<目 次>
資格名 | 理学療法士 |
---|---|
資格の種類 | 国家資格 |
主催者 | 地方厚生支局 厚生省医政局医事課試験免許室 |
資格の概要 | 理学療法士は、ケガや病気、加齢などによって身体に障害を抱える方々が、再び自分らしい生活を送れるよう支援する医療専門職です。厚生労働大臣の免許を持つ「コ・メディカル」の一員として、医師の指示のもと、座る・立つ・歩くといった基本的な動作能力の回復や維持、障害の悪化予防を目指します。温熱や電気といった物理的な手段、そして個別の運動療法を組み合わせることで、対象者の自立を力強くサポートします。 作業療法士が「作業」を通してリハビリテーションを行うのに対し、理学療法士は主に身体の基本動作と物理療法に特化します。この国家資格を取得するには、「理学療法士及び作業療法士法」に基づき、厚生労働大臣から免許が授与されます。 理学療法士になるための第一歩は、国が指定する養成校で3年以上学び、専門的な知識と技術を習得することです。養成校には4年制大学、3年制短期大学、3年制または4年制の専門学校、そして視覚障害者を対象とした特別支援学校があります。より深い専門性を追求したい方や研究職を目指す方は、大学院(修士課程・博士課程)への進学も可能です。また、すでに作業療法士の資格をお持ちの方は、養成校で2年以上学ぶことで理学療法士の国家試験受験資格が得られます。 養成校のカリキュラムは、一般教養科目、専門基礎科目、専門科目、そして臨床実習の4つの柱で構成されています。特に専門科目では、実技やグループワークを通じて実践的なスキルを磨く機会が豊富に用意されています。
|
試験の合格率・難易度 | ●難易度 【資格の難易度レベル】 国家試験自体の難易度は、養成校で提供されるカリキュラムを真面目にこなし、しっかりと受験勉強に取り組めば、新規卒業者であれば十分合格を目指せるレベルであると言われています。しかし、理学療法士の資格取得で本当に難しいのは、国家試験に合格することよりも、むしろ養成校での厳しい実習を乗り越え、卒業して受験資格を得ることだと言われることも少なくありません。 そして、資格取得はゴールではなく、理学療法士としてのキャリアはそこからが本番です。医療現場での日々は、常に学びと努力が求められます。患者さん一人ひとりに向き合い、その回復をサポートするためには、継続的な学習と自己研鑽が不可欠であり、これが理学療法士として活躍し続ける上での本当の難しさと言えるでしょう。 -------------------------------------------- |
試験の内容・勉強法 | 日本の総人口に占める65歳以上の高齢者の割合は28%を超え、過去最高を更新しています。この高齢化社会の進展に伴い、医療や介護を必要とする人々が増加しており、理学療法士の需要は今後も高まることが確実視されています。理学療法士の活躍の場は広がり続けており、将来性のある魅力的な資格と言えるでしょう。現在のところ、求人数は多く、いわゆる「売り手市場」であり、就職や転職のチャンスに恵まれています。 しかし、養成学校の増加に伴い理学療法士の数が増えすぎると、就職状況が厳しくなったり、国家試験の難易度が上昇したりする可能性も考えられます。理学療法士の活躍の場は多岐にわたります。具体的には、病院や診療所といった医療機関はもちろん、介護保険サービス(通所リハビリテーション、訪問リハビリテーション、住宅改修・福祉用具のアドバイス)、保健サービス(機能訓練事業、介護予防)、福祉サービス(障害者福祉センター、障害児(者)通所・入園施設)などがあります。理学療法士は医療チームの一員として医師や看護師と協力し、仕事を分担するため、独立開業はできません。 理学療法士と比較されることが多いのが「作業療法士」です。両者ともリハビリテーションの専門職ですが、その役割には明確な違いがあります。 【養成校で習得する内容】 どちらの専門職もリハビリテーションの基礎となる医療科目を共通して学びます。主に1〜2年次では「解剖学」「生理学」「運動学」など7科目が共通です。しかし、2年次以降は学ぶ内容が分かれ、理学療法士は「物理療法」「運動療法」などを深く学び、作業療法士は「発達障害治療」「精神障害治療」などに特化します。どちらの養成校でも、定められたカリキュラムを全て修得し、最低810時間以上の臨床実習を完了することが必須です。 【試験に関する違い】 国家試験に関して、両者の間に大きな違いはありません。試験日程、試験地、受験料は全て共通です。受験資格は、理学療法士養成施設か作業療法士養成施設かの違いがあるのみで、試験科目も「理学療法」か「作業療法」かの違いを除けば、他は全て共通科目です。 【仕事に関する違い】 理学療法士は、寝返る、起き上がる、座る、立つ、歩くといった身体の基本的な動作機能の回復を専門とします。主な活躍の場は、一般病院・総合病院、リハビリテーション病院、スポーツ関連施設など、医療・福祉分野から健康推進、スポーツ医学、スポーツトレーナーといった幅広い分野に及びます。比較的、体全体の大きな動きのリハビリテーションを担当するため、高齢化社会においてはますます必要とされる職業と言えるでしょう。 一方、作業療法士は、食事、洗顔、書字といった日常生活に必要な細かい手の動きや指先の巧緻性、そして社会適応能力の回復を支援するプロフェッショナルです。生活に生きがいを感じ、健康的に過ごせるよう、身体動作と精神面の両方からアプローチします。活躍できる職場は理学療法士と重なる部分も多いですが、一般病院・総合病院、リハビリテーション病院、精神科病院、老人保健施設、障害者福祉施設、児童養護施設など、精神科領域や発達障害領域にも強みがあります。 【資格取得者の状況】 2024年3月末時点での有資格者数は、理学療法士が約200,000人、作業療法士が約100,000人とされています。毎年、理学療法士は約10,000人、作業療法士は約5,000人が新たに誕生していますが、超高齢社会を迎える日本では、現状ではまだ両資格とも需要が供給を上回っている状況が続いています。これは、リハビリテーション専門職を目指す方々にとって、今後も活躍の場が広がる可能性を示唆しています。 |
試験日程 | ・試験実施: 令和7年実施 第60回理学療法士国家試験日程 |
受験資格 | 文部科学大臣が指定した学校又は厚生労働大臣が指定した理学療法士養成施設において、3年以上理学療法士として必要な知識及び技能を修得したものなど。 |
試験会場 | ・筆記試験 |
受験費用 | 10,100円 |
試験方式 | ●筆記試験 (一般問題及び実地問題) |
試験科目 | ●筆記試験 :一般問題及び実地問題に区分して次の科目について行います。 ※重度視力障害者に対しては、筆記試験の実地問題については行われません。また、視覚障害者に対しては、弱視用試験又は点字試験による受験を認め、点字試験受験者に対しては、試験問題の読み上げの併用による受験が認められます。 |
試験関連情報 | 【資格の難易度情報】 ●試験関連情報 ●関連資格 |
問い合わせ先 | 各受験地の地方厚生局又は地方厚生支局 厚生省医政局医事課試験免許室 |
【以下の各項には一部広告が含まれています。】 | |
教材(テキスト・参考書) | 【理学療法士試験 おすすめ教材】 |
教材(過去問・問題集) | ・理学療法士の過去問題集 |
講座・スクール | - |