資格名

建築積算士
(旧建築積算資格者)

資格の種類

民間資格

主催者

公益社団法人日本建築積算協会

資格試験の概要

「建築積算士」とは、建築生産過程における工事費の算定、及びこれに付帯する業務に関して、高度な専門知識及び技術を有する専門家です。求められる技術としては、建築工事分野の数量算出、工事費算定など。知識としては、生産プロセス、工事発注スキーム、設計図書構成、工事費構成、積算業務内容などがありますが、数量調書の作成や工事費の算定といった計算に関するものが中心になっています。
建築積算士の資格取得には、日本建築積算協会の実施する「建築積算士試験」を受験し、合格し、登録を受けた者に称号が付与されます。資格の認定方法は一次試験(学科試験)と二次試験(二次試験)の合格、かつ登録によって認定されます。ただし、一次試験は以下の者は免除されます。
1.建築積算協会が認定する建築コスト管理士、建築積算士補
2.建築士法による一級建築士、二級建築士及び木造建築士
3.建設業法による一級及び二級建築施工管理技士
4.建築積算協会が実施する積算学校卒業生
5.平成25年度以降の一次試験合格者
資格の登録の有効期間は3年間、登録の更新が必要になります。

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●建築積算士補
・2009年4月に創設された認定資格、「建築積算士補」取得者は、建築積算士の一次試験が免除されます。
・「建築積算士補」は、協会が実施する試験に合格、又は建築積算士一次試験に合格し、登録を受ければ、協会から資格付与されます。試験は原則として、認定校において全授業終了後に試験が行われます。
・建築積算士補の登録の有効期間も3年間。更新講習を終了することで登録の更新が可能です。

合格率・資格難易度

難易度 
  「C」  やや易   

【資格の難易度レベル】
建築積算士は、1級建築士の多くが保有している資格であることからも、業界経験者の場合はそれほど難易度は高くありませんが、業界以外の未経験者には、少し難しい資格試験になります。独学でも突破は可能ですが、経験のない方は日本建築積算協会の各地方の事務所が主催する研修会や講習会などに参加したり、建築系の学校で基礎を学び、建築設計事務所や工務店、または建設会社などで図面の書き方や図面の読み方から始めるのが無難です。建築積算士の資格取得に要する勉強時間は、業界経験者で3~6ヶ月程度、未経験者の場合は1,000~1,500時間、少なくても1年はかかりそうです。個人の学習能力や基礎知識の有無によって、必要な勉強時間は大きく異なります。また、試験の合格ラインについては公表されていませんが、70%程度と予想されています。

今からそんな勉強する時間がないと言われる方は、協会が出版する建築積算士ガイドブック は、「この一冊で理解できる建築積算のガイドブック決定版」と書いてあり、建築積算士の問題がこの本から出題されるようなので、この本を繰り返し読んで内容を十分理解し、過去問を繰り返しやるしか方法がないでしょう。独学で短期間で積算の勉強をし、習得することは大変難しいということを理解してください。

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合格率
  2022年度建築積算士試験結果
  一次試験 57.2%(受験者数390名 合格者数223名)
  二次試験 未定
・2021年度建築積算士試験結果
  一次試験 67.6%(受験者数361名 合格者数244名)
  二次試験 64.7%(受験者数759名 合格者数491名)
・2020年度建築積算士試験結果
  一次試験 52.9%(受験者数323名 合格者数171名)
  二次試験 63.1%(受験者数523名 合格者数330名)
・2019年度建築積算士試験結果
  一次試験 56.4%(受験者数313名 合格者数177名)
  二次試験 69.3%(受験者数644名 合格者数446名)
・平成29年度建築積算士試験結果 
  一次試験 61.2%(受験者数371名 合格者数227名)
  二次試験 71.8%(受験者数763名 合格者数548名)
・平成28年度建築積算士試験結果 
  一次試験 59.8%(受験者数366名 合格者数219名)
  二次試験 61.6%(受験者数795名 合格者数490名)

受験対策・学習法ほか

「建築積算士」の試験対策は、公益財団法人日本建築積算協会の「建築積算士ガイドブック」及び「建築数量積算基準・同解説」を用いて、対策講座を受講しながら勉強します。さらに、それに合わせて過去問を中心にした勉強を併行して行います。
1次試験ではガイドブックの全章が出題範囲になっているため、過去問を繰り返し解き、出題傾向を把握することが合格への近道です。また基礎的な知識をしっかりと身につけることも重要です。2次試験は短文記述試験と実技試験があり、1次試験よりも難易度が高くなります。2次試験では試験会場に持ち込みが許可されている「建築数量積算基準・同解説」の建築数量積算基準に基づいて、図面からの計測・計算をしますので、試験対策では過去問を解き、出題傾向を把握した上で、専門書や問題集を活用して、知識の定着を図ることが大切です。
過去9年分の過去問題が日本建築積算協会の公式サイトで入手出来ますので、これが有効な資料になります。その他、協会の推薦図書として「建築数量積算基準・同解説〈平成18年版〉」 が紹介されています。




建築積算士の仕事は主に工事価格を決定するための基礎資料を作成することですが、受注者・発注者双方からの信頼を得るだけの優れた知識と技術が必要な資格です。建築積算士の9割以上が1級建築士の有資格者です。資格を持っていると優遇される企業が多いため、経理部門や原価部門で仕事をしている人の受験が多いようです。建築積算士の資格は、建設業界で活躍する上で、非常に役立つ資格です。取得にはそれなりの努力が必要ですが、努力に見合った成果を得られるはずです。

建築積算士には名前がよく似た資格があります。「コスト管理士」は、建築積算士の資格の上位資格に当たる資格です。コスト管理士取得希望の人は、積算士の取得以降に考えるといいでしょう。
「建設業経理士」は、建設業者の経理担当者の資格ですが、建築積算士は建物の建築(新築や改修)を行う時の建築コストを見積もる技術者の資格であり、建築積算士とは仕事の内容が全く異なります。

受験資格

・試験を受ける年の4月1日現在 満17歳以上であれば、誰でも受験できます。

試験方式

学科試験(一次試験)と実技試験(二次試験)で構成されています。
この試験は、日本建築積算協会が発行する「建築積算ガイドブック」に基づいて試験が実施されます。
●学科試験(一次試験)
 出題形式:多肢択一式(4肢択一)
 試験時間:3時間/問題数50問    
※試験問題の内訳は、建築一般/15問 積算基準(一般)/15問 積算基準(計算)/10問
※合格基準:概ね6割の正答
●実技試験(二次試験)
 出題形式:筆記(計測・計算等)式
 全試験時間:計5時間30分  
1.短文記述試験 2問/1時間  問題に対する解答を短文(200字以内)で記述。
※出題範囲:「建築積算士ガイドブック」のうち第1章~第4章、第9章~第15章が対象
2.実技試験 4時間30分 問題形式 図面に基づき、数量を計測・計算。内訳明細を作成する。
 問題:躯体(コンクリート・型枠・鉄筋)鉄骨、仕上、内訳明細作成・工事費算出(以上4分野)
※出題範囲:「建築積算士ガイドブック」のうち第5章~第8章、「建築数量積算基準・同解説」、「建築工事内訳書標準書式 」
※合格基準:概ね6割の正答

※一次試験の免除対象者
・一級建築士、二級建築士及び木造建築士
・一級建築施工管理技士及び二級建築施工管理技士の合格証明書の交付を受けている人
・協会が実施する積算学校卒業生
・建築積算士補の資格保有者

試験科目

●一次試験(学科)の構成
(1)基礎知識
   建築積算の基礎となる建築一般の知識。
(2)建築数量積算の理解度
  建築数量積算基準の目的や原則に関しての理解。
また、これに基づいて建築工事費を算出するための建築数量を計測・計算し、数量調書を作成する知識及び技術。
(3)工事費に関する知識
  建築数量積算基準及び建築工事内訳書標準書式等に基づき工事費を算定する知識及び技術。
※出題範囲:建築積算士ガイドブック全章、建築数量積算基準、建築工事内訳書標準書式

●二次試験(実技)の構成
一次試験で問われた諸知識及び技術を活用し、実施図書等によって、建築工事費の積算を行うための実務処理
※出題範囲
1.1短文記述問題:建築積算士ガイドブックのうち第1章~第4章、第9章~第15章を対象とする。
2.実技試験:建築積算士ガイドブックのうち第5章~第8章、建築数量積算基準、内訳書標準書式を対象とする。問題範囲は、躯体(コンクリート、型枠、鉄筋)、鉄骨、仕上、内訳明細作成・工事費算出の4分野。

スケジュール

●試験実施
  毎年1回(一次試験:10月下旬  二次試験:翌年1月下旬)
●申込期間
  一次 6月上旬~8月下旬 二次10月上旬~12月上旬
●合格発表
  一次試験 12月上旬 
  二次試験  3月上旬

  
 2023年度建築積算士試験日程
 

試験会場

札幌・盛岡・仙台・東京・名古屋・金沢・大阪・広島・福岡・宮崎・沖縄 (全国11 会場)

受験料

・建築積算士:一次試験 27,500円(消費税含む)
       二次試験 27,500円(消費税含む)
・建築積算士補: 13,750円(消費税含む)

※登録手数料:13,200円(消費税込)※登録有効期限3年
 更新講習料/更新手数料:22,000円(協会会員は更新講習料・更新手数料は無料)

問い合わせ先

公益社団法人日本建築積算協会本部事務局  http://www.bsij.or.jp/
問合せ〒105-0014 東京都港区芝3-16-12 サンライズ三田ビル7階
電話03-3453-9591
FAX 03-3453-9597

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●試験関連情報
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