試験は1995年に天気予報が自由化され、多くの方が受験するようになりました。最近は芸能人の方や著名人も資格を取得するなどで人気が上昇しています。趣味で勉強し取得するのもオススメですが、就労に気象業界を目指すのであれば、応募してくる人の大半は資格取得者ばかりになることが多いので持っていないと厳しくなります。特に、民間気象会社、テレビ局、地方自治体などはそういった傾向です。その他、スーパーなどの商品仕入れ担当などには有効な資格です。また、いつでもどこでも予測し必ず答えが出る「天気予報」はライフワークとしては損の無い資格といえますが、災害から生命や財産を守るという重大な役目も担っている資格であることも忘れてはなりません。

資格取得後の主な就職先は、気象庁長官の許可を受けた予報業務許可事業者です。その事業内容は幅広く、テレビや新聞などの天気予報の作成のほか、レジャー産業への情報提供や、船舶の最適航路予測、建設作業や港湾作業への情報提供などのコンサルタント的な業務が多く、よくテレビで見るお天気キャスターなどとして活躍している人は、あまり多くありません。推定報酬は、所属する事業所、業務規模で変わってきますが、おおよそ650~1200万円です。

通信講座

 
ユーキャンの気象予報士講座

 

気象予報士 通信講座一覧

スクール

-

過去問

気象予報士試験 公式サイト(過去の試験問題欄)

教材

気象予報士試験対策テキスト一覧

【気象予報士 おすすめ教材】
図解・気象学入門 原理からわかる雲・雨・気温・風・天気図
改訂新版 気象予報士かんたん合格テキスト 〈学科専門知識編〉
気象予報士かんたん合格テキスト 〈実技編〉
気象予報士試験精選問題集 2020年版

関連情報ページ

【資格の難易度情報】
資格の難易度とランキング
ジャンル別資格の難易度ランキング

●試験関連情報
この試験に合格するためには数学や物理の基礎的な知識が必要です。合格率は例年4%台という難関資格ですが、2016年8月の第46回試験までに約1万人の合格者が生まれています。

●関連資格
 消費生活アドバイザー 
 知的財産管理技能検定 
 環境プランナー

問い合わせ先

(財)気象業務支援センター  http://www.jmbsc.or.jp/
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-17東ネンビル   TEL03-5281-3664