資格名

医師

資格の種類

国家資格

主催者

厚生労働省

資格試験の概要

医師になるには、大学医学部を卒業後、医師国家試験に合格しなければなりません。それにはまず、大学医学部で正規の過程を修め卒業しなければなりません。医学部医学科は6年制になっています。学校は全国に80校あり、いずれも定員が100名程度と少なく、偏差値が高いのが一般的で、国立私立問わず偏差値で60以上は必要です。そのため、普通は予備校の活用が必須になります。

医師国家試験は医学部卒業が前提条件となっているため、医師を目指す場合は、大学のカリキュラム克服が最大の資格試験の勉強になります。正規の過程を修めた後、医師国家試験に合格すると医師免許が取得できます。
医師免許取得後、内科・外科等の必須科目を2年間の初期研修で習得し、修了すると保険医の資格を得ることができます。結局、6年間大学で学び、国家試験に合格した後は、2年間の研修医としてさらに勉強をします。合計8年間の勉強と実習の期間を経て、ようやく医師として患者の診察や治療を行うことができるようになります。

医師国家試験に合格すると、厚生労働省の医籍簿に登録され、医師免許証を取得することができますが、その前に2年以上インターンとして経験を積むのが一般的になっています。
※医師国家試験の目的は、医科大学の教育カリキュラムを修了しているかどうかを確認するための試験であり、、医師になる能力の有無を選別する試験ではありません。
※医師国家試験は、厚生労働省医政局が監修し、医師法に基づいて行われる国家試験です。 
※医師国家予備試験は、外国の医学校卒業者又は、医師免許を得た者で、厚生大臣が認定した者が受験できる制度です。




合格率・資格難易度

難易度 
  「S」  超難関

【資格の難易度レベル】
司法試験、公認会計士試験と並び三大国家試験のひとつと言われ、 医学部を卒業した者(見込含)のみが受験資格を得られる試験です。医師国家試験の合格率自体はいつも90%以上ですが、もともと難関中の難関の医学部に合格するという時点でかなりの倍率をくぐり抜けてきています。
さらに、「医学部卒業」が医師国家試験に合格出来るレベルかどうかを判断されることもあるため、それだけで単純に判断しにくい、難易度が高い試験であることがわかります。
試験形式も、一般の資格試験のように、出題科目が限定されている訳ではなく、全ての医学関連科目が出題範囲になっています。しかも、科目ごとの試験ではなく、全ての科目を取り混ぜた総合問題形式になっていることで、さらに難しい試験になっています。
また、受かりそうもない学生は卒業させないとか、国家試験を受けさせないという学校も多く、単に合格率の数字だけをみて「受かりやすい資格試験」などと夢にも思ってはいけません。あえて他の国家試験と難易度を比較すれば、税理士や1級建築士レベル以上の「超難関資格」と考えてよいでしょう。

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合格率 
 第117回医師国家試験結果 
(新卒者)出願者数9,703名 受験者数9,459名 合格者数8,972名 合格率94.9%
(全体)   出願者数10,586名  受験者数10,293名  合格者数9,432名 合格率91.6%
合格基準
 ① 必修問題は、一般問題を1問1点、臨床実地問題を1問3点とし、
  総得点が、 160点以上/200点
 ②必修問題を除いた一般問題及び臨床実地問題については、
  各々1問1点とし、総得点が、 220点以上/295点
 ③禁忌肢問題選択数は、2問以下

・第116回医師国家試験結果 
(新卒者)出願者数9,473名 受験者数9,232名 合格者数8,774名 合格率95.0%
(全体)   出願者数10,353名  受験者数10,061名  合格者数9,222名 合格率91.7%
・第115回医師国家試験結果 
(新卒者)出願者数9,359名 受験者数9,159名 合格者数8,649名 合格率94.4%
(全体)   出願者数10,160名  受験者数9,910名  合格者数9,058名 合格率91.4%
・第114回医師国家試験結果 
(新卒者)出願者数9,317名 受験者数9,044名 合格者数8,583名 合格率94.9%
(全体)   出願者数10,462名  受験者数10,140名  合格者数9,341名 合格率92.1%
・第113回医師国家試験結果 
(新卒者) 出願者数9,456名  受験者数9,176名  合格者数8,478名 合格率92.4%
(全 体)   出願者数10,474名 受験者数10,146名 合格者数9,029名  合格率89.0%

受験対策・学習法ほか

日本では、医師になるためには、医学部に入学して6年間の学業を修了し、国家試験に合格する必要があります。国公立大学医学部の場合、授業料は一般の大学と比較して安価ですが、それでも私立大学医学部に比べると高額です。そのため、多くの人は国公立大学医学部を目指しますが、難易度は高く、何年も浪人する人も珍しくありません。
医師国家試験の受験対策として、まず、基礎医学や臨床医学の基礎知識をしっかりと身につけることが重要です。そのためには、教科書や参考書を繰り返し学習し、問題集や過去問を解いて、その都度。自分の理解度を確認します。また、医師国家試験は、膨大な量の知識を問われる試験なので、効率的に勉強するために計画的に学習を進めることが大切です。自分に合った勉強法を見つけて、無理のないスケジュールを立てねばなりません。
受験対策のポイントは、
 ①教科書や参考書を繰り返し学習する
 ②問題集や過去問を解いて、自分の理解度を確認する
 ③予備校や通信講座を受講する
 ④医師国家試験の対策講座に参加する
 ⑤医師国家試験の合格者体験記を参考にする

他には医学部への社会人入試や編入試験もありますが、こちらは一般入試よりも競争率が高く、難易度が高い傾向にあります。また、医学部は入学後も国家試験の勉強に追われるため、学業や生活に大きな負担がかかります。医師は高収入の職業ですが、その分、責任や精神的・肉体的負担も大きい仕事です。そのため、開業医になるまでは、不規則な勤務や長時間労働を覚悟しなければなりません。医師の資格を取得するためには、長い時間と労力、そして多額の費用が必要になります。しかし、勤務医として働くだけでは、そのコストに見合うだけの収入を得ることは難しいのが現状です。そのため、多くの医師は開業を目指しますが、開業には初期投資や経営のノウハウなど、さまざまなハードルがあります。厚生労働省の調査によると、2022年3月末時点での医師数は343,348人であり、前年比で2.7%増加しています。しかし、地域によって医師の偏在が進んでおり、特に小児科や産婦人科などの診療科では、医師不足が深刻な問題となっています。

受験資格

次のいずれかに該当すれば受験できます。

【医師国家試験】

  1. 学校教育法に基づく大学において、医学の正規の課程を修めて卒業した者(翌3月までに卒業する見込みの者を含む)
  2. 医師国家試験予備試験に合格した者で、合格した後1年以上の診療および公衆衛生に関する実地修練を経た者(翌3月までに実地修練を終える見込みの者を含む)
  3. 外国の医学校を卒業し、または外国で医師免許を得た者であって、厚生労働大臣が上記1または2に掲げる者と同等以上の学力および技能を有し、かつ適当と認定した者
  4. 沖縄の復帰に伴う厚生省関係法令の適用の特別措置等に関する政令第17条第1項の規定により、医師法の規定による医師免許を受けたものとみなされる者であって、厚生労働大臣が認定した者

【医師国家予備試験】

 1.外国の医学校卒業者又は、医師免許を得た者で、厚生大臣が認定した者。

試験方式

日程は2日間,問題は3形式(臨床・一般・必修)で、臨床上必要な医学および公衆衛生に関して、医師として具有すべき知識および技能に関する400問の出題。
●出題数と試験時間
・1日目
 A:75題/165分  一般(15) 臨床(60)
 B:49題/95分    一般(24) 臨床(15) 長文(10)
 C:66題/140分  一般(25) 臨床(26) 長文(15)
・2日目
 D:75題/165分  一般(15) 臨床(60)
 E:51題/100分  一般(26) 臨床(15) 長文(10)
 F:84題/155分  一般(45) 臨床(24) 長文(15)
合計:  400題/13時間40分 

●合格基準
医師国家試験では下記の3つの基準で合否が決まります。
①必修問題:80%の得点 (絶対基準)
②一般・臨床問題:例年70%程度 (相対基準)
③禁忌肢:3問以下(年による) (絶対基準)

※絶対基準:医師国家試験の場合、必修問題と禁忌肢が該当する。
 相対基準:医師国家試験の場合、一般・臨床問題が該当する。

試験科目

【医師国家試験】
・臨床上必要な医学及び公衆衛生に関して、医師として具有すべき知識及び技能

【医師国家予備試験】
●第1部試験 
 ①解剖学(組織学を含む。)
 ②生理学、生化学、免疫学、
 ③薬理学、病理学、法医学、
 ④微生物学(寄生虫学を含む。)
 ⑤衛生学(公衆衛生学を含む。)
●第2部試験
 ①筆記試験 
  内科学、小児科学、精神科学、外科学、整形外科学、産科・婦人科学、皮膚科学、泌尿器科学、耳鼻いんこう科学、眼科学、放射線科学及び救急医学(麻酔科学を含む。)
 ②実地試験 
  内科学、外科学、産科・婦人科学、小児科学及び救急医学(麻酔科学を含む。)

(注意事項)
・第1部試験に合格した者でなければ、第2部試験筆記試験を受けることができません。
・第2部試験筆記試験に合格した者でなければ、第2部試験実地試験を受けることができません。

スケジュール

【医師国家試験】
・試験日:毎年2月上旬の2日間

・申込期間:11月中旬~下旬        
・合格発表:3月中旬に厚生労働省、地方厚生局及び地方厚生支局にその氏名を掲示して発表。
【医師国家予備試験】
・試験日:(第1部) 6月中旬  (第2部)筆記:9月下旬 実地:11月上旬
・申込期間:(第1部) 6月下旬~7月中旬  (第2部)9月下旬~10月上旬       
・合格発表:(第1部)7月下旬 (第2部)筆記:10月中旬 実地:11月下旬

 
 令和5年度医師国家試験予備試験日程
 第117回 医師国家試験の施行日程          
(参考)医師国家試験受験資格認定について
     試験は終了しました。

試験会場

【医師国家試験】
・北海道・宮城・東京・新潟・愛知・石川・大阪・広島・香川・福岡・熊本・沖縄
【医師国家予備試験】
・東京

受験料

【医師国家試験】
 15,300円(収入印紙)
【医師国家予備試験】
・第1部試験 35,000円
・第2部試験 35,000円

問い合わせ先

厚生労働省 各試験地の地方厚生局、地方厚生支局または厚生労働省 医政局医事課試験免許室
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2 TEL:03-5253-1111 http://www.mhlw.go.jp/

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