資格名

公認内部監査人( Certified Internal Auditor) CIA

資格の種類

国際資格

主催者

IIA(The Institute of Internal Auditors)

資格試験の概要

CIA(公認内部監査人)とは、Certified Internal Auditorの略で、組織の内部監査についての知識・技能を証明する、アメリカ合衆国を起源とする国際的な資格で、アメリカに本部があるIIA(内部監査人協会)が主催・認定する国際資格です。1974年11月に開始されました。日本ではIIAの日本代表機関である「日本内部監査協会」IIA-Japanが試験を実施しています。
主として上場企業の内部監査についての知識・技能を証明することを目的とする資格で、企業内部の業務処理の適法性などを監査する内部監査人について、その能力を証明します。この資格は、資格認定試験に合格し実務経験など所定の要件を満たして初めて取得できます。
この認定試験は、世界約160の国と地域で18の言語により実施されています。2021年末現在では、世界各国で170,000名以上のCIAが、企業をはじめ多くの組織において活躍しています。
※日本の支部は日本内部監査協会。1999 年11月より日本語での試験を実施しています。日本における合格者数は2021年3月までの累計で10,081名です。

◆内部監査人資格(CIA)試験関連ニュース
・IIA(内部監査人協会)は、グローバル化とITの進歩を背景に国際的実務に対応できる内部監査人を育成するため、CIA資格試験の出題範囲を記した「シラバス」を改訂し、2019年10月に新試験として導入されました。新試験では特に、Part3「内部監査のためのビジネス知識」の内容が大きく変わり、情報セキュリティ・情報技術といったIT分野の出題が20~25%だったものが45%に変更となりました。
<新試験のポイント>
・Part1「内部監査に不可欠な要素」
IIAの属性基準とより整合した内容になりました。出題要素(ドメイン)の柱は「ガバナンス・リスクマネジメントおよびコントロール」です。
・Part2「内部監査の実務」
IIAの実施基準と、より整合した内容になりサンプリングなど個々の業務の実施に関する出題40%になりました。
・Part3「内部監査のためのビジネス知識」
IT分野の出題が45%に拡大されました。また、サイバーセキュリティのリスクなど追加トピックが登場します。

【CIA資格認定要件】
(1)教育要件
全科目の試験に合格し、以下のいずれかに該当すること
(初回受験申込時に最終学歴の卒業証明書を提出)
・四年制大学の卒業の方
・大学・大学院の在学生(大学の場合、3年生以上)
・大学・大学院の教員
・教育要件を満たしていない方(大学卒業・大学院を修了された方以外)でも、IIAが定めた要件を満たしていれば受験の申込みができます。
(最終学歴 短大)全パート合格に加え、合計5年間の内部監査の実務経験が必要となります。
(最終学歴 高校・専門学校)全パート合格に加え、合計7年間の内部監査の実務経験が必要です。
(2)推薦(初回受験申込時に推薦状を提出)
CIA等の認定資格の保持者または上司等による「推薦状」を、初回受験申込時に提出が必要。
(3)実務経験(受験申込時、または、要件を満たした時点で証明書を提出)
認定を受けるためには、全Partに合格した人のうち
1.内部監査・監査役監査・外部監査・リスクマネジメント・コンプライアンス・内部統制にかかわる業務のいずれかの実務経験が2年以上ある方。
2.会計・法律・財務・経営に関する修士取得者は実務経験1年分に充当されます。
3.監査・会計・財務・法務に関する4年以上の教職経験は、実務経験2年分に充当されます。
※IIA本部における最初の受験登録から4年以内に試験に合格し、提出書類の承認を受けなければなりません。4年以内にすべての手続きが完了していない場合、科目合格は無効となり、受験費用は返却されません。




合格率・資格難易度

難易度 
 「B-上位」~「A」  普通上位~ 難関 

【資格の難易度レベル】
標準学習時間は500時間以上で、1年くらいの学習期間が必要な試験で最終合格率が10%程しかないことから、かなり難易度が高い試験なのは間違いないのですが、選択式の試験であることからチャレンジしやすいという側面もあります。科目合格制度があり、科目合格率は40%程あるので長期的に見れば合格できるチャンスはあります。
内部監査に関係した仕事をした事がある方や、ITや会計が得意な方なら比較的簡単な資格だと思います。それは、パート3の試験範囲として財務会計や管理会計があり、このパートの出題が会計人にとって知識の応用が効くので大きいと思います。ただ、試験情報が少ないのが難点ですが、問題内容を総合的に見た場合、難易度は中小企業診断士の方が高いようです。
CIA試験の詳しい内容や受験最新情報を知りたい人はアビタスの無料セミナーを受講すると役立ちます。

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●合格率 
    非公開
・各パート 35~40%前後 最終合格率10~15%前後の予想
・合格者数は毎年300人前後です。

受験対策・学習法ほか

認定機関 IIA(The Institute of Internal Auditors)が実施する資格認定制度は、
 ①CIA(Certified Internal Auditor/公認内部監査人) 
 ②CCSA(Certification in Control Self-Asssessment/内部統制評価指導士) 
 ③CGAP(Certified Government Auditing Professional) 
 ④CFSA(Certified Financial Services Auditort/公認金融監査人)の4試験であり、このうち公認内部監査人(CIA)、内部統制評価指導士(CCSA),公認金融監査人( CFSA)の試験が2008年からコンピュータベースで行う試験 (CBT)に移行しました。

内部監査人の能力の証明と向上を目的とした世界水準の認定制度であるCIA資格認定試験は、世界約80ヶ国で同時に実施されており、現在、世界各国で170,000人以上のCIAが、企業をはじめ多くの組織において活躍しています。日本でも1999年から日本語での受験が可能になり、2021年3月現在約10,000名がこの資格を保有しています。試験が紙ベースからCBTになり、特に内容面では情報技術関係に幅広い常識が必要になりました。試験情報が少ないことも難点ですが、特にIT科目に苦手意識があると難易度があがるため、独学で勉強していくことは大変難しくなります。また、試験の難易度や専門性の高さから、指導できる人材が少ないということもあり、日本ではまだCIAなどの国際資格のための通信講座・通学講座もあまり開講されていないようですが、将来、この職務に就こうと言う人は、監査は実体験のない職務になるため、できれば専門の資格スクールで指導を受けた方がいいでしょう。スクールで監査の理論や方法、手順をきちんと学んでおかないと、将来、有資格者になった時に役に立たないからです。




CIAが求められるフィールドは、監査法人、会計事務所、企業の内部監査部門、コンサルティング会社などになるため、この資格を取得して資格が生きる方は会計事務所や企業の財務会計部門、内部監査部門に勤務する人、経営・財務を学ぶ大学生・大学院生などです。また、内部監査室など企業の内部監査を担当する部門に所属する方や企業の内部統制やSOX法などについて勉強してみたい方にも有用です。内部統制に対する重要性が認識されるようになった近年、わが国でも内部監査人の能力を証明するCIAの認知度は高まり、どの企業でも今後ますます脚光を浴びる分野であることは間違いなさそうです。ただ、この資格は弁護士や公認会計士のように取得したから仕事があるという訳ではなく、また特別な権限を持つことができるわけではありません。独立して事務所を構えるということも難しいと思われます。従って、現状ではあくまでも内部統制についての知識や経験がある人材であるという証明になるに過ぎませんので、業務に携わる予定のない人にとっては、 取ってもあまり意味のない資格と言えます。今後、さらに認知度が上がればCIAを持っていれば、法務部や総務部で優遇されるような時が来ると思います。

(注意)
「公認内部監査人(CIA)」によく似た名称の「内部監査士」という資格があります。この資格は日本内部監査協会が主催する内部監査士認定講習会を修了した方に与えられる称号で、この認定講習会は、内部監査の理論と実務の体系的な講習によって内部監査人の教育・養成をはかるものとして昭和32年以来開催されている講習会ですが、内部監査士資格は国内資格で英文名称はありません。
公認内部監査人(CIA)資格の取得には、長期の勉強と大変な努力が必要であり、難易度もAランクの難関資格ですが、内部監査士は、難易度がCランクで誰でも簡単に取得することが出来る資格です。名称がよく似ているので間違わないように注意してください。

受験資格

以下のいずれかに該当すること(受験申込み時に最終学歴の卒業証明書を提出) 
1.四年制大学の卒業の方 
2.大学・大学院の在学生(大学の場合、3年生以上) 
3.大学・大学院の教員 
4.上記1,2,3の要件に該当されない場合は、資格認定条件における2年以上の実務経験
を満たしている方(この場合は、申込時に実務経験証明書の提出が必要となります)
※受験申込登録完了日(IIA本部への登録が完了した日)より、4年以内に「全科目合格」「実務経験(2年以上)」を満たさせなければ、合格Partは全て無効になりますので注意が必要です。

試験方式

●試験方式:CBT方式
全国にあるピアソンVUEのテストセンターにて受験します。各テストセンターに常備されたPCで、好きな日時に受験することができます。パソコン画面上に試験時間が表示され、スタートボタンを押すと、試験が開始します。
※試験は、試験会場に備えられたパソコンにより出題・解答のすべてが行われます。
※受験者が電卓を持参することはできません。パソコンの電卓機能を使用します。 

◇試験内容
【PartⅠ】内部監査の基礎
・出題形式/出題数
  四肢択一式/125題
・試験時間/試験言語
  2時間30分/日本語またはいくつかの言語
【PartⅡ】内部監査の実務
・出題形式/出題数
  四肢択一式/100題
・試験時間/試験言語
  2時間/日本語またはいくつかの言語
【PartⅢ】内部監査に関する知識
・出題形式/出題数
  四肢択一式/100題
・試験時間/試験言語
  2時間/日本語またはいくつかの言語

●試験結果
 採点は科目ごとに行い、得点は250から750ポイントのスケールドスコアに換算されます。
 合格ラインは各科目600ポイント以上 です。
●合格基準
 Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの各パートの得点250から750ポイントのスケールドスコアに換算し、750ポイント中600ポイント(概ね75%)以上で合格となります。

試験科目

●3科目(PartⅠ~Ⅲ)から構成され、1科目からの受験が可能な科目合格制です。
【Part1】内部監査の基礎
 A.IIAの拘束的な性格を持つガイダンス
 B.インターナルコントロールとリスク
 C.監査業務実施のためのツールと技術
【Part2】内部監査の実務
 A.内部監査部門の運営管理
 B.個々の監査業務の運営管理
 C.不正リスクとコントロール 
【Part3】内部監査に関する知識
 A.ガバナンス/ビジネス倫理
 B.リスク・マネジメント
 C.組織構造とビジネスプロセス
 D.コミュニケーション
 E.経営管理/リーダーシップ原則
 F.IT/事業継続
 G.財務管理
 H.グローバルビジネス環境 

※詳しくは「CIA試験の出題範囲の詳細(シラバス)」で確認できます。
※日本のテストセンターでは、日本語、または、英語での受験が可能。試験は日本語なので、英語力は問われません。また問題は世界共通です
※1Part以上に合格後、2年以内に他のPartを受験しなければ、既に合格したPartは無効となります。しかし、この間に受験した場合は、先に合格したPartについては、受験した年度から更に2年間有効になります。

スケジュール

●通年でPartごとに受験が可能
(テストセンターによって営業日が異なるためPearsonVUEのHPで確認ください。)
・試験日程:通年
・申込受付:随時
・合格発表:試験終了後に、コンピュータ上に仮の試験結果が表示されます。
・試験結果:正式な試験結果が受験日の翌月末に郵送されます。
※不合格で再受験する場合、前回の受験日から最低60日は受験することができません。

◆オンライン監督試験について
IIAは、2020年4月27日より、受験者が自宅で公認内部監査人(CIA)、公認リスク管理監査人(CRMA)及びCIA チャレンジ試験の受験ができるように、オンライン監督試験を採用しました。開始スケジュール及び諸要件の情報はこちらです。システム要件の詳細及びFAQは、ピアソンVUE オンライン監督試験のウエブサイトをご覧ください。
* 試験監督員との英語によるコミュニケーションが必要です。
       →詳細はこちらのページを参照ください。

試験会場

●PearsonVUEが認定するテストセンター(ピアソンVUE
(東京、札幌、仙台、横浜、名古屋、大阪、松山、広島、福岡)

※受験手続(申込みから認定までの流れ)
(1)日本内部監査協会へ受験申込書等を提出(簡易書留で郵送)
(2)日本内部監査協会から「受験申込完了のお知らせ」が通知
(3)PearonVUEへ受験日時とテストセンターの予約(電話またはHPより)
(4)PearonVUEより予約確認の通知(Eメール)
(5)受験(仮結果の表示)
(6)日本内部監査協会より正式な試験結果が郵送

受験料

●受験料 (税込み)
◇IIA個人会員(学生・教員)
 ・初回受験登録料: 12,000円(6,000円 )
 ・CIA Part1:31,000円(24,000円)
 ・CIA Part2:25,000円(18,000円 )
 ・CIA Part3:25,000円(18,000円 )
◇IIA個人会員外
 ・初回受験登録料: 24,000円
 ・CIA Part1:43,000円
 ・CIA Part2:37,000円
 ・CIA Part3:37,000円

※申込みした複数のPartを同じ日に予約し受験することも可能です。
また、それぞれのPartを違う日に予約し受験することも可能です。なお試験日から90日間は同一Partの受験の手続きはできません。

問い合わせ先

一般社団法人 日本内部監査協会  http://www.iiajapan.com/
〒104-0031 東京都中央区京橋3-3-11 京橋サウス8F
TEL03-6214-2232(企画調査部 国際・資格課直通)

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CIA(公認内部監査人)合格へのパスポート

関連情報

【資格の難易度情報】
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●試験関連情報
資格の取得には最初の受験者登録から4年以内に3つのPart試験に合格し、必要書類を提出、実務要件を満たす必要があります。

●関連資格
 公認会計士
 公認不正検査士