資格名

気象予報士

資格の種類

国家資格(業務独占資格)

主催者

気象庁

資格試験の概要

「気象予報士」は、気象に関する知識と技能を有し、天気予報の作成や解説を行うことができる国家資格です。1993年5月に気象業務法が改正されて創設された気象予報士制度は気象に関する資料やデータを適切に扱い、防災面も的確に配慮できる人を確保する目的で導入され、予報業務を行う事業者は、現象の予想を気象予報士に行わせることを義務づけられています。
また、気象予報士の業務は主に、天気予報の作成と天気予報の解説の二つになっています。天気予報の作成では、気象庁から提供される数値予報データを分析し、総合的に判断しながら天気予報を作成し、発表します。また、天気予報の解説では、天気予報の内容をわかりやすく説明します。

・気象予報士の資格取得方法
気象予報士の資格を取得するには、気象業務支援センターが実施する気象予報士試験に合格し、気象庁長官の登録を受けることが必要になります。
試験は平成6年度から導入された日本の新しい国家試験の一つで、(財)気象業務支援センターが実施する知識及び技能についての試験です。

気象予報士の就職先は、主に民間気象会社やテレビ局、新聞社、気象庁、自治体などです。民間気象会社では天気予報の作成や解説、気象情報の提供などの業務に、テレビ局や新聞社では天気予報の解説や気象情報の取材・制作などの業務に、気象庁では天気予報の作成や研究、気象防災の業務に従事します。また自治体では、気象情報の提供や気象防災の業務に従事します。
令和4年8月末日現在、11,273名が気象予報士に登録されています。




合格率・資格難易度

●難易度 
  「A」  難関

気象予報士資格の難易度ランキング

【資格の難易度レベル】
気象予報士試験の合格率は、近年は約5%前後の横ばいが続いており、合格率は決して高くありません。そのため、気象予報士試験は非常に難易度が高い試験であると言われています。しかし、気象予報士試験の難易度は、受験者の学力や準備状況によって大きく左右されます。例えば、高校で物理を履修していない文系の受験生であれば、学科試験の合格は非常に難しいでしょう。しかし一方で、高校で物理を履修しており、気象に関する知識や関心がある受験生であれば、独学でも合格できる可能性は十分にあります。

また、気象予報士試験は試験対策に十分な時間をかける受験生ほど合格率が高くなります。例えば、1年間の勉強で合格を目指す場合は、学科試験で7割程度の得点が必要であると言われています。しかし、2年間の勉強で合格を目指す場合は、学科試験で6割程度の得点でも合格できる可能性があります。このように、気象予報士試験の難易度は、受験者の学力や準備状況によって大きく左右される面があります。そのため、気象予報士試験の難易度を過度に恐れることなく、自分の学力や準備状況を踏まえて、合格を目指すための対策を検討することが大切です。

この試験は試験範囲が膨大で、合格に必要な勉強時間は平均800~1,000時間程度とされます。試験の全体的な難易度レベルは「高校の物理学レベル」ですが、試験科目が大気力学や熱力学、数値予報など、大学一般教養レベルの数学や物理学の問題が出題されます。従って、この学科試験で8割程度の得点が必要であるところがこの試験の一番の難関になります。
見かけは理系の試験ですが、多くの人が何度目かの挑戦後の合格なので、一発合格を目指すのでないなら、文系の人でも気象のことが好きな人なら突破は十分可能です。また、気象のことが好きな理系の人なら独学でも合格可能なレベルです。

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●合格率 
・令和4年第1回気象予報士試験(58回)結果
 受験者数 4,173名 合格者数 251名 合格率 6.0%
・令和3年第2回気象予報士試験(57回)結果
 受験者数 3,629名 合格者数 177名 合格率 4.9%
・令和2年第2回気象予報士試験(55回)結果
 受験者数 2,616名 合格者数 146名 合格率 5.6%
・令和元年第2回気象予報士試験(53回)結果
 受験者数 2,969名 合格者数 172名 合格率 5.8%
・平成30年第2回気象予報士試験(51回)結果
 受験者数 2,857名 合格者数 135名 合格率 4.7%
・平成30年第1回気象予報士試験(50回)結果
 受験者数 2,915名 合格者数 158名 合格率 5.4%
・平成29年第2回気象予報士試験(49回)結果
 受験者数 2,788名 合格者数 163名 合格率 5.8%

受験対策・学習法ほか

気象予報士試験の勉強の進め方の基本は、学科試験対策では参考書や問題集を活用して、気象に関する知識を理解し、暗記することです。特に、大気の熱力学や力学では計算問題の出題が多いので、問題集等で数多く計算問題対策をしておきましょう。また、過去問を繰り返し解いて、出題傾向を把握することも大切です。気象予報士試験は、毎年、出題される問題の傾向が大きく変わることはないため、過去問を繰り返し解くことで、合格に必要な知識や解答力を身につけることができます。

実技試験は、記述式で全10問が出題され、合格ラインが全体の7割程度の正解が必要とされています。実技試験対策の基本は、過去問を繰り返し解いて、応用力を身につけることです。実技試験では過去の気象現象について資料を基に解答する問題が出題されますので、過去問を繰り返し解くことで、問題の形式や解答のポイントを理解し、応用力を身につける勉強をします。また、天気図の読み取りの練習も大切です。天気図の読み取りは、実技試験の重要なポイントになります。天気図の読み取りの練習をして、天気図から必要な情報を読み取る力を身につけます。

・独学の場合の注意点
気象予報士試験は、難易度の高い試験ですが、独学でも合格することは可能です。ただ、独学で勉強する場合は下記の事項を厳守することです。
 ①計画的に勉強を進めること(日単位、週単位、月単位)
 ②過去問を繰り返し、繰り返し理解しながら解くこと
 ③わからないことは、その場ですぐに調べること
・通信講座の場合の注意点
 ①自分の学力や目的に合った講座を選ぶこと
 ②講義をしっかりと理解すること
 ③過去問や模擬試験を繰り返し解くこと




この試験は、初学者が普通に独学で勉強していたのではまず合格できないレベルなので全くの初心者から勉強をスタートするのであれば、やはり通信講座を受講するのがいいでしょう通信講座を受けてしっかりと勉強すれば1年くらいの学習で合格できると思います。ただ、この試験は予測といった内容が含まれる試験なので、理系が有利な難関資格であることは間違いないと思います。
試験は難関ですが、学科試験に合格して実技試験に不合格、または学科試験の一部のみ合格点を取った者は、その後、一年間はその科目の合格が有効になり、その試験が免除される、という規定があるため、これを利用すると最初の1回目の試験は学科試験を集中的に勉強して、2回目の試験は実技試験を徹底的に勉強するという方法が使えることも頭に置いておくといいでしょう。

受験資格

制限なし。誰でも受験できます。

試験方式

●マークシート式試験の「学科試験」と、記述式試験の「実技試験」の2段階で行われます。

【学科試験】
・多肢選択式
 ①予報業務に関する一般知識(試験時間:60分)
 ②予報業務に関する専門知識(試験時間:60分)
【実技試験】
・記述式(試験時間:75分×2)
 実技試験1・実技試験2
 ①気象概況の変動の把握
 ②局地的な気象の予想
 ③台風等緊急時における対応

・合格基準
 ・学科試験(一般):15問中11問以上の正答
 ・学科試験(専門):15問中11問以上の正答
 ・実技試験:総得点が満点中70%以上(難易度による調整もあり)

試験科目

●学科試験  
①予報業務に関する一般知識
(大気の構造、大気の熱力学、降水過程、大気における放射、大気の力学、気象現象、気候の変動、気象業務法その他の気象業務に関する法規) 
②予報業務に関する専門知識
(観測の成果、観測の成果の利用、数値予報、短期予報・中期予報、長期予報、局地予報、短時間予報、気象災害、予想の精度の評価、気象の予想の応用)
●実技試験
 ・気象概況及びその変動の把握 
 ・局地的な気象の予想 
 ・台風等緊急時における対応

【科目免除】
以下に該当する者は、学科試験の一部もしくは全てが免除になります。
①合格発表日から一年以内に行われる学科試験において、合格した科目の試験が免除となります。
②以下該当者は「学科(予報業務に関する一般知識と予報業務に関する専門知識)」が免除される。
・防衛省・気象庁の養成課程を修了し、気象業務に関する業務経験が3年以上の者
・技術士の登録 (応用理学部門に限る)をしたの者で、気象業務に関する業務経験が3年以上の者
・国の行政機関で気象庁長官が定める予報業務に7年以上従事した者
・気象庁の養成課程を修了し、国の行政機関で観測業務に3年以上従事した者
・応用理学部門の技術士資格所有者で、3年以上予報業務に従事した経歴のある者
※詳細は試験案内を参照ください。

スケジュール

・試験実施:8月と翌年1月の第4日曜日(年2回)
・受付期間:①11月中旬~12月上旬 ②6月中旬~7月上旬
・合格発表:①3月上旬  ②10月上旬

  
  令和5年度第1回気象予報士試験日程 
  
    (通算60回試験)

試験会場

北海道,宮城県,東京都,大阪府,福岡県,沖縄県

受験料

・11,400円
(全科目受験:11,400円、学科1科目免除:10,400円、学科2科目免除:9,400円)

問い合わせ先

(財)気象業務支援センター  http://www.jmbsc.or.jp/
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-17東ネンビル   TEL03-5281-3664

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