資格名

精神保健福祉士

資格の種類

国家資格(名称独占資格)

主催者

財団法人社会福祉振興・試験センター

資格試験の概要

2005年(平成17年)に障害者自立支援法(現:障害者総合支援法)が制定され、「精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって精神障害者の社会復帰に関する相談援助を行う者」としてこの資格制度が創設されました。
主な仕事は、精神障害者やその家族の相談に応じ、適切なアドバイスや指導を行い、社会生活に適応するための援助を支援することです。相談内容は、受診や入院・退院に関することから就労の援助や福祉サービスの紹介など、多岐に渡ります。勤務は病院や福祉施設などで、障害者の日常生活のために関係機関との連絡や調整を行ったり、入退院の相談にのることなどもあります。
社会福祉士との違いは、社会福祉士が福祉全分野を扱うのに対し、精神保健福祉士は、あくまでも精神障害者に特化した援助を行うところです。
精神保健福祉士になるには、精神保健福祉士の国家試験に合格しなければなりません。
精神保健福祉士の養成施設一覧(短期・一般)

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◆ 精神保健福祉士国家資格関連情報
・厚生労働省は、福祉系の国家資格を持つ人が保育士試験を受ける際、筆記試験科目を一部免除する方針を固めた。筆記試験が一部免除されるのは、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士のいずれかの国家資格を持つ人。筆記試験の全9科目のうち、「福祉職の基盤に関する科目」に分類される3科目が免除される。早ければ2018年度の試験から免除する。2017.6.28

合格率・資格難易度

難易度
  「B」 普通   

【資格の難易度レベル】
精神保健福祉士試験の合格率は、平年だいたい60%くらいで、受験生3人に2人が合格しています。一般の国家資格に比べると比較的高い合格率ですが、福祉に関する幅広い知識が必要であり、受験科目も多いので、計画的な学習が必須です。試験の問題や難易度が、よく社会福祉士と比較されることが多い資格ですが、社会福祉士の方が、ずっと幅が広く、問題内容も深いので難易度も高く、精神保健福祉士の方が試験も簡単です。
主な介護・福祉系資格の難易度ランキングでは、難易度の高い方から順に
福祉住環境コーディネタ1級 ➡ 社会福祉士 ➡ 介護支援専門員(ケアマネ) ➡ 精神保健福祉士 ➡  介護福祉士 ➡ 福祉住環境コーディネータ2級 、難易度は福祉住環境コーディネタ1級だけが「A」(難関)、他は「B」(普通)と「C」(やや易しい)という評価をします。

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●合格率  
 令和3年度 第24回精神保健福祉士試験結果
   合格率65.6%  受験者数 6,502名  合格者数 4,267名

 精神保健福祉士国家試験の受験者・合格者の推移

※参考データ
・令和2年度 第23回精神保健福祉士試験結果
   合格率64.2%  受験者数 6,165名  合格者数 3,955名
・令和元年度 第22回精神保健福祉士試験結果
   合格率62.1%  受験者数 6,633名  合格者数 4,119名
・平成30年度 第21回精神保健福祉士試験結果
   合格率62.7%  受験者数 6,779名  合格者数 4,251名
・平成29年度 第20回精神保健福祉士試験結果
   合格率62.9%  受験者数 6,992名  合格者数 4,399名
・平成28年度 第19回精神保健福祉士試験結果
   合格率 62.0%  (受験者数 7,174人  合格者数 4,446人)  
・平成27年度 第18回精神保健福祉士試験結果
   合格率 61.6%  (受験者数 7,173人  合格者数 4,417人)   

受験対策・学習法ほか

「精神保健福祉士」は、平成9年制定の「精神保健福祉士法」という法律に基づいて生まれた国家資格で精神障害者の社会復帰促進について相談援助を行うソーシャルワーカーのことです。
社会福祉学を学問的基盤として、精神障害者の抱える生活問題や社会問題の解決のための援助や、社会参加に向けての支援活動を通して、その人らしいライフスタイルの獲得を目標としています。
さらに、高ストレス社会といわれる現代にあって、広く国民の精神保健保持に資するために、医療、保健、そして福祉にまたがる領域で活躍する精神保健福祉士の役割はますます重要になってきています。

資格取得には、保健福祉系大学に進み、指定科目を履修し、受検資格を得て、現役で試験に合格するというのが最短の資格取得ルートです。そのほかには、保健福祉系の短期大学を卒業後、相談援助業務の経験を1~2年積んで試験を受けたり、福祉系短期大学や一般大学を卒業後、指定された養成所で就学し、受検するという方法もあります。この試験には受験資格が必要ですが、細かく定められていますので、受験生はよく確認することが必要です。
また、合格者は男女比でみると、7割が女性で30歳以下の人が約半数、30~40歳までの 人が約3割ほどを占めています。



試験科目は、精神医学や精神保健学関係、社会福祉、社会保障関係と一般教養の心理学、社会学、法学及び医学一般など13科目ですが、試験の出題基準がホームページに掲載されるので、しっかりとチェックし出題基準をふまえた計画的な学習が求められます。
尚、社会福祉士である人は、上記試験科目のうち、社会福祉原論、社会保障論、公的扶助論、地域福祉論、医学一般、心理学、社会学及び法学の試験が免除されます(申請が必要)。
試験問題に関しては、試験科目が多いので、幅広く学習が必要ですが、中でも、精神保健福祉援助技術論は、他の科目の出題数が10~20問なのに対して、毎年30問ほど出されるので、理解力が試される要注意科目です。
試験方式は、五肢択一方式だが試験時間の割に出題数が多いことに注意が必要。合格基準は、総得点の60%程度となっており、かつ、すべての科目において得点していることが条件になります。
一般の国家資格に比べると比較的高い合格率ですが、福祉に関する科目が多いため、勉強を積み重ねる必要があります。受験生は全般的に保健福祉系大学の卒業者が多い傾向があります。

主な職場は精神病床を有する病院や精神保健福祉センター、精神障害者社会復帰施設など幅広く、役割も働く期間によって変わってきます。医師、看護師、作業療法士、臨床心理士などの専門職と連携をとりながらさまざまなかたちで援助を行う責任ある仕事になります。

受験資格

試験の受験資格を得るためには、大きく分けて次の4通りがあります。
1.福祉系の4年制大学で指定科目を修めて卒業する。
2.2年制(又は3年制)短期大学等で指定科目を修めて卒業し、指定施設において2年以上(又は1年以上)相談援助の業務に従事する。
3.一般の4年制大学を卒業し、養成施設で1年以上学ぶ。
4.一般の短大を卒業し、実務を1~2年経験したのち、養成施設で1年以上学ぶ。

※学校教育法に基づく大学や大学院、専修学校の専門課程における厚生労働大臣の指定する精神障害者の保健及び福祉に関する指定科目は下表の通りです。
(指定科目)
(1)精神医学
(2)精神保健学
(3)精神科リハビリテーション学
(4)精神保健福祉論
(5)社会福祉原論
(6)社会保障論、公的扶助論、地域福祉論のうち1科目
(7)精神保健福祉援助技術総論
(8)精神保健福祉援助技術各論
(9)精神保健福祉援助演習
(10)精神保健福祉援助実習
(11)医学一般
(12)心理学、社会学、法学のうち1科目
※自分に受験資格があるかどうかの確認はこちらで調べられます。

試験方式

●試験方式:筆記試験  
●出題形式:五肢択一方式  出題数163問/総試験時間数275分
●合格基準:次の2つの条件を満たした者が合格者となります。配点は、1問1点の163点満点です。
(1) 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。
(2) (1)を満たした者のうち、試験科目16科目群の各科目群すべてにおいて得点があった者。
  但し、精神保健福祉士法施行規則第6条の規定による試験科目の一部免除を受けた受験者にあっては、配点は、1問1点の80点満点である。
精神保健福祉士国家試験合格基準

試験科目

[1]精神疾患とその治療
[2]精神保健の課題と支援
[3]精神保健福祉相談援助の基盤
[4]精神保健福祉の理論と相談援助の展開
[5]精神保健福祉に関する制度とサービス、精神障害者の生活支援システム
[6]人体の構造と機能及び疾病
[7]心理学理論と心理的支援
[8]社会理論と社会システム
[9]現代社会と福祉
[10]地域福祉の理論と方法
[11]福祉行財政と福祉計画
[12]社会保障
[13]障害者に対する支援と障害者自立支援制度
[14]低所得者に対する支援と生活保護制度
[15]保健医療サービス
[16]権利擁護と成年後見制度
※社会福祉士の資格所有者は、このうちの8科目が免除される。
※試験科目の細目は下記「出題基準」で確認できます。
       ⇒精神保健福祉士国家試験出題基準

スケジュール

●試験実施:毎年1回(2月の上旬頃の土曜日・日曜日の2日間)    
●申込期間:9月上旬~10月上旬
●合格発表:3月中旬
・申し込み 受験申し込み手続

   第26回(令和5年度)精神保健福祉士国家試験概要               

試験会場

北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、広島県及び福岡県(全国7ヶ所)

受験料

・精神保健福祉士のみ受験する場合: 24,140円
・精神保健福祉士と社会福祉士を同時に受験する場合:36,360円
・精神保健福祉士の共通科目免除により受験する場合: 18,820円

問い合わせ先

公益財団法人 社会福祉振興・試験センター  http://www.sssc.or.jp/seishin/
 〒150-0002東京都渋谷区渋谷1-5-6
 TEL03(3486)7559試験案内専用

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