資格名

薬剤師

資格の種類

国家試験

主催者

厚生労働省

資格試験の概要

薬剤師国家試験は、薬剤師として必要な知識及び技能の確認を目的とする試験。試験に合格した者は厚生労働大臣より合格証書の交付を受け、申請を行い薬剤師名簿に登録することによって薬剤師の免許を厚生労働大臣より与えられるます。

薬剤師の資格を取得するためには、薬学系の大学で6年間学んだ上で、薬剤師国家試験に合格しなければなりません。大学では主に有機化学や生物化学などを中心に勉強します。知識として習得しなければならないことは多いですが、中でも薬を作り、その作用を知ることや人間の体を理解すること、さらに薬の働きによって健康を守ることなど、医療に関係する幅広い知識を身につけることが大切になります。
試験の合格率は、平均的には60から75%ぐらいになります。合格率は高いようですが、これは大学が受験者を絞っている事情もあります。大学では4年次に行われる薬医学共用試験に合格しなければ、5年次に進級し実務実習を受けることが出来ない制度になっています。カリキュラムは広範囲で深い内容になっているため、勉強の範囲は膨大です、6年間しっかり勉強をしておかないと合格することは難しい資格です。
※2016年12月末現在の全国の薬剤師数は、301,323名(うち女性が184,497名)
※薬剤師になるための学校は6年制の大学だけです。短期大学や専門学校、夜間部(第二部)、通信制などはありませんので、資格取得には6年制の大学を卒業するのが条件になります。一方、薬科系の大学には国立・公立・私立があり、偏差値や学費などは大学によって異なります。

◆薬剤師資格関連ニュース
・日本医療薬学会、日本病院薬剤師会、日本薬学会、日本薬剤師会を含む5団体が、薬剤師の生涯教育の新たな評価の仕組みとなる「薬剤師生涯学習達成度確認試験」を平成28年から実施しています。この確認試験は、生涯学習を一定期間、継続的に行っている薬剤師を対象とし、筆記試験で行われます。受験資格は、「免許取得後5年以上」のほかに、「所属する団体ごとに別に定める要件」を満たす必要があります。受験料は、5団体のいずれかに所属している場合は1万円で、それ以外は2万円。 第3回目の試験が平成30年7月に実施されました。結果は受験者数117名で合格は42名でした。    ⇒薬剤師生涯学習達成度確認試験         



合格率・資格難易度

難易度
  「A」 難関 

【資格の難易度レベル】
薬剤師国家試験の受験資格は、大学の薬学部などを卒業して博士号を取っていることが必須になっていますので、薬剤師は難易度が高いというイメージはこのことが起因して定着しています。
確かに、既に薬剤師試験を受験する受験生全体の知識レベルが高レベルになっていることは間違いなく、薬剤師国家試験は高レベルの受験生の、さらに70%程度しか合格できない試験、ということなので、高い難易度の試験であることは間違いありません。試験自体も各科目とも、取りこぼしがないように、確実に理解し、幅広い知識を身につけていなければ合格が難しい試験になっています。

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・合格率
第107回薬剤師国家試験結果   
(全体)合格率 68.02% 受験者数14,124名 合格者数9,607名  

※参考データ
・第106回薬剤師国家試験結果   
(全体)合格率 68.66% 受験者数14,031名 合格者数9,634名 
・第105回薬剤師国家試験結果   
(全体)合格率 69.58% 受験者数14,311名 合格者数9,958名
・第104回薬剤師国家試験結果   
(全体)合格率 70.91% 受験者数14,376名 合格者数10,194名
・第103回薬剤師国家試験結果   
(全体)合格率 70.58% 受験者数13,579名 合格者数9,584名
・第102回薬剤師国家試験結果 
(全体)合格率 71.58% 受験者数13,243名 合格者数9,479名 

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受験対策・学習法ほか

平均的に薬剤師の試験は一般の資格試験よりは高い合格率となっていますが、これは薬学課程に入学すること自体競争率が高いためです。在籍した大学によっては合格率に格差もありますので、自身の学力をよく把握して受験に望むことが必要です。合格率は新卒者の合格率は85%くらいで、既卒者の合格率は50%、平均的には80%程度ですが、国公立大学と私立大学とでは合格率に大きな差があり、私立大学の方が合格率が高い傾向があります。
受験対策は早いうちから計画を立て、勉強方法を確立することが必要です。メインの受験対策は過去問の攻略に尽きます。理由は、過去問から20%くらいのの出題があり、そのほかも過去問の類似問題が多いからです。
試験形式は全問筆記試験で実技試験はありません。合格するには、総得点の70%以上を取ることが求められます。さらに、合格するには試験の科目の得点が全て35%以上という条件も満たす必要があります。 ただ、過去問やその類似問題の出題が多いということから、勉強法は過去問を集中的に行うのが一番ですが、相当の勉強量が必要です。特に暗記が得意な人に有利な試験といえるでしょう。大学では、カリキュラムをこなすだけでなく、薬剤師国家試験に焦点を定めた勉強も並行して行わねばなりません。大学に通いながら、又は卒業して尚且つ、薬剤師国家試験専門の予備校で勉強する人もいることを考えれば、その厳しさがわかると思います。

6年間学習過程では、医療に携わる人間としての倫理観・使命感や、語学などの基礎教育科目の修得から、物理化学、薬品科学、生化学などの専門教育科目まで学びます。その他、病院実習などの実務経験も修得する事になります。「薬剤師の資格を取得していれば一生仕事に困ることはない」と言われるくらいに薬剤師の資格は、これからの時代に非常に強い武器になると思います。それは、福祉サービスの多様化や、環境への取り組みなど多岐にわたる現場で薬剤師へのニーズが高まっているためです。調剤、医薬品の供給のほか、医師とともに人々の健康維持と疾病治癒に重要な役割を果たすだけでなく、製薬会社や化粧品会社など、幅広く活動、活躍できる資格です。活躍できる現場は日々拡大し、ますます将来有望な資格となるでしょう。

薬剤師不足は慢性化しており、薬局やドラッグストアは 人材確保に躍起の状態が続きます。数十社を巡っても内定を獲得できない学生が多い「超氷河期」の就職戦線にあって、薬学部生に企業の求人が殺到しており、今、薬学部生は「超売り手市場」に恵まれています。
薬剤師法改正によって、一般用医薬品を売るドラッグストアにも薬剤師設置が義務づけられました。さらに、化粧品会社やバイオ関連会社などでも薬剤師を必要とするなど、活躍の場はますます広がっています。
このように薬剤師の資格は生涯を通じて有効であり、仕事を辞めてからでも復帰しやすいのが一番のメリットですが、最近の大病院では、医師と共に臨床現場に立ち会い、薬剤の提供を行う業務もあり、需要は増大していますが求められるスキルも上がっています。

受験資格

1.大学(6年制)で薬学の正規課程を修め卒業していること
2.外国の薬学校を卒業(外国の薬剤師免許を所持)していること
3.新4年制課程の薬学の正規課程を修め、大学院で薬学の修士または博士課程を修了していること
上記の1~3のうち、いずれかに該当する者が薬剤師国家試験を受験することができます。なお、2と3については厚労大臣の認定が必要です。
※上記をまとめれば、6年制の薬系大学を卒業していること、もしくは4年制の薬学部卒業後、2年間の大学院教育を修了していること、になります。

試験方式

・全問マークシート式の筆記試験。
 問題数は345問、2日間の日程で行われます。
●出題科目数    (必須問題/一般問題(薬学理論)/一般問題(薬学実践)/問題数合計)
物理・化学・生物:15/30/15/60問
衛生:10/20/10/40問
薬理:15/15/10/40問
薬剤:15/15/10/40問
病態・薬物治療:15/15/10/40問
法規・制度・倫理:10/10/10/30問
実務:10/-/85/95問
(合計)90/105/150/345問
●合格基準
・総得点65%以上で一般問題の各科目35%以上
・必須問題の全問題70%以上かつ、構成する各科目の得点がそれぞれの配点の50%以上
 上記2項目を満たすことで合格となります。

試験科目

◆必須問題試験
物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務
◆一般問題試験
・薬学理論問題試験
 物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理
・薬学実践問題試験、物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務
※試験科目は、物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務の7領域です。薬剤師として必要不可欠な基本的資質を確認するための「必須問題」、薬剤師が直面する一般的課題を解釈・解決するための資質を確認する「一般問題」の二つに大きく分類した上で、一般問題を、「薬学理論問題」「薬学実践問題」に区分して行われます。

スケジュール

・試験日:例年2月中旬の土曜・日曜(2日間)
・申込期間:1月上旬~中旬
・合格発表:3月下旬
・申込方法:受験願書と写真、返信用封筒を提出する(全員)
※それ以外の書類は受験資格によって異なるため問い合わせが必要。

  第108回薬剤師国家試験の案内
      試験は終了しました。
             

試験会場

北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、徳島県及び福岡県

受験料

6,800円(収入印紙を受験願書に貼り付ける)

問い合わせ先

厚生労働省医薬食品局総務課試験免許係    http://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/23.html
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2  TEL03(5253)1111

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