資格名 | 司法書士 |
資格の種類 | 国家資格(業務独占資格) (名称独占資格) |
主催 | 法務省 |
資格の概要 | 司法書士の業務については、司法書士法第3条で詳しく規定されていますが、不動産の所有権移転登記、法人登記とその変更業務や訴訟代理業務などです。法改正により法務大臣の認定を受けた司法書士は簡易裁判所に限り、弁護士と同様、訴訟代理業務を行うことができるようになりました。
司法書士試験に合格した後、日本司法書士連合会に登録しなければ司法書士にはなれません。そして登録後、事務所を置く管轄内の司法書士会に所属します。司法書士会に登録申請書を提出し、それから調査を受けて問題がなければ登録されます。登録が拒否されることもあります。登録料としては25,000円の手数料が必要です。このほか、毎月の会費を納めなければなりませんが、会費は各都道府県によって額は異なります。
◇司法書士1年目にかかる費用
・登録免許税 30,000円 ・登録手数料 25,000円 ・入会費 30,000円
・月会費 15,000~25,000円×12ヶ月 ・職印 10,000円程度 ・司法書士のバッジ代(貸与代として) 6,500円
※2022年10月1日現在の司法書士会会員数は23,003名。司法書士法人1,042法人となっています。
◆ 司法書士試験関連ニュース
・2020年度以降に実施する司法書士試験(筆記試験)の会場について
2020年度以降に実施する司法書士試験の筆記試験については,以下の15か所の法務局又は地方法務局の管轄区域内の会場において実施する予定になっています。尚、口述試験については,これまでと同様です。(東京,横浜,さいたま,千葉,静岡,大阪,京都,神戸,名古屋,広島,福岡,那覇,仙台,札幌,高松)
・「任意売却取扱主任者」という資格が創設されました。
この資格の受験資格は、弁護士、税理士、司法書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者の有資格者となっています。⇒任意売却取扱主任者
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試験方式 | 試験は「筆記試験」と「口述試験」で構成されています。筆記試験の合格者のみ口述試験が受けられます。なお、口述試験が不合格の場合、次年度に限り筆記試験が免除されます。
【筆記試験(1次試験と2次試験)】
●試験方式:多肢択一式+記述式
●解答方式:択一式(マークシート)11科目、うち2科目は記述式
・筆記試験1次試験(午前の部):多肢択一式35問/2時間
・筆記試験2次試験(午後の部):多肢択一式35問、記述式2問、計37問/3時間
(1)1次択一式35問
(2)2次択一式35問 (3)2次記述式2問(不動産登記法と商業登記法1問ずつ)
※(1)(2)(3)のそれぞれに足切りラインが存在します。どれかひとつでも届かない時点で不合格となります。
※主要4科目の民法、不動産登記法、商法、商業登記法が出題数の大半を占めます。
【口述試験(2次試験)】
・筆記試験合格者のみを対象に、日を改めて実施されます。
・受験者1人対試験官2人で下記科目の知識について口述で回答が求められます。
・時間数:15~20分程度
(科目)
・不動産登記法、
・商業(法人)登記法、
・司法書士法、
・司法書士の業務を行うのに必要な一般常識
◆合格基準
・筆記試験
1問3点の択一式の
午前の部 択一式満点105点、
午後の部 択一式満点105点、
午後の部の記述式 満点70点
公示された合格基準点と総合点の合格基準点の全てを満たしている事、そしてその中から「相対評価」のため、あらかじめ決められた合格人数があり、上位成績順で決められます。
・口述試験
筆記試験と同じ試験範囲で15分程度の口頭試問が行われます。
口述試験に限れば例年はほとんどの人が合格します。
◆科目免除
筆記試験に合格していると、次の筆記試験免除が受けられるほか、裁判所事務官や裁判所書記官、検察事務官、法務事務官などの職務が10年以上ある人も、筆記試験の免除が受けられます。 |
受験資格 | 受験資格は特にありません。
年齢、性別、学歴等に関係なく、誰でも受験することができます。 |
試験科目 | ●筆記試験
・出題科目
(午前)憲法(3問)、民法(20問)、商法(3問)、刑法(9問) マークシート方式
(午後)不動産登記法(16問)、商業登記法(8問)、供託法(3問)、民事訴訟法(5問)、 民事執行法(1問)、民事保全法(1問)、司法書士法(1問)
・出題範囲
(午前)多肢択一式
①憲法 ②民法 ③商法(会社法その他の商法分野に関する法令を含む。) ④刑法に関する知識
(午後)多肢択一式
①不動産登記に関する知
②商業(法人)登記に関する知識
③供託に関する知識
④民事訴訟に関する知識
⑤民事執行に関する知識
⑥民事保全に関する知識
⑦司法書士法第3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び能力
(午後)記述式
①不動産登記に関する知識
②商業(法人)登記に関する知識
●口述試験(筆記試験合格者のみ)
・下記の科目の知識について口述で回答を求められる。
①不動産登記に関する知識
②商業 (法人) 登記に関する知識
③司法書士法第3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び能力 |
スケジュール | ◇試験日:年1回
・筆記試験(1次試験と2次試験):7月の第1または第2日曜日
午前の部9:30~11:30の2時間
午後の部13:00~16:00の3時間
・口述試験:10月中旬
◇申込期間:5月上旬~中旬
◇申込方法:筆記試験を受験する試験場の所在地(受験地)を管轄する法務局・地方法務局整備課に受験申請書類を提出する。
◇合格発表:筆記試験9月末~10月初旬
口述試験10月中旬
最終合格発表10月下旬~11月初旬
令和5年度司法書士試験日程 |
試験会場 | ●全国の都道府県
・筆記試験:受験申請書類を提出した法務局、又は地方法務局が指定した場所
東京、横浜、さいたま、千葉、静岡、大阪、京都、神戸、名古屋、広島、福岡、那覇、仙台、札幌、高松
・口述試験:管区法制局それぞれが指定した場所
東京、大阪、名古屋、広島、福岡、仙台、札幌、高松
※どちらも指定された試験場以外の試験場では受験できません。 |
受験料 | 8,000円(収入印紙)
※受験手数料改定のお知らせ |
資格難易度 | ●難易度
「S」 超難関
【資格の難易度レベル】
合格率だけ見ても司法試験並みで超難関ですが、司法試験からの転向組も多く激戦になる人気資格です。ただ、近年の合格率は4~5%前後で数年前あたりからやや上昇傾向となっており、合格率的には受験のチャンスと言えそうですが、試験内容をみれば明らかに書式も複雑化して、択一問題の難易度も上昇していることは確かです。試験の出題科目も実務につながるものが主になっている傾向が見られます。
司法試験とは違って論文試験がないので、こつこつと着実な学習努力が実る試験です。いずれは司法試験にも挑戦してみたいと思っている方にもおすすめです。受験勉強をしながら司法書士事務所へアルバイトで入り、実務経験を積む方法もあります。必要な勉強時間の目安は、3,000~3,500時間(法学の知識ある人は1,500~1,800時間)。試験問題は筆記試験が択一式と記述式で行われ、午前と午後それぞれ35問ずつ出題されますが、一番の問題は、出題範囲が非常に広い試験なので時間内に全問題を解くのが精いっぱいでスピーディーな解答能力が要求されることです。
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●合格率
・令和4年度司法書士試験最終結果
受験者数 11,925名 合格者数 613名 合格率5.1%
・令和3年度司法書士試験最終結果
出願者総数 14,988名 受験者数 11,925名
合格者数 613名 合格率5.1%
合格点208.5点以上/満点280点中。
・令和2年度司法書士試験最終結果
出願者総数 14,431名 受験者数 11,494名
合格者数 595名(男437 女158) 合格率5.2%
合格点205.5点以上/満点280点中
・令和元年度司法書士試験最終結果
出願者総数 16,811名 受験者数 13,683名
合格者数 601名(男466 女135) 合格率4.4%
合格点197点以上/満点280点中
・平成30年度司法書士試験最終結果
出願者総数 17,668名 受験者数 14,387名
合格者数 621名(男479 女142) 合格率4.4%
合格点212.5点以上/満点280点中 |
受験対策・資格の将来性 | 司法書士試験は第一次試験及び第二次試験の多肢択一式問題の答案並びに記述式問題の答案がそれぞれ一定の基準点に達しない場合には、総得点にかかわらず不合格になります。「超」のつく難関試験ですが、規則正しい勉強とその方法に誤りがなければ初年度での合格も不可能ではない試験といえます。試験は筆記試験の合格者だけが口述試験に進むことができますが、その口述試験は人間性や司法書士としての適性を見るもので、ほとんどの人は合格します。
また口述試験では、主に不動産登記法や持分会社、印鑑提出の添付書類、司法書士法、登録の理由、司法書士会の目的などが質問されています。
また合格基準は合格点、合格者率を一定にする方式ではなく、得点上位600人程度を合格者数とする相対評価方式となっています。
合格のための受験テクニックや、広範に必要な知識を短時間に確実にモノにするためにも初学者は資格スクールを利用したほうが確実で効率的です。最初は何人かの講師の無料講義を聞いて、自分に合った講師を見つけることも大切です。11科目分もの大量のテキストや問題集から、試験に必要な情報を選別し優先順位をつけるのは初学者には特に難しいと思います。また資格スクールなら他の受験生がどのくらい勉強しているかを知ることもできます。インターネットでもかなりの情報を取得できますが、完全独学はこのレベルの難関資格ではちょっと難しいと思います。
例えば、どの科目をどのように勉強したらいいか、とか、試験での捨て問題やポイント箇所はどこか、などといったことを学ぶためには、初学者の場合にはどうしても独学では困難だと思います。独学に近い方法で合格する人はおられますが、そのほとんどが単発講座や答案練習、模試などをスクールなどを利用して数回は受けています。また記述式の試験はかなり独特なので、独学ではさらに難しくなるはずなので記述式の講座だけでもスクール等で受講した方がいいでしょう。独学と予備校で試験範囲全体を勉強し、模試で時間配分を身につけることも大切です。あとはまとめノートなど使って、まんべんなくどの科目でも8割以上が得点できるように勉強することが効率的でもあります。
司法書士試験は科目が多く、範囲も非常に広いため、ひと通り勉強するだけでも時間がかかります。また、知識を正確に覚えていなければならないことや、司法制度の変更により司法試験受験生の一部が司法書士試験を受験することが多くなったことなどで、大変難しい試験になっています。
「難関資格」と言われるような資格では、どんな資格でもモチベーションを保ち続け、勉強第一の考え方で数年間を犠牲にする覚悟が必要になります。何よりも自分を信じて、あきらめない気持ちを持っている人が強いと言えます。この種の試験の受験生は、ほとんどの人が自由時間のすべてを勉強に当てています。”楽しみながら勉強したい”というような考えはとても通じる世界ではありません。司法試験では深い思考能力や論理性が問われますが、司法書士試験では広く浅く多様な知識を求められます。そのため、司法試験に次ぐ法律の難関資格とされていますが、着実に努力を重ねていけば、必ず結果が出せる資格試験でもあります。試験範囲はかなり広範囲に及ぶため、ポイントを押さえた効率的な学習が必要となります。
司法書士は土地の登記などを扱うときには法廷に立つことも可能な資格です。この司法書士に一発合格した人の体験談によると、毎日寝る間も惜しんで必死で勉強して、人生においてこんなに勉強したことはなかった、と言ってました。 |
通信講座 | ・アガルートの司法書士試験講座
・大栄の司法書士講座(自宅受講にも対応)
◆司法書士 通信講座一覧
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スクール | ・Wセミナーの司法書士講座
◆司法書士 通学講座一覧
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過去問 | 司法書士 過去問集一覧 |
教材 | 司法書士試験テキスト一覧
司法書士 オートマシステム一覧
【司法書士試験おすすめ教材】
TAC出版の司法書士試験対策教材
LECの司法書士試験対策教材 |
関連情報ページ | 【資格の難易度情報】
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●関連資格
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(東京の場合)東京法務局民事行政部総務課
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