合格率・資格難易度 | ●難易度
「S」 超難関
【資格の難易度レベル】
司法試験、公認会計士試験と並び三大国家試験のひとつと言われ、 医学部を卒業した者(見込含)のみが受験資格を得られる試験です。医師国家試験の合格率自体はいつも90%以上ですが、もともと難関中の難関の医学部に合格するという時点でかなりの倍率をくぐり抜けてきています。
さらに、「医学部卒業」が医師国家試験に合格出来るレベルかどうかを判断されることもあるため、それだけで単純に判断しにくい、難易度が高い試験であることがわかります。試験形式も、一般の資格試験のように、出題科目が限定されている訳ではなく、全ての医学関連科目が出題範囲になっています。しかも、科目ごとの試験ではなく、全ての科目を取り混ぜた総合問題形式になっていることで、さらに難しい試験になっています。
また、受かりそうもない学生は卒業させないとか、国家試験を受けさせないという学校も多く、単に合格率の数字だけをみて「受かりやすい資格試験」などと夢にも思ってはいけません。あえて他の国家試験と難易度を比較すれば、税理士や1級建築士レベル以上の「超難関資格」と考えてよいでしょう。
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●合格率
第117回医師国家試験結果
(新卒者)出願者数9,703名 受験者数9,459名 合格者数8,972名 合格率94.9%
(全体) 出願者数10,586名 受験者数10,293名 合格者数9,432名 合格率91.6%
合格基準
① 必修問題は、一般問題を1問1点、臨床実地問題を1問3点とし、
総得点が、 160点以上/200点
②必修問題を除いた一般問題及び臨床実地問題については、
各々1問1点とし、総得点が、 220点以上/295点
③禁忌肢問題選択数は、2問以下
※参考データ
・第116回医師国家試験結果
(新卒者)出願者数9,473名 受験者数9,232名 合格者数8,774名 合格率95.0%
(全体) 出願者数10,353名 受験者数10,061名 合格者数9,222名 合格率91.7%
・第115回医師国家試験結果
(新卒者)出願者数9,359名 受験者数9,159名 合格者数8,649名 合格率94.4%
(全体) 出願者数10,160名 受験者数9,910名 合格者数9,058名 合格率91.4%
・第114回医師国家試験結果
(新卒者)出願者数9,317名 受験者数9,044名 合格者数8,583名 合格率94.9%
(全体) 出願者数10,462名 受験者数10,140名 合格者数9,341名 合格率92.1%
・第113回医師国家試験結果
(新卒者) 出願者数9,456名 受験者数9,176名 合格者数8,478名 合格率92.4%
(全 体) 出願者数10,474名 受験者数10,146名 合格者数9,029名 合格率89.0%
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受験対策・学習法ほか | 国公立の医学部の場合、授業料は一般の大学とそう大差はありませんが、普通の家庭では私立の医大に通う事は不可能に近いと思われます。そのため、多くの人は国公立大学医学部を目指します。 難易度の高い医学部合格を目指し、何年も浪人する人も珍しくありません。
また、医学部への社会人入試や、編入試験もありますが、こちらは普通に入学するよりも競争率が高く、難易度が高いことがほとんどです。 また、医学部の場合は入学時だけでなく、入学後も国家試験の勉強に追われます。さらに、医師は高給を得ることができますが、その分心理的、身体的負担も大きい仕事であることを覚悟しなければなりません。そのため開業医になるまでは、不規則な生活を覚悟しなければなりません。
医師は資格を取得するのに金も時間も労力も必要であるにもかかわらず、勤務医期間は総じてコストパフォーマンスが低い仕事です。これが嫌で開業医に転ずる人が多いのですが、開業は初期投資に大金が必要、さらにその上、最近では生き残り競争も激化しているため、一般的には世襲でなければ苦労する覚悟が要ります。
※私大の場合の学費は、6年間の合計が2,000万円~5,000万円にもなります。
※医師数の男女比は男性81%に対して、女性19%で、今も昔も高収入の安定した職業であることは変わりません。 医師の平均年収は、研修医期間は年収400万程度、勤務医の平均年収は1,000万円を超えます。開業医の平均年収は2000万以上と言われています。
※医師の人数は年々増加を続けています。平成28年度末における厚生労働省の調査によると、医師の数は、319,480人。そのうち女性の医師は、67,493人となっています。ただ、その仕事内容の厳しさから、最近は特に小児科医と産婦人科の医者が少なくなってきています。 |