資格名

宅地建物取引士(略称:宅建士、宅建主任者)

資格の種類

国家資格 (必置資格)( 業務独占資格)(名称独占資格)

主催者

財団法人不動産適正取引推進機構

資格の概要

【資格の概要】
◆どんな資格?
「宅地建物取引士(宅建士)」は、宅地や建物の売買・交換・貸借などの不動産取引に関する法律や知識を有し、公正な不動産取引を担う国家資格です。宅地建物の取引において、売主・買主・貸主・借主などの双方が安心して取引できるよう、重要事項の説明や契約書の作成など、公正な取引を担うことを目的として創設されました。
◆資格を取得するためには。
宅建士試験に合格すれば「宅地建物取引士」の資格は取得できますが、取引主任者(宅地建物取引士)としての業務(事務)を行うことはできません。宅建士試験の合格者が宅建取引主任者として登録されるには、本来は2年以上の実務経験が必要となります。但し、「登録実務講習」を修了すれば、この2年以上の実務経験を有するものと認められ、実務経験なしに主任者登録が可能となります。この登録実務講習は、通信学習と2日間のスクーリング、そしてその最終日に行われる修了試験で構成されています。
◆資格の有効期限
宅建士資格は、資格としての有効期限はありませんが、業務を行う上での取引主任者証の有効期限は5年間です。
5年ごとに法定講習(都道府県知事の指定した講習で、有効期限の満了の日の前6か月以内に行われるもの)及び取引主任者証の更新が必要です。
◆資格の活用法
宅建士は不動産取引に関する以下の3つの業務が「独占業務」に定められています。
 1.物件に関する重要事項の説明
 2.重要事項説明書への記名・押印
 3.契約書への記名・押印
また不動産事務所を開設・営業する場合、従業員5人に対して1人以上はこの資格を持っていないと営業できないことが法で定められています。
◆どんな仕事に役立てられますか。
宅建士資格は、不動産業界で活躍するための第一歩となる資格です。従って、不動産業界への就職・転職や、不動産に関する知識やスキルを身につけたい方におすすめですが、資格を活かせられる仕事先には、不動産以外に金融業界や建設業界などがあげられます。
◆取得することで得られるメリットは。
宅建士資格を取得することで、得られるメリットには、
 ・不動産会社への就職・転職に有利
 ・不動産業界での給与や待遇がアップする可能性がある
 ・不動産に関する知識やスキルが身につく
などがあります。




試験の合格率・難易度

【合格率】
◆合格ラインはどれくらい?
マークシート方式の出題50問中、31~38問程度を正解する必要がありますので、合格ラインは毎年変動しますが、50点満点中おおよそ35点前後で推移しています。試験の合格ラインはおよそ正解率7割以上です。
令和5年度試験では36点でした。
登録講習修了者は45問中31問以上が合格基準になります。
◆合格率の推移
 令和5年度宅建士試験結果
  合格率17.2%(受験者数 233,276名  合格者数 40,025名)
    登録講習修了者 合格率24.1%
 令和4年度試験結果
   (10月試験)
  合格率17.0%(受験者数 226,048名  合格者数 38,525名)
  合格基準:50問中36問以上の正解率
 令和3年度試験結果 (10月と12月の合計)申込者数241,502名
   (10月試験)
  合格率17.9%(受験者数 209,749名  合格者数 37,579名)
  合格基準:50問中34問以上の正解率
   (12月試験)
  合格率15.6%(受験者数 24,965名  合格者数 3,892名)
    合格基準:50問中34問以上の正解率 
  (10月+12月試験)合計
  合格率17.7%(受験者数 234,714名  合格者数 41,471名)
 令和2年度試験結果 (10月と12月実施分の合計)
    申込者数259,284名
  合格率16.8%(受験者数 204,247名  合格者数 34,337名)
  合格基準 50問中36問以上の正解率
 令和元年度試験結果   申込者数265,444名
   合格率17.0%(受験者数 220,797名  合格者数 37,481名)
 平成30年度試験結果   申込者数265,444名
   合格率15.6%(受験者数 213,993名  合格者数 33,360名)
 平成29年度試験結果  申込者数258,511名
   合格率15.6%( 受験者数 209,354名  合格者数 32,644名)
 平成28年度試験結果  申込者数245,742名
   合格率 15.4%( 受験者数198,463名 合格者数30,589名) 

【難易度】
◆難易度レベルは?
  B-上   「普通」の最上位  
  宅建士試験の難易度ランキング
・過去10年間の合格率は13.1~17.9%なので、一般的には難易度のやや高い資格と言えます。
◆試験はどこが難しいか。
宅建士試験に合格するためには、200~300時間程度の学習が必要です。基礎知識のある人であれば、3~4ヵ月程度で合格を目指すことが可能です。基礎知識がない人の場合は、最低6ヵ月程度の学習は必要でしょう。

宅建士は難易度の高い資格ですが、独学でも予備校に通ってでも、どちらでも合格を目指すことが可能なので、自分の学習レベルや時間、費用を考慮して、最適な学習方法を選択する必要があります。ただ、勉強する時間のない人や効率的に勉強をしたい方にはやはり予備校がお奨めです。特に初学者の場合は、試験に出ないところまで学習してしまうなど、勉強が非効率的になるきらいがありますので資格予備校の宅建講座の受講がほぼ必須と思ったほうがいいでしょう。一つはここの判断が難しいところです。
試験に関しては、いろいろな要素で合格率は変動します。受験者の学習レベルが低ければ合格率は低くなります。また、試験の出題傾向や試験問題の難易度レベルによっても合格率は変動しますので、合格率と出題傾向を照らし合わせながら過去問を十分こなしておくことが大切です。
◆他の試験との難易度比較
マンション管理士土地家屋調査士よりは低いが、管理業務主任者賃貸不動産管理士よりは高い。

試験の内容・勉強法

【試験の内容】
◆試験ではどんな問題が出題されますか。
建士試験の出題には、傾向があります。出題科目の傾向は「宅地建物取引関係法規」、「法令上の制限」、「宅地建物取引業法」の3つが主で、全50問のうち40問前後が出題されます。範囲は、不動産取引に関する法律や知識が中心になっています。出題形式は、マークシート方式で、4択問題がほとんどです。
◆合格のために習得が必要な知識とは。
①不動産取引に関する法律 ②宅地建物取引業法 ③民法 ④宅地建物取引の専門用語 ⑤問題を解くための解法力などが重要です。この中でも「民法」はとにかく覚えなければならない暗記問題です。暗記問題の基本は「できるだけ試験直前に覚える」ことと「短期集中」が鉄則になります。

【勉強方法】
◆効率的な勉強方法とは。
①出題傾向や試験問題の難易度を把握する ②必要な知識をしっかりと身につける ③過去問を繰り返し解いておく ④暗記科目が多いので短期集中で勉強すること  
①~④を勉強の柱に据えてスケジュール表を作成し、細かく内容の肉付けをして短期集中型の「学習計画」を作る。進捗がチェックできるような学習計画表にしておき、期間ごとの目標達成を目指して学習する。
◆独学での突破は?
独学で宅建士試験に合格することは可能ですが、かなりの時間と労力がかかるだけでなく、試験の出題傾向や試験問題の難易度を把握するのが難しいというデメリットがあります。
「どうしても独学で、」という場合には以下に注意しながら勉強を進めることが大事です。
 ①自分で手に取ってみて、信頼のおける参考書と問題集を教材に選ぶ 
 ②過去問を繰り返し解いて出題傾向を把握する 
 ③定期的に学習計画を立てて、計画的に勉強する
◆通信講座やスクールの必要性は。
通信講座やスクールを利用すれば、プロの講師からわかりやすい解説を受けることができます。また、過去問や模擬試験も充実しており、効率的に学習を進めることができます。
勉強する時間のない人や、資格試験の初学者の方が効率的に勉強をするには、スクールや通信講座の宅建講座を受講することがベストであることは間違いありませんが、時間をかければ独学でも手が届く資格試験なので、受験される方がそこは判断するしかないと思います。



試験日程

【試験の実施計画】
●願書配布:7月上旬から7月下旬(各都道府県の試験協力機関等で無料配布)
●願書受付:7月上旬から7月下旬(郵送)
       7月上旬から7月中旬(インターネット)
●本試験: 10月第3日曜日 午後1時~3時 
●合格発表:12月上旬

【次回の試験日程・申込期限】
令和6年度宅地建物取引士試験日程
(予定)
試験日時:令和6年10月20日(日)13時~15時(予定)
申込期間:令和6年7月1日(月)~6日(火)まで(予定)
※日時の正式発表は、6月7日官報にて。

受験資格

年齢・性別・学歴等の制限はありません。
※受験資格は不問ですが、登録の際は条件があります。
以下のいずれかに該当する方は、宅地建物取引士の登録が出来ません。
1.成年被後見人、被保佐人
2.破産者で復権を得ない者
3.宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者
4.禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年経っていない者
5.その他

試験会場

原則として居住している都道府県の指定された試験会場(受付時に指定) 
  全国の約200会場

受験費用

受験料:8,200円(非課税)

合格後手続き
・登録手数料:37,000円(受験した都道府県で登録)
 本籍地の市町村発行の「身分証明書」と法務局で取得する「登記されていないことの証明書」
・登録実務講習:おおむね20,000円(宅建業の実務経験が2年未満の方)
 登録実務講習を修了すれば資格登録が可能になります。
・宅地建物取引士証の交付申請手数料:4,500円

試験方式

・試験方式:四肢択一式・マークシート方式
・出題数/試験時間:50問/2時間。但し、登録講習修了者は45問。
※登録講習修了者
 四肢択一式問題45問/1時間50分 試験科目の1.と5.が免除されます。
・合格基準:
年度により異なりますが、おおよそ50問中32問~37問以上正解した者
(登録講習修了者はおおよそ45問中26問~32問以上正解した者)
※実施回により多少の変動がありますが、受験者全体の15~17%程度を合格とする相対評価で決定していると考えられます。

登録講習
登録講習を受講するには宅地建物取引業に従事している方で、講習受講修了日まで有効な従業者証明書(勤務先発行)が必要です。受講の申込み時に従業者証明書のコピー又は証明書の提示が必要になります。
登録講習の登録講習機関一覧はこちら

試験科目

宅地建物取引業に関する実用的な知識を有するかどうかを判定することに基準が置かれています。
 1.土地の形質、地積、地目及び種別並びに建物の形質、構造及び種別に関すること。
 2.土地及び建物についての権利及び権利の変動に関する法令に関すること。
 3.土地及び建物についての法令上の制限に関すること。
 4.宅地及び建物についての税に関する法令に関すること。
 5.宅地及び建物の需給に関する法令及び実務に関すること。
 6.宅地及び建物の価格の評定に関すること。
 7.宅地建物取引業法及び同法の関係法令に関すること。

出題について
・試験問題は、大きく次の4項目より構成されています。
 1.権利関係  2.法令上の制限  3.宅地建物取引業法  4.その他法令
・出題法令の傾向(科目と出題法令)
 1.権利関係
  民法:11問/借地借家法:2問/区分所有法:1問/不動産登記法:1問
 2.法冷上の制限
  都市計画法:3問/建築基準法:3問/国土利用計画法:1問/農地法:1問
  土地区画整理法:1問/宅地造成等規則法:1問
 3.宅地建物取引業法
  宅地建物取引業法:16問
 4.その他法令
  税法/不当景品類及び不当表示防止法/住宅金融支援機構法/地価公示法 など

試験関連情報

・宅地建物取引士資格登録者で「公認 不動産コンサルティングマスター」 「ビル経営管理士」 「不動産証券化協会認定マスター」のいずれかに認定された者は、下記(1)~(3)の資格を有することになります。
(1)「不動産特定共同事業法」における「業務管理者」となる資格。
(2)「不動産投資顧問業登録規程」における「登録申請者」及び「重要な使用人」の知識についての審査基準を満たす資格。
(3)「金融商品取引法」における「不動産関連特定投資運用業」を行う場合の人的要件を満たす資格。
上記の3つの資格は、不動産特定共同事業法施行規則に基いて国土交通大臣に登録して実施する「登録証明事業」として運営されています。

・関連資格
 司法書士
 行政書士
 マンション管理士
 不動産鑑定士

問い合わせ先

(財)不動産適性取引推進機構  http://www.retio.or.jp/
 〒105-0001 東京都港区虎ノ門3-8-21 第33森ビル3F   
  TEL03(3435)8181
※都道府県ごとの問い合わせ先
    http://www.retio.or.jp/exam/summary01.html

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教材(テキスト・参考書)

宅建試験テキスト一覧

宅建試験参考書一覧

【宅建士資格試験 おすすめ教材】
TAC出版の宅地建物取引士試験対策教材
宅地建物取引士資格教材の売れ筋ランキング

教材(過去問・問題集)

●過去問
直近3か年の宅建試験問題及び正解番号表
宅建士過去問集一覧

●問題集
宅建問題集一覧

講座・スクール

宅建士通信講座一覧

(参考)
2023年オリコン顧客満足度調査結果(宅建士 通信講座総合ランキング)
1位:宅建講座【資格の大原】
2位:東京リーガルマインドLECの宅建士講座
3位:資格の学校TAC<宅建>各種コース
4位:スタディングの宅建士講座
5位:フォーサイトの宅建通信講座