資格名

米国公認会計士(USCPA)
※単にCPAと呼ばれることもあります。

資格の種類

公的資格

主催者

米国各州が主催・認定

資格の概要

日本の公認会計士制度のモデルとなったアメリカの会計資格。1917年にニューヨーク州で最初に試験が実施されました。日本の公認会計士の代表的な仕事である監査業務はできず、日本国内での独占業務は認められていません。従って、日本の公認会計士の国際版というわけではありません。
この資格は各州ごとで取得、登録され、州外での公認会計士業務は行なえませんが、試験問題、採点、合格基準は全米で統一されています。日本ではスキルアップを目指す経理経験者に人気の資格になっています。厳密な試験や厳格な資格要件、厳重な倫理規定に支えられているU.S. CPAの資格の取得は、世界中どの国においても、会計士としての能力を示す証となるため、日本からの受験者数も右肩上がりで推移しており、その割合は米国外の全受験者数の約60%を占めています。急速にグローバル化が進んでいる日本において、U.S. CPA の資格はより良い機会を手にするための手段として認識されていることが理解できます。 ➡ 日本の公認会計士

仕事は、会計事務所での監査・税務や一般企業での財務・経理の他、コンサルティングや大学教員など、さまざまに活躍できます。
U.S. CPA合格者は約45万人。企業からのニーズも高く、今後はさらに広く期待される可能性大です。米国公認会計士(USCPA)資格の有効期間は3年間です(州により1年の所もあり)。更新するためには、州が規定すCPEクレジット(有効期限3年:120クレジット、有効期限1年:40クレジット)を取得しておく必要があります。
※これまでは受験のために渡米する必要がありましたが、2011年8月より、東京・大阪など日本国内で受験することが可能になりました。(対象は、ニューハンプシャー州、アラスカ州、グアム、ワシントン州などの資格試験)

◆U.S.CPA関連ニュース 
・国際資格の専門校アビタスは、U.S.CPA(米国公認会計士)講座受講の全科目合格者が、累計で4,000人を突破したと発表しました。U.S.CPAは、ファイナンスや法律、ITまで幅広い知識を得られる世界で通用するビジネス資格です。試験は分野ごとに4科目で構成され、コンピュータ試験でいつでも受験が可能です。2011年から日本で受験が可能になったことで日本人の受験者も増え、近年ではビジネスパーソンだけでなく、大学生がコンサルティングファームや商社、外資系企業への就活を意識して学習することも多くなっているようです。2020.8.04
・U.S.CPA試験は、米国、日本、欧州など世界各地にある指定のコンピュータテストセンターで受験できますが、今までは年間4シーズンに分かれたTesting windowと呼ばれる試験実施期間があり、メンテナンスのため受験できない期間がありましたが、2020年7月1日をもってTesting windowが廃止され、テストセンターごとに設けられている休業日を除き、いつでも受験できるようになりました。また、これまで同一window内で同一科目は1度しか受験できませんでしたが、今後は結果が出次第すぐに再受験申し込みができるようになります。→ 詳細  2020.6.28



試験の合格率・難易度

難易度
 
「A」  難関  

【資格の難易度レベル】
「米国公認会計士」の試験で要求される英語のレベルは、意識しなければならないほど高くありません。それより大事なのは「会計」の知識です。会計知識がなければ独学での資格取得はほぼ無理でしょう。会計知識と、監査に関する知識があれば独学での突破も可能です。会計の知識が簿記検定3級以下のレベルの人は、資格スクールか通信講座の受講を考えてください。
試験自体のレベルは、難易度面で見れば日本の公認会計士よりも難易度は低いようです。問題が広く浅く出題される傾向がありますが、難易度の高い問題は少ない試験です。初心者の受験対策にはスクールの利用がベストです。
日本の会計系の試験としての難易度は公認会計士>税理士>簿記1級>米国公認会計士の順になるでしょう。

--------------------------------------------    
●合格率 
 2019年4~6月(1Q)の科目別合格率
 ・Financial Accounting & Reporting:44.4%
 ・Business Environment & Concepts:58.0%
 ・Regulation:50.2%
 ・Auditing & Attestation:48.6%

※参考データ
2018年10~12月の科目別合格率
 ・Financial Accounting & Reporting:44.6%
 ・Business Environment & Concepts:61.3%
 ・Regulation:50.2%
 ・Auditing & Attestation:48.5%
2018年7~9月の科目別合格率
 ・Financial Accounting & Reporting:48.9%
 ・Business Environment & Concepts:60.2%
 ・Regulation:56.6%
 ・Auditing & Attestation:51.1%
2018年4~6月の科目別合格率
 ・Financial Accounting & Reporting:49.2%
 ・Business Environment & Concepts:60.3%
 ・Regulation:55.8%
 ・Auditing & Attestation:54.7%



試験の内容・勉強法

試験自体は、アメリカの資格試験の中では最も難易度の高い資格試験。資格としては日本国内での独占業務は認められていませんが、世界各国で活躍できる国際資格です。
試験は比較的単純に理解度を問う問題が多く、マニアックな問題はほとんど出題されません。出題範囲を広く網羅し、一般的な知識を問う問題がほとんどのようです。また、問題を解くにもそれほど高度な英語力は必要なく、筆記試験のみなので、日本人でも受験しやすく、基礎的な英語力さえあれば対応できます。また、合格者数の制限がなく、それぞれの科目で75点以上取れば誰でも合格できるため、英語にハンデのある日本人にとってはうれしい制度です。ただ、受験対策に独学は現実的ではありません。アメリカでの受験の情報や試験情報などを得るためにも何らかの形で資格スクールを活用した方がよいと思います。

資格の取得までにかかる時間は平均1000時間ぐらいだと言われています。また受験するにはアメリカに行かなければならないため、金銭的な余裕も必要です。
受験対策としては、広く浅くの勉強が良いでしょう。ひとつの項目を掘り下げるのではなく、全体像をつかみ知識の幅を広げていくのが効果的です。試験科目では、日本版SOX法の導入により、上場企業は内部統制システムの構築・整備が義務付けられましたが、試験科目の一つである「監査及び証明業務」は、この分野の総合的な理解に非常に有用です。「監査及び証明業務」は誰も体験していないので、理解しにくいでしょうが、この監査論が合格への一つのヤマとなります。
英検で2級、TOEICなら600点程度の英語の基礎力があることを前提として、会計知識が全くない状態で勉強を始めたとして、学習期間は一般的に約1000時間で約1年~2年というところです。

米国公認会計士という名称からもわかるように、英文会計など英語を使用する仕事が多く、国際的な会計基準の知識は外資系・金融系企業などで重宝されます。他は、国際的な税務コンサルティングやビジネスコンサルティングなどの業務、さらにM&Aなどの関連業務につくこともあります。
国内で公認会計士として独立するための資格ではないので、国内で独立する場合は会計・経営などの知識を生かした経営コンサルタントなどの形態になります。
人材として、現在も需要はありますが、企業等は自己啓発的な資格として見る傾向があり、公認会計士のように強い資格としては評価してもらえないところが弱点です。近年は、会計事務所を中心として会計監査や内部統制・内部監査の分野において有資格者の採用ニーズが急増していますが、日本の公認会計士試験の合格者も増加傾向にあるため、米国公認会計士の将来性は難しいところです。尚、受験される方は受験州の選択が重要になります。試験を実施し資格を授与する権限は州にあるため、受験要件が異なる以外に、ライセンスやサーティ フィケートの発行条件なども異なってきますので、慎重に検討しなければなりません。資格スクールを活用すると、このような情報はいつでも簡単に入手できますので安心です。

(注)
「米国公認会計士」によく似た資格で、「米国公認会計管理士(CMA)」があります。この資格は、米国IMA(管理会計士協会)が認定するプロフェッショナル資格で、取得後は経営者の戦略スタッフとして、的確な意思決定や業績評価に必要な経営情報を提供することを役割としています。
また、試験は、(Part1)BusinessAnalysis、(Part2)Management Accounting and Reporting、(Part3)Strategic Management、(Part4)Business Applications、と、パート1からパート4までの4科目に分かれており、この全ての科目に合格しなければ資格は取得できません。受験の手順は、まず米国IMA(管理会計士協会)に連絡、受験申し込みと支払い手続きを行うところから始まります。      試験の詳しい手順はこちらで確認ください。

試験日程

●試験日:2013年1月1日より、1-2月、4-5月、7-8月、10-11月に実施されています。
※受験生は日曜日を除き、受験可能日から希望日時を選択します。4期に分けられ、最大4回の受験が可能。受験可能日から希望日時を選択します。
※出願の手続完了後、NASBAから受験票が発行されますので、受験票が届いたらプロメトリックのサイトにアクセス又は電話し、試験の日程および会場を確定します。試験はアメリカ各州のテストセンターでの受験します。 同一科目の受験チャンスは年に4回あります。
※詳しくはこちらの公式ページを参照ください。

受験資格

CPA試験の内容自体は全米で統一されていますが、試験の主催が州であるため受験資格も州によって異なります。
基本的には4年制大学卒業者・卒業見込み者で、会計・ビジネス関連の単位を取得している方というのが平均的な受験資格になります。高卒の場合でもアメリカの大学の単位を取得するなどして受験する方法もあります。

一般的には、4年制大学卒業(又は卒業見込み)で会計・ビジネス関係の単位を取得後、U.S. CPAに合格する。(受験する州によって受験に必要な単位数が異なります)

試験会場

●2011年8月から日本(東京・横浜・大阪)でも、試験を受験することが可能になりました。
出願手続きは、日本からの受験が可能な州・準州の会計委員会を通じて行うことができます
Participating Jurisdictions を参照) 
※日本でU.S.CPA 試験の受験を希望する場合、日本から受験が可能な州会計委員会に申請し、受験資格を確認する必要があります。出願方法の詳細は、NASBAサイトのU.S.CPA試験セクションを参照ください。

受験費用

・Application Fee(出願料)
 $25~$220 ※ 州ごとに異なる
・Examinnation Fee(受験料)
 FAR $207.15
   BEC $185.10
   REG $185.10
   AUD $207.15
※日本で受験する場合:1科目$500

試験方式

・コンピューター試験(CBT)
・試験はすべて英語で出題されるためTOEIC600点以上レベルの英語力は必要になります。
・試験形式は2種類に分かれ、マルチプルチョイス(四択問題)と、一部、シュミレーションという形式の試験で構成されています。
※「マルチプルチョイス(選択問題)」は4択問題で、配点比率:70%。
※「シュミレーション」は、受験者の応用的知識、分析力、判断力、リサーチ能力及びコミュニケーション能力などを問う形式の試験で、配点比率が 30%になっています。
・合否基準:各科目共75点

●出題形式(四択問題・シュミレーション/試験時間)
・Financial Accounting & Reporting
 50%(Test1・2・3 計66問 )(TBS50% 8問)/4.0時間
・Business Environment & Concepts
 50%(Test1・2・3 計62問 )(WC15%3問 TBS35% 4問)/4.0時間
・Regulation
 50%(Test1・2・3 計76問 )(TBS50% 8問)/4.0時間
・Auditing & Attestation
   50%(Test1・2・3 計72問 )(TBS50% 8問)/4.0時間
※この試験は、1科目ずつの受験が可能で、各科目とも75点以上で合格となります。
しかし、目合格の有効期限は18ヵ月で、この期間内に全4科目合格できていない場合には受験してから18ヵ月を経過した合格科目の合格が失効してしまいます。合格が失効した科目は再度受験が必要となります。

試験科目

「Auditing & Attestation」、「Financial Accounting & Reporting」、「Regulation」、「Business Environment & Concepts」の4科目
●Auditing & Attestation(監査及び証明業務)試験時間 4.0時間
出題内容: 監査手続・GAAS及び証明業務 
●Financial Accounting & Reporting(財務会計)試験時間 4.0時間
出題内容: 企業会計、政府会計、非営利組織会計
●Regulation(法規)試験時間 4.0時間
出題内容: 連邦税法、ビジネス法及び職業倫理
●Business Environment & Concepts(ビジネス環境及び諸概念)試験時間 4.0時間
出題内容: 企業形態・会社法、経済学概論、財務管理、IT概論、経営管理会計等
※有効期限を各科目18ヶ月とする科目合格制になっています。

◆新試験に変わり、 下記のような3つのタイプの新問題が追加されています。
(1)全科目について分析スキルが必要な問題が追加
Multiple Choice問題は、ウエイトが下がりましたが、問題として新たに一部分析スキルが必要な問題が追加されています。特に、AUDについては、最も難易度の高いといわれる評価スキルを問う問題や科目間を横断するような問題が追加されています。
(2)FAR、REG、AUDについてDocument Review Simualtion問題が追加
FAR(財務会計)、REG(諸法規)、AUD(監査及び諸手続き)では新たにDocument Review Simulationが追加。
実務で作成された書類をもとに検証能力が問われるタイプの問題になっています。
(3)BECについてTask-Based Simualtion問題が追加
BEC(企業経営環境・経営概念)では新たにTask Based Simulation(総合問題)が追加。投資判断などについて総合的に理解できているか問われるタイプの問題です。

試験関連情報

【資格の難易度情報】
資格の難易度とランキング
ジャンル別資格の難易度ランキング

●試験関連情報
・2021年7月から試験範囲が変更になりました。
 科目ごとの受験が可能で、科目合格の有効期限は18ヵ月です。

●関連資格
 公認会計士  
 公認内部監査人(CIA)

問い合わせ先

 AICPA  
 http://www.aicpa.org/
・AICPAプレスセンター
 http://www.aicpa.org/Pages/Default.aspx
・日本語公式サイト 
 http://www.aicpa.org/BecomeaCPA/CPAExam/Pages/UScpaexam-jp.aspx

※U.S.CPA 試験に関するお問い合わせ先(米国本土) 
電話:+1-615-880-4250   電子メール : cpaexam@nasba.org
受付時間(米東部標準時)
月曜日 - 木曜日 :8:00a.m. - 2:00a.m.  
金曜日:8:00a.m. - 6:00p.m.

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

教材(テキスト・参考書)

米国公認会計士試験対策教材一覧
CPA(米国公認会計士)資格本のAmazon売れ筋ランキング一覧

【米国公認会計士試験 おすすめ教材】
USCPA(米国公認会計士)合格へのパスポート〔第3版〕: グローバルキャリアをめざせ!

教材(過去問・問題集)

米国公認会計士試験 過去問

講座・スクール

米国公認会計士 通信講座一覧