資格名

・資格名:介護支援専門員(ケアマネジャー) 
※カタカナ表記の場合は「ケアマネジャー」が正式とされています。
・試験名:介護支援専門員実務研修受講試験

資格の種類

公的資格

主催者

各都道府県

資格の概要

「ケアマネージャー」は正式名称を「介護支援専門員」といいます。ケアマネージャー(介護支援専門員)は介護保険法で定められた資格で、介護保険制度において介護を必要とされる人が介護保険制度を利用して自立した生活を送れるようサポートする仕事をしています。介護保険制度においては、きわめて重要な役割を担っている、なくてはならない職業です。
具体的には、介護を必要とする方々が必要な介護保険サービスを受けられるよう、利用者の立場にたって、最も適切なサービスを組み合わせたケアプラン(介護サービス計画書)を作成し、サービス事業者との調整を行い、そのサービスが適切に受けられるように管理する専門職です。

ケアマネージャーになるためには「介護支援専門員研修受験試験」に合格することが必要です。この資格試験は、各都道府県が管轄、実施している公的資格で国家資格ではありません。
試験合格後に必要な研修を受講し、申請をすることでケアマネージャーの業務に従事することができます(下記の◆「介護支援専門員実務研修について」参照)

ケアマネージャーの資格取得までの全体の流れは以下のようになります。
(1)必要な実務経験を積み受験資格を得る。
(2)「介護支援専門員研修受験試験」を受験し合格する。
 ※例年10月の第2日曜日に開催(年1回) 
(3)「介護支援専門員研修」を受講し修了する。
 ※15日間の講習+3日間の実務(87時間以上の研修)の受講。
全日程出席すれば修了。
(4)「介護支援専門員証」の交付を受ける。
 ※実務研修を修了後、3ヶ月以内に各都道府県の「介護支援専門員資格登録簿」へ登録申請を行い、受理されると交付されます。
(5)ケアマネージャー(介護支援専門員)になる。

◆【介護支援専門員実務研修について】
「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格しただけではケアマネジャーにはなれません。
試験合格後に、
①「介護支援専門員実務研修」で講義形式+演習形式 計87時間の研修を受講。
②さらに居宅介護支援事業所で3日程度の実習を受けます。
③その後、各都道府県に登録申請をする。
申請が受理されると介護支援専門員証が交付され、ケアマネジャーとして働くことができます。




試験の合格率・難易度

難易度 
  「B」   普通 

【資格の難易度レベル】
一昨年までの数年間、この試験の合格率は20%前後のずいぶん低い状態が続きましたが、この理由は2018年度に行われた受験資格の改定にあると思います。介護の実務経験より、法定資格や相談援助の実務経験を重視する受験資格に改定されたことで、この結果、期間を経てケアマネの質の向上が図られ専門的な知識と経験を積んだケアマネージャーが育成されてきたと考えられます。

また、ケアマネが他の介護・福祉分野の国家資格より合格率が低い理由は受験層にあるようです。
ケアマネ試験自体の難易度はそれほど高くありませんが、ケアマネの受検者が多い看護師や介護福祉士、ホームヘルパーなどの層は主に働きながら受検することになる人が多いと思われ、勉強の時間確保が合否のカギを握ると言える試験になっているためと思われます。

ただ、一方では介護業界ではどの職種も人手不足が深刻で、有効求人倍率が高く推移しています。中でもケアマネは昨年12月時点で倍率が4.0倍以上の高い水準にあり、需要が高まる一方で担い手の育成がそれに追い付いていない状況が待ったなしで続いています。

ケアマネージャーの質の向上が求められる時代に対応した対策に効果を期待する一方で、人手不足への対応策は非常に難しいかじ取りが必要になりますが、2040年までにケアマネを5万人程度増やさねばならないという声も出ていますので、今後、ケアマネ試験の受験資格や試験制度が変わる可能性も否定できません。ただ今後しばらくは現状維持で試験の内容が変化して難易度が大きく上下することはないと予想されます。

主要な介護・福祉分野の公的資格の難易度ランキングは低い方から、介護福祉士精神保健福祉士福祉住環境コーディネータ社会福祉士ケアマネ―ジャー でケアマネージャーの難易度が一番高いです。

--------------------------------------------    
合格率  
・令和6年度第27回介護支援専門員実務研修受講試験結果
  合格率 32.1%  受験者数53,699名 合格者数17,228名
・令和5年度第26回試験
  合格率 21.0%  受験者数56,494名 合格者数11,844名  
・令和4年度第25回介護支援専門員実務研修受講試験結果
  合格率 19.0%  受験者数54,406名 合格者数10,328名 
・令和3年度第24回試験 
  合格率 23.3%  受験者数54,290名 合格者数12,662名 
・令和2年度第23回試験 
  合格率 17.7%  受験者数46,415名 合格者数8,200名
・令和元年度第22回試験 
  合格率 19.5%  受験者数41,049名 合格者数8,018名
・平成30年度第21回試験 
  合格率 10.1%  受験者数49,312名 合格者数4,994名
・平成29年度第20回試験 
  合格率 25.1%  受験者数131,560名 合格者数28,223名
・平成28年度第19回試験 
  合格率13.1%  受験者数124,585名 合格者数16,280名 
・平成27年度第18回試験 
  合格率15.6%  受験者数134,539名 合格者数20,924名

試験の内容・勉強法

働きながらケアマネに受検しなければならない人にとって、ケアマネ合格に絶対に必要なことは、まず「勉強時間を確保する」ことでしょう。そのためには、まず計画を立てなければなりません。事前のスケジューリングをしっかりとすることから勉強は始まります。それは、限られた時間の中での勉強でケアマネージャー試験の合格へ近づくためには、効率的な勉強を行なうことが重要なポイントとなるからです。スケジュールは、いつ、どの範囲を、どれだけやるのかを具体的に決めて分かりやすく表にします。実際に学習して進んだ部分は、日時や気づいたことを書き込んで記録を残しておけるように作ります。

ケアマネ合格に必要な勉強時間は100~200時間(平均6ヵ月)とされています。試験の出題傾向としては、重要な項目は比較的繰り返し出題されることです。そのことからも過去問主体の勉強が有効になることが分かります。過去問対策は少し早めに取りかかる計画にしておく方がいいでしょう。
それは、過去問に早めに取りかかることで、試験の出題傾向を細かくつかむことや、自分の苦手分野を知ること、試験時間の配分がつかめること、出題形式にも慣れられること等、これから以後の勉強を効果的に進めるために必要なことが早めにつかめることにつながるからです。
過去問題集を3~4回ほど解いて、間違ったところや分からなかったところはテキストを読んでカバーしながら知識を定着させていくことで、実力が確実に身についてきます。
試験が直前(2,3か月前)になったところで、直近3,4年の過去問の問題を本番のつもりで解いて実力の確認をします。最終の仕上げは、最新の介護保険法改正に関する問題への対策をしておくことです。特に改正の前後で何がどう変わったか、その目的、理由などを把握しておきましょう。

ケアマネージャー試験そのものは、難易度的にもそれほどの難関試験ではありませんが、この資格の取得が難しいところは、毎日仕事で疲れて帰ってきた後で、また子育てをしながら学校に通い、受験勉強をしなければならないという立場の人が多く、勉強とを両立させることがとても大変なことです。そういう意味で試験は決して簡単なものではなく、楽して取得できるものではありません。さらに、誰でも受験できるわけではなく、受験前にも受験資格の高いハードルがあることになり、資格取得までの道のりが長い資格試験です。

一方、仕事に関してはケアマネージャは員数が不足しており、日々新聞広告等でケアマネージャーの募集記事が掲載され、引く手あまたの状態で求人が極めて多い資格です。介護保険施設などには一定の人数のケアマネージャーが担当できる人数が減り、有資格者のニーズは高まる一方で就職・転職や結婚・出産後の再就職でも有利なことは間違いありません。そういう意味では、ケアマネージャーを目指すことはいいことですが、できれば時間をかけてでも、介護福祉士や社会福祉士、または福祉住環境コーディネータあたりを併せて取得しておくことをお薦めします。

試験日程

・試験実施:毎年10月中旬 (毎年10月の第2日曜日) 
      午前10時から各都道府県で一斉に行われます。

・申込期間:各都道府県によって異なります。
・合格発表:12月上旬

・受験申請受付:各都道府県で受付期間が異なります。
・ケアマネ試験願書(試験要綱)の配布:各都道府県によってばらつきがあります。
※各都道府県の情報はこちらから ➡ケアマネ都道府県別問い合わせ先一覧
※試験要綱については、各市町村役場又は各都道府県の介護支援専門員実務研修受講試験担当課に確認してください。

 令和7年度介護支援専門員試験日程(東京都) 
      試験日程は未定。
※試験に関する日程等詳細の発表は令和7年4月中旬頃の予定。

受験資格

ケアマネージャー試験を受験するには、以下の2項目の受験資格を満たしていなければなりません。※受験条件は必ずご自身で各都道府県の受験要項を確認ください。

次の(1)、(2)のいずれかに該当し、資格登録等の期間が通算して5年以上であり、かつ、業務に従事した日数が900日以上であること。
(1)
別表1に定める国家資格等に基づく業務に従事する者
(2)別表2に定める相談援助業務に従事する者
※実務経験の算定には、常勤・非常勤・パート等の形態は問いません。また、現在の実務経験期間が不足していても、介護支援専門員試験の前日までに上記条件を満たせる場合であれば出願できます。(実務経験は当該資格の登録日以降にて算出)
※詳細については、各都道府県介護保険担当課に問合せて下さい。
  スポンサーリンク



試験会場

・原則、受験者が就業している勤務地の都道府県
・ 各都道府県により会場設定    
 ※各地域の会場:介護支援専門員実務研修受講試験担当課に確認要

 

受験費用

(都道府県によって差があります) 6,600円~14,400円
・東京の場合:12,548円(令和6年度) 
 内訳:・介護支援専門員実務研修受講試験手数料 11,000円
    ・試験問題作成事務手数料  1,400円
    ・払込手数料  148円

試験方式

●出題方式:五肢択一または五肢複択のマークシート方式での出題。
●出題数/試験時間:60問/120分 (点字受験者180分/弱視等受験者156分)
   出題
  ・介護支援分野 (25問)
    ①介護保険制度の基礎知識
    ②要介護認定などの基礎知識
    ③居宅・施設サービス計画の基礎知識など
  ・保健医療サービス分野 (基礎15問 総合5問)
  ・福祉サービス分野 (15問)
    ①保健医療サービスの知識など(基礎)
    ②保健医療サービスの知識など(総合)
    ③福祉サービスの知識等

●合格基準
  各分野において70%以上の正答率。
  但し、問題の難易度によっては合格ラインが調整されることもあります。

試験科目

「介護支援専門員実務研修受講試験」の出題範囲の詳細は下記を参照ください。
※東京都の例
  試験問題の出題範囲

試験関連情報

●試験関連情報 

●関連資格
 社会福祉士  
 介護福祉士  

問い合わせ先

・公益財団法人 社会福祉振興・試験センター  http://www.sssc.or.jp/shien/
・各都道府県の介護保険担当課

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

教材(テキスト・参考書)

介護支援専門員試験対策教材一覧

TAC出版のケアマネ試験対策教材
翔泳社のケアマネージャー試験対策教材

教材(過去問・問題集)

ケアマネージャー 過去問
【平成30年度(2018年)~平成21年度(2009年)】

講座・スクール

2022年オリコン顧客満足度調査結果(ケアマネージャ 通信講座総合ランキング)
1位:宅建講座【資格の大原】
2位:ニチイ(まなびネット)
3位:ユーキャンのケアマネジャ講座

ケアマネージャー(介護支援専門員) 通信講座一覧