Linuxは低コスト導入ができ、安定性に優れていることから、急速に認知されてきている新しいOSです。現在、日本の各省庁の給与管理にはLinuxが用いられており、その信頼性の高さには定評があります。 今後は民間企業への浸透が確実とされているため、この人材のニーズは高まると言えます。
「LPIC」は、国際的に知られた 資格で、NPO法人 Linux技術者認定機関 LPIが実施している全世界共通、最大規模の「Linux技術者の技術者認定資格」の名称です。
LPICは、オープンソースのOS「Linux」を対象にした試験で、世界で50万人以上(2016年5月時点)がLPICを受験しており、LPIC-JapanはLPICの特徴を「公正なLinuxスキルの判断基準として国際的に認められている」、「製品メーカーや配布元企業に依存せず、中立構成な立場でLinux技術を評価する」資格としています。なお、試験は日本語または英語で受けることができます。日本国内では、東京都内に事務局をおくLPI-Japanが運営事務を行っています。
LPICは世界共通の資格で、世界中どこで受験しても、またどの言語の試験を受験しても、世界的に通用する資格として認められています。
LPICは3段階のレベルで、体系的な知識と実用的な技術を認定します。試験は初級者向けのLevel-1、中級者向けのLevel-2、上級者向けのLevel-3の3段階に分かれており、英語もしくは日本語で受験できます。上位レベルの認定を受けるには下位レベルの認定が必須なので、すべての受験者は最初にレベル1を取得し、順にステップアップしていく
認定構成になっています。上位レベルに認定されるためには、下位レベルの認定が必須です。
LPIC-1は「サーバ運用管理レベル」、LPIC-2は「ネットワークシステム構築レベル」、LPIC-3は「エンタープライズシステム構築レベル」のスキルを認定します。
レベル1、レベル2の認定を取得するには、それぞれのレベルに用意されている2つの試験を両方とも合格しなければなりません。また、レベル3に認定されるには、「300試験」「303試験」「304試験」の3つの試験のうち、いずれか1つの試験に合格する必要があります。
●LPICレベル1
「ファーストレベルLinux専門家」を認定する試験です。 内容はLinuxの基本操作、システム管理の基本を中心として、Linuxディストリビューションを利用するために必要な知識を幅広く問う資格試験です。レベル1に認定されており、101試験と102試験の両方に合格すると認定されます。LPIC-1と表記されることもあります。
試験の正式名称は、101試験が「LPI Level1 Exam 101」 102試験が「LPI Level1 Exam 102」です。
<スキル指標>
・実務で必要なLinuxの基本操作とシステム管理が行えること。
・Linuxサーバ環境の構築・運用・保守をするための必要な操作とシステム管理ができること。
・Linuxディストリビューションを利用するために必要な知識があること。
<認定>
・2試験(101試験と102試験)を5年以内に合格すると、認定が受けられます。
※エントリーレベルのレベル1でも出題範囲は広く、記述式問題もあるため、一夜漬けの暗記勉強では簡単には対応できません。多くのコマンドの書式やオプションについての正しい知識を身に付けるためにも、普段からLinuxを利用し、使い慣れておくことが一番大切です。
●LPICレベル2
「アドバンストレベルLinux専門家」を認定する試験です。 Linuxの応用的なシステム管理やサーバ構築ができるために必要な知識を問う資格試験です。レベル2に認定されており、201試験と202試験の両方に合格されると認定される。LPIC-2と表記されることもあります。
試験の正式名称は、201試験が「LPI Level2 Exam 201」 202試験が、「LPI Level2 Exam 202」
<スキル指標>
・Linuxシステムの企画、導入、維持、トラブルシューティングができること。
・カーネルからネットワークに関する事まで、構築・管理・修正ができること。
<認定>
・ レベル2を取得するには201試験と202試験の2試験に合格する必要があります。
●LPICレベル3
エンタープライズレベルでの仕事が出来る技術者を認定する試験であり、正式な認定名「LPICレベル3 Speciality」のとおり、各分野の高い専門的な知識と技術力問われる資格試験です。
レベル3では専門分野ごとに1つずつ試験が用意されており、そのいずれかに合格することで、レベル3の認定を受けられるとともに、Linuxに関するその分野のエキスパートであることを示せます。
2017年1月現在、用意されているレベル3の試験は、300試験、303試験、304試験の3つです。
※資格の有効期限
LPICには「認定日から5年以内」という資格の有効期限があります。
期限内に再認定の手順を踏めば、「ACTIVE」な認定ステイタスを維持できますが、再認定のためには、認定レベルの最新バージョンの試験を受験し、合格することが必要になります。なお、有効期限を過ぎると認定ステイタスが「INACTIVE」となりますが、資格が無効になるわけではありません。また、「レベル1と2」など、複数レベルのLPIC認定を所持している場合には、上位レベルの資格認定日から5年以内に上位レベルの試験を受験し再認定を受けると、下位も合わせて再認定されます。そして、その後5年間は保持するすべてのレベルが「ACTIVE」となります。
◆Linux LPIC試験関連の情報
・Linux 技術者のための新しい資格制度、Linux 技術者認定試験 LinuC (リナック) が 3月1日にリリースされました。2018.3.1
・日本国内では、2016年3月時点で累計受験者数は27万4000人。累計認定者数は、Level1認定者が65,000人以上、Level2では20,000人以上、Level3では約11,000人、合計で9万7千人以上となっています。特に最近はレベル3の認定者数が増えており、世界の中でも日本の受験者数の多さが目立つ状況となっています。
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