資格名

社会保険労務士

資格の種類

国家資格(業務独占資格)

主催

全国社会保険労務士会連合会

資格の概要

 「社会保険労務士」は、厚生年金保険、健康保険などの社会保険に関する事務処理や、労務に関するコンサルティングを行う専門資格です。
労務管理のアドバイスや指導、労働・社会保険に関する法令に基づき、書類作成などを行うのが主な社会保険労務士の仕事です。基本業務は行政機関への提出書類の作成、提出手続きの代行業務、事業所の帳簿書類の作成業務で、これは社労士の独占業務になっています。詳しくは下記の業務内容を参照ください。よりよい職場環境をつくるための幅広い知識と優れた能力を備えた企業の有力なパートナーとして、有資格者の場は、今後ますます広がると思われますが、試験合格者の数は年々増えており、飽和状態になりつつあります。
特に、これから年金の仕組みが複雑でわかりにくいものになる中で、社会保険労務士に対する期待は高まることが想像されることもあり、受験者数が急増していることもあり、今後は仕事を獲得することが簡単ではない状況になりつつあります。

※2022年3月末日現在、社会保険労務士は全国で44,203人です。全国に約44,000人いる社会保険労務士ですが、計算では1人あたり約43の企業と1,500人の労働者をサポートしているという、まさに引っ張りだこの状態と言えます。




試験方式

●試験は選択式および択一式の筆記試験。
・試験形式: 5肢択一式(70問)と記述選択式(8問)による筆記試験
・配点:択一式 1問1点 1科目10点満点で合計70点満点
    選択式 1問1点 1科目5点満点で合計40点満点

※合格基準点は、選択式試験及び択一式試験のそれぞれの総得点と、それぞれの科目ごとに定められます。各成績のいづれかが合格基準点に達しない場合は不合格となります。
※この試験は相対的な評価方式に基づき採点されるため、その時々の試験の難度に応じて、合格ラインが変動します。

受験資格

●受験資格や必要書類については細かい詳細がありますので、試験を実施している社会保険労務士試験オフィシャルサイトで確認してください。

主な受験資格は以下の通り。
(1)大学卒業または所定の一般教育科目の単位取得者、および短大・高専卒業者
(2)司法試験第1次試験合格者
(3)社会保険労務士または弁護士の補助業務5年以上
(4)行政書士試験合格者
(5)公務員で行政事務5年以上
※上記以外の制限、要件もあるため、必ず下記の詳細受験案内を参照下さい。
受験資格の詳細(10~13ページを参照)  
学歴における受験資格のうち「専門学校」の場合
※平成22年度試験より、厚生労働大臣が受験資格を認める学校・他の国家資格が拡大しました。そのため、司法書士や看護学校卒業者等にも受験資格があります。

試験科目

社会保険労務士試験は、社会保険労務士となるのに必要な知識及び能力を有するかどうかを判定することを目的とし、次に掲げる8科目について行われます。 
(1)労働基準法及び労働安全衛生法
(2)労働者災害補償保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む)
(3)雇用保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む)
(4)労務管理その他の労働に関する一般常識
(5)社会保険に関する一般常識
(6)健康保険法
(7)厚生年金保険法
(8)国民年金法
※労働保険徴収法は出題されません。

スケジュール

●試験詳細は4月中旬頃に公式HPにて発表があります。
・試験日:例年1回(8月第4日曜日)
・申込方法:必要書類を郵送(簡易書留)、又は試験センター窓口に持参する
・申込期間:4月中旬~5月下旬

   令和5年度(第55回)社会保険労務士試験案内                 

試験会場

全国主要都市(令和3年度)
北海道、宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、石川県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、香川県、福岡県、沖縄県
※試験会場はこちら を参照ください。

受験料

・15,000円(払込手数料は、払込人(受験申込者)の負担になります)

資格難易度

難易度 
  「A 」  難関   

【資格の難易度レベル】
社労士の試験の難易度は非常に高く、合格率は平均して6%と非常に低いです。2020年度の合格率は6.4%でした。決してやさしい試験ではなく、かなりの勉強量が必要で集中力、記憶力が必要条件になります。選択式試験は科目ごとに40~60%以上、択一式試験は科目ごとで40%以上、かつ全体で60~70%以上の正解率で合格できますが、 試験範囲が広く科目も多いため出題の予想や傾向がつかみにくく、独学での合格はなかなか難しい試験と言えます。特にこれから学習を始める方には、モチベーション維持のためにも通学講座がお薦めです。社労士試験の各科目においては毎年多くの法改正があり、この法改正情報を把握するのは独学では時間的にも厳しいため、その意味でも通学講座を受講することがベストでしょう。
スクールを活用する場合の学習期間は6ヵ月~1年。必要な学習時間の目安は、800~1000時間程度が必要です。
また、受験資格が大卒以外の方は行政書士資格を先に取得する方が資格取得には近道になります。試験は合格基準点以上取れば、順位に関係なく誰でも合格できますが、実務経験があると試験は有利になります。出題を見ると、択一式試験では個数問題や事例問題などが毎年増え、白書や統計からの出題など、今までになかったパターンで出題されています。また、選択式試験では判例からの出題や、問題文の長文化などの傾向と合わせて、読解力が問われる試験になってきているようです。

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合格率 
令和3年度第53回社会保険労務士試験結果 
合格率 7.9%
(申込者数50,433名 受験者数37,306名 合格者数2,937名)   
・令和2年度第52回社会保険労務士試験結果 
合格率 6.4%
(申込者数49,250名 受験者数34,845名 合格者数2,237名)
・令和元年度第51回社会保険労務士試験結果 
合格率 6.6%
(申込者数49,570名 受験者数38,428名 合格者数2,525名)
・平成30年度第50回社会保険労務士試験結果 
合格率 6.3%
(申込者数49,582名 受験者数38,427名 合格者数2,413名)
・平成29年度第49回社会保険労務士試験結果     
 合格率 6.8%
(申込者数49,902名 受験者数38,685名 合格者数2,613名) 
・平成28年度第48回社会保険労務士試験結果 
 合格率  4.4%
(申込者数51,953名 受験者数39,972名 合格者数1,770名)   

受験対策・資格の将来性

社労士試験の受験対策として一番重要なのは過去問の攻略です。試験形式が全問マークシート方式となっているので、論述や論文形式のよう な体系的な知識はさほど重要にはなりません。問題は「どのような問題がでるか」ということに慣れ、その解答を導き出す練習が必要になります。そして、弱点分野を作らないバランスのとれた学習法が合格の決め手となります。不得意な科目を極力つくらないことが大切です。社労士の勉強は資格試験の中でも特に「つまらない」と言われます。実際、独学の場合は特にそうかも知れません。その理由は、とにかく1に暗記、2に暗記、3がなくって4に暗記という感じで、「暗記」の出来不出来が勝敗を分ける試験と言えるからです。 
平均11冊ほどになる膨大な量のテキストを丸暗記しなければなりません。1回目を通してていねいにやったつもりでも、最初に戻るとほとんど忘れてしまっているという情けない状態を知りながらも果てしなくその作業を繰り返さねばならない苦行の連続です。スクールに通う場合には、独学よりはイメージがしやすくなるという利点がありますが、やることは同じです。社労士の試験対策では、「学力」=「記憶力」のように思えます。

「どうしても独学で」という方には、TAC出版の「みんなが欲しかった! 社労士の教科書 2023年度」と、「みんなが欲しかった! 社労士の年度別過去問題集5年分 2022年度を教材にお勧めします。イラストや図解などを多く取り入れて解説しているので、とってもわかりやすいと評判の1冊です。初めて勉強する方でも理解ができるように構成されているので、社労士の試験に初挑戦する人にもおすすめのテキストです。何度も熟読して内容を理解していくことが大切です。過去問を勉強するときは、本番と同じ試験時間を意識して解くようにしましょう。本番でも時間内に全問解けるスピードを身につけるために、タイマーをセットして何度も繰り返し挑戦することが大切です。全般的な学習手順としては、最初は全体、大まかな社労士制度の仕組みをよく理解した上で、少しづつ細かいところを押さえていく方法がいいと思います。どの試験でもそうですが、この試験も「苦手科目」を作らないように心がけることです。




ファイナンシャルプランナー資格を併せて取得し、個人向けに資産運用や年金など、様々なライフプランの提案などができれば活躍の場が広がります。一般的には、会社に入社後、総務部関係に所属し必要に迫られて取得したり、スキルアップのために取得というケースが多いようですが、社会保険労務士資格を持っておくと転職、就職に有利に働くことは間違いないでしょう。

通信講座

2022年オリコン顧客満足度調査結果(社会保険労務士 通信講座総合ランキング)
1位:【資格の大原】社会保険労務士を目指すなら
2位:資格の学校TAC<社会保険労務士>各種コース開講
3位:東京リーガルマインド LECの社会保険労務士講座
4位:ユーキャンの社会保険労務士講座
5位:社労士講座はフォーサイト


社会保険労務士(社労士)通信講座一覧

スクール

資格の大原 人気の社労士通学講座
(効率的な教材で合格実績を積み上げている通学講座)

過去問

社会保険労務士 過去問集一覧

 

教材

【おすすめ社労士教材】
TAC出版の「社会保険労務士受験対策教材」
「資格の大原」の社会保険労務士試験対策教材
LECの社会保険労務士試験対策教材

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新聞記事から学ぶ労働の法律 
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●関連資格
 行政書士
 中小企業診断士
 メンタルヘルス・マネジメント検定
 キャリアコンサルタント

問い合わせ先

全国社会保険労務士会連合会試験センター  http://www.sharosi-siken.or.jp/
TEL 0120-17-486  03(6225)4880
東京都中央区日本橋本石町3-2-12 社会保険労務士会館5F