資格名

作業療法士
試験名:作業療法士国家試験

資格の種類

国家資格

主催者

厚生労働省医政局医事課

資格試験の概要

「作業療法士」は、医師の指示の下に、身体又は精神に障害のある者またはそれが予測される者に対し、工芸、手芸、園芸、絵画、玩具操作などの作業技法を使って、病後や障害の機能回復や日常生活動作の維持や改善を図るリハビリの専門家です。生活場面での応用的な動作能力にとどまらず、精神的・心理的な安定を目的としているところが、理学療法士と違うところです。また、作業療法は職業準備訓練という目標を持っています。作業療法士は、 人間として生きていく上での(作業)活動を理解・分析し、利用できるよう力を身につけることが不可欠とされていて、 入浴や摂食などの日常生活動作から 職場復帰に至るまで、作業療法士は広く関わっています。作業療法士として仕事をするためには厚生労働大臣より認定される作業療法士の国家資格を取得しなければなりません。

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作業療法士になるには、高校を卒業後、まず「作業療法士養成校」に入学します。普通の大学を出て社会人を経験してから入学してくる人もかなりいます。
一般的に、作業療法士養成校は3年または4年間で、年数の違いはカリキュラムの違いになっています。卒業する年の3月初旬に作業療法士国家試験を受験します。受験する場所は、自分の入学した養成校の場所で受験地が決まります。この作業療法士国家試験を受験し合格すれば作業療法士の免許がもらえます。
※通信教育で作業療法士になることはできません。
※作業療法士養成校は全国にありますが、受験希望者は自分で十分に調べねばなりません。基本的には全日制ですが、夜間部を設けている養成校も少しはあります(夜間は4年制)。
      ⇒作業療法士養成校・大学院一覧
筆記試験について、重度視力障害者(両眼の矯正視力の和が0.04以下または両眼による視野が10度以内で、かつ、両眼による視野について視能率による損失率が95%以上の者)に対しては、点字、試験問題の読み上げまたはその併用による受験を認められます。弱視者(良い方の矯正視力が0.15以下または両眼による視野について視能率による損失率が90%以上の者)に対しては、弱視用試験による受験を認められます。

合格率・資格難易度

難易度 
  「C」  やや易

【資格の難易度レベル】
作業療法士は、理学療法士とよく比較されます。合格率だけで見ると作業療法士より理学療法士の方が難易度は低いようですが、大事なことはどちらも専門学校から資格が与えられた人の中での数字であるということです。一般に作業療法士は、受験資格となっている養成施設への入学は競争率も高く、容易とはいえませんが、資格試験の合格率は80%以上と高く、難易度も高くなく、きちっとしっかり勉強すれば難しくはありません。

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●合格率 
 第58回作業療法士国家試験結果 
  合格率 83.8%(受験者数 5,719人 合格者数 4,793人) 

※参考データ
・第57回作業療法士国家試験結果 
  合格率 80.5%(受験者数 5,723人 合格者数 4,608人)
・第56回作業療法士国家試験結果 
  合格率 81.3%(受験者数 5,549人 合格者数 4,510人) 
・第55回作業療法士国家試験結果 
  合格率 87.3%(受験者数 6,352人 合格者数 5,548人) 
・第54回作業療法士国家試験結果 
  合格率 71.3%(受験者数 6,358人 合格者数 4,531人)
・第53回作業療法士国家試験結果 
  合格率 76.2%(受験者数 6,164人 合格者数 4,700人) 
・第52回作業療法士国家試験結果 
  合格率 83.7% (受験者数 5,983人 合格者数 5,007人)
・第51回作業療法士国家試験結果 
  合格率 87.6% (受験者数 6,102人 合格者数 5,344人)

受験対策・学習法ほか

別名OT(オキュペイショナルセラピスト Occupational Therapist)とも呼ばれている「作業療法士」は、リハビリの専門家です。医師の指示のもと、身体や精神に障害がある人に対して、手芸・工芸などの作業を通じて、患者さんの基本的動作能力の回復を図ります。 
作業療法士になるための学校選びについては4年制の大学・専門学校で学ぶか、3年制の短大・専門学校で学ぶかが一番重要な選択のポイントになります。早く資格を取得し、社会で活躍したいと思う人は3年制を選択することになります。3年制の場合は学費の総額を安く抑えられることも魅力です。しかし、そんな中でも4年制の大学・専門学校も増えてきています。4年制の場合は、幅広い専門知識を4年かけて段階的に学べることなど、3年制より余裕をもって勉強でできることが大きなメリットです。最終的には、学ぶ学校の国家試験合格率や就職率なども含めて、総合的に判断することが必要です。

一方、養成施設での教育は作業療法士として必要な基礎知識や技術を身に付ける時間だけでなく、実践的な技術を身につけるための臨床実習の時間も多くあります。特に、実習中は時間的余裕は極めて少なく、一般の大学生のようにアルバイトをしたり遊んだりという訳にはいきませんので、入学を決めたらある程度の覚悟が必要でしょう。また養成校の難易度は理学療法士と同様に、高いところと低いところがあります。 理学療法士よりは少し入学しやすいように思いますが、国立・私立・大学・短大・専門学校などさまざまで、必要な費用の方もかなり違ってくるので、しっかり事前に養成施設の調査をしておかねばなりません。最終学年の夏頃から就職活動が始まりますが、作業療法士は約7割が女性で、患者さんやその他のスタッフなど、人と接することがほとんどで、コミュニケーション能力が要求される職業です。

仕事は、理学療法士とチームを組んで治療に当たることが多く、病院や特別養護老人ホームや重症心身障害児施設、デイサービスセンター、肢体不自由児施設、身体障害者療護施設など多くの医療・福祉施設でリハビリテーションの専門家として重要な役割を担うことになります。
活動分野は、病院、リハビリテーションセンター、肢体不自由児施設、精神神経科病院などの医療分野から 介護老人保健施設、障害者福祉センター、特別養護老人ホーム、デイサービスセンター、授産施設等の福祉分野、 さらには地域保健・医療、在宅生活支援分野などへも活動範囲が拡大しています。また、最近では音楽療法士や園芸療法士などの民間資格が誕生するほど、作業療法士関連の社会的ニーズは上昇しており、将来性は維持されています。

受験資格

1.文部科学大臣が指定した学校または都道府県知事が指定した作業療法士養成施設において、3年以上作業療法士として必要な知識および技能を修得した者(3月までに修業し、または卒業する見込みの者を含む)
2.外国の作業療法に関する学校若しくは養成施設を卒業し、又は外国で作業療法士の免許に相当する免許を得た者で、厚生労働大臣が1に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定した者
3.法の施行の際(昭和40年8月28日)現に文部大臣又は厚生大臣が指定した学校又は施設において、作業療法士となるのに必要な知識及び技能を修業中の者であって、法施行後に当該学校又は施設を卒業した者

試験方式

筆記試験と実技試験で構成されています。

●筆記試験(一般問題及び実地問題)
・午前(専門問題)  
 出題数100問・ 形式 五肢択一/五肢択二 ・試験時間2時間40分
 専門分野(作業療法(NO.1~NO.50)+ 専門基礎分野(NO.51~NO.100) 
※NO.1~NO.20は実地問題
・午後(共通問題) 午前と同じ
  出題数100問・ 形式 五肢択一/五肢択二 ・試験時間2時間40分
※専門基礎分野は、午前・午後ともに、理学療法士国家試験の専門基礎分野の問題と同じ問題が同配列で出題されます。
●実技試験
 ・点字試験受験者は、実地問題は行なわれず、口述試験が実地問題に代えて行われます。
 ・視覚障害者に関しては、弱視用試験又は点字試験による受験を認められており、点字試験受験者に対しては、試験問題の読み上げの併用による受験が認められています。
※試験は1日間(点字試験受験者のみ2日間)にわたって行われ、午前に専門問題、午後に共通問題の順に行われます。
※合格基準については合格発表後に掲示されますが、実地問題が3割、全部合わせて1割以上取らないとその時点で不合格となります。
●口述試験
点字試験受験者に対して、実地問題に代えて行われます。

◆合格基準
 以下の全ての基準を満たした者が、合格となります。
  ・総得点のおおよそ60%以上の得点率
  ・実地問題のおおよそ35%以上の得点率

試験科目

一般問題及び実地問題に区分して行われます。

●筆記試験
・一般問題
①解剖学、②生理学、③運動学、④病理学概論、⑤臨床心理学、⑥リハビリテーション医学(リハビリテーション概論を含む。)、⑦臨床医学大要(人間発達学を含む。)⑧作業療法
・実地問題
①運動学、②臨床心理学、③リハビリテーション医学、④臨床医学大要(人間発達学を含む)
⑤作業療法

●口述試験及び実技試験
・点字試験受験者に対しては、実地問題に代えて次の科目について行われます。
①運動学、②臨床心理学、③リハビリテーション医学、④臨床医学大要(人間発達学を含む)
⑤作業療法
※視覚障害者に対しては、弱視用試験又は点字試験による受験を認め、点字試験受験者に対しては、試験問題の読み上げの併用による受験が認められます。 

スケジュール

・申込期間:12月中旬~翌年1月上旬
・試験実施:年1回 
 (筆記)2月中旬頃  
 (口述・実技)2月下旬 
・合格発表日: 例年3月下旬


令和5年実施 第58回作業療法士国家試験要綱 
  
   試験は終了しました。

試験会場

・筆記試験
 北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、香川県、福岡県及び沖縄県
・口述試験及び実技試験
 東京都

受験料

・10,100円(収入印紙)

問い合わせ先

・厚生労働省医政局医事課試験免許室国家試験係 厚生労働省
 〒100-8916  東京都千代田区霞ヶ関1-2-2 TEL 03(5253)1111
・作業療法士国家試験臨時事務所  TEL03(5200)5859
 〒103-0027 東京都中央区日本橋1丁目20番5号 

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