資格の概要 | 近年の屋上緑化・公園・庭園・道路緑化工事等、都市環境整備事業拡大に伴い造園工事の適正な施工の確保を目的に、建設業法施工令が改正され、「造園施工管理技術検定」制度が発足し、この検定合格者に付与される大臣資格です。
この資格は、国土交通省管轄の施工管理技士国家資格のうちの1つで、試験は(財)全国建設研修センターが年1回実施しています。1級と2級のランクがあり、1級は営業所ごとに置かなければならない専任の技術者や工事現場ごとに置かなければならない主任技術者、監理技術者となることがで き、公園や緑地、遊園地などの造園工事の施工計画を作成し、現場の工程管理、資材等の品質管理、作業の安全管理等が業務になります。
2級は建設業法による一般建設業 の営業所における専任技術者や、工事現場における主任技術者になることができ、1級と同様、公園や緑地、遊園地などの造園工事の施工計画を作成し、現場の工程管理、資材等の品質管理、作業の安全管理等の業務を行います。
建設業の許可においても、特定建設業のうち土木工事・建築工事・管工事・鋼構造物工事・舗装工事・電気工事・造園工事の7業種が指定建設業となり、専任の技術者及び監理技術者は、1級施工管理技士等の国家資格者に限定されました。
(参考)
・この資格の保有者は1級・2級とも、社会保険労務士の受験資格が得られます。
【造園技能士と造園施工管理技士】
・「造園技能士」は、国家資格である技能検定制度の一種で都道府県知事が実施する、造園に関する学科及び実技試験に合格した者を言います。(試験の実施等は都道府県職業能力開発協会)
また、造園技能士は造園施工管理技士の受験資格や職業訓練指導員 (造園科)、職業訓練指導員 (森林環境保全科) の実技試験免除資格になっています。造園技能士の等級は1級、2級、3級の別があり、それぞれ上級、中級、初級と位置づけられています。⇒造園技能士公式サイト
・「造園施工管理技士」は、施工管理技士国家資格のうちの1つで、国土交通省の管轄です。(実施は一般財団法人全国建設研修センター)
施工管理技士で一番簡単な資格と言われていましたが、合格率で見る限りでは近年では施工管理技士のうちで最難関になっています。等級は1級と2級で、この資格の保有者は1級、2級とも、社会保険労務士の受験資格が得られます。⇒造園施工管理技士公式サイト
◆施工管理技術検定試験に関するニュース
・令和3年度 施工管理技術検定の制度改正について
建設業法等の一部改正により、技術検定制度が見直されました。令和3年度以降の技術検定試験においては、第一次検定の合格者には「技士補」の称号が新たに付与されます。このうち、1級技士補については、一定の条件の下で監理技術者の職務を補佐する者(今回の改正により新設)として責任ある立場で活躍できるようになりました。
さらに、第二次検定に合格した者には、これまでと同様に「技士」の称号が付与され、現場の監理技術者や主任技術者等として職務を行うことができるようになります。
※改正後 称号付与
1級 第1次検定➡ 【1級技士補】➡ 第2次検定➡ 【1級技士】
2級 第1次検定➡ 【2級技士補】➡ 第2次検定➡ 【2級技士】
・1次検定:施工技術のうち基礎知識、能力を有するかを判定
・2次検定:施工技術のうち実務経験に基づいた技術上の管理及び
指導監督に係る知識及び能力を有するかを判定
※第1次、2次検定に求められる水準は現行の制度と同程度
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試験の合格率・難易度 | ●難易度
1級 「B」 普通
2級 「C」 やや易
【資格の難易度レベル】
国家資格である技能検定制度の一つに、都道府県知事が実施する「造園技能士」という資格があります。造園技能士は、造園施工管理技士の受験資格になっています。どちらも環境系の資格ですが、難易度は造園施工管理技士の方が造園技能士より少し高いようです。どちらもそんなに簡単な試験ではありませんが、独学でも資格は十分取得可能です。
造園施工管理技士は、施工管理技士国家試験の中では、難易度は一番低いと言われており、実務経験あれば、独学でも突破は可能ですが、合格率で見る限りでは、近年では施工管理技士の中では最難関と言えます。一般的には、施工管理技士資格として意味を持つのは1級の管理技士からです。
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●合格率
・令和2年度 1級造園施工管理技術検定試験結果
学科 合格率 39.6%(受験者数2,941名 合格者数1,178名)
実地 合格率 41.0%(受験者数1,695名 合格者数695名)
・令和2年度 2級造園施工管理技術検定試験結果
学科 合格率 58.3%(受験者数3,569名 合格者数2,080名)
実地 合格率 43.0%(受験者数2,531名 合格者数1,089名)
※参考データ
・令和元年度 1級造園施工管理技術検定試験結果
学科 合格率 37.0%(受験者数3,404名 合格者数1,260名)
実地 合格率 39.6%(受験者数1,880名 合格者数744名)
・令和元年度 2級造園施工管理技術検定試験結果
学科 合格率 50.9%(受験者数2,448名 合格者数1,247名)
実地 合格率 37.6%(受験者数2,829名 合格者数1,063名)
・平成29年度 2級造園施工管理技術検定試験結果
学科 合格率 61.0%(受験者数4,043名 合格者数2,466名)
実地 合格率 36.7%(受験者数3,387名 合格者数1,244名)
・平成29年度 2級造園施工管理技術検定試験結果(学科のみ)
2級学科 合格率 55.5%(受験者数528名 合格者数293名)
・平成29年度 1級造園施工管理技術検定試験結果
学科 合格率 46.6%(受験者数3,870名 合格者数1,805名)
実地 合格率 37.5%(受験者数2,928名 合格者数1,099名)
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試験の内容・勉強法 | この資格は、造園工事の監理技術者や主任技術者になるための国家資格です。
1級の学科試験の出題内容は、造園工事に必要な一般的知識が 四肢択一式で65問出題されます。例年、施工管理や土木工学、造園材料、法規などからの出題が多く、試験範囲が広く、かつ難易度もそこそこ高いため、効率良い学習法、万全の受験対策、でのぞむ必要があります。合格ラインは65問中39問以上が必要です。実地試験は経験記述を含め、すべて記述式解答で、文章記述・穴埋め・穴埋め選択・計算問題など文字や数字で簡潔に解答しなければなりません。経験記述問題では施工管理課題で、工程・安全・品質管理のうち1つが指定されます。
2級の経験記述では、「工程管理」、「品質管理」、「安全管理」のいずれかについて、「工事名」、「工事金額および工期」、「工事概要」、「施工管理項目上の課題」、「対応策」等を、実際に工事をした経験に基づいて記述します。また、記述式問題では、 造園材料、植栽施工、施工管理などについてごく基本的なことを問う問題が出題されます。「造園施工管理試験完全制覇」 というテキストを3回くらい完全に熟読し、過去問を徹底してやれば2級は在宅で突破できそうですが、できれば専門の学校や通信講座で基礎的な知識や勉強法を習得しておいた方がいいでしょ う。実地のイメージをつけながら勉強できることがメリットになります。
1級対策では、実地試験の「経験記述」は経験した工事から一つに絞って作文し、それを覚えるしか方法がありませんが、実地も過去問に当たっておくことが大切です。特に樹木の移植については、毎年何らかの形で出題されているので要注意です。1級試験の受験資格として2級施工管理技士資格プラス実務経験が求められるため、2級は1級の資格を取得するためのステップと言えます。
尚、仕事に関しては、1級資格者は指導監督的な立場で仕事を行い、2級取得者は応用能力のある技術者として仕事を行うという違いがあります。自治体が発注する大がかりな造園工事などを請け負って工事を行う場合は、監理技術者の配置が義務づけられており、この役割を指名されるのは1級造園施工管理者だけです。したがって、業界内の評価はとても高くなります。
※1級取得者は、特定建設業「造園」において監理技術者として認められ、経営事項審査の技術者点数5点が与えられます。そのため、土木工事と造園工事の両方の指定を持っている会社は結構多いです。指名入札などでは、河川公園などは土木と造園の技術者を指定する必要があるので、ダブル取得している有資格は重宝されるわけです。 |
受験費用 | ●1級
・学科試験 10,400円
・実地試験 10,400円
●2級
・学科・実地試験 10,400円
・学科試験のみ 5,200円
・実地試験のみ 5,200円 |