資格名

保育士

資格の種類

国家資格

主催者

社団法人全国保育士養成協議会

資格試験の概要

「保育士」とは、都道府県知事の登録を受け、保育士の名称を用いて、一般に保育所など児童福祉施設において子供の保育を行う人を言います。学校教育法に定めるところの教師ではなく、厚生労働省による福祉の国家資格の一つです。
保育士になるためには、保育系大学・専門学校・短大などを卒業するか、保育系以外の大学・専門学校・短大を卒業するか二通りの流れがあります。後者の場合、保育士試験を受験し合格する必要があります。また保育士と称して保育の業務を行うためには、試験に合格した上で都道府県に保育士登録を行う必要があります。
保育士の主な仕事は、保育所、養護施設、児童館などでの子どもの世話です。共働きの家庭の増加により、保育士の社会的ニーズは年々高くなっています。また、保育士の資格は子育て・教育に関連する業種に就職する場合も有効になるでしょう。

厚生労働省は、地域を絞って規制を緩める国家戦略特区で働ける「地域限定保育士」を創設しました。通常の保育士資格とは別に年1回の試験を行います。
「地域限定保育士試験」についてはこちらを参照ください。⇒詳細
「地域限定保育士」の受験対策
に関してはこちらのページをご覧ください。

【保育士と地域限定保育士の違い】
「地域限定保育士」は、試験を受けた都府県内のみで保育士として仕事に就けるものとして新しく創設された資格です。従って、最初は就職する地域の制限がありますが、3年働いたのちは「保育士」資格取得者と変わらず全国で働けるようになります。 

◆ 保育士試験に関する情報
・平成27年度から施行の「認定こども園制度」への移行に関し、平成31年度末(予定)までの間の特例制度が決まりました(厚生労働省) 
詳細 ⇒ 幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例

・厚生労働省は少子高齢化と人口減で人手不足が懸念されている福祉人材の確保に向け、介護福祉士や保育士などの資格を一本化する検討に入りました。⇒詳細
・保育所の空きを待っている待機児童は、2014年4月時点で全国で2万1317人と、都市部を中心に依然として深刻な状態が続いています。その一方で、待機児童解消のための保育所整備に伴う保育士不足が深刻となっていて、平成29年度末までに6万9000人の保育士が不足する見通しです。このため厚生労働省は「保育士確保プラン」を策定し、現在、年に1回の保育士の資格試験を2017年度以降は年に2回行えるよう都道府県に財政的な支援を行うほか、保育士を目指す人が講習を受けた場合には年間15万円を上限に費用を助成したり、介護福祉士などの福祉系の国家資格を持つ人には保育士の試験科目の一部免除を検討するなどして、保育士の確保を進めることを決定しました。




合格率・資格難易度

難易度 
  「B」   普通
 ※保育士養成コースを出ていない場合は難易度は高くなります。

【資格の難易度レベル】
保育士試験は、科目ごとに見れば合格率(10%台)ほどに難しくない試験だと思います。しかし、筆記試験の全科目合格率は10%台の低さです。何故でしょう・・。実は保育士試験の合格ラインは、各科目で6割以上になっています、合計点で6割ではありません。これで分かるように、保育士試験は、各科目が平均的に難しいのではなく、筆記試験の科目ごとの難易度の差が大きいのです。問題全体を見れば、「難易度の低いサービス問題」や、「難易度が非常に高い問題」、「マニアックな問題」などが混在して、各科目の難易度差が大きく、特に2~3教科が突出して難しい状況を作り出しています。このことが合格率の低さの原因になっています。対策は、仮に苦手な科目や難しい科目があっても、他の得意科目や簡単な科目でその分をフォローする、という受験戦法をとることです。
また一方で、試験の難易度は受験生の学歴、経歴によって違ってきます。養成コースを卒業している場合には、科目ごとの合否制もあり、それほど難関試験ではありませんが、関連知識がないと国家試験でもあり試験の難易度は高いでしょう。卒業と同時に保育士資格を取得できる学校を卒業して取得した方が容易なことは間違いありません。

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●合格率
令和3年度保育士試験(前期・後期)実施結果
  前期試験結果(全国):平均合格率 18.7%
  (受験者数38,925名 合格者数7,276名)
  後期試験結果(全国):平均合格率 21.3%
  (受験者数39,309名 合格者数8,373名)  

※参考データ
・令和2年度保育士試験(前期・後期)実施結果
前期試験結果(全国):平均合格率 75.3%
 (受験者数1,423名 合格者数1,072名)
※コロナ感染症の影響で筆記試験が中止。
後期試験結果(全国):平均合格率 23.0%
 (受験者数39,559名 合格者数9,111名)
・令和元年度保育士試験(前期・後期)実施結果
前期試験結果(全国):平均合格率 14.1%
 (受験者数36,640名 合格者数5,169名)
後期試験結果(全国):平均合格率 32.9%
 (受験者数36,526名 合格者数12,009名)  
・平成30年度保育士試験(前期・後期)実施結果
前期試験結果(全国):平均合格率 25.2%
 (受験者数33,262名 合格者数8,394名)
後期試験結果(全国):平均合格率 14.5%
 (受験者数33,250名 合格者数4,827名)
・平成29年度保育士試験(前期・後期)実施結果
前期試験結果(全国):平均合格率 18.9%
 (受験者数29,556名 合格者数5,594名)
後期試験結果(全国):平均合格率 24.2%
 (受験者数31,560名 合格者数10,412名)
・平成28年度保育士試験結果(全国都道府県別受験者の総合結果) 
(4月試験) 全国受験申請者総数 35,455人
  合格者数 7,817人 平均合格率 22.0%
(10月試験) 全国受験申請者総数 35,255人
  合格者数 10,412人 平均合格率 29.5%

受験対策・学習法ほか

保育士は、働く親たちから子供を預かり、親に代わって保育をするのが仕事です。そのため、保育士として一番大事なのは、"子どもが好きかどうか"ということです。ただ、仕事そのものは、子供たちと直接関わることだけでなく、子供の健やかな成長のため に、保護者との連携をとることや、 子供の毎日の様子を保育日誌などに記録を取ることなど大切なことが多く、行動力や責任感、体力がかなり必要とされます。
保育士の受験資格は、原則は高卒以上ですが、中学卒業後、5年以上児童福祉施設などに勤務した場合など、細かく規定があり、試験をどの程度難しく感じるかは受験生の学歴、経歴によって左右されます。保育施設に就職の際も、国家試験だけの合格者よりも、実習などをこなしている養成施設を卒業した保育士資格取得者の方が採用率は良くなります。そのため、受験生もほとんどの人が大学・短大等を卒業し保育士資格を取得します。

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筆記試験は平成16年度以降、それまであった論述や記述式の問題がなくなり、10科目全問がマークシート方式の多肢択一式、正誤判定式、組み合わせ式等になりました。筆記試験の合格率は10%~15%程度になっていますが、3年間の科目合格制を採用しているため、3年間かけて資格取得を目指すことが可能です。実技試験は音楽、絵画制作、言語、一般保育の内3科目が出題され、その内2科目を選択して受験します。あらかじめ課題などが公表されますので、しっかりとした準備をしておけばまず間違いない試験です。合格基準は筆記、実技共に60パーセント以上。試験対策のスクールや通信講座もありますが、試験対策は過去問や予想問題をくりかえし学習が効果的です。練習問題を解きまくり、解説を読みまくってください。学習範囲が広いことが難易度を高くしていますので、独学の場合は通信講座の併用が効果的と思います。

保育士の求人は多く、資格を取得すれば就職はできる状況ですが、就職前によく状況を把握しておきましょう。保育士の場合、公立と私立の保育施設の待遇の差が大きく、公立の場合はその好条件を背景に長く続ける人が多いようですが、私立の保育施設の離職率はかなり高い状況です。
ただ、そうかといって公立の保育施設への就職は非常に厳しく、競争率数十倍も珍しくありません。その他の勤務先としては、児童養護施設、障害児施設、母子生活支援施設、ベビーホテルやサービス関連の企業に併設された保育所などがあります。

日本における労働人口減少は、保育業界においても顕著になっています。ただ、特に問題なのは有資格者の稼働率です。保育園が増え、有資格者が必要とされているのにもかかわらず、今の日本の保育の実状は、保育士資格登録者が約118.6万人に対し、保育所での稼働は約41万人(2012年度~13年度厚生労働省データ)で、実に約34%というとても低い稼働率であることです。さらに毎年、新卒者2万人に対して、3万人が退職。毎年1万人が減少しているという、有資格者の稼働率がとても低い業界であることが問題になっているのです。

受験資格

受験資格は、受験者の最終学歴に応じて、非常に細かく定められています。 
(1)学校教育法による大学に2年以上在学し、62単位以上を修得した者、または高等専門学校を卒業した者
(2)高等学校もしくは中等教育学校 (後期課程) の専攻科を卒業した者、または大学入学を認められた者などであって、児童福祉施設において2年以上の勤務で、総時間数2,880時間以上、児童の保護に従事した者
(3)児童福祉施設において、5年以上の勤務で、総時間数7,200時間以上、児童の保護に従事した者
(4)外国において、学校教育における14年以上の課程を修了した者 ほか
⇒詳細はこちらで確認できます。
※不明なときには、保育士試験事務センターに問い合わせます。

試験方式

●筆記試験:マークシートによる択一式
●実技試験:3分野から、2分野を選択して受験します。
詳しい内容はこちらで確認ください。
     ⇒保育士試験科目
●合格基準:(筆記)科目別に合格が判定されます。各科目それぞれ60%以上の得点率で合格。
       (実技)選択した2分野のそれぞれにおいて60%以上の得点で合格。
◆免除について
試験の免除科目は通常の保育士試験と同様の扱いになっており、通常の保育士試験で合格した科目は地域限定保育士試験受験の際に免除されます。また、地域限定保育士試験で合格した科目についても、通常の保育士試験で免除となります。
(免除科目)
・幼稚園教諭免許所有者:筆記試験科目の②と⑤、と実技試験が免除になります。
・社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士のいずれかの有資格者:
 筆記試験科目の③と④と⑤が受験免除となります。
・指定保育士養成施設において筆記試験に対応する教科目を修得した者:
 筆記試験科目が免除されます(証明書の提出が必要)
・過去3年間の筆記試験において一部(全部)の筆記試験に合格している者:
 合格している科目(全科目)が免除されます。

試験科目

保育士試験は、筆記試験及び実技試験によって行い、実技試験は、筆記試験のすべてに合格した者について行う。

●筆記試験の科目
(1)保育原理(60分)
(2)教育原理(60分)
(3)社会的養護(60分)
(4)子ども家庭福祉(60分)
(5)社会福祉(60分)
(6)保育の心理学(30分)
(7)子どもの保健(30分)
(8)子どもの食と栄養(60分)
(9)保育実習理論(60分)

●実技試験:保育実習実技について行う。
筆記合格者のみ。以下の①~③分野から2分野を選択
①音楽表現に関する技術  ピアノ、ギター、アコーディオン 
②造形表現に関する技術(45分)
③言語表現に関する技術  各自で用意した童話等を3分以内にまとめて話す。
※実技試験はいずれも基礎的なもので、一部は2か月前にその内容が公表されます。

スケジュール

●試験実施:年2回  
 前期:〔筆記〕4月下旬〔実技〕7月上旬  
 後期:〔筆記〕10月下旬〔実技〕12月中旬
●受験申請:前期:1月下旬~2月上旬   
       後期:7月上旬~下旬  

令和6年(前期・後期)保育士試験の日程と案内

試験会場

 保育士試験会場一覧  
※試験会場への地図は、受験票に掲載されます。

受験料

 12,950円(郵送料込)

問い合わせ先

各都道府県保育主管課又は(社)全国保育士養成協議会 保育士試験事務センター  http://www.hoyokyo.or.jp/
 〒171-8536 東京都豊島区高田3-19-10 昭栄高田馬場ビル6F
   TEL 0120(4194)82

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