資格名

ネットワークスペシャリスト

資格の種類

国家資格 

主催

独立行政法人情報処理推進機構

資格の概要

新試験制度のスキルレベル4に相当し、2009年(平成21年)春期試験から開始された資格試験。
高度IT人材として確立した専門分野をもち、ネットワークに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守において中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う能力を評価する試験、と定義されている。

ネットワークスペシャリストは、ネットワークシステムを企画・要件定義・開発・運用・保守する業務に従事し、ネットワーク資源の管理や要求分析、技術支援等を行います。
接続されたコンピューターシステム全体のネットワークの設計や管理において、専門性を有していると認められた者に与えられる資格で、システムエン ジニアの中でも主にネットワークの設計担当者や管理責任者など、試験は上級クラスの人を対象としています。試験のレベルは非常に高く、ネットワークに関する試験の中では最難関のうちに属します。期待される技術水準としては、目的に適合したネットワークシステムを構築・維持するため、以下(1)から(4)の知識・実践能力が要求されます。
(1)ネットワーク技術・ネットワークサービスの動向を広く見通し、目的に応じて適用可能な技術・サービスを選択できる。
(2)企業・組織、又は個別アプリケーションの要求を的確に理解し、ネットワークシステムの要求仕様を作成できる。
(3)要求仕様に関連するモデリングなどの設計技法、プロトコル技術、信頼性設計、セキュリティ技術、ネットワークサービス、コストなどを評価して、最適な論理設計・物理設計ができる。
(4)ネットワーク関連企業(通信事業者、ベンダ、工事業者など)を活用して、ネットワークシステムの構築・運用ができる。

試験方式

ネットワークスペシャリスト試験は午前Ⅰ/午前Ⅱ/午後Ⅰ/午後Ⅱの計4回行われます。全ての試験で100点満点中60点以上であれば合格です。一つでも60点未満では合格できませんので、この点は注意が必要です。

◆試験方式
【午前試験】
午前試験は「知識」を問う試験で、午前試験Ⅰ・Ⅱの2種類があります。
午前試験Ⅰは、各高度試験の共通問題で各高度資格に必要な共通知識が問われます。
午前試験Ⅱではネットワークスペシャリストに必要な専門知識が問われます。 
・午前試験Ⅰ
  出題形式:多岐選択(四肢択一)
  試験時間:50分
  出題数:30問(全問回答必須)
※基準点60点に達しない場合、午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ試験の採点はされず、不合格。
・午前試験Ⅱ
  出題形式:多岐選択(四肢択一)
  試験時間:40分
  出題数:25問(全問回答必須)
※基準点60点に達しない場合、午後Ⅰ・午後Ⅱ試験の採点は行われず、不合格となります。

【午後試験】
午後試験は「技能」を問う試験で、午後Ⅰ・Ⅱの2種類の試験があります。
午後試験Ⅰは、大問1つにつき数問の設問が出題され、それぞれ20字~50字程度で解答します。
午後Ⅱは、大問1つにつき数問の設問が出題され、20~60字程度で解答します
・午後試験Ⅰ
  出題形式:記述式
  試験時間:90分
  出題数:3問中2問回答
※基準点の60点に満たない場合は、午後試験Ⅱの採点は行われず、不合格となります。
・午後試験Ⅱ
  出題形式:記述式
  試験時間:120分
  出題数:2問中1問回答
※基準点の60点に満たない場合は、不合格となります。

●科目免除制度
以下の1~3のいずれかの条件を満たせば、その後2年間、午前試験Ⅰの受験が免除されます。
1.応用情報技術者試験に合格する
2.いずれかの高度試験に合格する
3.いずれかの高度試験の午前Ⅰ試験で基準点以上の成績を取った場合

受験資格

なし。 誰でも受験できます。

試験科目

【午前試験】
●午前試験Ⅰ:以下の3分野から出題されます。
1.テクノロジ系(基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、開発技術)
2.マネジメント系(プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント
3.ストラテジ系(システム戦略、経営戦略、企業と法務)
●午前試験Ⅱ:出題範囲は以下の通りです。
・コンピュータ構成要素:テクノロジ系のコンピュータシステム
・システム構成要素:テクノロジ系のコンピュータシステム
・ネットワーク:テクノロジ系の技術要素
・セキュリティ:テクノロジ系の技術要素
・システム開発技術:テクノロジ系の開発技術
・ソフトウェア開発管理技術:テクノロジ系の開発技術 
※特に、「ネットワーク」と「セキュリティ」は重点分野になっています。

【午後試験】
午後試験の場合は、出題範囲はⅠ・Ⅱ試験共通で、以下の4分野から出題されます。
1.ネットワークシステムの企画、要件定義、開発に関すること
2.ネットワークシステムの運用、保守に関すること
3.ネットワーク技術、関連法規、標準に関すること
4.ネットワークサービス活用に関すること
●午後試験Ⅰ
・主にLANの設計、WANの設計、ネットワークシステムの運用設計・性能評価などに関する問題が出題されます。
●午後試験Ⅱ
・ネットワークシステムの構築設計・評価・改善を扱う問題が2題出題されます。

スケジュール

・試験日:春期(4月の第3日曜日)のみ年1回実施されています。 
・申込期間:1月下旬~2月下旬、約1ヵ月間(インターネット)
・申込方法:インターネットか郵便で申し込む 
・合格発表:6月下旬頃
※春期情報処理技術者試験の一区分として行われる。

   令和5年度 情報処理技術者試験試験日程   
    (ネットワークスペシャリスト)春期4月  

試験会場

全国主要都市
各都道府県に1箇所以上設けられている。受験を希望する試験地を出願時に記入、受験者の郵便番号から試験会場(大学等)が割り振られる。

受験料

7,500円(税込み)

資格難易度

難易度 
  「A」  難関 

【資格の難易度レベル】
情報処理技術者試験の中でもネットワークスペシャリスト試験は難易度が格段に高いことでも有名です。試験分野の知識がかなり必要な中-上級者向け試験なので、実務経験5年程度の知識があっても、独学で最低2~3ヵ月間は勉強しなければ合格できないレベルと考えてよいでしょう。午前Ⅰ・Ⅱはネットワークの経験者でもつまづくと言われますが、3年前くらいまでの過去問で6割程度は出題されているため、過去問中心で最低3年分くらい消化して丸暗記するくらいの勉強が必要で効果的です。1日最低4時間くらいの勉強は必要です特に午前Ⅰがポイントになります。
午後問題は論述形式の問題が多く、時間を取られやすいことから午後の試験が一番難しいと言われています。午後は暗記ではなくきちんと理解しながらの勉強が必要ですが、この分野で経験がある人は過去問をできるだけ解いておくことでカバーできる可能性はあります。ただ、当然のことながら、ネットワークの基本・本質の理解を問われる試験なので日経NETWORKなどは役立つようです。独学での勉強は難しいため、通信授業などを視野に入れて勉強することをおすすめします。

この資格を取得しようと考える人は、すでに初級シスアド、基本情報技術者などのIT系初級資格を取得している場合が多いので、学習期間は基礎能力の違いなどで異なりますが、普通は1年以上は必要と思って間違いないでしょう。少なくても実務経験が2~3年程度は必要なレベルと言わるため、上流・下流ともに十分な実務経験があり、かつ現場だけでなく、座学の知識もきちんと身に付けている人なら問題はないでしょう。ある程度の専門知識がない人の場合は、対策本を読むだけで試験を突破するのは無理でしょう。基本的な情報処理の知識がない人は、情報処理活用能力検定(J検)をステップにして活用することも一つの方法です。この試験はデータベース、インターネット、LAN関係、プログラムなど情報処理に関係する基本的なものを集めた試験です。J検の1、2級に合格する力がないと、ネットワークスペシャリスト合格は無理です。将来的なことを考えると、そこからさらに基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などに順序立てて取得していくことが望ましいと思います。

(参考) 情報処理技術者試験の難易度

--------------------------------------------  
・合格率 
令和3年度秋期ネットワークスペシャリスト試験結果
 合格率 12.8% 
 応募者総数 12,690名 受験者数8,420名 合格者数1,077名

※参考データ
・令和元年度秋期ネットワークスペシャリスト試験結果
 合格率 14.4% 
 応募者総数 18,345名 受験者数11,882名 合格者数1,707名
・平成30年度秋期ネットワークスペシャリスト試験結果
 合格率 15.4% 
 応募者総数 18,922名 受験者数12,322名 合格者数1,893名
・平成29年度秋期ネットワークスペシャリスト試験結果
 合格率 13.6% 
 応募者総数 19,556名 受験者数12,780名 合格者数1,736名
・平成28年度秋期ネットワークスペシャリスト試験結果
 合格率 15.4%          
  応募者総数 18,096名 受験者数11,946名 合格者数1,840名

受験対策・資格の将来性

ネットワークスペシャリストは、ネットワーク専門家としてネットワークに関する高度な専門的知識が要求されます。そのため、この試験の対象者は、システムエンジニアの中でも主にネットワークの設計担当者や管理責任者を主に考えています。従って試験のレベルも高く、ネットワークに関する試験の中でも最難関のものの一つになっています。
基本情報技術者試験やソフトウェア開発技術者試験などの上位試験にあたり、特定の技術の専門性を追求するために開設された試験であるため、原則としてコンピュータサイエンスの基礎に関する設問 や、プログラム言語に関する設問は大幅に省略されていますが、これらの知識が不足している場合には多くは午前問題で通過が困難となるでしょう。

試験対策は過去に出題された問題を解くことが中心で、まず数をこなして慣れていくことから始めたらいいでしょう。本試験では午前問題は同じような問題が出題されることがありますが、問題は午後対策です。午後はまったく同じ問題が使い回しされることがありません。午後問題は、記述式で解答しなければなりません。そのため、問題作成者の意図していない事を記述してしまうと、部分点ももらえなくなります。ここで必要とされるのが国語力です。国語力を磨くためには、文章の構成を理解する論理力が必要となり、日頃から意識して文章を読み、それを要約し、さらにそれを書 くという訓練が必要です。しかし過去問題を解くことは一番大切な対策です。基本は過去問です。合格率は約10%程度と難易度が高く、参考書などによる独学のみでは合格するのは難しいと思います。通信講座レベル以上の勉強が必要なので、理想的にはスクールなどで講座を受講するのが合格への最短距離ではないかと思います。企業が独自で行なっているセミナーや講座などもあります。




ネットワークスペシャリストの試験はあくまでも知識と技術レベルの認定試験です。そのため資格を持っていなくてもネットワークのスペシャリストとして働く分 には問題はありません。
試験に合格していなくても、今現在、各種の職場で活躍されている方もたくさんおられますが、これからシステムインテグレーションを行っている企業やネットワークの運用・保守を行っている会社などに就職・転職しようと考えている方には、この資格が大きな武器になることは間違いありません。資格取得できればITやデジタル系の仕事にはかなり有利になります。キャリアアップを目指している人や、これからIT系の仕事に就きたいと考えている人、転職を考えている人などにはおすすめの資格です。

そういう意味から、この資格が有効な就職先としては、情報システム系やネットワーク系関連企業などが中心になります。ネットワークシステムを企画、開発、運用、保守する業務に従事し、役割を主導的に果たすと同時に、下位者を指導する立場には欠かせない資格です。
ネットワークエンジニアを求める会社は社内LANやサーバーを持つ大企業が多く、業種は問いません。社内技術者として働く場合や、出向者や、また人材派遣に登録する場合などがあります。いずれにしても仕事は高度なネットワークシステムの設計・構築・運用を行う能力があると見なされるため、企業のシステム部門やネットワーク関連会社などで高いニーズがあります。

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問い合わせ先

独立行政法人 情報処理推進機構 IT人材育成本部 情報処理技術者試験センター    http://www.ipa.go.jp/index.html