資格の概要 | 「建設機械施工管理技士」は施工管理試験の中では一番早くから行われている施工管理技士国家資格の1つです。資格の種類が1級と2級に分かれており、1級は各種の建設機械を用いた施工に関する指導・監督的業務で、土木工事業や舗装工事業など指定建設業の専任技術者や工事現場の監理技術者になることができます。2級は第1種から第6種に分かれそれぞれの機械を用いた施工において、各種建設機械の運転技術者や一般建設業の主任技術者などとして活躍の場が広い職種です。
活躍の場としては、主に建設会社や工務店、内装業、住宅および設備機器メーカーなどの現場管理者、技術監督者で建築現場の主任や管理者として、建設現場の円滑な施工と、建築水準の質向上を図るために欠かせない存在です。
この資格を取得していることで、施工指導ができる技術者としての社会的評価や、施主・建築関係者からの信頼も得られ、手当が支給される企業もあります。
※1級の資格取得者は、社会保険労務士の受験資格が得られます。
※資格取得による特典
(1)厚生労働省が行っている各種技能講習等に関しては、該当する講習の受講義務が免除され、労働安全衛生法第45条第2項に規定する車両系建設機械の特定自主検査者と同等の資格が得られるほか、技能講習等の一部が免除されます。
(2)厚生労働省が行っている各種技能講習等に関しては、該当する講習の受講義務が免除され、労働安全衛生法第76条第1項に規定する車両系建設機械と不整地運搬車の運転技能講習修了者と同等の資格が得られるほか、技能講習等の一部が免除されます。
(3)厚生労働大臣が定める、事業内特定自主検査の資格が与えられます。
(4)許可制度に関しては、建設機械施工技士は「土木、舗装、とび・土工工事業」の許可区分となり、 現場常駐制度1級は「監理技術者」、2級は「主任技術者」となることが出来ます。
◆施工管理技術検定に関する情報
・建設業法等の一部改正により、技術検定制度が見直されました。令和3年度以降の技術検定試験においては、第一次検定の合格者には「技士補」の称号が新たに付与されます。このうち、1級技士補については、一定の条件の下で監理技術者の職務を補佐する者(今回の改正により新設)として責任ある立場で活躍できるようになりました。
さらに、第二次検定に合格した者には、これまでと同様に「技士」の称号が付与され、現場の監理技術者や主任技術者等として職務を行うことができるようになります。
※改正後 称号付与
1級 第1次検定➡ 【1級技士補】➡ 第2次検定➡ 【1級技士】
2級 第1次検定➡ 【2級技士補】➡ 第2次検定➡ 【2級技士】
・1次検定:施工技術のうち基礎知識、能力を有するかを判定
・2次検定:施工技術のうち実務経験に基づいた技術上の管理及び
指導監督に係る知識及び能力を有するかを判定
※第1次、2次検定に求められる水準は現行の制度と同程度
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試験の合格率・難易度 | ●難易度
1級 「B」 普通
2級 「C」 やや易
【資格の難易度レベル】
試験自体の難易度は、学科は1級も2級も建築施工管理技士や土木施工管理技士などと比較するとかなり易しいと思っていいでしょう。実技もそれほど難しくありません。学科試験の出題傾向などは過去問で傾向の把握を意識しながら勉強をするとかなり効果的です。実技試験の内容は技能講習よりは少し難しい傾向があるようですが、どの類を選択しているかでかなり結果に差が出ます。ただ、1次の学科試験に合格した人は、2次の実技はよほど間違った操作をしない限り、合格できます。勉強に時間をかけられない方や、自信がない方は試験場によっては事前に講習会が開催されますので、協会に問い合わせて受講するとよいでしょう、講習会は受験対策にはかなりプラスになります。結局、建設機械施工の資格取得にはいかに学科試験を突破するかがポイントになります。協会のWEBサイトでは、試験の過去問題が公表されています。これを解けるようになるだけでも、合格にぐっと近づけますので過去問はできるだけ理解しながら数をこなしておくことです。
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●合格率
令和4年度建設機械施工技術検定 試験結果
(1級)
学科 合格率26.4% 受験者数2,560名 合格者数677名
実地
(2級)
学科(種別計) 合格率42.8% 受験者数6,785名 合格者数2,905名
実地
※参考データ
・令和3年度建設機械施工技術検定 試験結果
(1級)
学科 合格率26.6% 受験者数2,337名 合格者数621名
実地 合格率64.9% 受験者数569名 合格者数369名
(2級)
学科(種別計) 合格率54.7% 受験者数7,264名 合格者数3,970名
実地 合格率75.2% 受験者数3,881名 合格者数2,917名
・令和2年度建設機械施工技術検定 試験結果(学科免除対象者のみ)
(1級)実地試験 合格率80.2% 受験者数217名 合格者数174名
(2級)実地試験 合格率82.5% 受験者数1,024名 合格者数845名
・令和元年度建設機械施工技術検定 試験結果
(1級)
学科 合格率25.1% 受験者数2,838名 合格者数712名
実地 合格率63.8% 受験者数973名 合格者数621名
(2級)
学科(種別計) 合格率42.4% 受験者数6,895名 合格者数2,925名
実地 合格率83.9% 受験者数3,741名 合格者数3,138名
・平成30年度建設機械施工技術検定試験結果
(1級)
学科 合格率28.0% 受験者数2,949名 合格者数825名
実地 合格率63.3% 受験者数1,046名 合格者数662名
(2級)
学科(種別計) 合格率58.5% 受験者数7,704名 合格者数4,507名
実地 合格率84.0% 受験者数4,909名 合格者数4,123名
・平成29年度建設機械施工技術検定試験結果
(1級)
学科 合格率44.2% 受験者数3,263名 合格者数1,443名
実地 合格率84.2% 受験者数1,540名 合格者数1,296名
(2級)
学科(種別計) 合格率58.5% 受験者数8,250名 合格者数4,828名
実地 合格率84.4% 受験者数5,103名 合格者数4,305名 |
試験の内容・勉強法 | 「建設機械施工管理技術検定」は、厚生労働省系の行っている車両系、建設機械の運転免許証(オペレーター)などのような、単に建設機械運転技術者の操作技能を対象とするものとは異なり、この技術検定合格者には建設業法で定められた専任技術者(建設業許可)や主任技術者・監理技術者(現場常駐)としての資格が付与される国家資格です。
試験に合格すれば、1級は指定建設業の専任技術者や工事現場の監理技術者、2級は建設機械の各種運転技術者や一般建設業の主任技術者として仕事に従事することができます。施工管理技士の中では最も歴史のある国土交通省所轄の国家資格なので、厚生労働省が行っている各種技能講習等に対しては、該当する講習の受講義務が免除され、労働安全衛生法第45条第2項に規定する車両系建設機械の特定自主検査者と同等の資格が得られるほか、技能講習等の一部が免除されます。
試験は、1級は学科が択一問題(マークシート)方式で、実地は記述式問題です。記述式問題は第1問目が施工管理体験記述問題です。これ以外は関連知識等を問う記述式の問題が出題されます。試験内容は簡単ですが、大事なことは必ず動作のたびに指差し安全確認をすることです。実地もそれほど難しくありませんが、講習会には参加しておく方がいいでしょう。特に安全確認などの動作を十分学んでおくと良いと思います。
尚、1級の試験には「建設機械組合せ施工法」という記述式(論文作成)試験があります。試験までにいくつかの論文(草案)を作成し、記憶しておく必要があります。
2級は学科が択一問題(マークシート方式)です。2級の実技試験は建設機械の運転です。それほど難しくありませんが、第1種~第6種のうち2種類に合格しなければなりません。
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受験対策は、工事別、種目別で過去問を 繰り返しやることと。そしてひと通り終われば、土木工学や建設機械、トラクタ系建設機械、ショベル系建設機械などについて、工事別、種目別で1項目ずつに特化して反復しておくと間違いないでしょう。
資格取得後の活躍の場は、当然建設業界が主になりますが、資格名を指定しての求人も時々あり、転職には比較的有利と考えていいでしょう。建設業界では一定のニーズがある資格なので各種建設機械の運転技術者や一般建設業の主任技術者として活躍の場は広いです。
「建設機械施工技士資格」を取得するメリット
①「1級または2級建設機械施工技士」の称号が与えられる。
②建設業の許可基準の1つである営業所ごとに置く専任の技術者や、建設工事現場に置く主任技術者または監理技術者(1級のみ)になれること。
③建設業法に基づく経営事項審査における技術力の評価に計上する技術者数にカウントされます。
④労働安全衛生法に規定する車両系建設機械の特定自主検査者として、必要な研修科目の全部または一部免除などの特別の取り扱いが受けられます。 |
受験費用 | 【1級】
・一次検定受験手数料 14,700 円(1種別につき)
・二次検定受験手数料(学科試験合格発表後に納入)
操作施工法免除なし 38,700円
操作施工法1科目免除 29,100円
操作施工法2科目免除 19,500円
【2級】
・一次検定受験手数料 一次14,700円(2種別まで同時に受検可)
・二次検定受験手数料(学科試験合格後に納入)
27,100円(1種別につき) |