資格の概要 | 「建築施工管理技士」は、建築工事の安全かつ円滑な施工を担う国家資格です。資格取得者は建設現場を支えるスペシャリストです。資格には1級と2級があり、それぞれ求められる実務経験や技術レベルが異なります。
建築施工管理技士には、以下のような役割があります。
①工事計画の作成
②工程管理
③資材管理
④安全管理
⑤コスト管理
⑥品質管理
⑦関係業者との調整
これらの責任を果たすことで、建築工事が安全かつ円滑に進むように導きます。
建築施工管理技士になるには、
「実務経験を積む」➡「第一次検定に合格する」➡「第二次検定に合格する」という手順を踏まねばなりません。1級建築施工管理技士になるためには、5年以上の建築工事現場での実務経験が必要です。2級建築施工管理技士の場合は、3年以上の経験が必要となります。
2級建築施工管理技士は、建築、躯体、仕上げの3種別に分かれて試験が行われますので、建築施工に関する全ての分野で2級資格者となるためには、少なくとも3度の試験に合格しなければなりませんが、1級建築施工管理技士になるには、2級建築施工管理技士の資格取得が必須ではありませんので、第一次検定に合格すれば受験できます。
国土交通省が建設工事に従事する者の技術力の向上を図るため、建設業法に基づき、実施するのが「建築施行管理技術検定試験」です。主に大規模な工事を取り扱う「1級」と、中・小規模工事を取り扱う「2級」に区分され、1級では工事の施工計画及び施工図の作成、工程管理、品質管理、安全管理等工事の施工の管理を適確に行うために必要な技術を対象に、また2級では、建築、躯体、仕上げの種別に細分されて技術検定が行われます。
施工管理技士には建築施工管理技士、電気施工管理技士、土木施工管理技士、造園施工管理技士、管工事施工管理技士がありそれぞれ1級と2級があります。これらの資格はそれぞれの分野で主に現場で働く実務経験のある技術者が取得する資格です。 施工管理技士の資格を取得するためにはまず、受験資格となる実務経験が必要になります。
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◆ 施工管理技術検定試験に関するニュース
・建設業法等の一部改正により、技術検定制度が見直されました。令和3年度以降の技術検定試験においては、第一次検定の合格者には「技士補」の称号が新たに付与されます。このうち、1級技士補については、一定の条件の下で監理技術者の職務を補佐する者(今回の改正により新設)として責任ある立場で活躍できるようになりました。
さらに、第二次検定に合格した者には、これまでと同様に「技士」の称号が付与され、現場の監理技術者や主任技術者等として職務を行うことができるようになります。
※改正後 称号付与
1級 第1次検定➡ 【1級技士補】➡ 第2次検定➡ 【1級技士】
2級 第1次検定➡ 【2級技士補】➡ 第2次検定➡ 【2級技士】
・1次検定:施工技術のうち基礎知識、能力を有するかを判定
・2次検定:施工技術のうち実務経験に基づいた技術上の管理及び
指導監督に係る知識及び能力を有するかを判定
※第1次、2次検定に求められる水準は現行の制度と同程度
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試験の合格率・難易度 | ●難易度
1級 「B」 普通
2級 「C」 やや易
【資格の難易度レベル】
建築施工管理技術検定試験は、平均的に学科試験よりも実地試験の難易度が高く、実地試験がハードルを高くしている傾向があります。1級建築施工管理技士は、他の1級施工管理技士試験の中では1番難易度は高い試験です。施工管理技士試験では、どの試験も難易度レベルは1級>2級です。建築施工管理技士の場合では、仕事内容に大きな差はありませんが、扱える建物・工事現場の規模に差があることで、1級は建築工事全般の幅広い知識が必要とされます。
2級試験では、施工経験記述に受験者は苦戦し、難易度が高く感じるようですが、2級ではテキストや講習会なども豊富で、対策がしやすいという点でも受験対策は楽です。
施工管理技士1級の難易度ランキングは、建築施工管理技士>土木施工>電気通信施工>電気工事施工>管工事施工>造園工事施工>建設機械施工 の順になると想定します。
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●合格率
・令和4年度2級建築施工管理技術検定(学科)1次のみ
学科試験 受験者数13,474名 合格者数6,834名 合格率50.7%
・令和4年度1級建築施工管理技術検定(学科・実地)
学科試験 受験者数27,253名 合格者数12,755名 合格率46.8%
実地試験 受験者数-名 合格者数-名 合格率-%
※参考データ
・令和3年度2級建築施工管理技術検定(学科・実地)
学科試験 受験者数32,128名 合格者数15,736名 合格率49.0%
実地試験 受験者数23,380名 合格者数8,205名 合格率35.1%
・令和2年度2級建築施工管理技術検定(学科・実地)
学科試験 受験者数32,468名 合格者数11,366名 合格率35.0%
実地試験 受験者数23,116名 合格者数6,514名 合格率28.2%
・令和2年度1級建築施工管理技術検定(学科・実地)
学科試験 受験者数22,742名 合格者数11,619名 合格率51.1%
実地試験 受験者数16,946名 合格者数6,898名 合格率40.7%
・令和元年度2級建築施工管理技術検定(学科・実地)
学科試験 受験者数28,718名 合格者数9,083名 合格率31.6%
実地試験 受験者数22,663名 合格者数6,134名 合格率27.1%
・平成30年度1級建築施工管理技術検定(学科・実地)
学科試験 受験者数25,392名 合格者数10,837名 合格率42.7%
実地試験 受験者数15,876名 合格者数7,378名 合格率46.5%
・平成30年度2級建築施工管理技術検定(学科・実地)
学科試験 受験者数28,888名 合格者数7,495名 合格率25.9%
実地試験 受験者数24,131名 合格者数6,084名 合格率25.2%
・平成30年度1級建築施工管理技術検定(学科・実地)
学科試験 受験者数25,198名 合格者数9,229名 合格率36.6%
・平成29年度2級建築施工管理技術検定(学科・実地)
学科試験 受験者数30,262名 合格者数11,725名 合格率38.7%
実地試験 受験者数26,506名 合格者数7,665名 合格率28.9%
・平成29年度1級建築施工管理技術検定(学科・実地)
学科試験 受験者数24,755名 合格者数9,824名 合格率39.7%
実地試験 受験者数16,505名 合格者数5,537名 合格率33.5%
※学科試験は学科のみの試験も含めた数値 |
試験の内容・勉強法 | 建築施工管理技士は、国土交通省管轄の施工管理技士国家資格のうちの1つで、建設業法に基づき実施されている資格で大規模工事を扱うのが1級で、1級建築施工管理技士は施工技術のプロです。建物の建設現場で施工が予定通りに行われているかなどを監督し、指導できる立場になる国家資格です。また、中小規模を扱うのが2級で、2級はさらに建築、躯体、仕上の3種類に分けられます。試験は、受験資格のうち実務要件を満たすことがまず大切です。実務要件期間が比較的長いので、それをクリアできればあとは対策をしっかりとやることで2級の合格は可能です。2級の試験は難しくありません。1級は、出題範囲が非常に広く、出題は施工に関するものの他、環境工学、各種構造、構造力学、法規等、建築関係全般から出題されます。
実地試験は、実務経験に裏づけされた知識やスキルが問われる難易度の高い出題が続いています。実務経験の有無や、建築に関する知識、それに施工管理に関する知識が問われるのはもちろん、表現力も問われる試験となっています。経験記述では、記述内容が適切であるかどうか、採点者にわかりやすく正しい言葉で伝えられているかなども評価の対象になります。特に近年の経験記述では、従来のものより具体的な記述を求める問題が多く、合格率は低くなっています。テーマは合理化、品質管理、建設副産物対策、地球環境保全などが中心であり、それらについて自分の経験を正しく表現できるようにするための準備が必要です。
試験対策は、受験用参考書や問題集が書店で販売されているので、これを使って独学するのが一般的ですが、民間企業が行う通信講座もあります。建設業界における1級建築施工管理技士に対する評価は極めて高く、経験を積んでいれば高齢者でも中途採用で採用される可能性がある資格で、取得メリットは非常に高い資格といえます。このように1級資格はかなり重要な資格なので、難易度から考えると取っておいて損はないと思います。
この試験に受験対策教材でオススメのものがありますので、紹介しておきます。
まず、学科試験対策の問題集(過去問題集)なら、出版社が地域開発研究所の「建築施工管理技術検定試験問題解説集録版 」。次に、1級の実地試験対策問題集(過去問題集)&参考書は、市ヶ谷出版社の「1級建築施工管理技士スーパーテキスト 実地試験 」の2冊です。
どちらも過去問題の解答が非常に分かりやすく解説されており、本試験で必要とされる各設問に対して簡潔で明確な解答が記述されています。
年金の支給開始年齢は基本的には65歳からですが、今後、間違いなく支給開始年齢が67~70歳に引き上げられることが考えられます。そうなると定年が65歳になっても数年間の収入空白期間ができるため、退職者は厳しい生活を強いられることになります。そこで、その収入空白期間を埋めるために奨められているのが、定年までに積み上げた経験の上に、さらに「資格」を取得することで、一定水準の収入を得られる仕事に就くことです。
それではその場合、どんな資格が有利に働くのか、ということですが、特に、建設系の企業での経験がある人は、「施行管理技士」は有望です。建設工事の受注入札には、会社は参加資格として定められた資格保有者を一定以上所属させていなければ、入札に参加することができません。その定められた資格の一つが「施工管理技士」です。そこで施工管理技士の1~2級を取得できれば、建設会社としてはノドから手が出るほど欲しい人材になるわけです。実務経験者でなければ取得することは困難ですが、経験さえあれば合格率も50~60%で、それほど難関試験でもないので取得も比較的簡単です。他には「建設業計理士」資格も「施行管理技士」と同じく入札制度の参加条件に含まれる資格なので有望です。 |