資格名

税理士

資格の種類

国家資格(業務独占資格)

主催

国税庁

資格の概要

税理士法に定める国家資格。税理士には3つの独占業務のほか、会計・法律のプロとしての付随業務とがあります。3つの独占業務(税務代理、税務書類の作成、税務相談)は、税理士でなければできません。また、会計・法律の専門家としての付随業務には、財務諸表の作成、会計帳簿の作成や記帳代行などの会計業務や、租税に関する訴訟における訴訟の補佐人業務です。

仕事は、各種税金の申告・申請や税務書類の作成、税務相談、税に関する不服申立て等を行います。更に社会保険労務士の業務の一部を行うことや、行政書士登録をすれば行政書士となることも可能です。かっては独立開業できれば年収数千万円も可能とされましたが、デフレ下で仕事の単価が下がっていることや、続く中小企業の廃業などで、厳しい状況におかれているのが現状です。今や、独立して年収1000万円台にのせるのは容易ではありません。

※税理士になるために必要な条件(下記1~4のいずれか)
(1)税理士試験に合格したのち、2年以上の租税、もしくは会計事務の経験を積む
(2)税理士法第6条に定める試験科目の全部について、第7条又は第8条の規定により税理士試験を免除されたのち、2年以上の租税もしくは会計事務の経験を積む
(3)弁護士(弁護士となる資格を有する者を含む)
(4)公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む)
このほか、23年以上税務署に勤務した方などは試験を免除されます。詳しくは、税理士法を参照してください。

税理士合格のために社会人受験生は、試験免除制度を徹底活用すべきであるという、知る人ぞ知る方法を教えます。大学院で税法に関する修士論文を書いて修了(修士号取得)すれば、税法3科目中2科目が免除になる。これが現在、もっとも有利に見える免除制度です。この制度で有名なのが、山口県の通信制を採る「東亜大学」大学院です。毎年は2月初旬まで出願受付中で試験は小論文のみ。山口県の大学ですが東京に試験会場も設置されます。社会人受験生が税理士資格を目指す場合には「易きを採る」に越したことはありません。

試験方式

●科目別合格制
税理士試験は5科目をクリアすることで合格となる「科目別合格制度」を採用しています(5科目全て合格で税理士の資格が与えられます。)
科目は全部で11科目あり、必須科目、選択必須科目、選択科目を組み合わせ、5科目を受験する「科目選択制度」になっています。1科目から受験可能です。
●合格基準点:各科目満点の60%

受験資格

令和4年度の税制改正により、令和5年度の税理士試験(第 73 回(予定))から、験資格が次のとおり変更となります。
●令和5年度第73回試験以降の(新)受験資格
1.大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、社会科学に属する科目を 1 科目以上履修した者
2.大学 3 年次以上の学生で社会科学に属する科目を含め 62 単位以上を取得した者
3.専修学校の専門課程(修業年限が2年以上かつ課程の修了に必要な総授業時数が1,700時間以上に限る。)を修了した者等で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者 
4. ➡変更なし
5. ➡変更なし
6. ➡変更なし
7. ➡変更なし

令和4年度第72回試験までの(旧)受験資格(職歴等)
1.大学・短大を法律学、又は経済学に関する科目を1科目以上履修し卒業した者
2.法律学、又は経済学に関する科目を含め、62単位以上取得した大学3年次以上の学生
3.専修学校の専門課程(修業年限が2年以上かつ課程の修了に必要な総授業時数が1,700時間以上に限る。)を修了した者等で、法律学又は経済学に属する科目を1 科目以上履修した者
4.司法試験に合格した者
5.旧司法試験法の規定による司法試験の第二次試験又は旧司法試験の第二次試験に合格した者
6.公認会計士試験短答式試験合格者(平成 18 年度以降の合格者に限る。)
7.公認会計士試験短答式試験全科目免除者
(実務経験例)
1.弁理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士・不動産鑑定士等の業務に3年以上従事した者
2.法人又は事業を営む個人の会計に関する事務に3年以上従事した者
3.税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助の事務に3年以上従事した者

試験科目

●試験科目
・必須科目(必ず合格しなければならない科目)
 会計学(簿記論、財務諸表論)
・選択必須科目(2科目のうち1科目は合格しなければならない科目)
 法人税法、所得税法
・選択必須科目(7科目から2科目まで選択・受験できる科目。ただし、消費税法と酒税法のどちらか1科目、住民税、事業税もどちらか1科目を選択)
 相続税法、酒税法又は消費税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税  
「税理士士試験」の受験情報 

●科目合格
5科目を一度に合格する必要はなく、1年1回のみの試験で1科目づつの合格をためていく方法もあります。科目の合格は一生有効です。
※「科目合格」の制度のために、税理士試験は働きながら目指すのが珍しくない資格になっています。
●試験科目免除
・弁護士や公認会計士の所持者は税理士試験そのものが免除されます。

スケジュール

●試験実施:年1回(例年、8月上旬の平日3日間)
・申込受付:5月上旬から中旬頃まで 
・合格発表:12月中旬

 令和5年度(第73回)税理士試験実施日程    

試験会場

北海道、宮城、埼玉、東京、石川、愛知、大阪、広島、香川、福岡、熊本、沖縄

受験料

●受験申込科目数と受験料
1科目 4,000円
2科目 5,500円
3科目 7,000円 
4科目 8,500円
5科目 10,000円

資格難易度

難易度 
  「A」  難関

【資格の難易度レベル】
税理士試験の難易度ランクも人によって評価は分かれるようですが、一般的には司法書士、弁理士、不動産鑑定士と並ぶ難易度と言われます。中小企業診断士や社会保険労務士、行政書士などと
学習時間で比較しても、合格までにかかる時間に相当な差があることから、難易度にも大きな差があることが分かります。ただ、それは税理士試験は「5科目を合格することで初めて合格となる科目合格制が取られている」ことから、全5科目の合格を前提に考えるからに違いありません。実は1科目ごとの難易度に関しては難易度A~Bクラスの試験ばかりです。簡単に言えば、税理士試験は宅建や行政書士レベルの試験を5つ合格すると取得できる資格試験と言えます。5つの国家試験に合格するためには少なくても3~4年はかかりますので、税理士試験の一番のハードルは「モチベーションを保つこと」かも知れません。
主な難関資格で資格の難易度レベルを比較すると、司法書士>社労士>行政書士であると多くの方は思ってるはずですが、社労士>行政書士>税理士(1科目の単発)>宅建 と思う人は少ないと思います。税理士(1科目の単発)試験は資格スクールの学習期間でも、受験資格や合格率などから判断しても、社労士や行政書士より難易度は低いと考えていいと思われます。しかし、受検対策は専門学校や資格スクール、通信講座を利用する人がほとんどです。独学は難易度的に独学で目指せるレベルを超えているため現実的と言えません。難易度の高い簿財2科目や法人税法・所得税法だけ予備校を使い、その他の税法科目は独学で、という人もいますが、全部独学でという人は1割もいないと思います。学習期間は早い人で2.5~3年。一般的には年に1~2科目を突破して合計で3年以上かかります。5科目一括合格はほとんどいません。難易度は高いですが、試験科目合格制なので1日3~4時間程度は毎日コツコツ勉強して働きながら頑張れば合格するチャンスは十分あります。

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●合格率  
令和3年度第71回 税理士試験結果
 合格率 18.8%(一部科目合格者含む) 受験者数27,299名  合格者数5,139名
一部科目合格者は4,554名、合格科目が5科目に達し税理士資格を取得した人は585名でした。

※参考データ
・令和2年度第70回 税理士試験結果
 合格率 20.3%(一部科目合格者含む) 受験者数26,673名  合格者数5,402名
一部科目合格者は4,754名、合格科目が5科目に達し税理士資格を取得した人は648名でした。
・令和元年度第69回 税理士試験結果
 合格率 18.1%(一部科目合格者含む) 受験者数29,779名  合格者数5,388名
一部科目合格者は4,639名、合格科目が5科目に達し税理士資格を取得した人は749名でした。
・平成30年度第68回 税理士試験結果
 合格率 15.3%(一部科目合格者含む) 受験者数30,850名  合格者数4,716名
一部科目合格者は4,044名、合格科目が5科目に達し税理士資格を取得した人は672名でした。
・平成29年度第67回 税理士試験結果
 合格率 20.1%(一部科目合格者含む) 受験者数32,974名  合格者数6,634名
一部科目合格者は5,839名、合格科目が5科目に達し税理士資格を取得した人は795名でした。
・平成28年度第66回 税理士試験結果
 合格率 15.8%(一部科目合格者含む) 受験者数35,589名 合格者数5,638名
一部科目合格者は4,882名、合格科目が5科目に達し税理士資格を取得した人は756名でした。

受験対策・資格の将来性

税理士になるにはいくつかの方法があります。まず弁護士資格か公認会計士の資格を持っている場合は税理士会に登録を行えば開業できます。一般的な方法はやはり税理士試験に合格する方法です。現在の免除制度を効率的に利用するならば、大学3年次から会計系科目を受験しはじめ、大学院で税法系の修士を取得する、といった形になります。科目別の合格率は10%を超えるものもありますが最終合格まで5年程度はかかります。全5科目を合格する必要がありますので学習期間3~4年、学習時間3500時間~4,000時間。費用50~80万円は必要です。

税理士試験の大きな特徴で魅力あるのが、科目選択制度と科目合格制度です。一回で全てに合格する必要はなく1科目づつ受験して合格していけば良いわけです。そして、最大のメリットは一度合格した科目については、一生有効になるということです。また、3科目は選択なので、自分の得意科目で勝負することが可能になります。一気に体力勝負の試験勉強をしなくてもよいので、幅広い年齢層が挑戦しているのも、税理士試験の特徴です。科目合格制を採用しているため、数年計画で資格取得を目指す社会人受験者が多く、スクールや通信講座では専門講座で合格に必要な論点だけを徹底して学習するカリキュラムで勉強する受験者が大半です。さらに、合格者のほとんどは、大手の税理士学校に通って勉強をし、最終合格しています。 

試験問題は、簿記論では大問が3題出題されますが、理論問題は出題されず、計算問題が100%です。内容的には日商簿記検定よりも難易度が高く、ボリュームもあります。
財務諸表論では大問が3題出題されます。1、2題が理論問題で、3題目が計算問題です。所得税法は、2題出題され、理論問題と計算問題が半々です。いづれも出題内容は非常に高度で、迅速な計算処理能力や、各科目の重要論点を理解した上で的確に解答を導き出さなければならない理論問題が出題されるため、5科目合格するためには、かなりの知識と学力が必要になります。
学習は、最初は「簿記論」からスタートするのがこの試験の基本のパターンです。併行して2科目学習するなら関連性が一番高い「財務諸表論」を合わせると効率的な勉強ができます。
税理士試験の学習は2年から5年程かかるのが一般的だと言われます。勉強が長期になるため、モチベーションの維持が一番大切になります。モチベーションを維持していくためには、しっかりとした目的と目標が必要です。事前にモチベーションの維持対策も十分に考えておく必要があります。

税理士受験は独学では短期合格は難しく、長期計画になります。合格できなかった時の学習時間のリスクを考えると、予備校の通信講座か通学講座を選択するのが無難だと思われます。
通信講座か通学講座か、という問題に関しては、合格率が高いのが通学なのは間違いありませんが、通学の場合は超ハードスケジュールは避けられず、税理士試験学習漬けの毎日になる事を覚悟しなければならないでしょう。
合格率は年齢が若いほど高く、少しでも早く勉強を始めて、早期にチャレンジしたい資格といえます。受験者は、20代半ば~30歳前後の人が最も多く、女性の受験者も増えています。簿記のほか、FP、社会保険労務士、中小企業診断士などとのダブルライセンスのチャレンジャーも多いですが、この試験には、日商簿記1級・2級を取得していると有利です。
累計合格者数 約13.5万人。税理士の資格手当は平均で12万円程度です。年齢的にはできれば、30代前半位には税理士になっておきたいです。税理士資格を持っていればそれなりの条件で就職は出来ますが、プラスアルファの能力があればさらに効果的です。税理士事務所、会計事務所では科目合格のみの場合でも採用してくれる所が多々ある為、先に数科目取得し、税理士事務所で働きながら足りない科目を合格するという人が多いようです。かつては独立開業で年収数千万円も可能でしたが、デフレ下で仕事の単価が下がったことに加え、顧客である中小企業の廃業も相次ぎ、厳しい状況に変わってしまっています。これからは独立して年収1000万円台にのせるのは簡単ではなくなると思われます。事務所勤めでは生涯年収は公務員に届かないかも知れません。




◆税理士試験と公認会計士試験について
「税理士試験」は、会計科目2科目と、税法科目9科目のうち3科目を選択し、計5科目合格を果たせば税理士になることができます。税理士試験は公認会計士試験とは異なり、複数科目を同時に合格する必要はなく、一科目ずつ合格科目を積み重ねることが可能です。また、大学院(会計・税法コース)にて2年間、指定の講座を履修し学位論文審査に合格すれば、会計科目より1科目、または税法科目より2科目が免除されます。
こういうことから、税理士試験の場合は、受験回数や年数に制限がなく働きながら取得できる資格として人気があるようです。一方、「公認会計士試験」は、日本三大難関資格の一つとも言われ、非常に難易度レベルが高いことでも有名です。公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験があり、短答式試験に合格した者のみが論文式試験に進むことが出来ます。短答式試験を突破するには総点数の70%以上、論文式試験に関しても総点数の52%以上をクリアする必要があり、1科目でも正解率4割を割ってしまうと、その時点で試験不合格となってしまいます。
公認会計士も税理士も難易度の高い資格であるため、一度勉強を始めると、多くの時間やお金を使うことになります。従って、試験勉強を始める前に「資格試験受験の目的」と「取得した資格の活かし方」という部分をよく考えるようにすることが大切です。特に難関試験の場合は、試験に合格すること自体がゴール(目的)になってしまわないように注意が必要です。
どちらも超がつく難関試験に変わりはありませんが、税理士は科目合格制度があるので、長期的なスパンで考えれば決して合格不可能な試験ではない、ということから、公認会計士よりは難易度は少し低いと言えます。

通信講座

クレアール 簿記論レギュラー通信講座
ネットスクール 財務諸表論標準コース  

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スクール

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 税理士受験対策
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TACの税理士受験対策書
「資格の大原」税理士試験教材
LECの税理士試験対策教材

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●試験関連情報
・令和4年度の税制改正により、令和5年度の税理士試験(第 73 回(予定))から、受験資格が次変更となります。
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●関連資格
 簿記検定
 公認会計士
 米国公認会計士
 公認内部監査人(CIA)

問い合わせ先

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〒100-8978東京都千代田区霞が関3-1-1   TEL 03-3581-4161