資格名

知的財産管理技能士
(試験名)知的財産管理技能検定

資格の種類

国家技能検定(名称独占資格)

主催者

一般社団法人知的財産教育協会

資格試験の概要

この検定試験は「知的財産検定」として 2004年より実施されてきましが、2008年に技能士に新たに追加され、名称も「知的財産管理技能検定」となり最初の第1回試験が2008年7月に実施されました。「知的財産管理技能士」は、企業・団体等における発明、実用新案、意匠、商標、営業秘密、著作物等の知的財産の創造、管理、保護または活用を適切に行うことを目的とした職種であり、その技能およびこれに関する知識の程度を国が証明する資格が知的財産管理技能士です。 法律上、独占業務が付与される弁理士とは目的が異なります。
「知的財産管理技能検定試験」は、企業・団体(学校・官公庁等)における知的財産(発明、ブランド(商標)、著作権等)の創造・保護(権利化)・活用に関する知識及び実務的な能力に関する国家試験です。試験は1級~3級それぞれについて学科試験と実技試験が実施され、学科試験および実技試験の両方を合格すると「技能士」と称することができます。 

また、この試験は知的財産に関しての役立つ知識が身につくため、就職やキャリアアップにも非常に役立ちます。もとの知的財産検定から移行して、国家資格制度の技能検定として実施されるようになりました。
厚生労働省「技能検定」について

【検定のレベル設定および試験範囲】
●1級
(業務)特許専門 コンテンツ専門 ブランド専門
 知的財産管理の職種における上級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度(知的財産管理に関する業務上の課題の発見と解決を主導することができる技能及びこれに関する専門的な知識の程度)を基準とする。
●2級 
(業務)管理業務
 知的財産管理の職種における中級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度(知的財産管理に関する業務上の課題を発見し、大企業においては知的財産管理の技能及び知識を有する上司の指導の下で、又、中小・ベンチャー企業においては外部専門家等と連携して、その課題を解決でき、一部は自律的に解決できる技能及びこれに関する基本的な知識の程度)を基準とする。
●3級
(業務)管理業務
 知的財産管理の職種における初級の技能者が通常有すべき技能及びこれに関する知識の程度(知的財産管理に関する業務上の課題を発見し、大企業においては知的財産管理の技能及び知識を有する上司の指導の下で、又、中小・ベンチャー企業においては外部専門家等と連携して、その課題を解決することができる技能及びこれに関する初歩的な知識の程度)を基準とする。

◆ 知的財産管理技能検定試験に関する情報検定試験のレベル設定および試験範囲は、経済産業省「知財人材スキル標準」に準拠しています。

・第30回検定(2018年7月実施)から「試験科目及びその範囲並びにその細則」が変更になります。 2017.12.27
対象(1級(特許専門業務)学科試験、実技試験/1級(コンテンツ専門業務)学科試験、実技試験/1級(ブランド専門業務)学科試験、実技試験/2級(特許専門業務)学科試験、実技試験/3級(特許専門業務)学科試験、実技試験)
・2016年4月現在の等級別技能士数は下表の通りです。
1級(特許専門業務)1,626名  1級(コンテンツ専門業務) 241名  1級(ブランド専門業務) 112名
2級(管理業務)26,120名 
3級(管理業務)44,435名
合計 72,534名



合格率・資格難易度

難易度 
  1級  「A」 難関   
  2級  「B」 普通

【資格の難易度レベル】
著作権に関する知識についての理解とビジネスに活用するための能力を測定する試験に「ビジネス著作権検定」がありますが、この試験の上級に合格すると知的財産管理技能士1級、2級の受験資格が与えられます。このことから、知的財産管理技能士1級、2級は、ビジネス著作権検定上級の上位に位置し、難易度も高いと言えます。
試験の内容やそのレベルから考えると、1級は試験内容も難易度が高く合格率も低いため、知的財産関係の仕事で十分な経験があり、活躍している方のキャリアアップのための資格や、弁理士資格取得のためのステップと考えてよいでしょう。従って、一般の受験者は受験資格に合わせて2級もしくは3級からがスタートになります。特に、知的財産関係の仕事に従事されていない人や大学で知的財産関係の単位を取得されていない人は3級から受験することをお勧めします。3級の合格ライン(70%)の突破には50時間以上必要と言われますが、勉強時間60~70時間くらいが見ておく方がいいでしょう。また、3級取得者が2級にチャレンジする場合も40時間前後の勉強が必要です。
3級試験は、過去問を繰り返せば合格できる難易度と言えますが、近年は過去問以外からの出題も増えて、少し難しくなってきているようです。また、2級については、合格基準が80%以上であることに注意が必要です。最近の出題傾向を十分に調べて、それに沿った学習を徹底できれば、初学者でも決して合格できない試験ではありません。

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・合格率 
第41回知的財産管理技能検定(2022年3月)結果 
1級ブ(学10/141)7.1%  1級特(実61/70)87.1% 
2級(学865/1,752)57.8% (実716/2,145)33.4% 
3級(学1,897/2,809)67.5%(実1,972/2,772)71.1%  
(注)合格率=(合格者数/申込者数)×100の計算になっています。
   カッコ内の数値は合格者数です。

※参考データ
・第40回知的財産管理技能検定(2021年11月)結果 
1級特(学56/434)12.9%  1級コ(実42/55)76.4% 
2級(学1,103/1,908)57.8% (実607/1,908)31.8% 
3級(学2,001/2,838)70.5%(実1,736/2,669)66.0%
・第36回知的財産管理技能検定(2020年7月)結果 
1級コ(学12/108)11.1%  1級ブ(実8/96)8.33% 
2級(学655/1,856)35.3% (実590/1,886)31.3% 
3級(学2,103/3,170)66.3%(実2,061/2,980)69.2% 
・第30回知的財産管理技能検定(2018年7月)結果 
1級コ(学18)9.2%  1級ブ(実11)36.7% 
2級(学873)49.2% (実707)47.5% 
3級(学2,060)63.0%(実1,862)61.3%
・第26回知的財産管理技能検定(2017年3月)結果 
1級ブ(学11)7.2%  特(実71)73.2% 
2級(学909)47.8% (実641)32.2% 
3級(学1,942)63.8%(実2,311)71.3% 
・第25回知的財産管理技能検定(2016年11月)結果
1級特(学75)10.7%  コン(実35)87.5% 
2級(学1,204)56.1% (実803)41.8% 
3級(学2,261)68.4% (実1,856)55.3%  



受験対策・学習法ほか

2級の合格率は47%程度。試験問題は4問択一で、法律・出願調査・戦略策定・係争対応などの分野から出題されます。この資格は知的財産権の知識、実務能力を試す民間資格です。これからの時代は、知的財産権が極めて重要な権利となってくることが予想されますので、資格としての価値は高まるでしょう。商品デザインや商標、発明、著作権の法律知識に加え、実務知識を試すのが「知的財産検定」です。2級は「知的財産に関する課題(問題)を発見する力」を、1級は「課題を解決する力」を中心に検定されます。

3級の出題内容に関しては、特許法や著作権法など、知財関係の法律の入門編的な用語の定義などを問う出題が多く、何となく新入社員や担当者レベルの試験のイメージです。それに対して2級は、出願申請が拒絶された場合の対応とか、他から(自社の特許や意匠・商標などの)侵害があった場合の対応など、トラブル対策の問題が増え、2級試験は中間管理職向け試験のイメージです。ただ、2級と3級を比較すると、問題内容や試験の難易度には思ったほど差はないようですが、難しいのは合格基準が3級が70%以上で、2級は80%以上であることです。2級の場合は、この10%の差が難易度をぐっとアップさせている大きな要因になっています。そのため2級受験の場合は、3級よりもさらに正確に細かく覚えないといけない、ということになります。

弁理士試験と異なる点は、法律の知識だけではなく、実務に関する知識も問われる点。なお、一概に比較はできないが、知的財産検定1級の合格率は、弁理士試験の合格率(6%~7%)よりも低い。弁理士試験は論文と口述が要求される一方、知的財産検定はマークシートのみである。知識面に関しては、弁理士試験は外国実務知識や契約概論は対象外であるが、知的財産検定では外国実務と契約概論が問われる点に違いがある。特許申請などをする仕事は、いつも人手不足気味な状態が続いている業界です。そういう意味では、「知的財産管理技能士」は、独立を視野に入れて自分をスキルアップさせていけば、十分に生かせる資格でもあり、将来有望な資格の一つです。
次のステップとして取得すると有効な資格としては、知的財産管理のスペシャリストを目指すなら弁理士。仕事の幅を広げるためならビジネス著作権検定やビジネス実務法務検定などがあります。

「知的財産管理技能検定3級」は入社3年までに必要な資格ランキングの4位にランクインしているため、学生のうちに取っておけば、業種や業界、業務に関係なく、就職に有利になることは間違いありません。さらに、会社に就職したら、知財コミュニケーションの担い手として、信頼される存在となるでしょう

受験資格

1級:知的財産に関する業務について4年以上の実務経験者、または2級に合格した1年以上の実務経験者など。
2級:2年以上の実務経験者、又は3級合格者。ビジネス著作権検定の上級合格者など。
3級:知的財産業務に従事している者、また従事しようとしている者。
    ⇒各等級の詳しい受験資格
(資格免除)
・大学院において関連科目20単位以上を取得して大学院を修了した者は、2級学科試験が免除されます。
・1級合格者は、異なる選択作業区分の学科試験が免除されます。
※資格免除制度の詳細についてはこちらで確認できます。

試験方式

学科試験と実技試験で構成されています。

●1級
 学科試験(筆記試験)
  マークシート方式 3,4肢択一式 出題45問/100分 合格基準満点の80%以上
 実技試験(詳細はこちらで確認ください)
  筆記試験と口頭試問  出題5問/30分 合格基準満点の60%以上
※1級は学科試験に合格後、翌々年度までに実技試験に合格すれば1級技能検定の合格者となれます。
●2級
 学科試験(筆記試験)
  マークシート方式 3,4肢択一式 出題40問/60分 合格基準満点の80%以上
 実技試験(詳細はこちらで確認ください)
  筆記試験(記述式) 出題40問/60分 合格基準満点の80%以上
●3級
 学科試験(筆記試験)
  マークシート方式 3肢択一式 出題30問/45分 合格基準満点の70%以上
 実技試験(詳細はこちらで確認ください)
  筆記試験(記述式) 出題30問/45分 合格基準満点の70%以上
※2級及び3級は学科試験、実技試験の両方に同時に合格すれば資格取得となります。 またはどちらかに合格し、翌々年度までにもう一方の試験に合格すれば、2級及び3級技能検定の合格者となります。 
※併願の可否についてはこちらで確認ください。

合格基準
・1級(特許専門業務・コンテンツ専門業務・ブランド専門業務)
  学科試験:満点の80%以上
  実技試験:満点の60%以上
・2級(管理業務)
  学科試験:満点の80%以上
  実技試験:満点の80%以上
・3級(管理業務)
  学科試験:満点の70%以上
  実技試験:満点の70%以上

試験科目

1級:特許専門業務(戦略、法務他10項目)
2級:管理業務(戦略、法務他11項目)
3級:管理業務(ブランド保護、技術保護他7項目)
    ⇒全等級の試験科目及びその範囲一覧
※注意
第30回検定(2018年7月実施)から「試験科目及びその範囲並びにその細則」が変更になります。 
・主な変更点はこちらを確認ください。

スケジュール

・試験日:年3回(3月・7月・11月)
・申込方法
ホームページで受験申請書を入手し、各試験実施月の2~3ヶ月前までに申込みます。
申込先:知的財産教育協会

2023年第46回 知的財産管理技能検定試験実施日程

試験会場

北海道、宮城、東京、石川、長野、静岡、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、山口、愛媛、福岡、沖縄
※申込み時に、所定の実施地区の中から、受検を希望する地区を選択する。
 特別臨時会場制度による会場もあります。

受験料

●1級
 学科試験:8,900円(非課税)
 実技試験:23,000円(非課税)
●2級
 学科試験:8,200円(非課税)
 実技試験:8,200円(非課税)
●3級
 学科試験:6,100円(非課税)
 実技試験:6,100円(非課税)

問い合わせ先

知的財産教育協会  http://www.kentei-info-ip-edu.org/ 
東京都千代田区一番町23番地3  TEL 03(5275)1233

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教材(過去問集)

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教材(テキスト・参考書)

TAC出版の「知的財産管理技能検定試験対策教材」

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