資格名

応用情報技術者
(英名)Applied Information Technology Engineer Examination

資格の種類

国家資格

主催者

独立行政法人情報処理推進機構 情報処理技術者試験センター

資格試験の概要

応用情報技術者は共通キャリア・スキルフレームワークのレベル3に相当する経済産業大臣認定の国家資格です。試験は、国家試験である情報処理技術者試験の1つで、基本情報技術者試験の上位資格に位置づけられますが、試験内容は必ずしもソフトウェアの開発技術者のみが対象ではないというのが特徴です。基本的には、コンピュータおよびITに関する応用レベルの知識と技能を確かめる試験で、一定の業務経験を積んで、IT技術や企業活動に関する深い知識を持っていることを評価する試験とされています。試験に合格すると、ITエンジニアとして応用的な知識や技能を有していることを証明できますので、実務である程度の経験を積んだ、プログラマー・システムエンジニアなどがキャリアアップに受験することが多い試験です。

応用情報技術者試験に合格すると、国が「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」と認定してくれることになります。また、さらに上位の試験を目指す場合には、合格した年度を含む2年以内に高度情報技術者試験で共通して実施される午前Ⅰ試験は申請により免除されます。また中小企業診断士や弁理士の科目免除が受けられる制度もあります。職場内でも評価が上がることは間違いないでしょう。

経済産業省が定めた「ITSS(IT Skill Standard)」ITスキル標準という基準があります。これは、個人のIT関連能力を7段階のレベルに分類したものです。それによると、応用情報技術者試験はレベル3(応用的な知識と技能を有する)に分類されています。

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合格率・資格難易度

難易度 
 「A」  難関

応用情報技術者 難易度ランキング

【資格の難易度レベル】
応用情報技術者試験は、専門性を持つ中級者を対象とした試験で、特定分野についての深い理解と専門知識を問われます。試験自体の難易度は高めですが、最低限必要な基礎知識を持っていれば、独学による克服も十分可能です。

この試験の受験には、どの分野にも共通してある程度の知識が要求されます。試験範囲の内容を理解し応用することができるレベルの知識を有していることが必要となります。そのため、その分野での実務経験があると独学で2ヵ月程度の集中学習により、合格可能な水準に達することができます。その一方で、IT分野への知識がほとんどない人の場合などは、最低でも500時間(基本情報技術者試験の勉強に200~300時間)の勉強が必要でしょう。基本情報技術者試験合格者であっても、200~250時間程度の勉強時間は必要で、簡単に合格することは難しいのが実状です。
一方、難易度ランキングで見ると、この試験はそれほど難易度の上位には位置していないように思えるかもしれませんが、試験ではシステムの運用やネットワーク技術等に関する問題も含まれていることから、試験全体としては中~高難易度に位置します。

試験の合格率が基本情報技術者試験と比較してあまり変わらないのは、受験者層の違いが一因と考えらえます。応用情報技術者試験の受験者は概ねエンジニアやキャリアを積んだ人が多く、30代の受験者も目立つのが実状です。これに対して基本情報技術者試験の受験者は、新入社員や学生が主体であり、そのため受験者の既存の知識レベルが全体的に低い傾向があります。

(参考) 情報処理技術者試験の難易度

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合格率
・令和5年度春期応用情報技術者試験結果 
 応募者総数 49,498名
 合格率27.2% 受験者数32,340名 合格者数8,805名 
・令和4年度春期応用情報技術者試験結果 
 応募者総数 49,171名
 合格率24.3% 受験者数32,189名 合格者数7,827名
・令和3年度秋期応用情報技術者試験結果 
 応募者総数 48,270名
 合格率23.0% 受験者数33,513名 合格者数7,719名
・令和元年度秋期応用情報技術者試験結果 
 応募者総数 50,643名
 合格率23.0% 受験者数32,845名 合格者数7,555名
・平成30年度春期応用情報技術者試験結果 
 応募者総数 49,223名
 合格率22.7% 受験者数30,435名 合格者数6,917名 
・平成29年度秋期応用情報技術者試験結果 
 応募者総数 50,969名
 合格率21.8% 受験者数33,104名 合格者数7,216名

受験対策・学習法ほか

応用情報技術者試験は、基本情報技術者資格の次のステップと位置付けられており、プログラムの開発と設計に関わる知識を深く求められます。IT業界で活躍するエンジニアの登竜門となる国家資格で、ITに関する応用的な知識と技能を問われるため、実務経験を積んだプログラマーやシステムエンジニアが、キャリアアップのために受験することが多い試験ですが、試験範囲も広範であるため、難易度はかなり高いと言えます。

午前Ⅰは、基本情報技術者と同様に学習範囲は広く、特にテクノロジーに関する問題が多く出題されます。基本情報技術者試験と比べるとやや難易度が高いですが、過去問を解きながら勉強すれば合格は十分に可能です。午後Ⅰ試験では主にネットワークや情報セキュリティなどからの出題は、比較的基礎的な知識で対応できますが、データベースに関する問題などは、基本的な概念の理解だけでは不十分です。
午後Ⅱは、午前Ⅰよりもさらに難易度が高く、実務経験や知識がないと合格が難しいレベルです。

勉強法としては、基本知識がポイントとなりますので、繰り返し学習して苦手分野を克服することが肝心です。過去問を繰り返し解くことで、理解不足の部分を見つけ、それに対する理解を深めることが可能になります。この試験が応用情報技術者になるための最初の一歩であり、この試験を独学で突破することは簡単な道のりではありませんが、適切な勉強法を身につけて一歩一歩進めば確実に道は開けます。適切な教材を選び、時間を確保し、過去問を解き、合格率を高めるための努力を怠らないことが求められます。




ITの未経験者には応用情報技術者試験が初回としては難易度が高すぎると思います。そのような方は基本情報技術者試験から試みて、基礎的な知識を固めた上で応用情報技術者試験へ挑戦することを考慮してください。学習の方法として独学もオプションであり、合格率を上げるためには学習環境の整備や自己管理が求められます。一方で、独学に自信のない方や時間の管理が難しい方には、スクールに通うことも有用です。

応用情報技術者の資格を取得することは、SEやプログラマーといった専門職にとっては極めて有用で、一定レベル以上のITスキルへの評価が得られます。また、この分野に経験があり、必要とされるスキルを磨き上げて応用情報技術者の資格を得た方は、IT系企業や情報システム系、ソフトウェア系関連企業では非常に重宝されるでしょう。IT系企業の入社3~6年目の社会人や情報工学系の大学院生、専門学校生には特におすすめの資格です。

受験資格

なし。 誰でも受験できます。
※この試験の対象者像は「高度IT人材となるために必要な応用的知識・技能をもち、高度IT人材としての方向性を確立した者」と規定しており、主に数年の経験を積んだシニアプログラマやシステムエンジニアを主対象としています。

試験方式

試験は午前試験と午後試験で構成されています。

●午前試験
・出題形式: 多肢選択式(四肢択一)
・出題数/試験時間: 80問 (全問必須)/150分
・合格基準: 満点の60%以上
午前は主に知識問題です。テクノロジ系・マネジメント系・ストラテジ系の3つに分かれていて、どれも4択問題です。
●午後試験
・出題形式: 記述式
・出題数/試験時間: 11問中5問回答/150分
・合格基準: 満点の60%以上
午後は記述解答式が出題されます。必須問題を1問と選択問題4問の計5問を解答します。必須問題の1問は「情報セキュリティに関すること」になっています。
※1問1.25点で100点満点で計算されます。
※午後試験は「記述式」ですが、空欄補充や記号選択式の他、40字以内で説明する問題や1問につき設問が複数ある長文形式など、問題の種類は多岐にわたります。
●合格基準
下記の基準点を全て満たした者が合格となります 
 ・午前:100点満点中、60点以上
 ・午後:100点満点中、60点以上

◆免除制度
①応用情報技術者試験を合格した後、2年間は高度試験(ITストラテジスト、システムアーキテクトなど5試験)の午前I試験が免除されます。
②弁理士試験の科目「理工V(情報)」が免除されます。
③中小企業診断士試験の科目「経営情報システム」が免除されます。

試験科目

●午前試験:「知識」と「論理的思考力」を評価する試験
テクノロジ系はIT技術に関する幅広い知識が問われ、計算問題の出題もあります。マネジメント系はプロジェクト・サービスマネジメントや、システム監査の出題が多く、ストラテジ系は企業活動やシステム戦略・企画、さらには法務に関する出題まであります。
・テクノロジ系(50問)
(1)基礎理論(2) コンピュータシステム (3)技術要素(4)開発技術   
・マネジメント系(10問)
(5)プロジェクトマネジメント(6) サービスマネジメント 
・ストラテジ系(20問)
(7)システム戦略 (8) 経営戦略(9)企業と法務 
※全体の8割が知識、2割が論理的思考力や読解力を問う問題構成になっています。

●午後試験
(問1)経営戦略と情報戦略
必須問題の1問は「情報セキュリティに関すること」になっています。
(問2)データベース言語やプログラミング等
残りの問2〜11の中から4つを選んで解答します。選択問題はプログラミンやネットワーク、データベースが中心の出題です。

スケジュール

・試験日:年2回 春期:4月第3日曜日 秋期:10月第3日曜日・申込期間:春期 1月中旬から、秋期 7月中旬から約1ヵ月間・申込方法:インターネットか郵便で申込む ➡申し込み
※案内書を最後までよく読んで、記載されている内容に同意した上で、申込んでください。➡ 令和5年度秋期案内書(PDF形式)
・合格発表:試験日の約2か月後で、合格発表当日の正午にIPAのHPと、同時に官報に掲載。

令和5年度(春期・秋期) 情報処理技術者試験日程 
  (応用情報技術者)春期4月・秋期10月

試験会場

各都道府県に1箇所以上設けられている。受験を希望する試験地を出願時に記入、受験者の郵便番号から試験会場(大学等)が割り振られる。

受験料

7,500円(税込み)
※受験料が値上げされました。

問い合わせ先

独立行政法人 情報処理推進機構 IT人材育成本部 情報処理技術者試験センター
東京都文京区本駒込2-28-8 文京グリーンコートセンターオフィス15階 
電話:03-5978-7600(代表)
http://www.ipa.go.jp/index.html
メールによる問い合わせ

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