資格の概要 | 証券会社や銀行等の金融商品取引業者等のうち日本証券業協会の協会員となっている会社に所属し、顧客に対して金融商品等を勧誘する等の金融商品取引業務を行う者を外務員といいます。
証券外務員は、証券会社、銀行、信託、生損保などあらゆる金融関連業界で証券業務を行う資格を有する人をあらわしており、主な仕事は「有価証券の売買もしくは委託等の勧誘などを行うこと」です。協会では外務員の資質の適格性を確保するために、外務員資格試験制度を設け、合格者に外務員資格を付与しています。その中で、「二種外務員資格」では、株式、国債、公社債、投資信託等の現物を扱うことができます。
また、「一種外務員資格」を取得すると、二種で扱える金融商品のほか、信用取引、先物取引、オプション取引など、有価証券に関わるすべての金融商品の取り扱いが可能 となります。
二種外務員資格試験に加え、一種外務員資格試験が一般に開放され、平成24年1月16日(月)から予約が受け付けられることになりました。尚、一種試験は、二種外務員資格試験の合格者ではなくても、直接受験することができます。一種外務員資格は、二種外務員で扱う商品の他、デリバティブ取引、信用取引などを取り扱うことができる資格です。
※外務員になるには、金融商品取引業者等に入った後、その氏名等を行政(金融庁)に登録することが、金融商品取引法により義務付けられています。この登録手続きが終了しなければ、「外務員」として活動することはできません。
※平成28年4月1日以降、「先物取引」、「オプション取引」、「特定店頭デリバティブ取引等」を統合し、「デリバティブ取引」となりました。
◆ 証券外務員資格関連情報
現在の二種外務員資格試験に加え、一種外務員資格試験(新一種試験)が一般に開放されることになりました。新一種試験は、二種外務員資格試験の合格者ではなくても、直接受験することができるようになりました。 |
試験の合格率・難易度 | ●難易度
一種 「B」普通
二種 「C」やや易
【資格の難易度レベル】
証券外務員資格試験の一種と二種は正答率によって合格者数の調整は行われませんので、満点の7割以上(210点以上)を取れば必ず合格できる試験です。出題傾向をつかんできちっと受験対策スケジュールを組んで勉強すれば二種は難しくありません。合格に必要な勉強時間は二種の場合は、独学で40~50時間(1ヵ月程度)くらいでしょう。
二種に比べて一種の難易度は高くなります。一種は、二種では出題範囲外の問題が40%近く出題されます。例えばオプションやデリバディブというような項目です。一種は基礎知識がない人には独学ではちょっと難しいかも知れませんが、ある程度この分野の知識がある人にとっては、初心者向けレベルの試験と考えてよいでしょう。この分野の知識をある程度持っている人なら、独学で60~70時間(1.5~2ヵ月)程度、集中して勉強すれば合格できるレベルです。受験対策は多くの資格試験と同様、この試験も問題集中心の勉強になります。特に計算問題を落とさないように力を入れること。計算問題をやる前に必ずテキストを理解しながら2回程度熟読しておくことを薦めます。
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●合格率
2021年証券外務員二種試験結果
合格率70.5% 受験者数2,846名 合格者数2,006名
2021年証券外務員一種試験結果
合格率71.7% 受験者数4,690名 合格者数3,365名
・2020年証券外務員二種試験結果
合格率68.9% 受験者数2,725名 合格者数1,878名
・2020年証券外務員一種試験結果
合格率74.6% 受験者数4,594名 合格者数3,425名
・2019年証券外務員二種試験結果
合格率65.2% 受験者数3,131名 合格者数2,042名
・2019年証券外務員一種試験結果
合格率67.6% 受験者数4,633名 合格者数3,132名
・2018年証券外務員二種試験結果
合格率66.6% 受験者数3,870名 合格者数2,573名
・2018年証券外務員一種試験結果
合格率66.1% 受験者数4,782名 合格者数3,160名
・2017年証券外務員二種試験結果
合格率62.9% 受験者数4,445名 合格者数2,797名
・2017年度証券外務員一種試験結果
合格率65.1% 受験者数5,604名 合格者数3,647名 |
試験の内容・勉強法 | 証券外務員の資格は、証券会社、銀行などの金融機関に就職後、株券など有価証券の売買など証券業務を行うために必ず必要な資格で、法律、経済、税制などの 幅広い知識が求められます。なお、外務員になるには、証券会社または銀行等に就職した後、氏名等を登録することが法律で義務付けられており、試験に合格しても登録が完了しなければ外務員とはなれません。
・二種外務員資格試験
この試験はあくまでも証券外務員としての基本を身につけるための試験なので、ゼロからのスタートでも、本当に証券外務員としてやる意欲さえ あれば、合格が可能な試験です。試験対策は、過去問題集さえやっておけば問題ないでしょう。試験問題では株式における手数料や、利回り率、所得税などの計算問題が出ます。計算問題は必ず何問か試験に出ますので、数式問題は点数を確実に取るためにも確実に覚えておかねばなりません。試験自体の難易度レベルはそれほど高くなく、当然知っているべき内容が出題範囲となっています。専門的な用語や内容、基本的な用語や意味、仕組みなど十分に細かく理解していれば、十分に合格は可能です。いづれにしても、一発で合格を狙う試験ですが、実際の試験では計算する際にPCの電卓を使用します。勉強するときにもPCの電卓に慣れておくことがポイントです。パソコンを使う試験なので、パソコンが使えないとダメです。
一般開放に伴い、難易度がやや上昇している傾向がありますが、必要なところをしっかり勉強していれば合格できる試験。金融の知識が全くない場合は、すこし覚えることが多くなります。
勉強は、過去問中心にした方がいいでしょう。問題を解いていき、間違ったところや分からなかったところはテキストで確認し、覚える作業を繰り返すことが効果的です。
いずれにせよ、この資格は証券取引関連全般の知識を幅広く吸収できるため、コストパフォーマンスの高い資産運用関連の資格と言えます。
・一種外務員資格試験
一種試験の合否のカギを握るのは計算問題です。考え方さえ理解できていれば、決して難しくはない問題ばかりですが、計算問題ができないと合格は無理と考えてよいでしょう。問題集をやりまくり、問題を理解しながら計算に慣れることです。70%以上(210点)を取れば合格となりますが、毎年問題が難しくなっており、合格率も下がっています。問題には先物やオプションなどのデリバティブの問題も出てくるので、十分に仕組みの勉強をしておく必要があるでしょう。出題は過去問から7割と言われているので、過去問中心の勉強がよいでしょう。一種は7割の人は合格する試験ですが、勉強に手抜きをしないようにすることが肝心です。協会主催のセミナー等の受験対策は実施されていないので、スクールを利用しない人はテキストで勉強するしかありません。
銀行や証券会社など金融機関で働きたい人や、株式について勉強したい人、将来は金融アナリストを目指している人などには、おススメの資格です。 |
試験方式 | ●試験方式:CBT(Computer Based Testing)方式
・試験は設問がパソコン画面に表示され、パソコンのマウスを操作して解答する方式です。
・試験会場に備えられたパソコンによって行なわれます。
・〇×方式及び五肢選択方式(語句選択方式、計算問題) 解答の方法はPCへの入力方式
【二種試験】
・出題:70問(○×方式50問、五肢選択方式20問)
・試験時間 120分
※○×方式の問題は1問2点、五肢選択方式の問題は1問10点(五肢択二は各5点)
・300満点のうち、7割(210点)以上で合格になります。
【一種試験】 (二種同様パソコンを使用します)
・出題:100問(○×方式70問、選択方式30問)
・試験時間 160分
※○×方式の問題は1問2点、選択方式の問題は1問10点(五肢択二は各5点)
・440点満点のうち、7割(308点)以上得点した者が合格となります。
※試験で不合格であった場合(欠席の場合は含みません。)受験日の翌日から起算して30日を経過する日までは、日本証券業協会主催のすべての試験を受けることはできません。 |