資格名

行政書士

資格の種類

国家資格(業務独占)

主催者

総務省・行政書士試験研究センター

資格試験の概要

行政書士は、官公署に提出する書類の作成や代理を行う国家資格です。
行政書士の業務は、主に書類作成代行ですが書類作成に関する相談や、行政法に関する業務も行います。
行政書士法に規定されている行政書士の業務の具体的な内容は主に以下の3つです。
 1.許認可申請書などの作成・代理
 2.契約書などの作成・代理
 3.遺言書や離婚協議書などの相談

平成20年1月9日に「行政書士法の一部を改正する法律」が成立し、行政書士の業務も拡大しました。今までの、許認可申請業務や契約書作成業務以外に、未開拓の分野も多数あるため、その数は数千~数万種類あると言われており、多方面での活躍が期待されています。
行政書士法の改正により職域が拡大したため、近年の人気資格となり受験者数が著しく増加しています。多くの資格試験には受験するための受験資格に制限がありますが、その中で、誰でも受験できるということは行政書士試験の大きな魅力の一つになっています。

◆行政書士は許認可申請の専門家ですが、平成26年12月行政書士法改正により「特定行政書士」が誕生しました。 ⇒「特定行政書士」




合格率・資格難易度

●難易度 
  「A」  難関 

行政書士の資格難易度ランキング

【資格の難易度レベル】
行政書士試験は合格率が例年10%前後と低く、難易度の高い試験です。合格率が低い理由としては、次の3つが挙げられます。
  1.試験範囲が広い
  2.出題形式が多様
  3.科目合格制度がない
行政書士試験の試験範囲は広く、受験科目は全部で12科目あります。いずれも法律の専門知識を必要とするものであり、幅広い知識を身につける必要があります。
また、試験の出題形式は5肢択一式がメインですが、多岐選択式や記述式問題もあり、それぞれの出題形式に合わせた学習をしなければなりません。さらに、行政書士試験には科目合格制度がないため、毎年一発勝負で合格しなければならない難しさがあります。
試験の難易度は高いですが、しっかりとした学習と対策をすれば合格は可能ですので、合格を目指す方は下記の件に注意を怠らないようにすることが大切です。
 ・早めに対策を始めること
 ・自分に合った学習方法を選ぶこと
 ・モチベーションを維持すること
早めに対策を始めることで、余裕を持って学習を進めることができます。また、自分に合った学習方法を選ぶことで、効率よく学習を進めることができます。さらに、モチベーションを維持することで、継続して学習することができます。

試験はここ数年の間に急速に難しくなりました、そのため甘い考えでは合格できません。しっかりと、腰をすえて学習しなければなりません。独学での合格者もいますが、難易度が高く合格率も低いこともあって資格スクールを利用する人が多い試験です。必要な学習時間の目安は700時間前後(500~1,000時間)です。少し知識がある人なら、毎日3時間勉強すれば4~5ヵ月程度です。
初学者でチャレンジされる方は、まずは過去問に触れてみて、本試験のレベルを知ることからはじめるのがいいでしょう。試験内容は非常に専門的なのに加えて、幅広い知識が求められるので、膨大な時間をかけて試験対策しなければならないことを知りましょう。

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●合格率
 
令和4年度行政書士試験結果  合格率12.1% 
受験者数47,850名 合格者数5,802名
・令和3年度行政書士試験結果  合格率11.2% 
申込者数 61,869名 受験者数47,870名 合格者数5,353名
合格者平均得点 198点(前年度 195点)
・令和2年度行政書士試験結果  合格率10.7% 
申込者数 54,847名 受験者数41,681名 合格者数4,470名
合格者平均得点 195点(前年度 196点)
・令和元年度行政書士試験結果  合格率11.5% 
申込者数 52,386名 受験者数39,821名 合格者数4,571名
・平成30年度行政書士試験結果  合格率12.7% 
申込者数 50,926名 受験者数30,105名 合格者数4,968名
・平成29年度行政書士試験結果  合格率15.7%
申込者数 52,214名 受験者数40,449名 合格者数6,360名
・平成28年度行政書士試験結果  合格率9.95%
申込者数 53,456名 受験者数41,053名 合格者数4,084名

受験対策・学習法ほか

行政書士は以前は国家資格としては比較的取得しやすい(合格しやすい)ものとして、法律や、行政、コンサルタント系では登竜門のような位置づけになっていました。しかし、最近は試験の難易度が一転、難化傾向を示しています。
そのため、以下の3項目が受験対策の基本になります。
 1.基礎知識をしっかりと身につける
 2.過去問を解いて傾向を把握する
 3.実践的な演習を積む
まず、基礎知識をしっかりと身につけることで、試験問題を理解しやすくなります。次に過去問を解いて傾向を把握することで、試験によく出る問題や、出題形式を把握することができます。そして実践的な演習を積むことで、本番の試験で実力を発揮できるようになります。

行政書士の試験対策は、通学講座と通信講座、そして独学で勉強する人が3通りに分かれている典型的な試験例だと言われていますが、それぞれのメリット・デメリットがありますので、よく確認の上、自分に合った方法が継続できるやり方を選ぶことが大切です。ただ、どの勉強方法を選択しようとも、勉強の進め方は行政法と民法を中心に勉強する必要があります。さらに記述式問題の練習を数多くこなしておくことです。試験範囲が広く出題形式が多様で対策が困難なことがこの試験の特徴で、出題は5肢択一式の問題がメインですが、多岐選択式や記述式問題もあり、それぞれの出題形式に合わせた学習をしなければなりません。また科目合格制度がないため、毎年一発勝負で合格しなければならない難しさもあります。




◆勉強方法(通学、通信、独学)とメリットとデメリット
・通学講座
 メリット:専任講師による直接指導を受けられる。モチベーションを維持しやすい
 デメリット:時間と費用がかかる
・通信講座
 メリット:自分のペースで勉強できる、費用が通学講座より安い
 デメリット:モチベーションの維持が難しい
・独学
 メリット:費用が安い
 デメリット:モチベーションの維持が難しい、独自の学習計画を立てる必要がある

結局、通学講座や通信講座の場合は、合格のためのノウハウが詰まった勉強法であるため、特に予習する必要はなく、しっかりと十分復習することで力はつきますが、教材代が高く、期間1年くらいの講座で受講料が20万円くらいは必要になります。独学の場合は自分のペースで勉強ができますが「ポイント」をつかんだ勉強ができません。
しかし、それでも「独学で」という人は、試験が初めてに近い人の場合は、できるだけ試験合格だけに特化した教材を購入して勉強することが独学で突破する近道だと思います。市販の参考図書を使って独学で受かるほど甘い世界ではありません。
全く初めての試験チャレンジャーが独学で、の場合は、おそらく数年の勉強は覚悟しなければならないでしょう。

行政書士試験に合格した人には、次ににつなげる意味でも、ここで休まずにもう一息チャレンジしてほしい資格試験があります。
行政書士試験に合格した人が開業を考える場合には、必須の「簿記」の習得です。できれば2級が欲しいところです。
また、行政書士とのダブルライセンスを狙いたい人には、難関試験ばかりですが、司法書士や社会保険労務士、又は海事代理士、土地家屋調査士、宅建などが相性もよく、役立ちます。

受験資格

受験資格に制限はありません。誰でも受験できます。
※弁護士、弁理士、公認会計士、税理士の資格がある人は登録のみで行政書士になれます。
また、国または地方公共団体の公務員として通算20年以上(高卒以上の場合は17年以上)行政事務に従事した人は無試験で資格が得られます。

試験方式

●「行政書士の業務に関し必要な法令等」
 出題数 :46問
 試験方式 :択一式と記述式(法令科目のみ)の組み合わせ
※記述式は、40字程度で記述するものが出題されます。
※法令は試験実施年の4月1日現在施行されている法令に準拠して出題されます。
●「行政書士の業務に関連する一般知識等」
 出題数 :14問
 試験方式 :択一式

●合格基準:下記の要件を全て満たした者が合格となります。 
・行政書士の業務に関し必要な法令等科目の得点が、満点の50%以上である者。
・行政書士の業務に関連する一般知識等科目の得点が、満点の40%以上である者。
・試験全体の得点が、満点の60%以上である者。
※合格基準については、問題の難易度を評価し、補正的措置が加えられることもあります。合格基準点は行政書士試験研究センターのホームページで公表されます。

試験科目

試験科目は2つです。
●「行政書士の業務に関し必要な法令等」
(1)憲法
(2)行政法(行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法及び地方自治法が中心)
(3)民法
(4)商法
(5)基礎法学
●「行政書士の業務に関連する一般知識等」
(1)政治・経済・社会
(2)情報通信・個人情報保護、文章理解
他に、行政書士法、戸籍法、住民基本台帳法、労働法、税法等も一般知識として出題されうる、としています。
※身体機能に著しい障害がある人は、障害の状態により必要な措置(点字試験など)がとれる特例があります。

スケジュール

・試験日:毎年11月第2日曜日
・申込み期間:7月第2週に公示されます。。
・申込方法:郵送(簡易書留)又はインターネット
※インターネットによる申込みは顔写真の画像データと受験料支払いのための、本人名義のクレジットカードが必要。
※試験結果発表は、例年1月に行なわれます。合格者の受験番号を当センター事務所の掲示板に公示(掲示)されます。公示後、受験者には全員に合否通知書が郵送されます。合格者には2月末日までに合格証が発送されます。

 令和5年度行政書士試験日程                       

試験会場

全国47都道府県   
会場一覧

受験料

・10,400円

問い合わせ先

行政書士試験研究センター http://gyosei-shiken.or.jp/
〒102-0082 東京都千代田区一番町25全国町村議員会館3F
TEL 03(3263)7000 (試験専用紹介ダイヤル)

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

通信講座・eラーニング

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通学スクール・講座

資格スクール大栄の「行政書士講座(自宅受講に対応)」


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教材(過去問集)

・「行政書士試験研究センター」公式ページに過去6年分が掲載されています。
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教材(テキスト・参考書)

TAC出版の「行政書士試験対策教材」
LECの行政書士試験対策教材

【独学におすすめの教材】
伊藤塾 うかる! 行政書士 総合テキスト 2023年度版
伊藤塾 うかる!行政書士総合問題集 2023年度版
 

 

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