資格の概要 | 施工管理技士国家資格のうちの1つで、河川や道路、ダム、トンネルといった土木工事の施工計画を作成し、現場での工程管理や品質管理などを適切に実施するのが土木施工管理技士の仕事です。資格は1級と2級に分かれ、1級は、河川、道路、橋梁などの土木工事において、主任技術者または、監理技術者として施工計画を作成し、現場における工程管理、安全管理など工事施工に必要な技術上の管理など工事施工に必要な技術上の管理などを行います。特に建設会社の技術者にとっては、不可欠な代表的資格になっています。
2級は土木、鋼構造物塗装、薬液注入に別れ、それぞれの種で河川、道路、橋梁などの土木工事において、主任技術者として施工計画を作成し、現場における工程管理、安全管理など工事施工に必要な技術上の管理などを行います。
※一定予算額以上の公共工事などの現場には、土木工事全般に関する高度な応用力を活かして指導監督的業務にあたる1級土木施工管理技士の配置が必要になる。
また、建設業法に定められた土木工事関係8業種の許可に際して、営業所ごとに置かなければならない専任の技術者や、工事現場ごとに置かなければならない主任技術者又は監理技術者となることが認められています。
※2級土木施工管理技士は、建設業法で定められた一般建設業の許可を受けている建設業者の営業所における「専任技術者」及び工事現場における「主任技術者」となることが認められています。
※1級の累計登録者数は、約65万人になります。
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◆施工管理技術検定試験関連情報
・令和3年度 施工管理技術検定の制度改正について
建設業法等の一部改正により、技術検定制度が見直されました。令和3年度以降の技術検定試験においては、第一次検定の合格者には「技士補」の称号が新たに付与されます。このうち、1級技士補については、一定の条件の下で監理技術者の職務を補佐する者(今回の改正により新設)として責任ある立場で活躍できるようになりました。
さらに、第二次検定に合格した者には、これまでと同様に「技士」の称号が付与され、現場の監理技術者や主任技術者等として職務を行うことができるようになります。
※改正後 称号付与
1級 第1次検定➡ 【1級技士補】➡ 第2次検定➡ 【1級技士】
2級 第1次検定➡ 【2級技士補】➡ 第2次検定➡ 【2級技士】
・1次検定:施工技術のうち基礎知識、能力を有するかを判定
・2次検定:施工技術のうち実務経験に基づいた技術上の管理及び
指導監督に係る知識及び能力を有するかを判定
※第1次、2次検定に求められる水準は現行の制度と同程度
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試験の合格率・難易度 | ●難易度
2級 「C」 やや易
1級 「B」 普通
【資格の難易度レベル】
土木の業界で働く人には、この資格は大変重宝され、評価されます。何故かと言えば、この業界には有資格者がいないと工事もできない法律があるからです。従って、この業界では土木施工管理技士の資格は転職や就活においても有利で評価もされます。しかし、この資格は受験をするのに実務経験が必要なので一般の人はほとんど受験できません。業界の人がステップアップを狙って受験する資格になっていますので、合格率も比較的高くなっていますが、2級でも以前ほどやさしい資格ではなくなってきています。特に実地試験は難解になっています。
受験対策は毎年の出題傾向を見ていると、過去の問題に関連する問題も多く出題されていることが分かります。そのため、受験対策として一番有効なのは、どうしても過去問克服になります。過去問約7年分を繰り返し解くということです。単に暗記するのではなく、理解しながら勉強をしなければなりません。それと自分に合った参考書を選ぶことが重要になります。問題と見直しを繰り返しながら、30分程度の勉強を毎日行うことが一発合格への近道です。
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●合格率
・令和4年度1級土木施工管理技術検定試験結果
(学科試験)受験者数38,672名 合格者数21,097名
合格率 平均 54.6%
(実地試験)受験者数-名 合格者数-名
合格率 平均-%
・令和3年度2級土木施工管理技術検定試験(後期)結果
(学科試験)受験者数16,041名 合格者数10,175名
合格率 平均 63.4%
(実地試験)受験者数-名 合格者数-名
合格率 平均-%
※参考データ
・令和3年度1級土木施工管理技術検定試験結果
(学科試験)受験者数37,726名 合格者数22,851名
合格率 平均 60.6%
(実地試験)受験者数26,558名 合格者数9,732名
合格率 平均 36.6%
・令和2年度2級土木施工管理技術検定試験(後期)結果
(学科試験)受験者数18,612名 合格者数13,697名
合格率 平均 73.6%
(実地試験)受験者数32,847名 合格者数11,713名
合格率 平均 35.7%
・令和2年度1級土木施工管理技術検定試験結果
(学科試験)受験者数29,745名 合格者数 17,885名
合格率 平均 60.1%
(実地試験)受験者数24,204名 合格者数 7,499名
合格率 平均 31.0%
・令和元年度2級土木施工管理技術検定試験(後期)結果
(学科試験)受験者数19,968名 合格者数 14,488名
合格率 平均 72.6%
(実地試験)受験者数29,085名 合格者数 12,852名
合格率 平均 44.2%
・令和元年度1級土木施工管理技術検定試験結果
(学科のみ試験の受検者数及び合格者数を含む)
(学科試験)受験者数33,036名 合格者数 18,076名
合格率 平均 54.7%
(実地試験)受験者数24,688名 合格者数 11,190名
合格率 平均 45.3%
・令和元年度2級土木施工管理技術検定試験結果
(学科のみ試験の受検者数及び合格者数を含む)
(学科試験)受験者数26,969名 合格者数 17,231名
合格率 平均 63.9%
(実地試験)受験者数31,729名 合格者数 12,611名
合格率 平均 39.7%
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試験の内容・勉強法 | この資格は建設業を営む場合に必要な資格の一つで1級と2級があり、2級土木施工管理技士は、中規模、小規模な土木工事現場の責任者です。1級の学科試験と実地試験の合格率は、学科試験が55%前後、実地試験は約40%です。学科試験は、全体で6割以上得点すれば合格できます。定員制ではなく、合格基準点以上とれば合格できますが、試験範囲が広いので効率のよい学習が必要になります。資格の難易度レベルは、一級建築施工管理技士とほぼ同じぐらいです。
2級は、学科試験、実地試験共に合格率が低下してきています。特に実地試験では、出題内容が実務的な問題に変わってきて、難易度を上げています。実務に直結した応用能力を判断する問題が出題される傾向にあるようです。1級、2級共に技術系資格の中では比較的易しい方だと思われます。独学でも十分に合格できますので、出題範囲に合わせた幅広い分野の学習に取り組んでください。
ただ、公共工事に求められる内容が多様化しており、経験記述も今まで以上に、より幅広い分野から出題される傾向にあり、これに伴い難易度も高くなってくると思います。経験記述は工事の内容などの専門的なことよりも、問題に沿って外れずに書けているかどうかが一番のポイントになります。過去問題をしっかりやると同時に、自信のない人は特に作文の練習を行うといいでしょう。
たとえば、施工管理法は3問について記述式で答える試験です。この中では自分の施工体験などの経験記述対策が重要になります。その他、施工計画・工程管理・品質管理など、各種の設問に対応出来るようにしておかねばなりません。
受験対策は、 受験用参考書や問題集が書店で手に入るので、これを使っての独学が一般的ですが、民間企業が行う通信講座もあります。現場経験が10年もあれば、最初から1級を目指してもいいでしょう。
この資格は、建設工事の現場監督として仕事をするために不可欠の資格で、工事に関する技術的知識と管理能力を備えた人材として確実にステップアップしていくことができ、土木建設業界で活躍するには、是が非でも欲しい資格です。また一方、企業にとっては土木施工管理技士の資格保持者の勤務者数がそのまま企業の評価となり、結果として受注の機会が増えるということもあり、有資格者に手当てを支給するところもあります。また、変わったところでは、自衛隊においては、施設科において幹部となるための必要資格になっています。
土木施工管理技士は建築業者なら絶対に欲しい資格なので、就職や転職、昇給・昇進にとても有利です。また近年は施工現場では施工計画や安全面、品質面、工程面などが重要視されているため、1級取得者で実務経験者は特に優遇されています。
また、技術者については、若年技術者確保や工事の増加への対応などの観点から、1級土木施工管理技術試験の受験資格である実務経験年数短縮など緩和を求める声が一部の建設業界から上がっています。 |
受験費用 | 【1級】一次:10,500円 二次:10,500円
【2級】一次・二次:10,500円
一次のみ:5,250円
二次のみ:5,250円 |