資格名 | CFA協会認定証券アナリスト(Chartered Financial Analyst)
※別名:米国証券アナリスト |
資格の種類 | 国際資格 |
主催者 | CFA Institute(CFA協会) |
資格の概要 | CFA(Chartered Financial Analyst)は、CFA Institute(CFA協会)が認定する国際的な投資プロフェッショナルの資格で、金融や投資の分野における証券分析および運用アドバイスにおいて世界的に認められ非常に高い権威がある資格です。
試験に関しても、複雑化とグローバル化の進む投資運用実務を反映して、投資に関する広範な知識のほか、分析力や倫理観も問われる高度な水準の試験が実施されます。
CFAの資格取得には、Level1、 2、3の3種類の英語の試験に合格し、少なくとも4,000時間(36ヵ月)の投資分析関連の職務経験が必要になりますので、取得だけで平均で4年以上かかります。
尚、CFAの認定を受けるためには、以下のプロセスが必要となります。
・Level 2、3試験に年1回合格、Level 1試験に年2回合格すること。
・投資分野における4年以上の実務経験
・CFA Instituteのメンバーに加入すること。
世界規模で展開をおこなう金融機関の多くは、CFAの有資格者を金融プロフェッショナルとして高く評価しています。2024年時点では、世界165ヶ国で16万7,000人以上のプロフェッショナルが資格を保有しています。日本での資格保有者は、2024年5月時点で2,101名です。(CFA協会情報)
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試験の合格率・難易度 | ●難易度
「A」 難関
【資格の難易度レベル】
CFA試験の難易度高い理由については、この試験の1次試験と2次試験は選択式ですが、3次試験では午前中の時間でポートフォリオの運用理論について筆記で持論を展開しなければなりませんが、これが英語であるため難易度がグーンと上がります。これが日本人の合格者が少ない原因の一つにもなっています。受験予定者はCFAの難易度を知って、学習にそれなりの覚悟が必要であることを認識しなければなりません。また、CFA試験は3次試験まで英語の試験で、さらに試験を途中であきらめる人も多いと言われるくらいに試験内容の難度が高く、日本人で合格する人は受験者の2~3%に過ぎません。学習に要する期間も平均4年以上は必要と言われ、受験する人の能力レベルも高く、受験生の多くが大学院生です。それにもかかわらず、1次試験の合格率が35%程度、2次試験40%、3次試験50%程度で、最終試験では最初の受験者の7~8%しか残っていないという状況から考えると、税理士試験と同等か、またはそれ以上の高い難易度と考えられます。
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●合格率
この合格率は英語ネイティブ且つ金融プロフェッショナルを母集団とした割合になっているため、英語ノンネイティブな日本人受験者の合格割合はそれよりもかなり低いとされています。
【Level 1】 |
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受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
2024/11月 |
26,404 |
11,293 |
43% |
8月 |
24,937 |
11,050 |
44% |
5月 |
21,116 |
9,666 |
46% |
2月 |
16,932 |
7,415 |
44% |
2023/11月 |
28,953 |
10,104 |
35% |
【Level 2】 |
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受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
2024/11月 |
13,589 |
5,324 |
39% |
8月 |
8,879 |
4,166 |
47% |
5月 |
14,304 |
8,386 |
59% |
2023/11 |
14,585 |
6,377 |
44% |
8月 |
9,074 |
3,999 |
44% |
【Level 3】 |
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受験者数 |
合格者数 |
合格率 |
2024/8月 |
16,947 |
8,081 |
48% |
2月 |
13,619 |
6,734 |
49% |
2023/8月 |
16,035 |
7,585 |
47% |
2月 |
14,858 |
7,102 |
48% |
2022/8月 |
10,376 |
5,032 |
48% |
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試験の内容・勉強法 | 米国を中心にCFA資格のステータスは非常に高く、特に海外の金融機関では、採用条件としてCFAまたはMBA保有者を挙げられることが多くなっています。日本では専門的な知識に加え、高度な英語力を備えている証にもなっています。また、CFA資格が世界的に認知されている背景の一つに、専門的かつ高度な知識や能力の上に職業倫理を重視していることがあります。また、このことが顧客からの信頼にもつながっているのです。
CFA資格は、一般に「証券アナリスト」と呼ばれる日本証券アナリスト協会が認定する資格(CMA資格)とよく比較されることがありますが、内容は全く異なります。一番の違いはその資格の難易度です。CMAよりCFAの方が圧倒的にレベルが高い資格です。レベルの違いの一つは試験の出題範囲の広さの違いによるものと、もう一つは試験が暗記試験か、暗記だけではカバーできない試験か、の差によるものにあると思います。
CFA資格の試験対策は、この試験の出題範囲は非常に広いですが学習すべき論点がはっきりしているため、日本語で書かれているテキストや、日本語による講義が受けられれば効果的です。
各レベルで約300時間の学習時間が目安とされていますが、実際はレベル 1の場合、日本の証券アナリスト資格を取得している人で最低350時間は必要です。同様に、レベル 2、レベル 3になると400時間〜500時間は必要でしょう。多くの方が仕事をしながら勉強することになりますので、勉強時間は毎日1時間、休日5時間で6ヵ月で400時間くらいの計画がお勧めだと思います。
記述問題対策としては、その解法テクニックを学んでおく必要があります。また、レベル1・2の25%は会計がらみの問題なので、証券投資に関する知識はもちろんのこと、英文会計の力も必要です。また出題が英語なので、同時に相当高度な英語力も必要です。
また、勉強方法は過去問と演習問題(英語)による徹底学習が必須です。できれば疑問点を質問できる環境があれば理想的です。また、各Levelにより出題形式が異なる(Multiple Choice、Item Sets、Essay)ため、それぞれの出題形式に合った対策も重要になってきます。
なお、CFAプログラム・パートナーとして日本の大学では、一橋大学大学院、早稲田大学大学院、青山学院大学大学院がパートナーシップを締結し、CFA資格をめざす人たちに最適の教育機関として認定されていますので参考にして下さい。
高度な金融技術やノウハウに通じている証明になるこの資格には非常に多くのニーズがあります。
仕事はInvestment Professional です。データを企業分析に活用し、ポートフォリオの運用・管理や投資助言を行うなど、証券会社の証券調査部門や投資意思決定に関わる業務などに幅広く活躍できます。また、海外投資部門でのリーダーとしての役割や、投資ファンドのファンド・マネージャーとして独立することも可能です。 |
試験日程 | ●試験日
Level1: 年4回(2月,5月,8月,11月)
Level2: 年3回(5月,8月,11月)
Level3: 年2回(2月,8月)
※日本(東京)でも受験できます。
【受験の流れ】
※CFA®Institute(オンラインによる受験申込はこちらになります)
最初に受験者のアカウント作成後、CFAプログラムへのオンライン登録を行います。
登録には以下の情報が必要になります。なお登録にあたってパスポート(有効期限内)が必須となります。
・個人情報(Personal Information):氏名、住所、生年月日等
・学歴(Education)
・職務経験(Work Experience)
・職務上のプロフィール(Professional Profile):投資経験、現在の勤務先のプロフィール等
・職務行為基準(Professional Conduct Statement)と受験者責務基準(Candidate Responsibility Statement)へのサイン
上記の情報を登録した後に、受験登録(Examination Registration)に移り、受験会場(日本の場合は東京)を選択し、クレジットカードで支払いを行い、手続きが完了します。
※CFA Instituteから 受付を通知するEメールが2~3日以内に届きます。また、申込時にハードコピーのカリキュラムを指定している場合、これらが後日郵送されます。
※Level 1 の場合、6月、12月の第一週の日曜日、Level 2、3 の場合、6月の第一週の日曜日に受験します。
※CFA Instituteから約2ヵ月後に合否の通知が届きます。
◆CFA試験(CBT)の詳細はこちらを参照ください
→ https://www.prometric.com/ja/test-takers/search/cfa
2025年CFA協会認定証券アナリスト 試験日程
試験日
【第1次春試験】国内会場:2025年4月27日(日)
【第1次秋試験】国内会場:2025年9月28日(日)
申込み
春試験:2025年2月7日~2025年3月6日まで
秋試験:2025年7月15日~2025年8月14日まで |
受験資格 | 受験資格は学歴等に関する要件があります(自己申告)
●CFA Level1の受験資格
以下の2つの条件のうち1つを満たす必要があります。
・「4年制大学卒業」または「大学3年生以上(試験日が卒業する月の23ヶ月以内前)」であること。
・学歴の代わりに、4,000時間の職務経験(投資関連業務でなくても可)、または職務経験と大学在籍期間の合計が4,000時間に達すること。
●CFA Level2の受験資格
Level 1に合格すれば受験資格が得られます。
●CFA Level3の受験資格
Level 2に合格すれば受験資格が得られます。
なお、大学生の方がLevel 1合格後にLevel 2を受験する場合は、Level 2試験日時点で大学4年生または大学を卒業している必要があります。
●CFA資格を取得するための要件
受験プログラムに登録すれば誰でも受験できますが、資格を付与され登録されるには以下項目の条件が必要になります。
①全Levelの試験に合格し、CFAプログラムを完了すること
②36ヵ月以上の期間に 4,000 時間の適切な投資実務経験を有すること
③CFA 協会の正会員(regular member)となること
④CFA協会が定める倫理規範と職務行為基準に従う旨を毎年宣誓すること |
試験会場 | プロメトリック株式会社が運営するテストセンターのリストの中から受験
(日本は東京のほか大阪で受験できます)➡ こちらを参照ください。 |
受験費用 | ・CFAプログラム登録料:350 USドル (新規のレベルⅠ受験者のみ必要)
・受験料
Level1: 早期登録:990 USドル 標準登録:1290 USドル
Level2: 早期登録:990 USドル 標準登録:1290 USドル |
試験方式 | CFA試験は全レベル(Level1,2,3)CBT試験です。
●試験方式 (試験は英語で行われます)
【Level 1】
出題形式:3つの選択肢から正解を選択(マークシート方式)
時間/出題数:[Session1],[Session2]共に 2時間15分/90問
【Level 2】
出題形式:「(長文や表)、関連する小問 4つ(3択問題)」で構成される大問(Item Set)
時間/出題数:[Session1],[Session2]共に 2時間12分/(大問 11: 小問 44)
【Level 3】
出題形式:Essay(記述式:50%)及びItem Set(50%)
時間/出題数:[Session1],[Session2]共に 2時間12分/(大問 11) |
試験科目 | ●CFA試験 Level 1
国際会計基準が中心の会計制度など、国際的な基準や制度が含まれ、投資に関する幅広い専門的知識が求められます。
試験範囲
(1)Ethical and Professional Standards (倫理規範・職業行為基準)
(2)Quantitative Methods (数量分析)
(3)Economics (経済)
(4)Financial Reporting and Analysis (財務諸表分析)
(5)Corporate Isseur (企業発行体)
(6)Equity Investments (株式分析)
(7)Fixed Income (債券分析)
(8)Derivatives (デリバティブ)
(9)Alternative Investments (オルタナテイブ投資)
(10)Portfolio Management and Wealth Planning(ポートフォリオマネジメント&ウェルスマネジメント) |
試験関連情報 | 【資格の難易度情報】
・資格の難易度とランキング
・ジャンル別資格の難易度ランキング
●試験関連情報
CFA試験の申込をすると、CFA協会公式の学習ツールが参照できます。
ただし、ボリュームが多いこともあり、下記の外部プロバイダーの学習コンテンツを用いて準備を進める受験生が多いようです。Kaplan Schweser Wiley
●関連資格
証券アナリストCMA
MBA
プライベートバンカー |
問い合わせ先 | CFA SocietyofJapan(日本CFA協会) 03-3517-5471
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町1-3-8共同ビル(昭和)
http://www.cfaj.org/Pages/default.aspx https://www.cfainstitute.org/pages/index.aspx |
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教材(テキスト・参考書) | CFA対策教材一覧
【CFA認定証券アナリスト おすすめ教材】
・CFA受験ガイドブック〔レベルI〕【第3版】-学習の手引き&試験のポイント
・CFA受験ガイドブック[レベルII]【改訂版】 |
教材(過去問・問題集) | ・協会編集の第1レベル講座の教材(受講者はマイページから過去5年間(10回分)の過去問および解答が体験できます)
・協会編集の第2レベル講座の教材(受講者はマイページから直近3回分の過去問および解答が体験できます) |
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