資格名

・資格名:介護支援専門員(ケアマネジャー) 
※カタカナ表記の場合は「ケアマネジャー」が正式とされています。
・試験名:介護支援専門員実務研修受講試験

資格の種類

公的資格

主催者

各都道府県

資格の概要

ケアマネージャー、正式名称を「介護支援専門員」といい、介護保険法に基づいて要介護者が自立した生活を送れるようサポートする専門職です。介護保険制度において、利用者一人ひとりの状況に合わせたケアプラン(介護サービス計画書)を作成し、多職種連携を推進しながら、サービスの調整・管理を行います。この資格は各都道府県が管轄・実施する公的資格であり、国家資格ではありません。

ケアマネージャーとして活躍するには、まず「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する必要があります。試験合格後、約15日間の講義と演習、および3日間の実務(合計87時間以上)からなる「介護支援専門員実務研修」を修了し、都道府県への登録申請を経て「介護支援専門員証」の交付を受けることで、ケアマネージャーとしての業務に従事できます。

資格取得までの具体的なステップは以下の通りです。

  1. 受験資格の取得: 必要な実務経験を積む。
  2. 筆記試験の合格: 例年10月第2日曜日に開催される「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格する。
  3. 実務研修の修了: 介護支援専門員実務研修(講義・演習87時間以上、実習3日程度)を修了する。
  4. 資格登録と交付: 実務研修修了後3ヶ月以内に都道府県の「介護支援専門員資格登録簿」へ登録申請し、介護支援専門員証の交付を受ける。




試験の合格率・難易度

難易度 
  「B」   普通 

【資格の難易度レベル】
ケアマネージャー試験の合格率は、過去数年間20%前後と低い水準で推移していましたが、これは2018年度の受験資格改定が大きく影響しています。実務経験に加え、法定資格や相談援助の実務経験が重視されるようになったことで、より専門的な知識と経験を持つケアマネージャーの育成が進んでいます。

他の介護・福祉分野の国家資格と比較しても合格率が低い傾向にありますが、これは受験者の多くが看護師や介護福祉士、ホームヘルパーといった働きながら学習する層であるため、いかに学習時間を確保するかが合否の鍵を握るためと考えられます。試験自体の難易度は極端に高いわけではありません。

一方で、介護業界全体で人手不足が深刻化しており、ケアマネージャーの有効求人倍率は非常に高い水準で推移しています。需要が高まる一方で、担い手の育成が追いついていない現状があります。2040年までにケアマネージャーを5万人増やす必要があるとの声も出ており、将来的には受験資格や試験制度が見直される可能性も否定できません。しかし、当面は現状維持で、試験内容や難易度が大きく変動することはないと予想されます。

主要な介護・福祉分野の資格難易度を低い方から順に並べると、介護福祉士・精神保健福祉士 ➡ 福祉住環境コーディネーター ➡ 社会福祉士 ➡ ケアマネージャーとなり、介護・福祉分野の中ではケアマネージャーは比較的難易度が高い位置づけです。

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合格率  
・令和6年度第27回介護支援専門員実務研修受講試験結果
  合格率 32.1%  受験者数53,699名 合格者数17,228名
・令和5年度第26回試験
  合格率 21.0%  受験者数56,494名 合格者数11,844名  
・令和4年度第25回介護支援専門員実務研修受講試験結果
  合格率 19.0%  受験者数54,406名 合格者数10,328名 
・令和3年度第24回試験 
  合格率 23.3%  受験者数54,290名 合格者数12,662名 
・令和2年度第23回試験 
  合格率 17.7%  受験者数46,415名 合格者数8,200名
・令和元年度第22回試験 
  合格率 19.5%  受験者数41,049名 合格者数8,018名
・平成30年度第21回試験 
  合格率 10.1%  受験者数49,312名 合格者数4,994名

試験の内容・勉強法

働きながらケアマネージャー試験の合格を目指す上で、最も重要なのは「勉強時間の確保」です。効率的な学習を進めるためには、事前の計画が不可欠です。いつ、どの範囲を、どれだけ学習するのかを具体的にスケジュールに落とし込み、進捗を記録することで、限られた時間を有効活用できます。

ケアマネージャー試験合格に必要な学習時間は、平均して100~200時間(約6ヶ月)とされています。試験では重要な項目が繰り返し出題される傾向があるため、過去問を中心とした学習が非常に有効です。早めに過去問に取りかかることで、出題傾向の把握、自身の苦手分野の特定、時間配分の感覚習得、出題形式への慣れなど、その後の学習を効果的に進める上で必要な情報を早期につかめます。

過去問題集を3~4回繰り返し解き、間違えた箇所や理解できなかった箇所はテキストで確認して知識を定着させることで、着実に実力が向上します。試験直前(2〜3ヶ月前)には、直近3~4年分の過去問を本番さながらに解き、最終的な実力確認を行いましょう。

最終仕上げとして、最新の介護保険法改正に関する問題対策は必須です。改正の前後で何がどのように変わったのか、その目的や理由をしっかりと把握しておくことが重要です。

ケアマネージャー試験は、難易度が高いというよりは、多忙な中で学習時間を確保し、仕事や子育てと両立することの難しさがハードルとなる資格です。しかし、ケアマネージャーは常に人手不足であり、求人が非常に多い資格です。介護保険施設などでも有資格者のニーズが高く、就職・転職、さらには結婚・出産後の再就職においても有利に働きます。長期的なキャリアを見据えるのであれば、介護福祉士や社会福祉士、福祉住環境コーディネーターなどの関連資格を併せて取得することもおすすめです。

試験日程

・試験実施:毎年10月中旬 (毎年10月の第2日曜日) 
      午前10時から各都道府県で一斉に行われます。

・申込期間:各都道府県によって異なります。
・合格発表:12月上旬

・受験申請受付:各都道府県で受付期間が異なります。
・ケアマネ試験願書(試験要綱)の配布:各都道府県によってばらつきがあります。
※各都道府県の情報はこちらから ➡ケアマネ都道府県別問い合わせ先一覧
※試験要綱については、各市町村役場又は各都道府県の介護支援専門員実務研修受講試験担当課に確認してください。

   令和7年度介護支援専門員試験日程(東京都) 

受験資格

ケアマネージャー試験を受験するには、以下の2項目の受験資格を満たしていなければなりません。※受験条件は必ずご自身で各都道府県の受験要項を確認ください。

次の(1)、(2)のいずれかに該当し、資格登録等の期間が通算して5年以上であり、かつ、業務に従事した日数が900日以上であること。
(1)
別表1に定める国家資格等に基づく業務に従事する者
(2)別表2に定める相談援助業務に従事する者
※実務経験の算定には、常勤・非常勤・パート等の形態は問いません。また、現在の実務経験期間が不足していても、介護支援専門員試験の前日までに上記条件を満たせる場合であれば出願できます。(実務経験は当該資格の登録日以降にて算出)
※詳細については、各都道府県介護保険担当課に問合せて下さい。
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試験会場

・原則、受験者が就業している勤務地の都道府県
・ 各都道府県により会場設定    
 ※各地域の会場:介護支援専門員実務研修受講試験担当課に確認要

 

受験費用

(都道府県によって差があります) 6,600円~14,400円
・東京の場合:12,548円(令和6年度) 
 内訳:・介護支援専門員実務研修受講試験手数料 11,000円
    ・試験問題作成事務手数料  1,400円
    ・払込手数料  148円

試験方式

●出題方式:五肢択一または五肢複択のマークシート方式での出題。
●出題数/試験時間:60問/120分 (点字受験者180分/弱視等受験者156分)
   出題
  ・介護支援分野 (25問)
    ①介護保険制度の基礎知識
    ②要介護認定などの基礎知識
    ③居宅・施設サービス計画の基礎知識など
  ・保健医療サービス分野 (基礎15問 総合5問)
  ・福祉サービス分野 (15問)
    ①保健医療サービスの知識など(基礎)
    ②保健医療サービスの知識など(総合)
    ③福祉サービスの知識等

●合格基準
  各分野において70%以上の正答率。
  但し、問題の難易度によっては合格ラインが調整されることもあります。

試験科目

「介護支援専門員実務研修受講試験」の出題範囲の詳細は下記を参照ください。
※東京都の例
  試験問題の出題範囲

試験関連情報

●試験関連情報 

●関連資格
 社会福祉士  
 介護福祉士  

問い合わせ先

・公益財団法人 社会福祉振興・試験センター  http://www.sssc.or.jp/shien/
・各都道府県の介護保険担当課

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教材(テキスト・参考書)

介護支援専門員試験対策教材一覧

翔泳社のケアマネージャー試験対策教材

教材(過去問・問題集)

ケアマネージャー 過去問
【平成30年度(2018年)~平成21年度(2009年)】

講座・スクール

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1位:宅建講座【資格の大原】
2位:ニチイ(まなびネット)
3位:ユーキャンのケアマネジャ講座

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