資格名

司法書士

資格の種類

国家資格(業務独占資格) (名称独占資格)

主催者

法務省

資格の概要

【資格の概要】
◆どんな資格?
「司法書士」は、不動産登記、商業登記、裁判所手続など、法律に関する事務を専門に扱う国家資格です。
司法書士法第3条で定められている司法書士の主な業務の項目は以下のようになっています。
・不動産登記
 司法書士は不動産の売買や贈与、相続などの際に、依頼者の代わりに登記申請を行います。
・商業登記
 司法書士は、会社設立や合併・分割などの際に、依頼者の代わりに登記申請を行います。
・裁判所手続
 訴訟や調停、執行などの裁判所の手続において、依頼者の代理人として手続を進めます。
・供託
 司法書士は、供託の申請や受領を行います。
・債務整理
 司法書士は、債務整理の依頼を受け、債務者と債権者の間で交渉を行います。
・相続
 司法書士は、相続人の間で遺産分割協議を行い、遺産分割協議書の作成を支援します。
・成年後見
 司法書士は、成年後見人や補助人の選任手続きや、成年後見人の業務の支援を行います。
・遺言
 司法書士は、遺言の作成や検認手続きを行います。
◆資格を取得するためには。
司法書士になるには「司法書士試験に合格する」か「法務大臣の認定を受ける」の2つの方法がありますが、「司法書士試験に合格する」のが一般的です。 司法書士試験に合格後、各種研修を受けて、日本司法書士連合会に登録することによって事務所を置く管轄内の司法書士会に所属し、正式に司法書士になれます
司法書士1年目にかかる費用
・登録免許税 30,000円 ・登録手数料 25,000円 ・入会費 30,000円
・月会費 15,000~25,000円×12ヶ月 ・職印 10,000円程度 ・司法書士のバッジ代(貸与代として) 6,500円
※2022年10月1日現在の司法書士会会員数は23,003名。司法書士法人1,042法人となっています。
◆資格はどんな仕事に役立てられますか。
司法書士資格を取得すると、法律関係の専門家として、いろいろな分野で活躍することができます。仕事は、不動産・商業登記の手続、供託の手続き、裁判所などへ提出する書類の作成など多種にわたりますが、特に近年は簡易裁判所における訴訟の代理など業務範囲も拡大して、ますます活躍の場が拡がっています。




試験の合格率・難易度

【合格率】
◆合格ラインはどのくらい?
筆記試験の合格ラインは、満点280点中211.0点以上(得点率約75%)です。
午前の部の多肢択一式問題、午後の部の多肢択一式問題または記述式問題のいずれかが基準点に達しない場合は不合格となります。
◆合格率の推移
令和4年度司法書士試験最終結果
 受験者数 11,925名  合格者数 613名  合格率5.1%
令和3年度司法書士試験最終結果 
 出願者総数 14,988名 受験者数 11,925名
 合格者数 613名 合格率5.1%
 合格点208.5点以上/満点280点中。
令和2年度司法書士試験最終結果 
 出願者総数 14,431名 受験者数 11,494名
 合格者数 595名(男437 女158) 合格率5.2%
 合格点205.5点以上/満点280点中
令和元年度司法書士試験最終結果 
 出願者総数 16,811名 受験者数 13,683名
 合格者数 601名(男466 女135) 合格率4.4%
 合格点197点以上/満点280点中
平成30年度司法書士試験最終結果 
 出願者総数 17,668名 受験者数 14,387名
 合格者数 621名(男479 女142) 合格率4.4%
 合格点212.5点以上/満点280点中

【難易度】
◆難易度レベル
   「S」  超難関
  司法書士の難易度ランキング

◆試験はどこが難しいか。
司法書士試験は、合格率が約5%と非常に低く、司法試験と並ぶ最難関資格のひとつになっていますが、これは司法試験からの転向組も多いことで毎年激戦になるからです。近年の合格率は、2022年度は5.2%、23年,24年は5.1%と、数年前から少し上昇傾向にあります。
試験に関して司法書士試験の難易度を高めている要因としては、一つは試験問題自体が複雑化・高度化していることがあり、民法や刑法の問題では、判例の適用や論理的な思考力が問われる問題が増えています。また民事訴訟法や民事執行法の問題では、訴訟手続や執行手続の実際の流れを問う問題が増えています。
さらに択一式問題の難易度も上昇しており、出題科目も実務につながるものが主になっている傾向にあります。筆記試験は午前と午後でそれぞれ択一式と記述式で出題されますが、出題範囲が民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法、行政法、民事執行法、民事保全法、不動産登記法、商業登記法の11科目で、非常に範囲が広く、時間内に全問題を解くのが難しいため、スピーディーな解答能力が求められます。中でも不動産登記法と商業登記法は、司法書士の業務に直結する科目でもあり難易度が高くなっています。
◆他の試験との難易度比較
司法試験公認会計士よりは低い、弁理士と変わらない難易度レベル。

試験の内容・勉強法

【試験の内容】
◆どんな問題が出題されますか。
司法書士試験問題と言えば、まず考えるのは「民法」です。民法で点を取らずに試験に合格できることはありません。民法の出題傾向としては、財産法(民法総則、物権、債権)と家族法(親族、相続)で、問題はどれも難易度が高い問題ばかりで、出題形式も多様です。民法の学習経験者であっても、司法書士試験の民法を改めて十分に勉強しなければなりません。
◆どの科目が重要ですか。
司法書士筆記試験で出題される試験科目は全部で11科目です。
司法書士試験では、出題数の多い科目「民法、不動産登記法、商法(会社法)、商業登記法」を「主要4科目」、出題数の少ない残りの科目「民事訴訟法、民事保全法、民事執行法、司法書士法、供託法、憲法、刑法」を「マイナー科目」と呼びます。
この主要4科目が司法書士試験の多肢択一式の全出題数の75%以上を占めていますので正確な理解が大切です。その中でも、特に民法は出題数が一番多く、司法書士試験で最も難しい科目になっています。民法は、司法書士試験の学習の中は一番時間をかけて学習すべき科目であるといえます。

【勉強方法】
◆効率的な勉強方法とは。
司法書士試験は、第一次試験及び第二次試験の多肢択一式問題の答案、そして記述式問題の答案がそれぞれ一定の基準点に達しない場合には、総得点にかかわらず不合格になるという超難関試験ですが、効率的で規則正しい勉強とその方法に誤りがなければ合格も不可能ではない試験です。司法書士試験は、司法試験とは異なり、論文試験がありません。そのため、こつこつと着実に学習を積み重ねることが重要です。
こう言ったことから、司法書士試験に合格するための勉強には、以下の5項目が基本になります。
  ①早い段階から勉強を始める
  ②計画的に学習する
  ③基本的な知識をしっかりと身につける
  ④実践的な問題演習をできるだけ積む
  ⑤時間配分を意識して勉強する
司法書士試験の合格に必要な勉強時間の目安は、3,000~3,500時間と言われます。法学の知識がある人の場合には、1,500~1,800時間程度でも合格できる可能性があります。
◆スクールか独学か。
勉強方法と時間が決まれば、次にはそれを実行に移すための手段です。
  ・独学
  ・スクール(予備校や通信講座)の利用
○独学の場合
司法書士試験の勉強は、独学でも合格することは可能ですが、独学で合格を目指す方は以下の点が確実に実施できるかがポイントになります。
 ・計画的に学習すること
 ・基本的な知識をしっかりと身につけること
 ・実践的な問題演習をできる限り多く積むこと
 ・時間配分を意識した勉強をすること
他には、司法書士試験は、科目数が多く範囲も非常に広いため、学習期間、勉強時間が長くなりますので、その対策も必要になります。
○予備校利用の場合
 ・独学より予備校や通信講座を利用する方が、学習を効率的に進めることができることは間違いないため、学習者には勉強を効率的に進められる安心感があります。
 ・司法書士試験は、独学では学びにくい受験テクニックや合格ノウハウがあります。予備校では、これらのノウハウを効率的に学ぶことができます。
 ・予備校に通うことで、他の受験生と切磋琢磨しながら勉強を進めることができます。また、講師やスタッフによるサポートを受けることで、モチベーションを維持しやすくなります。
以上の理由から、司法書士試験は独学でも合格は不可能ではありませんが、予備校の利用をおすすめします。特に、初学者の方は、貴重な時間を浪費しないためにも、また合格のための受験テクニックや、広範に必要な知識を短時間に確実にモノにするためにも予備校や通信講座を利用したほうが確実で効率的です。
◆資格の将来性は。
司法書士試験に合格すれば、法律に関する専門知識と実務能力を身につけることができ、幅広い分野で活躍することができます。司法書士として独立開業したり、勤務司法書士として働いたりすることができます。法律や登記の専門家として、幅広い業務に携わることができます。また、将来的には司法試験にも挑戦したいという方は、司法書士試験の勉強と並行して、司法書士事務所でアルバイトやインターンシップを行うことで、実務経験を積むのもおすすめの方法です。




試験日程

【試験の実施計画】
●試験日:年1回
 ・筆記試験(1次試験と2次試験):7月の第1または第2日曜日  
   午前の部9:30~11:30の2時間 
   午後の部13:00~16:00の3時間
 ・口述試験:10月中旬
●申込期間:5月上旬~中旬
●申込方法:筆記試験を受験する試験場の所在地(受験地)を管轄する法務局・地方法務局整備課に受験申請書類を提出する。
●合格発表:筆記試験9月末~10月初旬
      口述試験10月中旬
      最終合格発表10月下旬~11月初旬

【次回の試験日程・申込期間】
 令和6年度司法書士試験日程 
試験日時:(筆記)令和6年7月7日(日)
     (口述)令和6年10月15日(火)
申込期間:令和6年5月7日(火)~17日(金)まで
合格発表:(筆記)令和6年10月3日(木)
     (最終)令和6年11月5日(火)

受験資格

受験資格は特にありません。
年齢、性別、学歴等に関係なく、誰でも受験することができます。

試験会場

全国の都道府県
・筆記試験:受験申請書類を提出した法務局、又は地方法務局が指定した場所
東京、横浜、さいたま、千葉、静岡、大阪、京都、神戸、名古屋、広島、福岡、那覇、仙台、札幌、高松
・口述試験:管区法制局それぞれが指定した場所
東京、大阪、名古屋、広島、福岡、仙台、札幌、高松
※どちらも指定された試験場以外の試験場では受験できません。

受験費用

8,000円(収入印紙)
受験手数料改定のお知らせ

試験方式

試験は「筆記試験」と「口述試験」で構成されています。筆記試験の合格者のみ口述試験が受けられます。なお、口述試験が不合格の場合、次年度に限り筆記試験が免除されます。

【筆記試験(1次試験と2次試験)】
試験方式:多肢択一式+記述式
解答方式:択一式(マークシート)11科目、うち2科目は記述式

・筆記試験1次試験(午前の部):多肢択一式35問/2時間
・筆記試験2次試験(午後の部):多肢択一式35問、記述式2問、計37問/3時間
(1)1次択一式35問
(2)2次択一式35問 (3)2次記述式2問(不動産登記法と商業登記法1問ずつ)
※(1)(2)(3)のそれぞれに足切りラインが存在します。どれかひとつでも届かない時点で不合格となります。
※主要4科目の民法、不動産登記法、商法、商業登記法が出題数の大半を占めます。

【口述試験(2次試験)】
 ・筆記試験合格者のみを対象に、日を改めて実施されます。
 ・受験者1人対試験官2人で下記科目の知識について口述で回答が求められます。
 ・時間数:15~20分程度
(科目)
 ・不動産登記法、
 ・商業(法人)登記法、
 ・司法書士法、
 ・司法書士の業務を行うのに必要な一般常識
●合格基準
 ・筆記試験
  1問3点の択一式の
 午前の部 択一式満点105点、
 午後の部 択一式満点105点、
 午後の部の記述式 満点70点
公示された合格基準点と総合点の合格基準点の全てを満たしている事、そしてその中から「相対評価」のため、あらかじめ決められた合格人数があり、上位成績順で決められます。
 ・口述試験
   筆記試験と同じ試験範囲で15分程度の口頭試問が行われます。
   口述試験に限れば例年はほとんどの人が合格します。

●科目免除
筆記試験に合格していると、次の筆記試験免除が受けられるほか、裁判所事務官や裁判所書記官、検察事務官、法務事務官などの職務が10年以上ある人も、筆記試験の免除が受けられます。

試験科目

●筆記試験
・出題科目
 (午前)憲法(3問)、民法(20問)、商法(3問)、刑法(9問) マークシート方式
 (午後)不動産登記法(16問)、商業登記法(8問)、供託法(3問)、民事訴訟法(5問)、       
民事執行法(1問)、民事保全法(1問)、司法書士法(1問)
・出題範囲
 (午前)多肢択一式
①憲法 ②民法 ③商法(会社法その他の商法分野に関する法令を含む。) ④刑法に関する知識
 (午後)多肢択一式
①不動産登記に関する知識
②商業(法人)登記に関する知識
③供託に関する知識
④民事訴訟に関する知識
⑤民事執行に関する知識
⑥民事保全に関する知識
⑦司法書士法第3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び能力
 (午後)記述式
①不動産登記に関する知識
②商業(法人)登記に関する知識

●口述試験(筆記試験合格者のみ)
・下記の科目の知識について口述で回答を求められる。
①不動産登記に関する知識
②商業 (法人) 登記に関する知識
③司法書士法第3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行うのに必要な知識及び能力

試験関連情報

●資格試験関連情報
令和5年度司法書士試験最終合格発表
国家資格の難易度ランキング
独学で取れる資格・取れない資格

●関連資格
 行政書士
 司法試験
 法学検定試験
 ビジネス実務法務検定試験
 海事代理士
 裁判所事務官一般職

問い合わせ先

各管区法務局又は地方法務局総務課  
(東京の場合)東京法務局民事行政部総務課
〒102-8225 東京都千代田区九段南1-1-15 九段第2合同庁舎
TEL03(5213)1323
法務省http://www.moj.go.jp/

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教材(テキスト・参考書)

●テキスト
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●参考書
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