試験の合格率・難易度 | ●難易度
「B」 普通
【資格の難易度レベル】
証券アナリスト資格の受験には、協会の通信教育を1次レベルの8ヶ月間、2次レベルの9ヶ月間受講することを義務付けています。この資格試験には数式を使う科目数が多く、範囲が非常に広いことが難易度を高くしています。必ず数学の知識や応用力が必要になるため、統計学や数学に強いと有利です。その他にはデータを集めるための情報収集能力や分析力は必須です。
試験に関しては、毎年出題されるところが大体決まっているので、そのあたりにポイントを絞って十分に準備をしておけば、大抵は合格することができます。
総じて言えば、証券アナリスト資格試験は、通信教育期間計17ヶ月を含めると勉強時間が非常に長くなりますが、試験は特に難関試験ではありません。同じ税務・証券系の日商簿記検定2級と1級の中間くらいの難易度と考えて良いでしょう。
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●合格率
2021年証券アナリスト第1次レベル春試験 合格率51.8%
受験者数(3科目延べ)10,550名 合格者数5,467名
2021年証券アナリスト第1次レベル秋試験 合格率53.8%
受験者数(3科目延べ)7,161名 合格者数3,851名
2021年証券アナリスト第2次レベル試験 合格率52.1%
受験者数 2,727名 合格者数 1,422名
※参考データ
・2020年証券アナリスト第1次レベル秋試験 合格率55.0%
受験者数(3科目延べ)10,772名 合格者数5,921名
・2020年証券アナリスト第2次レベル試験 合格率53.4%
受験者数 1,946名 合格者数 1,040名
・2019年証券アナリスト第1次レベル秋試験 合格率52.6%
受験者数(3科目延べ)5,648名 合格者数2,971名
・2018年証券アナリスト第1次レベル春試験 合格率51.3%
受験者数(3科目延べ)7,698名 合格者数3,951名
・2017年証券アナリスト第1次レベル秋試験 合格率51.6%
受験者数(3科目延べ)5,012名 合格者数2,586名
・2017年証券アナリスト第1次レベル春試験 合格率48.2%
受験者数(3科目延べ)7,379名 合格者数3,559名
・2016年証券アナリスト第1次レベル秋試験 合格率52.4%
・受験者数(3科目延べ)5,000名 合格者数2,621名
2016年証券アナリスト第1次レベル秋試験の結果内訳 |
試験の内容・勉強法 | 証券アナリスト試験は、1次レベル本試験受験には、まず「日本証券アナリスト協会」1次通信教育講座の受講が絶対条件となります。この教育講座は誰でも受講することができますが、1次本試験を通過すると協会が行う2次通信教育講座に進むことができ、2次レベル本試験には、2次通信教育講座の受講申し込みが必須となります。そして、2次試験に合格し、かつ証券分析の実務経験が3年以上あれば、日本証券アナリスト協会の検定会員(CMA)として入会することができます。さらに、検定会員(CMA)資格者には国際公認投資アナリストの受験資格が与えられます。結局、資格取得までの流れは、第1次レベル講座受講(8ヶ月)→第1次レベル試験合格→第2次レベル講座受講(9ヶ月)→第2次レベル試験合格、かつ実務経験が3年以上と認定されれば、日本証券アナリスト協会の検定会員として入会の資格が付与されます。試験対策の学習は長期になりますが講座の受講を修了し、しっかりと対策をしていれば2年程度で試験の合格は可能です。
通信講座の開講期間は、第1次試験は6月~翌年1月までの8ヶ月間、第2次試験は8月~翌年4月までの9ヶ月間です。第1次試験では「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」がメインの科目で他の科目の2倍ほどの学習量があります。2次では「職業論理・行為基準」と「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」が中心なので、的を絞った学習が必要になります。証券アナリスト専門の資格スクールもありますが、各レベルの試験に合格するためには、普通それぞれ最低でも250時間の勉強が必要とされています。
1次レベルの試験では、学習した基本的な理論、概念、分析ツール等を正確に理解していることが鍵となります。「証券分析とポートフォリオ・マネジメント」がポイントになりますが、試験で問われるのは、公式とグラフの意味を関連づけであるため、問題をたくさん解いて慣れたうえ、さらに公式の意味を詳しく理解することが必要です。「経済」は国民経済計算の体系が重要。また「財務分析」は基本が簿記なので、簿記の苦手な人は、日商の簿記3級や2級あたりで基礎を固め、証券アナリストの財務分析の教材で財務諸表や財務分析を十分に勉強することです。
2次レベルは、非常に問題数が多く、じっくり取り組む時間がないため、苦手な問題を飛ばして、解ける問題を解いていく方式に切り替えた方がよいでしょう。苦手な問題を飛ばす、見切りの付け方が難しいですが、問題を数多くこなしておくと、その辺のことも分かりやすくなります。
この資格は多くの金融機関で認知されているため、その試験の難易度等から金融業界での評価は高く、金融業界以外にも、企業の財務・IR部でキャリアアップをしたい方には有利な資格となります。また、自らの知識を客観的に証明できるという意味で、銀行や証券会社に勤めるビジネスパーソンにはおすすめの資格です。証券会社や機関投資家、投資銀行などに、専門職として雇用される形で職務に携わる人が多いですが、評論家等として自由契約や独立経営する人もいます。
企業の動向を左右する分析を行うという意味でその社会的責任は大きく、情報収集や分析能力の客観的な証明が、アナリストの雇用や選択の上で大きな拠り所になるのは間違いありません。
企業や業界、経済の動向を調査分析し、投資価値や将来性を予測すると言う任務上、金融関係全般で有利な資格と言えます。
◆「証券アナリスト」の資格には2種類あることをご存知ですか。
1つは、このページで紹介している資格で、社団法人日本証券アナリスト協会が認定する「日本証券アナリスト検定会員(Chartered Member of the Securities Analysts Association of Japan、略称CMA)」。
もう1つは、米国に本部があるCFA Instituteが認定する「CFA協会認定証券アナリスト(Chartered Financial Analyst)」、国際的な投資プロフェッショナルの資格です。
前者が、一般に「証券アナリスト」と呼ばれる資格ですが、前者と後者は試験の種類や難易度、資格の評価などが全く異なる資格です。
「日本証券アナリスト(CMA)」は、事前に協会が主催する通信講座を受け、その後1次試験と2次試験に合格し、実務経験が3年以上の者で協会から「日本証券アナリスト(CMA)」として認定を受ければ資格が取得できます。それに比べて、「CFA協会認定証券アナリスト(CFA)」の資格取得のためには、Level1、Level2、Level3の3つの試験に合格し、少なくとも4年間の投資分析関連の職務経験が必要になります。試験の合格率はLevel1 35%前後、Level2 40%前後、 Level3 50%前後で、日本人の合格者数は全体の2~3%程度に過ぎません。そのため、日本人のCFA資格所有者は約1,000人しかいません。試験は英語で行われ、各LEVELとも試験は午前、午後ともに3時間で計6時間が所要時間です。 |
受験費用 | ●1次レベル
・証券分析とポートフォリオ・マネジメント 6,200円
・財務分析 3,100円
・経済 3,100円
●2次レベル 8,200円(各税込) |