試験の合格率・難易度 | ●難易度
技術士 「A」 難関
技術士補 「B 」 普通
・技術士・技術士補の難易度ランキング
【資格の難易度レベル】
技術士は、技術系資格の中で最高峰と位置づけられる国家資格です。合格率は毎年10%前後で、その大半の受験者が技術に関するハイレベルな知識と経験を有している人ばかりであることを考えると、その難易度の高さが分かります。合格するまで複数回受験する人がほとんどと言われる難関国家試験です。
一次試験の合格率は全部門平均で約40%です。合格率は部門によって大きく異なりますが、最も合格率が高いのは「経営工学部門」で約80%、最も低いのは「応用理学部門」で約30%です。一次試験の筆記試験は、各部門の専門知識や一般知識を問う問題が出題されます。出題範囲は広く、出題される問題も難易度が高いため、十分な学習が必要です。論文試験は、与えられた課題について、論理的に考察した文章を作成する必要があります。技術士として必要な論理的思考力や表現力が必要になります。
二次試験の合格率は全部門平均で約10%です。合格率は部門によって異なりますが、最も合格率が高いのは「経営工学部門」で約30%、最も低いのは「応用理学部門」で約5%です。技術士試験では、比較的実務経験を重視されることや、口述試験も難しいという特徴がありますが、非常に幅広い分野での知識や経験を問われる筆記試験が最大の難関です。中でも二次試験は一次試験より難易度レベルがはるかに高くなります。二次試験の口述試験は、技術士として必要な専門知識や実務経験を問う試験です。試験官との面接形式で行われ、技術士として必要な資質や能力を判断されます。二次の論文と口述試験は独学ではなかなか力が付きにくいため、受験対策にスクールや通信講座の活用も検討するほうがいいと思います。
受験に関する情報量も多いので、独学で突破を目指すことも不可能ではないと思いますが、ハードルが高く、難しいことは間違いありません。ただ、2013年の改正の結果、二次試験の受験資格を満たすのが相変わらずそう簡単ではないことは変わりませんが、全体的には取得のハードルが下がる方向に変わったと言えるようです。
技術士の試験合格を目指すための勉強法のポイント①~③が必要です。
①十分な学習時間を確保すること
②過去問を数多く解いて、出題傾向を把握すること
③論文対策や口述対策に力を入れること
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・合格率
・令和3年度技術士第一次試験結果
部門別平均 合格率33.6% 受験者数 14,594名 合格者数 6,380名
第二次試験結果
合格率11.9% 受験者数 20,365名 合格者数2,423名
・令和2年度技術士第一次試験結果
部門別平均 合格率33.6% 受験者数 14,594名 合格者数 6,380名
第二次試験結果
合格率11.9% 受験者数 20,365名 合格者数2,423名
・令和元年度技術士第一次試験結果
部門別平均 合格率48.6% 受験者数9,337名 合格者数4,537名
再試験結果 合格率58.1% 受験者数3,929名 合格者数2,282名
第二次試験結果
合格率11.6% 受験者数24,326名 合格者数2,819名
・平成30年度技術士第一次試験結果
部門別平均 合格率37.8% 受験者数16,676名 合格者数6,302名
第二次試験結果
合格率9.1% 受験者数25,914名 合格者数2,355名
・平成29年度技術士第一次試験結果
部門別平均 合格率48.8% 受験者数17,739名 合格者数8,658名
・平成29年度技術士第二次試験結果
合格率13.3% 受験者数26,253名 合格者数3,501名 |
試験の内容・勉強法 | 技術士の受験対策は、一次試験と二次試験でそれぞれ異なる対策が必要です。
・一次試験(技術士補)
一次試験(技術士補対策)は筆記試験(4科目)と論文試験で構成されます。筆記試験は基礎科目(共通科目)2科目と適正科目(共通科目)1科目、専門科目1科目で構成されます。
基礎科目と適正科目は、5、6年分の過去問を解いて出題傾向を把握し、教科書や過去問集を活用して、まず十分に理解することが重要です。特に、微積分や行列、ベクトルなどは過去問で傾向を押さえておくと、ある程度出題パターンが決まっていることもあって比較的得点を確保しやすい科目です。他に適正科目の中で考えておかねばならないのが技術者倫理に関することです。対策としては技術士法第4条と付属の関連法令とISO(リスク低減に関する内容)も一読しておくほうが良いでしょう。一番難解なのは専門科目です。技術部門によって出題範囲が異なるため、受験する技術部門の過去問を重点的に解く必要があります。また、参考書や問題集が十分に出版されていない技術部門の場合は、他の資格の過去問や問題集を参考に勉強する工夫も必要です。
・二次試験(技術士)
二次試験は、筆記試験(論文試験)と口頭試験で構成されます。
筆記試験でも口頭試験でも「技術士に求められる資質能力の有無」が評価の判定基準になります。二次試験の筆記試験は与えられたテーマについて、論理的に考察した文章を試験時間内で作成する必要があります。技術士として必要な論理的思考力や表現力が問われる試験ですが、独学ではレベルアップが難しく、技術士試験の最大の山場と言えます。与えられたテーマについて論文にまとめる方法などは、経験者のアドバイスがあれば一番有効です。また論文の書き方については添削指導が受けられれば減点のポイントを把握することは可能なので、そういう意味からも独学は不利と言えます。効率的に勉強するためには通信講座の受講がいいでしょう。試験もこのレベルになると、スクールや通信講座を受講して試験合格をめざす人も多く、試験合格にはそれなりの受験技術をマスターすることも大切な項目の一つになります。
技術系国家資格で口頭試問があるのはこの技術士試験だけです、二次試験の口頭試験では、45分間のなかでトップエンジニアである技術士としての人物確認が行われます。必要な知識を身に付けているだけでなく、受応えや受験態度についても重要であり、試験官の心証を良くすることがポイントになるでしょう。
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技術士資格の取得方法は、先に実務経験を経てから受験をするのが一般的になっています。一般的な取得の手順は、大学卒業→就職(エンジニア・研究者)→1次試験→技術士補登録→所定の実務経験→2次試験→技術士登録、という道筋になります。
実際の試験では試験の性格上、試験問題は実務経験とは縁の薄い基礎知識を確認するものばかりですが、実務経験がないと最終合格は難しい試験です。
技術士になることは、コンサルティングエンジニアの登竜門であり、技術士として登録した後はプロのエンジニアとして、またコンサルタント業等での活躍が可能です。技術士の資格を取得すると、各種の国家資格取得時に試験科目一部免除など、多くの特典があります、例えば電気通信業界での一番のメリットは電気電子部門で建設業法の監理技術者となれることでしょう。 |
試験方式 | 【一次試験】
全科目択一式マークシート形式(五肢択一式)の筆記試験
①基礎科目:試験時間1時間
②適正課目:試験時間1時間
③共通科目:5科目から2科目を選択
④専門科目:20部門から1部門選択 試験時間2時間
【二次試験】
論文式の筆記試験・口頭試験
・あらかじめ提出される技術的体験論文を元にした面接形式の口答試験の2段階で構成
●総合技術監理部門以外の技術部門
(筆記試験)
①必須科目:記述式600字×3枚以内/3時間30分
②選択科目:記述式600字×3枚以内/3時間30分
③選択科目:記述式600字×3枚以内/3時間30分
●総合技術監理部門
(筆記試験)試験時間:計5時間30分
①必須科目:1.択一式40題/2時間 2.記述式 3時間30分
②選択科目:1.記述式/2時間
選択科目:2.記述式
選択科目:3.記述式/ 3時間30分
(口頭試験):技術士としての適格性と高等の専門的応用能力ほか
【合格基準】
・第一次試験:基礎/専門/適正科目 いづれも50%以上の得点率
・第二次試験(総合技術監理部門を除く技術部門):必須科目/選択科目 いづれも60%以上の得点率
・第二次試験(総合技術監理部門):必須科目/選択科目 いづれも60%以上の得点率
・口頭試験(総合技術監理部門を除く技術部門)60%以上の得点率
・口頭試験(総合技術監理部門):60%以上の得点率
【科目免除規定】
●一次試験全部免除:JABEE認定プログラムの修了者
●一次試験の一部免除
・第二次試験で合格した技術部門と同じ技術部門で第一次試験を受験する場合
→ 基礎科目と専門科目が免除になる
・第二次試験で合格した技術部門と別の技術部門で第一次試験を受験する場合
→ 基礎科目が免除になる
・資格による科目免除
中小企業診断士資格保有者、情報処理技術者試験合格者、
公害防止管理者、電気主任技術者、測量士等の資格保有者
学士(理科系統の専攻分野)、修士、博士の学位取得者など |
試験科目 | ●第一次試験の試験科目
1.基礎科目:科学技術全般にわたる基礎知識
科学技術全般にわたる基礎知識を問う問題(五肢択一式 試験時間1時間)
出題分野
(1) 設計・計画に関するもの(設計理論、システム設計等)
(2) 情報・論理に関するもの(アルゴリズム、情報ネットワーク等)
(3) 解析に関するもの(力学、電磁気学等)
(4) 材料・化学・バイオに関するもの(材料特性、バイオテクノロジー等)
(5) 技術史(技術の歴史、技術の社会への影響等)
2.適性科目:技術士法第四章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性
技術士法第四章の規定の遵守に関する適性を問う問題(五肢択一式 試験時間1時間)
3.専門科目:20技術部門(部門は機械、船舶海洋、航空宇宙、化学、繊維、金属、資源工学、建設、上下水道、衛生工学、農業、森林、水産、経営工学、情報工学、応用理学、環境、原子力放射線部門など)の中から1技術部門を選択し、その選択した1部門に係る基礎知識及び専門知識を問う問題(五肢択一式 試験時間2時間)
※一次試験の科目免除
学士の学位(理科系統の専攻分野)を有する者又はこれと同等以上の学力を有すると認められる者や、公害防止管理者、電気主任技術者、測量士等の資格保有者
●第二次試験の試験科目
第二次試験は、筆記試験及び口頭試験により行い、口頭試験は、筆記試験に合格した者について行われます。
筆記試験【総合技術監理部門以外の技術部門】
・必須科目①:技術部門全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力
(記述問題)1800字 2時間30分
・選択科目②:選択科目に関する専門知識及び応用能力
(記述問題)3600字
・選択科目③:選択科目に関する問題解決能力及び課題遂行能力
記述問題)3600字 3時間30分
筆記試験【総合技術監理部門】
・必須科目①
「総合技術監理部門」に関する課題解決能力及び応用能力を問う問題
・必須科目②
「総合技術監理部門」に関する課題解決能力及び応用能力を問う問題
・選択科目①
選択した全「技術部門」の専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力に関する事
・選択科目②
選択した技術部門の「選択科目」についての専門知識及び応用能力に関すること
・選択科目③
選択した技術部門の「選択科目」についての問題解決能力及び課題遂行能力に関すること
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