資格名

不動産証券化協会認定マスター
(略称:不動産証券化マスター)

資格の種類

民間資格

主催者

一般社団法人 不動産証券化協会

資格の概要

「不動産証券化協会認定マスター」は、市場の健全な発展を担う人材育成のために創設された資格です。この資格保有者は不動産投資とファイナンスの分野におけるプロフェッショナルとして不動産と金融分野にわたる幅広い実践的な専門知識とスキルを有することを社会的に証明できます。

マスターの認定を受けるためには、
①マスター養成講座(コース1)をWEB講義で(約5ヶ月)受講後、修了試験に合格すれば、
②次はマスター養成講座演習編(コース2)において、レポートの提出・スクーリングでの確認テスト(全3科目)を受けます。これに(全3科目)合格すると「修了者」として発表されます。
③実務経験があれば、「マスター」に認定されます。
 二段階からなる養成講座を修了した後、不動産証券化協会へ資格認定を申請することで,「不動産証券化協会認定マスター」認定証の交付を受けることができます。

2025年4月の制度改正(実務経験要件の廃止)
2025年4月、不動産証券化協会はマスター資格制度の改正を行い、「不動産証券化協会認定マスター」になるための資格の認定要件とされていた実務経験要件(金融又は不動産の2年以上の実務経験)が廃止されます。
この制度変更により、2024年度以降にマスター養成講座の全過程を修了する方(再受講含む)は、金融又は不動産分野の実務未経験の方も「不動産証券化協会認定マスター」として資格を認定されることが可能になります。
ただ、資格の認定には審査があり、資格の欠格事由等がありますので、詳細は下記資格制度規則を参照ください。
    ➡ 不動産証券化協会認定マスター資格制度規則
尚、上記の改正に伴い、資格の認定要件のうち、実務経験要件のみ未充足の場合に認定されていた「不動産証券化協会認定アソシエイト」の資格・称号は廃止されます。2025年4月1日時点に「不動産証券化協会認定アソシエイト」として資格認定されている方は、同日付で「不動産証券化協会認定マスター」としてみなされることとなります。詳しくは2025年4月中旬に郵送にて通知予定されています。

結局、マスター養成講座(コース1)の修了試験に合格した人は、最終的にはほぼ何らかの形で認定を受けられることになります。尚、マスター養成講座では不動産、金融、法律、税・会計制度など幅広い内容を体系的に学ぶことになります。
※マスター認定者総数:11,400名(2024年5月現在)

◆2024年度実施のマスター養成講座より、カリキュラム再編が行われたため、学習科目、学習内容や試験の出題等に変更があります。詳細はこちらを確認ください。
   ➡不動産証券化協会認定マスター取得ガイド(新制度)   

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試験の合格率・難易度

難易度 
  「B-上」   普通-上位

【資格の難易度レベル】
不動産や金融の知識がどの程度あるかによって、知識を習得するための時間数は変わってきますが、この資格は学習範囲が広いだけでなく、会計や法務関係はかなり難しいレベルの問題が出題されています。ただその一方で、テキストやWeb動画配信による講義が充実しているため、学習はしやすくなっています。テキストと過去問だけの学習では合格は難しいですが、Web動画配信による講義で十分学習を積み重ねられれば、合格ラインに到達することは可能です。年々合格率が下がってきているだけでなく、問題の難度が上がってきていますので注意が必要です。

コース2の合格率がほとんど100%に近いので、この試験はコース1のハードルをクリアできれば資格が取得できると考えてよさそうです。ただ、宅建合格程度の不動産・金融知識は最低持ってないと、難易度的に付いていけないかもしれません。試験内容や勉強の必要量などから、認定マスター資格の難易度は、ファシリティマネジャーや不動産コンサルティングマスターより上でしょう。不動産証券化マスターコース1の合格に必要な勉強時間は、受験者によって大きく異なります。影響する要素には会計、ファイナンス、不動産に関する基礎知識の有無や理解力、勉強方法の差などがありますが、一般的には少なくても数ヵ月は必要です。大切なのことは、自分に合った勉強方法を見つけて、計画的に学習することです。
尚、この試験の合格点については、不動産証券化協会が毎年、試験実施後に決定するため、事前に正確な数値をつかむことはできませんが、総合点だけでなく、すべての科目において最低点をクリアする必要があります。

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合格率
・2024年度証券化協会認定マスター(コース1)修了試験結果
  受講者数3,657名 修了者数828名 合格率22.6%
・2023年度証券化協会認定マスター(コース1)修了試験結果
  受講者数3,225名 修了者数912名 合格率28.3%
・2022年度証券化協会認定マスター(コース1)修了試験結果
  受講者数2,657名 修了者数699名 合格率26.3%
   (コース2)受講者数723名 修了者数699名  合格率96.7%
・2021年度証券化協会認定マスター(コース1)修了試験結果
  受講者数2,612名 修了者数889名 合格率34.0%
   (コース2)受講者数906名 修了者数881名  合格率97.2%     
・2020年度証券化協会認定マスター(コース1)修了試験結果
  受講者数2,142名 修了者数769名 合格率35.9%
   (コース2)受講者数794名 修了者数769名 合格率96.9%
・2019年度証券化協会認定マスター(コース1)修了試験結果
  受講者数1,962名 修了者数687名 合格率35.0%
   (コース2)受講者数708名 修了者数676名 合格率95.5% 
・2018年度証券化協会認定マスター(コース1)修了試験結果
  受講者数1,862名 修了者数685名 合格率36.8%
      (コース2)受講者数703名 修了者数680名 合格率96.7% 
・2017年度証券化協会認定マスター試験結果
 コース1:受講者数1,645名 修了者数616名 合格率37.4%
 コース2:受講者数624名 修了者数601名
・2016年度不動産証券化協会認定マスター試験結果
 コース1:受講者数1,550名 修了者数558名 合格率36.0%
 コース2:受講者数578名 修了者数566名

【不動産証券化協会認定マスター】
・2024年5月現在
  マスター有資格者総数 1,1400名超  

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試験の内容・勉強法

不動産証券化協会認定マスターの試験では、各分野の基本的な問題が出題されます。全く手が出ないというような難問はありませんが、不動産から金融、ファイナンス理論と試験範囲が広範なので、広い分野の中で自分の業務外である分野の場合には、かなり深いところまでテキストや過去問などでやっておかないと合格基準点65~70点に達しない可能性があります。講義の資料や過去問の範囲から出題される傾向があるので、勉強方法はこれに合わせて過去問を繰り返しやりながら講義の資料で出題箇所周りの論点をつかんで十分に理解する手順で進めるといいでしょう。
修了試験に関してはコース1とコース2があります。コース2はレポートの課題になりますので、これは作業の時間が確保できれば合格が可能です。コース1を突破することが最大のポイントになります。
コース1の試験も試験の範囲は広範ですが、基本的には講義の資料や過去問で扱う範囲からのみ出題されることになりますので、試験対策としては、過去問で何度も出題されている内容や講義の中で時間をかけて繰り返し説明された内容の論点を中心に、確実に内容をつかんでおくことが大切になります。

証券化マスターは、証券化の職務に必ずしも必須の資格ではありませんが、取得できれば不動産ファンド業界そのものを理解する事ができ、持っているだけでそれなりの知識があると判断されるだけでなく、実際に大変役立ちます。マスターになることは、不動産とその証券化商品のリスクとリターンを正しく評価し、適正にアレンジできる専門家として、不動産投資ビジネスにおいての地位も高まってくるでしょう。
証券化マスターの活躍の場は不動産業界だけではありません。銀行、証券会社などの金融機関や、法律事務所、監査法人、政府系機関、シンクタンク、格付機関などの専門機関などでも多くのプレイヤーが不動産証券化を支えています。認定マスターも2024年5月現在では資格認定者も1,1400名を超え、その裾野は年々広がり続けています。




試験日程

●試験日
 ・マスター養成講座(コース1)修了試験
  10月第4日曜日(修了試験)
 ・マスター養成講座(コース2)試験
  2月上旬(スクーリング及びレポート)
●出願期間(申込方法:マスター資格制度専用 Web サイトにて申込みます)
※申込希望者は事前に受講用 Web サイト(ARES CAMPUS)を利用可能なパソコン、インターネット環境を整える必要があります。
 ・マスター養成講座(コース1)
  
3月下旬〜4月中旬
 ・マスター養成講座(コース2)
  翌1月上旬〜中旬
●合格発表
 ・マスター養成講座(コース1)
  翌1月上旬
 ・マスター養成講座(コース2)
  翌5月中旬

2024年度不動産証券化協会認定マスター受講案内
 試験実施::2024 年 11 月 16 日(土)

受験資格

コース1: 誰でも受講することができます。
コース2: コース1の修了者。

試験会場

・コース1:東京、大阪、仙台
・コース2:東京

受験費用

●マスター養成講座受講料(受講料+受験手数料)
・一般向け価格
 コース1 : 107,800円(税込)
 コース2:  63,800円(税込)
・学生向け価格
 コース1 :  63,800円(税込)
 コース2:   31,900円(税込)

 ※会員や学生には割引があります。
         → 講座の受講料

試験方式

マスター養成講座修了試験
【コース1知識編】
・出題方式 
  4肢択一 マークシート方式 
・試験時間/出題数
  6科目合計 100問出題 /100点満点
(出題科目) 
午前:(50問 120分) 
 ・101科目 企業と不動産(出題 3問) 
 ・103科目 不動産投資の基礎(出題 24問) 
 ・105科目 不動産ファイナンスの基礎(出題 20問) 
 ・106科目 不動産証券化と倫理行動(出題 3問)
午後:(50問 120分)  
 ・102科目 不動産証券化の概要(出題 15問)
 ・104科目 上:不動産証券化の法務 下:不動産証券化の会計・税務(出題 35問)
※テキスト、過去の試験問題集は電子書籍で閲覧が可能です。

【コース2 演習編】スクーリング、及び確認テスト(スクーリングでの実施)
・実施方式:オープンブック方式(テキスト持ち込み可能)
・解答方法:マークシート方式(形式・出題数は科目による。各科目 45分) 
(出題科目)
 ・201 科目 不動産投資分析
 ・202 科目 不動産ファイナンス
 ・203 科目 不動産証券化商品分析
※テキストは電子書籍にて閲覧が可能です。
・合否判定
 コース1修了試験の成績(全科目の合計点)が不動産証券化協会の定めた合格基準点に達した者を合格者となります。ただし合格基準点に達していても1科目の点数が、本協会があらかじめ定めた所定の点数に達していない場合は不合格となります。
・合格発表及びコース2申込み
  合格者の受験番号を Web サイトに掲載するとともに合格通知が送付されます。
  合格者は、発表日から所定の期日までにコース2の受講申込を行ってください。

◇免除科目
一度資格を喪失した者や,改めてマスターになることを目指す場合を対象に,試験による再認定制度があります。

試験科目

マスター講座は「知識編コース1」と「演習編コース2」で構成されています。
●マスター養成講座(知識編コース1)
(科目) 
 ・101科目 企業と不動産 
 ・102科目 不動産証券化の概要
 ・103科目 不動産投資の基礎
 ・104科目 上:不動産証券化の法務 下:不動産証券化の会計・税務
 ・105科目 不動産ファイナンスの基礎
 ・106科目 不動産証券化と倫理行動
(教材)
 ・テキスト(6 科目 7 冊)
 ・Web 講義及び講義資料(6 科目)
  ※テキスト、過去の試験問題集は電子書籍で閲覧が可能です。

●マスター養成講座(演習編コース2)
(科目)
 ・不動産投資分析
 ・不動産ファイナンス
 ・不動産証券化商品分析   
  以上について、講義の出席およびレポートの提出にて評価
※「演習編コース2」は、今まで学んだ知識を活用して不動産投資分析、不動産ファイナンスなどの実務演習を行います。講義などを受講し、レポートを提出して確認テストに合格すると資格が認められます。

試験関連情報

【資格の難易度情報】
資格の難易度とランキング
ジャンル別資格の難易度ランキング

●試験関連情報
2024年度より新制度の資格試験がスタートしました。これまでのマスターの資格認定に必要とされていた
「2年以上の実務経験」が廃止されます。➡新制度の詳細

●関連資格
 ビル経営管理士
 不動産コンサルティングマスター

問い合わせ先

一般社団法人 不動産証券化協会
〒107-0052
東京都港区赤坂1-1-14 野村不動産溜池ビル3階
03‐3505‐8001(代表)
※マスター養成講座、資格制度に関するお問い合わせはマスター資格制度事務局までお願いいたします。

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

教材(テキスト・参考書)

不動産証券化協会認定マスター試験教材
不動産証券化関連教材

 

教材(過去問・問題集)

※ (社)不動産証券化協会認定マスター養成講座受講者には「コース1」の過去問の冊子がもらえます。

講座・スクール

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