資格名

プライベートバンカー(PB)資格

資格の種類

民間資格

主催者

公益社団法人 日本証券アナリスト協会

資格試験の概要

日本証券アナリスト協会は2013年に「プライベートバンカー(PB)資格」を創設して以来、初めてPB教育プログラムを改定し、新テキストに基づくプライマリーPB試験を2023年4月10日(月)より開始しました。新テキストでは掲載内容も一新し、PB資格の取得に際して求められる知識やスキルがより学びやすいテキストとなっています。
改訂に伴うその他の事項としては、「PBコーディネーター試験」は2022年12月に終了。既に取得したPBコーディネーター資格は、継続学習要件を充足することで従来通り更新が可能です。また、名刺等への資格称号の記載も可能。「シニアPB試験」については、今回の教育プログラムの改定による変更はありません。

- 以下、このページでは改定後の「新プライベートバンカー(PB)資格」の教育プログラムに沿った資格試験の内容で記事を掲載しています。-

「プライベートバンカー(PB)」とは、富裕層の方を対象として金融資産だけでなく、事業再構築や事業承継を含め生涯、複数世代にわたる計画を投資政策書として提案し、それを長年にわたってサポートする資格を持った専門家のことです。そしてその資格は「プライマリーPB」、「シニアPB」の2つに分かれています。この2資格は日本証券アナリスト協会が2023年に旧資格を改訂した新試験で、富裕層や事業オーナー等の資産運用のニーズに対し、金融機関や財務コンサルタントなどがサービスの向上を図る上で必要となる幅広い知識と多面的なコンサルティング能力を認定するものです。日本においては、高齢化・長寿化が進む中で従来の企業オーナーや医師、地主などの富裕層に加えて、マス富裕層と呼ばれる多額の金融資産を保有する方など、富裕層マーケットが急拡大していることでプライベートバンカーへのニーズが高まっています。

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【プライベートバンカー(PB)になるために必要な知識】
・ウェルスマネジメント知識(戦略立案と実行)
・税金の知識
・不動産知識
・資産運用と継承の知識
・自己抑制と職業倫理

【プライベートバンカーの資格レベル】
●【プライマリーPB】
主に金融機関の営業職の人などが受験する資格試験で、主に相続や事業承継などの知識のある中級レベルのプライベートバンカー資格です。営業経験や急な対応力も必要です。
●【シニアPB】上級
富裕層に直接アドバイスや資産運用の計画書を提案でき、信頼を得ることができる資格になります。税理士や公認会計士などとも連携して、具体的かつ総合的な解決策を提案できるスキルが求められます。
この資格は、高度な実務知識が要求されるためプライマリーPB資格保有者や日本証券アナリスト協会検定会員、証券アナリスト第1次レベル試験合格などの資格がないと受験できません。
2023年9月末現在のプライマリーPB資格認定者数は1,750名。シニアPB資格認定者数は286名、総資格保有者数は2,036名です。

◆プライベートバンカー(PB)資格試験関連情報
教育プログラムの大幅な改定を進め、2023 年 1 月にプライマリーPB 試験のテキストを一新し、それに基づく新試験を 2023 年 4 月からスタートしました。
 ※新試験の内容については、プライベートバンカー(PB)新スタディガイドを参照ください。

合格率・資格難易度

難易度 
  プライマリーPB    「B」  普通   
  シニアPB       「B-上」   普通の上位

【資格の難易度レベル】
・プライマリーPBは、PB業務の中核的な役割を果たす方のための資格とされ、試験では資産の運用に関する実務面の基本知識が必要で、特に資産の承継・管理や事業の承継の理解と実務に要する基本知識が問われます。試験の難易度レベルはFP2級よりやや高い程度で、プライベートバンカー試験の中では中級試験の位置づけです。  
シニアPBは専門家としての役割を担う方のための最上位資格とされ、プライベートバンカーとしての全体最適な提案力が問われます。筆記試験の内容は「総合提案書」の作成ですが、難易度レベルはかなり高く、資産運用に関しては証券アナリスト1次レベルと同等で、FP1級取得者が次に目指す実践的な資格とされています。金融関係の資格の中でも難易度は高い方で、プライベートバンカー試験の中では上級試験です。  

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●合格率
2022年度の受験状況
・レベル別試験結果
 PBコーディネーター(2022年4月から2023年3月末までの合計)
     受験者数 242名 合格者数147名 合格率 60.7%
  資格保有者数:585名 ※2022年12月をもってこの試験は終了しました。
  プライマリーPB(2022年4月から2023年3月末までの合計)
   第1~3単位合計  資格認定者数 2,314名
  受験者数 2,343名 合格者数1,465名 合格率 62.5%
  資格保有者数:1,740名
  シニアPB(2022年4月から2023年3月末までの合計)
  受験者数 152名 合格者数 37名 合格率 24.3%
  資格保有者数:275名

※参考データ
・2020年9月末までの総資格認定者数 3,595名
(PBコーディネーター、プライマリーPB、シニアPBの合計)
 ・レベル別試験結果
 PBコーディネーター(2014年1月から2020年9月末までの累計)
     受験者数 1,444名 合格者数1,097名 合格率 76.0%
  プライマリーPB(2013年6月から2020年9月末までの累計)
   第1~3単位合計  資格認定者数 2,314名
  受験者数 10,565名 合格者数7,041名 合格率 66.6%
  シニアPB(2013年8月から2020年9月末までの累計)
  受験者数 777名 合格者数 184名 合格率 23.7%
・(平均合格率) (2014年~2018/3月末)
 PBコーディネーター 90~95%
 プライマリーPB   80%前後
 シニアPB      60~65%
 ・(累計合格率) (2014年~2018/3月末)
 PBコーディネーター 82%
 プライマリーPB   第1~第3単位合計70.5%
 シニアPB      第1~第3単位合計58.5%
 シニアPB(筆記試験) 20.7%

受験対策・学習法ほか

「プライベートバンカー(PB)」取得のためには、現在PB業務に従事していて、ある程度この方面の基本的な知識がある方ならば「プライマリーPB」 から受験されるのが実践的だと思います。資格取得には「新プライベートバンキング」第1~3分冊の内容全般の知識が要求されます。試験問題は基本的にはこのテキストの内容にそって出題されます。
受験対象者としては金融機関ならPB部門の担当の方、営業店である程度セールス経験があり多少の知識がある方など、PBの分野で活躍してみたいと思う方が想定されています。またFP2級取得者が次に目指す資格としても最適です。但し、FPレベルの金融関係等の知識の上に富裕層ビジネスに関連した専門知識が求められますのでその分野の勉強は必要になります。

すでに PB業務に関する知識が十分あり、プライマリーPB、又は CMA等を取得されている方ならシニア PB に挑戦されたらいいと思います。筆記試験は総合提案書の作成で、プライベートバンカーとして全体的に最適な提案力が問われます。協会のHPに掲載されている総合提案書作成ガイドを熟
読し、まず顧客の心に響く「総合提案書」とはどういったものかを完全に理解してください。
シニア PBの場合は協会が主催する「PB セミナー」「PB スクールのコース」を受講することで効率的に学習することもできます。シニア PBは金融機関ではプライベートバンキング部門の管理職か、又はリーダーとして活躍することを想定していますので、受験するには2年以上の実務経験が必要ですがPB 業務に本格的に携わる方には必須の資格になります。またこの資格は税理士や公認会計士、 FP等の方が実践的なノウハウを磨いていくのにも効果的な資格だと思います。プライマリーPB を取得された方なら挑戦してみる価値は十分あると思います。

わが国においては、高齢化・長寿化が進む中で、5千万円以上の金融資産を保有する富裕層のマーケットが拡大しています。それに合わせて金融業界でも富裕層ビジネスを強化するため、従来の営業スタイルからお客様のニーズに応えるコンサルティング営業へと転換しつつありますが、顧客の多様なニーズに合った総合的な金融サービスを提案できる能力を証明することが大きな課題となっており、プライベートバンカー(PB)へのニーズが急速に高まってきています。現に近年、プライマリーPBとシニアPBの受験者数、合格者数が大幅に伸びており、前期間と比較すると、合格者数は両資格ともに2倍以上まで増えています。これは各金融機関において、実務者に対するPB資格のニーズが高まっていることを示す証拠でもあります。

プライベートバンカーは仕事上、資産活用や承継などに携わることから、総合的なコンサルティング能力が身に付くため、PB資格を活かせる職業として「個人向け資産運用アドバイス」などがあげられます。また会社勤めであれば、金融機関で富裕層担当、または外資系企業などがあげられるでしょう。仕事上では、信頼できるパートナーとしてのプライベートバンカーの活躍がこれまで以上に期待されることになると思われます。

受験資格

・プライマリーPB
  誰でも受験可能
・シニアPB
  ①プライマリーPB資格取得者
  ②CMA  

試験方式

【プライマリーPB】基本レベル
・試験方式:コンピュータ試験(4肢択一式、単位毎受験可)
※試験方式はプロメトリックのページで確認できます。
・出題数:各単位40問
  第1単位:40問(WM40問)
  第2単位:40問(税金20問、不動産20問)
  第3単位:40問(RM8問、マス富裕層8問、信託・EP16問、職業倫理8問)
・試験時間:各単位100分
・合格最低点:非公開
・合否判定:コンピュータ試験会場で即座に確認できるようになっています。

【シニアPB】
・試験方式:筆記試験(年2回実施)
(出題後、約1ヵ月以内に総合提案書を提出する)
・出題数:-
・試験時間:-
・合格最低点:シニア PB は筆記試験に合格し、2 年間の実務経験を有する方が認定されます。
                   合格最低点は非公開になっています。
・合否判定:筆記試験の合否は答案の提出の締切り後、約4ヵ月以内に発表されます。
      受験者には採点結果および講評がメールでフィードバックされます。

試験科目

【プライマリーPB】
●第1単位
 ウェルスマネジメント(WM)
●第2単位
 税金、不動産
●第3単位
 リレーションシップ・マネジメント(RM) 
 信託・エステートプランニング(EP)
 マス富裕層、職業倫理

【シニアPB】
・総合提案書の作成(A4、15 ページ以内)

●プライベートバンカー(PB)試験の注意点
・プライマリーPB
プライマリーPB の受験は3つの単位に振り分けられていますが、各単位バラバラに、又は1 日ですべて受験することも可能です。第1、第2、第3単位の全試験に合格することでプライマリーPBの資格が認定されます。取得した単位の有効期間は取得後 3年間です。
また、ある単位を取得した日から 3年以内に残りの単位を取得する必要がありますが、できない場合には一番有効期限の古い単位から順次3年間で無効になり、改めて受験し直すことになります。
・シニアPB
シニア PB の場合、筆記試験に合格した上で 2年以上の実務経験が資格認定の要件になります。
シニアPBはコンピュータ試験の全3単位取得後、筆記試験「投資政策書」に合格した者で、所定の実務経験のある者にシニアPBの資格が認定されます。

スケジュール

(コンピュータ試験)
・予約受付:受験希望日の3営業日前まで(土日受験の場合は4営業日前まで)予約可能です。
  ⇒ 試験予約(プロメトリック)
※申込日を1日目として60日目まで受験希望日として選択可能。
・申し込み:オンラインにて申し込みが可能です。
      ※日本証券アナリスト協会のホームページで申込みができます。
・試験実施期間:月~日のすべての曜日で実施(祝日および年末年始休業を除く)
・合否結果:試験会場の画面で試験結果の確認および結果レポートが受け取れます。
※試験日の3営業日前まで(土日受験の場合は4営業日前まで)変更・キャンセルが可能です。

試験会場

全都道府県100カ所以上
試験会場検索

受験料

・プライマリーPB
  第1単位:8,400円(税込)
  第2単位:8,400円(税込)
  第3単位:8,400円(税込)
・シニアPB
    20,000円(税込)

問い合わせ先

公益社団法人 日本証券アナリスト協会
東京都中央区日本橋兜町2-1 東京証券取引所ビル5F
●PB問い合わせ先
tel:03-3666-1438
mail:pb@saa.or.jp
●受験手続きについて
tel:03-3666-1511
mail:p-pb@saa.or.jp

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通信講座・eラーニング

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通学スクール・講座

・協会主催 「セミナーとスクール」
・協会主催「PBコーディネーター資格取得コース」

教材(過去問集)

プライマリー PB サンプル問題
プライベートバンキング資格試験 問題集

教材(テキスト・参考書)

●プライマリーPB
 ・テキスト:「新プライベートバンキング」第1~3分冊
 ・サブテキスト:「プライマリーPB 試験(CBT)サンプル問題集」

●シニアPB
 ・テキスト:「顧客のための総合提案書の作り方」
 ・サブテキスト:「総合提案書作成ガイド」 

「プライベートバンカー関連教材一覧」

関連情報

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