資格名

労働衛生コンサルタント

資格の種類

国家資格       

主催者

厚生労働省/(財)安全衛生技術試験協会

資格試験の概要

労働安全衛生法第83条に基づく労働衛生コンサルタント試験(国家試験)に合格した者で、同法第84条に基づき厚生労働省に備える労働衛生コンサルタント名簿に登録された者を言う。
労働衛生コンサルタントの業務は、労働衛生コンサルタントの名称を用いて、他人の求めに応じ報酬を得て、労働者の衛生の水準の向上を図るため、事業場の衛生についての診断及びこれに基づく指導を行うこととなっている(労働安全衛生法 第81条第2項)
企業の行う労働災害防止活動をおもに医学・労働衛生面からサポートすることが主となるため、企業からの依頼により、作業状況などを調査し、そこに内在する問題点の指摘、衛生面の指導、教育訓練などの適切なアドバイスを行うことが職務となります。

合格率・資格難易度

難易度
  「A」  難関  

【資格の難易度レベル】
労働衛生コンサルタントは、医師が産業医になるための試験でもあり、労働衛生分野における最高峰の国家資格です。医師は1次試験が免除されるため、2次の面接試験のみ受けますが、それでも3割程度か合格しない試験だと言われています。また、一般受験者には受験資格に多くの制限があることや、口述試験でも実務的な経験が聞かれたりしますので、ある程度の実務経験が必要なことなどでさらに難易度が高くなっています。そういうことから、「現場を知らないと口述試験は通らない」と言われる試験になっています。結局、労働衛生コンサルタントは、実際に衛生工学などの現場経験がないと実際の対策ができないことや、労働安全衛生の理解は法律を覚えるだけでは不可能であることから受験生は現場に密着した人が多くなっています。
資格の難易度は、労働安全コンサルタントと同様、行政書士やビジネス実務法務検定1級、FP技能士1級などと同じ程度のレベルと考えていいでしょう。

--------------------------------------------
・合格率 
令和2年度第48回 労働衛生コンサルタント試験結果 
 筆記試験 受験者数439名 合格者数110名 
 口述試験 受験者数270(166)名 合格者数142名
※()内は筆記試験全部免除者数を内数で示す
 最終合格率23.5%
※筆記試験合格者数(保健衛生86名 労働衛生工学24名)

※参考データ
・令和元年度第47回 労働衛生コンサルタント筆記試験結果 
筆記試験合格者数170名(保健衛生97名 労働衛生工学73名)
・平成30年度第46回 労働衛生コンサルタント筆記試験結果 
筆記試験合格者数98名(保健衛生73名 労働衛生工学25名)
・平成29年度第45回 労働衛生コンサルタント筆記試験結果 
筆記試験合格者数114名(保健衛生64名 労働衛生工学50名)
最終合格者数192名(保健衛生161名 労働衛生工学31名)
・平成28年度第44回 労働衛生コンサルタント筆記試験結果 
筆記試験合格者数108名(保健衛生73名 労働衛生工学35名)
最終合格者数186名(保健衛生164名 労働衛生工学22名)



受験対策・学習法ほか

受験生には、企業などに所属する産業医や保険師などが、スキルアップとして労働衛生コンサルタントの資格を取得しているケースがみられ、労働衛生工学より保健衛生を選択している人の方が多くなっています。労働衛生工学は、工場などの現場の有害粉塵や有機溶剤が健康被害をもたらさないように、換気システムの設計など工学的な指導が中心になります。 
受験対策は、過去問題集を中心にやるのが独学での勉強方法ですが、文系の方は「保健衛生」の区分で受けたほうが、計算問題がないので楽かもしれません。理科系の試験ではありますが、計算問題は、対数や三角関数は出題されませんので、文系でも十分合格は可能です。

資格取得後は、労働衛生関連のコンサルティング企業や事務所に勤務するなど実務経験を積み、人脈をひろげておくのが良いでしょう。労働衛生コンサルタントは、産業医や保険師がキャリアアップにとる資格にもなっているため、労働衛生コンサルタントの資格だけでは開業は難しいと思います。開業を目指したり、企業などのコンサルティングをしている方は、社会保険労務士や労働安全コンサルタントの資格も併せて取得するなど、顧客や専門の幅を広げて持つことが大切なようです。実際に、企業のコンサルティングをしている方や、自営独立されている多くの方は、社労士又は、中小企業診断士、技術士の3点セットで資格を有し、企業経営の改善指導や手続きまで踏み込んだ指導をしています。安全だけ、衛生だけよりも、共有の方が当然仕事が多くあります。他には、産業医として活躍している方も多いようです。産業医になるには労働衛生コンサルタント資格が必要だからです。

労働衛生コンサルタント資格だけの人は、環境管理関係、公害防止管理者、計量士などの化学系・環境系の資格やメンタルヘルス・カウンセリングなどを併せると強みになります。
特に、職場環境についての注目度が高まるなか、衛生対策についての指導を実施できる労働衛生コンサルタントが活躍できるフィールドは大きく広がっています。

受験資格

労働衛生コンサルタント試験 受験資格
(1)大学の理系卒業者で、労働衛生実務5年以上の者。
(2)短大、専門学校の理系卒業者で、労働衛生実務7年以上の者。
(3)高校の理系学科を修了し卒業た者で、労働衛生実務10年以上の者。
(4)医師国家試験合格者
(5)歯科医師国家試験合格者
(6)薬剤師、保険師、技術士、1級建築士、衛生管理士、労働衛生専門官など、学歴や取得資格で一定の実務経験が必要。
※受験資格の詳細はこちらで確認出来ます。
※添付書類の「写」には「原本と相違ないことを証明する。」との事業者等の証明が必要です。

試験方式

●区分ごとの筆記試験及び口述試験
(1)保健衛生(2)労働衛生工学  
試験区分の(1)及び(2)のうち、いずれか一つを受験します。
試験は筆記試験と口述試験からなり、筆記試験は共通科目が択一式、区分ごとの科目は記述式で行われ、口述試験は各試験区分に応じた範囲で筆記試験の合格者に対してのみ行われます。
・筆記試験
 ・労働衛生一般   択一式/試験時間120分
 ・労働衛生関係法令 択一式/試験時間60分
 ・健康管理、労働衛生工学  記述式(試験区分のうち1科目を選択)/試験時間120分
・口述試験  (15分程度)
 ・保健衛生  (労働衛生一般、健康管理)
 ・労働衛生工学  (労働衛生一般、労働衛生工学)
※解答に当たっては、試験実施年4月1日現在施行の法令等を前提とします。



試験科目

●<試験区分> 保健衛生・労働衛生工学
(1)一次試験 択一式
・労働衛生一般
・労働衛生関係法令
(2)一次試験 記述式(下のどちらかを選択)
・健康管理
・労働衛生工学
(3)二次試験 口述試験
・保健衛生
・労働衛生工学

●<免除科目>
 (免除を受けられる者/免除を受けられる科目)
・医師国家試験合格者/全科目
・歯科医師国家試験合格者/労働衛生一般 健康管理
・薬剤師/労働衛生一般
・保健師として10年以上その業務に従事した者/労働衛生一般
・技術士試験合格者で、衛生工学部門に係る
 第二次試験に合格した者/労働衛生工学
・衛生管理士又は労働衛生専門官として7年以上
 その職務に従事した者/労働衛生一般
※免除科目に関する詳しい内容はこちらで確認出来ます。

スケジュール

・試験日:
一次試験(筆記試験):10月中旬 
二次試験(口述試験):翌年1月下旬~2月上旬の指定日時
・申込期間:
試験センター郵送の場合は試験日の2ヵ月前から14日前。窓口の場合は2ヵ月前から2日前
一次試験(筆記試験): 7月中旬~8月中旬
二次試験(口述試験):11月上旬~中旬

第51回(令和5年度)労働安全・労働衛生コンサルタント試験日程     

試験会場

・筆記試験 北海道、宮城、東京、愛知、兵庫、広島、福岡(各地の安全衛生技術試験協会)
・口述試験 大阪、東京 

受験料

24,700円(非課税)

問い合わせ先

財団法人 安全衛生技術試験協会   http://www.exam.or.jp/index.htm
〒101-0065
東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館9階  TEL 03-5275-1088

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

通信講座・eラーニング

-

通学スクール・講座

(社)日本労働安全コンサルタント会主催 準備講習会

 

教材(過去問集)

第45回/第44回の試験問題と解答/解説付き

教材(テキスト・参考書)

労働衛生コンサルタント試験対策教材一覧

関連情報