資格名

・Linux技術者認定 LinuC (Linux Professional Certification: リナック)

資格の種類

民間資格

主催者

LPI-Japan事務局日本支部

資格試験の概要

Linux技術者認定「LinuC(リナック)」とは、クラウド/DX時代のITエンジニアに求められるシステム構築から運用管理に必要なスキルを証明できる技術者認定です。アーキテクチャ設計からシステム構築、運用管理までの技術領域を広くカバーしており、4つのレベルの認定取得を通じて一歩ずつ確実に求められるスキルを習得し、それを証明することができます。

LPICが3つのLPICレベルに分類されているように、LinuCはでもLinuCレベル1からLinuCレベル3、そしてまでLinuCシステムアーキテクトのの4つの3レベルに区分されています。
 ・LinuCレベル1(LinuC-1)
 ・LinuCLinuCレベル2(LinuC-2)
 ・LinuCレベル3(LinuC-3)
 ・ LinuCシステムアーキテクト(LinuC-SA)

ITエンジニアのLinuxを含むシステム構築や運用・管理の技術力を測る認定資格として開発されたLinuC(リナック)では、レベル1は仮想環境を含むLinuxシステムの構築・運用・保守の技術力を問う試験、レベル2では仮想環境を含むLinuxのシステム設計、ネットワーク構築においてアーキテクチャに基づいた設計・運用・保守・問題解決の技術力を問う試験、レベル3では「OSの混在環境」「セキュリティ」「仮想化/高可用性」の分野の専門性を問う試験となっています。そしてLinuCシステムアーキテクトは、オンプレ/クラウド、物理/仮想化を含むLinuxの大規模システムのライフサイクル全体を俯瞰し、柔軟かつ拡張可能なアーキテクチャを設計・構築ができる「プレイングシステムアーキテクト」としての能力を認定する試験です。

LPICの正式名は「Linux Professional Institute Certification」という資格名です。LPI認定資格とも呼ばれ、世界中で実施されているLinux技術者認定試験です。また、Linuxプロフェッショナル認定資格とも呼ばれています。
LPI-Japanでは、Linux技術以外にセキュリティや仮想化技術/クラウドなどシステム構築や、運用・管理を行うエンジニアに求められる技術や知識を備えていることを証明するLinux技術者認定「LinuC(リナック)」を提供しています。
日本向けにはカナダに本部を持つ「LPI(Linux Professional Institute)」の日本支部が運営しています。




合格率・資格難易度

難易度  
  Linuシステムアーキテクト 「未定」 
  LinuCレベル3  「A」 難関
  LinuCレベル2  「B」 普通 
  LinuCレベル1  「B」 普通  

LinuCの資格難易度ランキング

【資格の難易度レベル】
LinuCは全体的にみて、比較的難易度の高い試験と言えます。難易度は、LinuCレベル1→LinuCレベル2→LinuCレベル3→Linuシステムアーキテクトの順で難しくなりますが、LinuCレベル1は、Linuxの入門的な位置づけの難易度レベルで、IT系の企業の新入社員や専門学校では卒業までに取得するのが普通とされるレベルです。そのため難易度レベルはそれほど高くはなく、独学だけでも突破は十分可能な難易度と考えていいでしょう。これがLinuCレベル2になると、企業の開発部門で中心的な役割を果たせるだけの技術力を求められるレベルを目指す人を想定して作られている試験なので、レベル1に比べて全てが実践的になっています。そのため知識の丸暗記だけでは対応がむつかしく、自分で手を動かしながら体験して覚えていくスキルや知識が必要になります。テキスト丸暗記ではなく、実際にLinuxの学習環境を準備して自分でPCを叩きながら学習して、スキルを身につけることが大切です。

LinuCレベル3の難易度は非常に高く、基本的には特定分野の専門家として活動ができるレベルを想定されて作られており、Linuxに関わる各分野の最高レベルの技術力を持つことを証明する認定になります。従って、Linuxの熟練者であっても最低1年程度の勉強期間は必要です。さらに、最上位資格LinuCシステムアーキテクトは特定の技術領域というよりも全体を俯瞰しアーキテ
クチャ設計・構築をするための幅広い能力が問われるという特徴があります。学習期間は1年程度は必要で、受験には様々な実務を経験していることが望ましいと言えるでしょう。

尚、LinuCはLPICとは全く異なる別資格で、学習を通じて習得できる技術範囲も異なります。そのため、最近のシステム開発に求められる仮想化技術/クラウドに注力している企業・業界から高い評価を受けています。
公式サイトに勉強時間の目安が以下のように書かれています。
・LinuCレベル1 1か月から3か月程度
・LinuCレベル2 3か月から半年程度
・LinuCレベル3 半年から1年程度
・Linuシステムアーキテクト 半年~1年程度
Linuxに全く馴染みがない場合には、当然、上記以上の時間を要することもあります。

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●合格率

  非公開 
※公式サイトには「目安として65~75%程度の正解率で合格点となる」とされています。

受験対策・学習法ほか

LinuCやLPICの受験対策を調べると、教材や講習会などたくさんありますが、一番おすすめできる勉強法は2つあります。一つはLPI-Japanの「アカデミック認定校」で勉強する方法です。試験対策や試験のポイントを経験ある講師から教えてもらえるので効果的な勉強ができます。もう一つは、これもLPI-Japanが主催する「無料の技術セミナー」を利用する方法です。セミナーでは試験対策のための学習以外に、他の受験生との情報交換などもできます。独学で突破を狙う人には、受験したいレベルに応じた「認定教材」も販売されています。
それ以外では、独学の場合、最近はオンライン学習による試験対策もおすすめです。LPICやLinuCに対応した講義がいくつか公開されています。




LinuCは2018年3月に始まったばかりの資格試験ですが、LPI-Japanが「LPIC」から「LinuC」に運営を移したことにより、今後はLinuCがITエンジニアの市場での評価基準となる可能性が高くなると言われています。そういう意味からも、今後、ITエンジニアとして就職・転職などを目指す方は需要の高まりが予想される「LinuC」を取得するのが最も効率的と思います。
または、LinuCはLinuxシステムの構築スキルの証明で、LPICはLinuxのグローバル認定と、それぞれ認定するスキルの領域が異なるため、仮想化技術/クラウドなど、今求められるスキルを習得したい人はLinuC、グローバル基準で学びたい人はLPICという選択もいいでしょう。
もっと細かく目を向けると、最近はクラウド上でLinuxが利用される事が多く、Linuxサーバーを管理できるエンジニアの需要が拡大していますので、Linuxの資格を取得することで、Linuxエンジニアとして活躍できる可能性があります。

世界で最も利用されるオープンソースOSのLinux技術に加え、AWS/Azure/GCP等を扱う場合にも必須の技術を盛り込んだクラウド・DX時代の認定Linucは多くの企業が業界標準として採用しており、就・転職活動や待遇面でも有効な武器になるものと期待できます。

受験資格

受験においては希望のレベルから受験が可能ですが、それぞれのレベルの認定を得るためには指定の下位レベルの認定を予め取得しておく必要があります。

● 受験
 年齢、学歴等に制限はなく誰でも受験できます。
● 認定
・LinuCレベル1の認定:
101試験と102試験の2試験に合格が必要。
・LinuCレベル2の認定:
有意なLinuCレベル1の認定を保有し、201試験と202試験の2試験に合格が必要。
・LinuCレベル3の認定:
有意なレベル2の認定を保有し、300試験、303試験、304試験のいずれかに合格が必要。
・LinuCシステムアーキテクトの認定:
有意なレベル2の認定を保有し、SA01試験とSA02試験の2試験に合格が必要。

試験方式

●試験方式
  CBT方式(コンピュータ試験)
 ・レベル1
  対象試験:101試験・102試験
  試験時間:各90分*
  出題数:約60問
  出題形式:多肢選択式及び記述式
  合格ライン:非公開
  認定条件:なし
・レベル2
  対象試験:201試験・202試験
  試験時間:各90分*
  出題数:約60問
  出題形式:多肢選択式及び記述式
  合格ライン:非公開
  認定条件:有意なLinuCレベル1
・レベル3
  対象試験:300試験・303試験・304試験
  試験時間:各90分*
  出題数:約460問
  出題形式:多肢選択式及び記述式
  合格ライン:非公開
  認定条件:有意なLinuCレベル2
・システムアーキテクト
  対象試験:SA01試験・SA02試験
  試験時間:各90分*
  出題数:約60問
  出題形式:多肢選択式及び記述式
  合格ライン:非公開
  前提条件:有意なLinuCレベル2

* 試験後に簡単なアンケート(5分)が実施されます。
  試験時間は正味85分です。

●資格認定
・LinuCレベル1:
101試験及び102試験の両方を受験し、5年以内で合格することでLinuCレベル1に認定されます。5年以内に102試験に合格しなければ101試験の合格が無効になります。その場合、再度、101試験から受験をやり直さねばなりません。
・LinuCレベル2:
LinuCレベル1の認定に加えて、201試験及び202試験の両方を受験し5年以内に合格することで、LinuCレベル2に認定されます。
・LinuCレベル3:
300試験、303試験、304試験の3つが独立して構成されています。LinuCレベル2の認定に加えて、300試験、303試験、304試験のいずれか1つを受験し合格することで、LinuCレベル3に認定されます。
・システムアーキテクト:
LinuCレベル2の認定に加えて、SA01試験及びSA02試験の両方を受験し、5年以内に合格することで、LinuCシステムアーキテクトに認定されます。

●有効期限
・LinuCの認定には有効期限はありませんが、LPICと同様に5年間の有意性の期限が設けられています。有意性を維持するために、過去の認定日から5年以内に再認定を受けるか、保有するレベルより上位の認定を5年以内に取得する必要があります。
また、LPIC及びLinuCには再受験のポリシーが設定されています。これは、試験に不合格となり、同じ科目の試験を再受験する場合には、不合格となった試験の受験日から数えて7日経たないと再受験できないというシステムです。

試験科目

●出題範囲
LinuCレベル1   101102
LinuCレベル2 201202
LinuCレベル3 300303304
システムアーキテクト SA01, SA02

●試験内容
クラウド時代、DX時代に活躍するすべてのIT技術者が身に着けておきたい内容になっています。
【レベル1】全科目必須
101試験:Linux管理1、仮想マシン・コンテナの基礎ほか
102試験:Linux管理2、クラウドセキュリティ、オープンソースの文化ほか
【レベル2】全科目必須
201試験:Linux応用管理、総合運用管理、自動化、仮想化サーバ、コンテナほか
202試験:Linuxネットワーク管理、システムアーキテクチャほか
【レベル3】いづれか1科目
300試験:Mixed Environment(混在環境)
303試験:Security(セキュリティ)
304試験:Virtualization and High Availability(仮想化と高可用性)
【アーキテクト】全科目必須
SA01試験:アーキテクチャ、ネットワークとストレージの選定、可用性の設計、他
SA02試験:仮想マシンとコンテナの設計、セキュリティ、監視と分析、他

※要求される知識レベル
・LinuCレベル1:
  Linuxの物理、あるいは仮想サーバーに関する知識が要求されます。
・LinuCレベル2:
  Linuxのシステム管理のスキルやネットワークなどに関する知識が必要。
・LinuCレベル3:
  Linux技術者として経験豊富で高度なスキルを持つエンジニアが対象の試験。
・LinuCシステムアーキテクト:
  決められた要件に基づいて処理方式から具体的な実装まで、それぞれの抽象度で設計ができ、実際に動くシステムを構築できるだけの知識が要求されます。

※問題内容
問題はクラウド時代、DX時代に活躍するすべてのIT技術者が身に着けておきたい内容になっています。

スケジュール

・申込受付:随時
・申し込み:ピアソンVUEのホームページ上から、または電話で可能です。
・試験日: 祝日を除く、月~土曜日
・合格発表:即時
※LinuCには、試験日や試験会場の指定がありません。
テストセンターにより、受験できる日時が異なりますので、事前に確認しておく必要があります。
※LinuCの試験結果はLPICとは異なり、受験者に対して、スコアや合否判定だけでなく、合格基準や項目別スコアも合わせて通知されます。

試験会場

・全国のピアソンVUE公認試験会場(約130か所)
試験会場(テストセンター)一覧

※LinuCには、試験日や試験会場の指定がありません。
※申込方法はピアソンに登録し、希望試験地や希望日時の確認を行い予約する必要があります。

受験料

・レベル1(101・102試験) 16,500円(税込)
・レベル2(201・202試験) 16,500円(税込)
・レベル3(300・303・304試験)16,500円(税込)
・アーキテクト(SA01・SA02試験)27,500円(税込)

問い合わせ先

・LPI-Japan事務局
〒100-0011 東京都千代田区内幸町2-1-1 飯野ビルディング9階
 TEL 03-6205-7025  e-mail info@lpi.or.jp

・ピアソンVUE
全国各地のテストセンターに関するお問合せはこちらです。
 https://www.pearsonvue.co.jp/ TEL0120-355-173(フリーダイヤル)
・お問い合わせ
 https://www.pearsonvue.co.jp/Contact-Us.aspx

・受験に関するお問い合わせ(LPI-Japan)
  https://lpi.or.jp/contactus/02/mailform.php

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