資格の概要 | ITパスポート試験は「情報処理の促進に関する法律」に基づいて実施されている国家試験の一つで、新試験制度のスキルレベル1に相当し、2009年春期試験から開始された新しい試験です。昨年の春期試験で廃止された初級シスアドの後継試験とされるが、初級シスアドはITパスポート試験のレベルを包含し、試験内容は基本情報技術者試験に吸収された。
試験は技術者、ユーザの区分なく、現在の情報技術社会において、ITに携わる職業人全てに共通的に求められる基礎知識が求められる試験で3分野に分かれており、各分野から出題される。
・ストラテジ系(企業と法務、経営戦略、システム戦略)
・マネジメント系(開発技術、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント)
・テクノロジ系(基礎理論、コンピュータシステム、技術要素)
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職業人が共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識を持ち、情報技術に携わる業務につくか、担当業務に対して情報技術を活用していこうとする人が対象の試験とされており、 職業人として情報機器およびシステムの把握やシステム化を推進するために、次の基礎的な知識が要求されるとされています。
(1)利用する情報機器およびシステムを把握するために、コンピュータシステムやネットワークに関する知識を持ち、オフィスツールを活用できる。
(2)担当業務を理解するために企業活動や関連業務の知識を持つ。また、担当業務の問題把握および必要な解決を図るために、システム的な考え方や理論的な思考力を持ち、かつ、問題分析および問題解決手法に関する知識を持つ。
(3)安全に情報を活用するために、関連法規や情報セキュリティに関する各種規定に従って活動できる。
(4)業務の分析やシステム化の支援を行うために、情報システムの開発および運用に関する知識を持つ。
ITパスポート試験は、基礎的な情報技術の基礎知識を測る、いわば「レベル1」の試験で、レベル2として「基本情報技術者試験」が、レベル3は「応用情報技術者試験」、レベル4には「ITストラテジスト試験」、「情報セキュリティスペシャリスト試験」などといった試験があります。
2011年11月から、ITパスポート試験の受験はCBT(Computer Based Testing)方式になりました。これまでの紙を使った筆記試験は、平成23年度秋期試験を最後に廃止になりました。CBT方式は、これまでのマークシートによる解答方法の試験とは実施方法が大きく変わるため、IPAは「ITパスポート試験疑似体験ソフトウェア」を公開しています。
※日本のITリテラシー向上とIT人材の裾野拡大のため、ITパスポート試験は、これから職業人になろうとする学生や若年層の方など、国民一人ひとりからの積極的な挑戦が期待されています。
【試験要綱・シラバス】
・ITパスポート試験シラバス(2015年5月28日更新) |
資格難易度 | ●難易度
「C」 やや易
【資格の難易度レベル】
ある程度の基礎知識は必要ですが、初心者向けの試験と考えてよいでしょう。実務経験はなくても基礎知識はある程度持っているなら、独学で3ヵ月間集中して勉強すれば合格できるレベルです。
一般的には、この試験の受験験勉強に必要な期間は3~6ヶ月位になっています。難易度は初級シスアドより低く、情報処理系では最も簡単な国家資格と言えます。
初級シスアド試験が主として部門の情報化推進者として備えているべき知識・技能を求められる試験であったのに対し、ITパスポート試験は主としてITに携わる職業人全てに共通的に求められる基礎知識を求められる試験になっています。
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●合格率
令和2年11月ITパスポート試験結果
受験者数 12,247名 合格者数 4,373名 合格率53.2%
※参考データ
・令和元年11月ITパスポート試験結果
受験者数 8,226名 合格者数 6,834名 合格率55.8%
・平成30年1月ITパスポート試験結果
受験者数 7,374名 合格者数 3,717名 合格率50.8%
・平成28年1月ITパスポート試験結果
受験者数 6,319名 合格者数 2,916名 合格率46.1%
・平成27年12月ITパスポート試験結果
受験者数 6070名 合格者数 2,742名 合格率45.2% |
受験対策・資格の将来性 | この試験は、平成21年度の情報処理技術者試験改革により、初級シスアドが2009年春期試験をもって廃止され、この試験が後継試験に相当し、初級シスアドのレベルを包含しているとされています。また初級シスアドの試験内容はこのITパスポート試験と、スキルレベル2に位置づけられた基本情報技術者試験に吸収されました。
初級シスアドに代わり新しく創設された情報処理技術者試験レベル1の試験ですが、全問択一式、165分間で100問を解答する試験なので、解答にスピードが要求される試験になっています。
仕事でパソコンを利用する人にはお薦めの資格です。
出題範囲はストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)の3つの分野から幅広く出題されます。
主に、ストラテジ系では、広くビジネスの視点から、企業活動とITとの関わりを中心とし、身近なシステムの安全な利用に関する基礎的な知識を問う問題、またマネジメント系では、システム開発、プロジェ クトマネジメントなどIT管理に関する基本的な用語・概念など知識を問う問題、テクノロジ系は、ネットワーク、セキュリティ、データベースなど IT技術に関する基本的な考え方、ハードウェアからソフトウェアまで、実際にIT機器を使いこなす際に重要となる知識などの問題が出題されています。出題形式では、実務の現場でよく遭遇するような場面を設定し、その記述を読んで状況を理解した上で、それぞれの設問に答える形式です。中問は単に知識を問うのではなく、いかに課題を解決するかといった知識の応用力や実践力を問う問題が出題されます。
ITパスポートの取得者は、ITやビジネスに関する一般常識を有し、一通りのコンピューター関連の操作ができ、適切な情報の取扱や処理ができる人であると企業に評価されるでしょう。
特に就職活動をしている人やこれから就職活動を行う人にとっては大きなPPポイントになるだろう。ITパスポート試験は、初級シスアド試験よりも難易度は易しいとされています。初級シスアドの資格を持っているのであれば、ITパスポートの1つ上のレベルである基本情報技術者試験にチャレンジするのも選択肢の1つでしょう
次に受験対策ですが、全くの初心者では無理がありますが、PC本体、ネットワーク、インターネットなども含めた勉強をした人なら独学で合格可能です。
但し、全くの初心者や、ほとんどの分野について知識がない人、PCに苦手意識がある人などは専門学校、もしくは通信教育で勉強するのがいいでしょう。ただ、この試験に場合は、あくまで基礎知識なので、PCに対する得手・不得手は実はそれほど問題ではありません。
独学の場合でも、各専門学校や通信教育ではどれくらいの学習期間を考えているのかとか、どの分野がポイントだと考えているのかを資料を取り寄せて調べてみるのも良い方法です。
ITパスポート試験は知識レベルを測る試験で、入学試験のように落とすため試験ではありませんので、試験範囲が広く、関連する用語も多いです。従って、一部の項目や科目にこだわって、細かく勉強するようなやり方は良くありません。重箱の隅をつついたような勉強にならないよう注意しながら、過去問を重点的に学習する方法が良いでしょう。特に情報処理技術関係の試験は、過去に出されたことのある問題が再び出題される割合が高いことが多いので、
過去問中心の勉強を徹底してやることで、過去問をほぼ完答できるようになれば短期合格も不可能ではありません。試験対策には、出版されている問題集、参考書などを見て勉強するほか、eラーニングなどもあります。パソコン検定試験のように、PCのハードウエアやOfficeなどのソフトウエア、ネットワーク、インターネット、セキュリティなど、IT全般勉強をされた方や、興味のある方にはぜひ挑戦していただきたい資格試験です。
受験勉強方法は、情報処理推進機構のホームページから試験の過去問と回答を3年分ダウンロードし、くり返し解く。さらに、基本情報技術者試験の過去問も解いておくと良い。ただ、この試験は過去問から本試験の傾向がつかみにくく、本試験が難しく感じる。しっかりと勉強しておかないと予想以上に苦戦する。 |