資格名 | 応用情報技術者 |
資格の種類 | 国家資格 |
主催 | 独立行政法人情報処理推進機構 情報処理技術者試験センター |
資格の概要 | 試験は共通キャリア・スキルフレームワークのレベル3に相当する経済産業大臣認定の国家資格。
応用情報技術者試験は、国家試験である情報処理技術者試験の1つです。基本情報技術者試験の上位資格に位置づけられますが、試験内容は必ずしもソフトウェアの開発技術者のみが対象ではないというのが特徴です。2009年春より始まった旧ソフトウェア開発技術者に代わる新試験で、旧ソフトウエア開発技術者にストラテジ分野が追加され範囲が拡大されたが、午後問題が選択制になりました。基本的には、コンピュータおよびITに関する応用レベルの知識と技能を確かめる試験で、一定の業務経験を積んで、IT技術や企業活動に関する深い知識を持っていることを評価する試験とされています。試験に合格すると、ITエンジニアとして応用的な知識や技能を有していることを証明できますので、実務経験を積んだ中堅エンジニアにもっとも適した資格だといえます。
応用情報技術者試験に合格すると、国が「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」と認定してくれることになります。
また、さらに上位の試験を目指す場合には、合格した年度を含む2年以内に高度情報技術者試験で共通して実施される午前Ⅰ試験は申請により免除されます。また中小企業診断士や弁理士の科目免除が受けられる制度もあります。職場内でも評価が上がることは間違いないでしょう。
経済産業省が定めた「ITSS(IT Skill Standard)」ITスキル標準という基準があります。これは、個人のIT関連能力を7段階のレベルに分類したものです。それによると、応用情報技術者試験はレベル3(応用的な知識と技能を有する)に分類されています。
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試験方式 | ◆試験は午前と午後に分かれていて、試験時間はどちらも150分です。午前は主に知識問題です。テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の3つに分かれていて、どれも4択問題です。
午後は記述解答式が出題されます。必須問題を1問と、選択問題4問の計5問を解答します。必須問題の1問は「情報セキュリティに関すること」になっています。
●午前試験
・出題形式 多肢選択式(四肢択一)
・出題数/試験時間 80問 (全問必須)/150分
・合格基準 満点の60%以上
●午後試験
・出題形式 記述式
・出題数/試験時間 11問中5問回答/150分
・合格基準 満点の60%以上
※1問1.25点で100点満点で計算される。
※午後試験は「記述式」であるが、空欄補充や記号選択式の他、40字以内で説明する問題や1問につき設問が複数ある長文形式など、問題の種類は多岐にわたります。
※応用情報技術者試験を合格した後、2年間は高度試験(ITストラテジスト、システムアーキテクトなど)の午前I試験が免除されます。 |
受験資格 | なし。 誰でも受験できます。
※この試験の対象者像は「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」と規定しており、主に数年の経験を積んだシニアプログラマやシステムエンジニアを主対象としている。 |
試験科目 | ●午前試験:「知識」と「論理的思考力」を評価する試験
テクノロジ系はIT技術に関する幅広い知識が問われ、計算問題の出題もあります。マネジメント系はプロジェクト・サービスマネジメントや、システム監査の出題が多く、ストラテジ系は企業活動やシステム戦略・企画、さらには法務に関する出題まであります。
・テクノロジ系
(1)基礎理論(2)コンピュータシステム(3)技術要素(4)開発技術 50問
・マネジメント系
(5)プロジェクトマネジメント(6)サービスマネジメント 10問
・ストラテジ系
(7)システム戦略(8)経営戦略(9)企業と法務 20問
※全体の8割が知識、2割が論理的思考力や読解力を問う問題構成になっています。
●午後試験
問1のセキュリティ問題が必須問題で、残りの問2〜11の中から4つを選んで解答します。選択問題は、プログラミンやネットワーク、データベースが中心の出題です。 |
スケジュール | ・試験日:年2回 春期:4月第3日曜日 秋期:10月第3日曜日
・申込期間:春期 1月中旬から、秋期 7月中旬から約1ヵ月間
・申込方法:インターネットか郵便で申込む
・合格発表:試験日の約2か月後で、合格発表当日の正午にIPAのHPと、同時に官報に掲載。
令和4年度 情報処理技術者試験試験日程
(応用情報技術者)春期4月・秋期10月 |
試験会場 | 各都道府県に1箇所以上設けられている。受験を希望する試験地を出願時に記入、受験者の郵便番号から試験会場(大学等)が割り振られる。 |
受験料 | 7,500円(税込み)
※受験料が値上げされました。 |
資格難易度 | ●難易度
「A」 難関
【資格の難易度レベル】
ある程度の知識が必要な中級者向け試験です。独学でも克服できる試験ですが、最低限のこの試験分野の基礎知識は必要です。この分野の実務経験があり、ある程度の知識があれば、独学でも2ヵ月程度の集中学習で合格できるレベルです。難易度は難関ですが、その中ではそれほど難易度レベルは高い方ではないようですが、システムの運用やネットワーク技術等に関する出題もあります。
全般的には、基本情報技術者よりもさらに高度な知識を要求されます。したがって、基本情報技術者並みの知識では、合格は難しいでしょう。ITの知識がゼロという人なら最低でも500時間の勉強が必要でしょう。基本情報技術者試験合格者であっても、200時間ほどの勉強時間は必要です。
合格率だけみると基本情報技術者試験とあまり変わらないようにも見えますが、この試験の受験者層はエンジニアで、30代の受験者も多いですが、それに比べて基本情報技術者試験の受験者は新人や学生も多く、難易度の違いは明白です。
(参考) 情報処理技術者試験の難易度
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・合格率
令和3年度秋期応用情報技術者試験結果
応募者総数 89,685名
合格率23.5% 受験者数59,698名 合格者数14,006名
※参考データ
・令和元年度秋期応用情報技術者試験結果
応募者総数 50,643名
合格率23.0% 受験者数32,845名 合格者数7,555名
・平成30年度春期応用情報技術者試験結果
応募者総数 49,223名
合格率22.7% 受験者数30,435名 合格者数6,917名
・平成29年度秋期応用情報技術者試験結果
応募者総数 50,969名
合格率21.8% 受験者数33,104名 合格者数7,216名
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受験対策・資格の将来性 | 基本情報技術者の上位資格となるこの資格は、プログラムの開発・設計に携わるために必要な知識とスキルが問われ、特にプログラマやシステムエンジニア を目指し、IT業界で働く人には必携の資格です。試験の出題範囲の変更が一番大きかったのが応用情報技術者試験で、出題対象となる分野は、ITパスポート、基本情報技術者と共通となり、旧ソフトウェア開発技術者では対象外であった、ストラテジ系の分野が追加されました。
試験の範囲も広く、ソフトウェア開発に関する全般的な知識が問われますが、キーポイントは午後試験です。アルゴリズム、データベースは基本情報技術者のそれよりも高度な出題があり、配点も高く、重点的に知識の習得が必要になります。
午前試験では、今までより試験範囲が広がり、経営も含めたIT関係の知識全般が出題されるようになりました。ただ、 出題をみると基本情報技術者と同様に過去問からの出題も多く、半分以上が過去問からのように思われます。
問題ではマネジメント系・ストラテジ系(システム戦略、情報戦略、企業と法務)の問題に注意が必要です。特に、コンピュータの仕組みと演算方法、ソフトウェア開発の手法、システムの方式などが重点的に出題されます。出題範囲が広く、基礎知識を要求される出題が多いことが特徴です。試験対策では、特に基本知識が重要になるため、基本情報技術者試験、情報セキュリティ試験、アプリケーションエンジニア試験の3年分の過去問を解き、同様の問題が出題された場合に確実に解答できるようにしておくのがベストでしょう。反復して学習し、苦手分野を克服しておくことが大切です。過去問中心の勉強で徹底的に解きまくる。特に苦手分野は出題傾向を調べて、数年分の過去問を理解しながら解いておくことです。
午後に関しては、午後Ⅰでネットワークや情報セキュリティの分野からも出題されますが、比較的得点しやすい問題が多く、基本的な知識があれば十分解答可能です。また、この試験ではプログラム言語による出題がありませんが、擬似言語による出題が必ずあり、内容もレベルの高いものです。データベースに関する出題では、データベースの運用、SQLに関する出題が多く、SQLは 基本的な知識があれば解答できる問題ですが、データベースの運用については、基礎知識だけでは解答は難しく、実業務でデータベースの構築などを担当している方には有利になります。午後問題も過去問を解いて問題の傾向を把握すること。得意分野があると有利です。基本情報技術者試験も同様ですが、この試験はふるい落としをかける試験ではありませんので、意地の悪い問題や引っ掛け問題などは出題されません。それより過去問や類似した問題がそのまま出題されますので、大事なのは最後までテキストをしっかりやっておくことです。
応用情報技術者試験は、すべての技術者に対してのレベル3の登竜門です。この試験に受かってから高度区分に進み、一歩一歩ステップを踏んで行く方が結果的には早道につながります。学習方法も独学よりスクールに通うのが合格の早道だと思います。IT関連に全く経験のない方も、まずは基本情報技術者へのチャレンジをお薦めします。応用情報技術者資格試験は、IT初心者が初受験で合格できるほど簡単なレベルの試験ではありません。
※主催団体のHPに新試験の出題範囲やサンプル問題が公表されていますので確認できます。
基本情報技術者試験で基礎知識を固めてから、次のステップとして応用情報技術者資格試験に挑戦することが現実的です。応用情報技術者資格は、基本情報技術者より評価は高く、SEへのステップアップとして必須の資格であり、プログラマやSEにとっては非常に有意性の高い資格だと言えます。この資格を取得することで一定のITスキルの水準を満たしたことが証明できることになります。応用情報技術者は社会的に認知度・運用度が非常に高い資格であり、かつプログラムエンジニア不足で悩むIT業界からの需要は非常に高 まっています。合格者を優先的に採用したり、毎月資格手当てを支給するなど、優遇されることが知られています。
情報システム系やソフトウェア系関連企業などでは、実務経験あればこの資格だけでも十分すぎるほど通用しますので、IT系企業の入社3~6年目の社会人や情報工学系の大学院生、専門学校生には特におすすめの資格です。
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スクール | 応用情報技術者講座

◆応用情報技術者試験 通学講座一覧 |
過去問 | 【 応用情報技術者資格試験 過去問】
・平成31年春期試験
・平成30年秋期試験
・平成30年春期試験
・平成29年秋期試験
・平成29年春期試験
・平成28年秋期試験
・平成28年春期試験
・平成27年秋期試験
・平成27年春期試験
応用情報技術者模擬試験(オンライン/無料) |
教材 | 応用情報技術者試験対策教材一覧
【応用情報技術者試験 おすすめ教材】
・徹底攻略 応用情報技術者教科書
・キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者 平成30年度
・ニュースペックテキスト 応用情報技術者 平成30・31年度 |
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