資格名

水先人
※一般には「水先案内人」と呼ばれることの方が多く、英語では パイロット( Pilot )と言います。

資格の種類国家資格(業務独占)国土交通大臣の免許
主催国土交通省海事局/一般財団法人海技振興センター
資格の概要

「水先人」とは、1日に数百隻もの船舶が行き交う水域や、海峡や内海などの複雑な形状の水域など、船舶交通の状況が厳しい交通の難所である全国35水域(水先区)を航行して港に入港する船舶に乗船し、船長を補助し、船舶を安全かつ速やかに目的地まで導く専門家で、日本では職務を行う区域(水先区)毎に水先人免許(国家資格)が必要となります。

水先人になるには、水先区ごとに1級から3級の免許を取得しなければなりません。取得した級により、水先業務を行える船舶の大きさ(総トン数)が異なります。
まず、免許を受けるためには、水先人を養成する機関(登録水先人養成施設)において所定の課程を課程を終了してから水先人試験(国家試験)に合格しなければなりません。
船長や1等航海士の経験がある人は、1級や2級の水先人になることが可能ですが、船長や航海士の経験がない人は、商船に関する教育を行う教育機関を卒業して海技士の免許を持つことで3級の水先人になることが可能になります。また、水先人は、法律により水先人会に入会することが義務づけられ、船会社からの水先業務の依頼は、水先人会を通じて依頼されます。
※現在、全国35箇所の港や船舶交通の輻輳する水域が水先区として設定されており、650名あまりの水先人が活躍しています。一級水先人は全国全ての水先区において業務を行っていますが、二級水先人及び三級水先人の場合は、現在は東京湾、伊勢三河湾、大阪湾、内海及び関門の5つの水先区のみになっています。
※登録水先人養成施設は、日本では唯一兵庫県芦屋市にある「海技大学校」だけです。

◆資格区分(1級~3級)
・1級水先人: 制限なし
・2級水先人: 5万トンまでの船舶(危険物積載船は2万トンまで)
・3級水先人: 2万トンまでの船舶(危険物積載船は不可)
※危険物積載船とは、原油や液化石油ガス等、危険性の高い貨物を積載している船舶です。
◆免許の更新
・水先人免許は5年ごとに更新しなくてはなりません。
・毎年10月に実施される身体検査に合格しなければならない。

試験方式

●身体検査と学術試験に分かれています。
 ・身体検査:視力(矯正視力も可)、弁識力、聴力、疾病及び身体機能
 ・学術試験:筆記試験及び口述試験(口頭試問及び海図描画

受験資格

●船長や航海士等の経験がない人が水先人受験資格を得るには、商船系大学や商船高等専門学校などで専門教育を受けて、三級海技士の海技試験を受験、合格して入社し三等航海士となります。
その後乗船しながら一定期間以上の経験を積みながら、上位資格の二級海技士、一級海技士を両方とも取得します。その後、3000トン以上の外航船船長として3年以上の実務経験を経て、それで初めて受験資格を得ることが出来ます。

◆3級水先人受験資格
 ・海技免許:3級海技士(航海)以上
 ・必要履歴:1,000総トン以上の船舶で1年以上、航海士以上または実習生として乗船
上記の経験を有し、1年9ヶ月の養成過程を終了した者。航海士経験者としての乗船履歴の無い場合は、3年9ヶ月の養成課程を終了した者。
◆2級水先人受験資格
 ・海技免許:3級海技士(航海)以上
 ・必要履歴:3,000総トン以上の船舶で2年以上、船長または一等航海士として乗船
上記の経験を有し、1年3ヶ月の養成過程を終了した者。
または、3級水先人での実務経験が2年以上、かつ6ヶ月の養成過程を終了した者。
◆1級水先人受験資格
 ・海技免許:3級海技士(航海)以上
 ・必要履歴:3,000総トン以上の船舶で2年以上、船長として乗船
上記の経験を有し、8.5ヶ月の養成過程を終了した者。
または、2級水先人での実務経験が2年以上、かつ3ヶ月の養成過程を終了した者。

試験科目

【一次試験】
 ●身体検査
 ●筆記試験
  ・海上事故予防法規
  ・海上交通安全法
  ・操船知識
  ・気象知識
  ・港湾知識
【二次試験】
 ●口述試験
  ・気象・海象知識
  ・水深、距離、障害物、航路標識等の知識
  ・操船知識
  ・国際通信信号知識 (国際信号旗など)
  ・条例、規則
  ・英会話
  ・一次試験範囲の応用問題
※身体検査
学術試験の前に行われ、視力(矯正視力も可)、弁識力、聴力、疾病および身体機能を検査。
※学術試験
筆記試験および口述試験(口頭試問および海図描画)により実施されます。筆記試験は水先区共通教育の実施期間中に、口述試験は水先区個別教育の実施期間中に行われます。

スケジュール

●試験実施:
  ・一次試験は5月中旬 ~ 6月上旬頃の2日間
  ・二次試験は11月~翌年1月までの指定された日
●受付期間:試験日の約1カ月前から
●合格発表:試験日の約2週間後
筆記試験は全水先区共通教育が概ね修了する時期(6月~7月頃)に、口述試験(海図描画に係るものを含む)は各水先区個別教育の期間中(12月~1月頃)に受験することとなります。

※2018年水先人試験日程
受験の申請は、各地の運輸局で受け付けられますので、申込期間・試験日程などは各運輸局へご確認ください。

試験会場

●一次試験:東京
●二次試験:受験水先区を管轄する地方運輸局の所在地。
      (札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、神戸、博多)

受験料
●一次試験(身体検査):3,450円
●一次試験(筆記試験):10,300円
●二次試験(口述試験):12,400円
資格難易度

●難易度
    1級 「A」難関
2級・3級 「B」普通の上位
●合格率
  非公開(近年では受験者数は約100人で、合格者数は80人前後です)

※参考データ
東京湾水先区における試験結果(平成29年度)
・1級 受験者数5名 合格者数4名 合格率80.0%
・2級 受験者数1名 合格者数1名 合格率100%
・3級 受験者数1名 合格者数1名 合格率100%
過去の試験結果(1級)
・2008年 受験者数48名 合格率93.8%
・2007年 受験者数52名 合格率96.2%
・2006年 受験者数51名 合格率74.5%
・2005年 受験者数47名 合格率85.1%

【資格の難易度レベル】
「水先人」の難易度が高い一番の理由は、水先人試験の受験資格を得ることだけで膨大な時間と業務経験を必要とするところでしょう。見方を変えれば、最短の20代で3級を取得したとしても、さらにレベルアップしていけば、以後数十年間に渡って仕事を続けられる一生ものの資格だと言えます。筆記試験対策はひたすら「覚えること」だけです。試験では覚えたことを書くだけなので、考えることはなく、忘れれば不合格の試験です。

受験対策&
資格の将来性

試験は一次試験と二次試験があり、書類選考(申請内容の審査)→ 筆記試験(一般的な総合適性試験・作文等)→  面接試験という順で行われます。一次試験の一般的な総合適性試験は予習・事前勉強などを要しないもの、ということですが、難易度が高めの基本的な暗記問題と作文が2題出ます。また二次の面接は、過去の合格者をみても会社での乗船経験など、経験者がほとんどなので、経験がない人にはかなりハードルが高い面接試験になるでしょう。
なお、2級または3級の免許を受けて一定期間の業務に従事した水先人は、さらに上級の水先人試験に合格することによりキャリアアップすることが可能です。

水先人は、日本各地の港湾や内海に出入りする大型船に乗り込み、自分で習得した特別な知識技能を駆使して安全、かつ効率的に船を導くことを業務とする個人事業主です。言ってみれば、国民の生活と日本の産業に欠かせない船舶輸送における安全を側面から支えているのです。一般のサラリーマンのように決められた勤務時間や休日等は無く、その所得は自身が行う仕事の量に応じたものになります。また、特殊な環境下での仕事になるため高収入が期待できる資格のひとつでもあります。※1級の場合:年収2000~3000万円前後(場所によって違う)

水先人養成のための教育は比較的長期間に及ぶため、養成課程を履修する者(水先修業生)に対する経済的支援体制が整っています。その支援事業を行うのが、一般財団法人「海技振興センター」です。同センターの経済的支援を受けるには、同センターが実施する「水先人養成支援対象者選考試験」に合格しなければなりません。

通信講座

水先人 通信教育(海技大学校 教務課)

スクール

水先人養成制度(一般財団法人海技振興センター)

オンライン学習

-

教材

水先人試験

売れ筋教材
問い合わせ先

一般財団法人海技振興センター
〒102-0083 東京都千代田区麹町4-5 海事センタービル5F
TEL 03-3264-3871
http://mhrij.org/Default.aspx?tabid=169

国土交通省 海事局海技・振興課水先係
〒100-8918 東京都千代田区霞が関2-1-3
TEL 03-5253-8111 内線45-324
http://www.mlit.go.jp/maritime/shikaku/mizusaki2/

スポンサーリンク