資格名

ITコーディネータ(ITC)
※Information Technology Coordinator

資格の種類

国家資格

主催者

特定非営利活動法人ITコーディネータ協会

資格試験の概要

2001年に通商産業省による国家プロジェクトの一環として「ITコーディネータ資格制度」が設けられました。「ITコーディネータ」は、経営者の立場に立って経営とITを橋渡しし、真に経営に役立つIT投資を推進、支援する専門家、もしくはその資格名のことを言います。「ITC」と略すことがあります。「ITコーディネータ資格制度」は通商産業省による国家プロジェクトの一環として設けられ、経済産業省が推進し、 ITコーディネータ協会が主催する国家資格制度です。 
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「ITコーディネータ」の資格認定のためには「ITコーディネータ試験の合格」と、当協会で実施する「ケース研修の受講・修了」という2つの要件を満足する必要があります。試験の合格と研修の修了の順番は何れが先でもかまいませんが、試験の合格および研修の修了は、取得年度を含めて4年度間有効なので、この間に両方の条件を満たし、認定申請することで「ITコーディネータ」資格が取得できます。
ITコーディネータ資格は、既に累計1万人以上の資格取得実績があり、現在は約7,000名の有資格者が、様々なフィールドで活躍しています。(2023年3月末現在)
  ➡ 新ITコーディネータ資格認定・育成制度 

ITコーディネータ の資格取得を初めて行う場合の協会からの承認が「資格の認定」となります。ITコーディネータ になるためには、「ITコーディネータ 試験の合格」と「ケース研修の受講・修了」の2つの条件をクリアし、3つ目の条件として「資格認定」を受けることが必要です。「ITコーディネータ 試験の合格」と「ケース研修の受講・修了」は、どちらが先でもいいのですが、どちらかをクリアしてから4年度以内にもう一方をクリアして認定申請まで行うことが必要です。以上2つの条件をクリア後、ITコーディネータ協会に認定登録申請を行うことで、資格の認定を受けることができます。

「ケース研修」は、経営戦略からITサービス活用にいたる、ITコーディネータの活動を、仮想企業の事例を題材にグループ討議、ロールプレイ等を通じて模擬体験するものです。資格の有効期間は4月から翌年3月までで、毎年資格更新手続きが必要になります。資格保持者には最新の経営とITに関する知識を維持するための継続的な学習と実践能力維持向上のための実務活動報告が義務づけられています。知識維持に関しては学習内容がポイント化されており、3年移動平均で30ポイントを獲得することが求められます。
※公認会計士や税理士等の資格を持っている方は「専門スキル特別認定試験」という別枠での受験が可能です。試験時間は80分。基礎問題40問と応用問題20問の合計60問の受験です。

 ➡「ITコーディネータの実践力:ITコーディネータの仕事とスキル

合格率・資格難易度

難易度
  「B」  普通  

ITコーディネータの難易度ランキング 

【資格の難易度レベル】
ITC試験の筆記試験は、出題範囲も広く、ITに関する幅広い知識を問われるため、難易度が低い試験ではありません。出題範囲は、ITスキル標準(ITSS)の「ITコーディネータ」レベル4の知識が対象です。ITSSは、IT人材の能力を7段階で定義したスキルフレームワークで、レベル4は「高度な専門知識を有し、プロジェクトや業務の全体像を把握し、課題を解決できる」レベルに位置づけられています。そのため、ITの基礎知識はもちろん、システム開発、運用、セキュリティ、経営戦略など、幅広い分野の知識を習得しておく必要があります。また、近年では、AIやIoTなど、新しい技術の進展も著しく、最新のIT動向を把握しておくことも重要です。さらに、過去問が少ないことや、合格基準が非公開なため、どの程度の勉強が必要なのかが判断しにくいことがハードルを高くしています。いづれにしても、一夜漬け的な勉強で合格できるほど簡単な試験ではないことは確かです。
SEや営業、ITコンサルなどの業務経験があり、基本情報や応用情報などの情報処理の資格を取得してる方なら、1~1.5ヶ月程度の学習量で合格が可能でしょう。

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●合格率 
 令和3年9月第44回ITコーディネータ試験結果 
応募者数252名 受験者数248名 合格者数163名 合格率65.7%

※参考データ
・令和2年9月第43回ITコーディネータ試験結果 
応募者数197名 受験者数194名 合格者数113名 合格率58.2%
・平成31年2月第39回ITコーディネータ試験結果 
応募者数263名 受験者数256名 合格者数163名 合格率63.7%
・平成29年8月第36回ITコーディネータ試験結果 
応募者数188名 受験者数181名 合格者数98名 合格率54.1%
・平成29年2月第35回ITコーディネータ試験結果 
応募者数240名 受験者数238名 合格者数173名 合格率72.7%
・平成28年8月第34回ITコーディネータ試験結果 
応募者数226名 受験者数219名 合格者数155名 合格率70.8%

受験対策・学習法ほか

「ITコーディネータ」試験は、実際のITコーディネータとしての活動場面での対応能力を問う試験であり、単に専門知識をマスターしているだけではなく、それを具体的な場面でどう活用できるかを問う内容の試験で、情報処理技術者試験と一部対象が重複していますが、試験は、情報処理技術者試験とは違う試験制度です。
情報処理技術者試験はあくまでも技術者としての試験で、その守備範囲や役割があらかじめ明確に定義されています。それに比べて、ITコーディネータは特定分野の専門家というより、技術者のスキルに加えて、経営者を経営者に近い立場からサポートする立場であるため、経営的な観点や発想を持ち合わせていることが大切になります。従って、どちらか言えば技術者というよりもアナリストやコンサルタント的な役割が重視されている点に大きな違いがあります。そのため、資格取得者の約半数が高度情報処理技術者、中小企業診断士、税理士、公認会計士などの資格を併せ持っています。



ITコーディネータ試験の勉強方法としては、
・テキストや問題集を使って、ITに関する基礎知識や応用知識を身につける。
・模擬試験や過去問を解いて、実践的な問題演習を行う。
・IT業界での実務経験がある場合は、自分の経験を振り返って、試験に出題されるような内容を整理する。ことなどがあげられます。
この資格には有効期間があり、期間は4月から翌年3月までで、毎年資格更新手続きが必要になります。資格保持者には最新の経営とITに関する知識を維持するための継続的な学習と実践能力維持向上のための実務活動報告が義務づけられています。
試験は情報処理試験よりはやさしいですが、実務経験や実践を重視したポイント制度があるため、実際にITの現場で働いている社会人でないと資格の取得と維持は難しいと思います。
また、この試験の合格に必要な勉強時間は、受験者の学習経験やITスキルによってかなり違いがありますが、基本情報技術者試験や応用情報技術者試験などのIT系資格を取得済みで、IT業界での実務経験がある場合には、1~2ヶ月程度の勉強で合格できるように思いますが、IT系の資格を取得経験ない場合や、IT業界での実務経験が少ない場合は、最低3~6ヶ月程度の勉強が必要になるでしょう。

ITコーディネータの資格取得には研修と試験に50万円以上のお金がかかり、決して安くありません。また、取得したとしても、資格維持も大変です。資格取得後も、お金を払ってセミナーを受講しポイントを得て、どうにか資格をキープしている人がかなり多いのが現状です。それでも、「ITコーディネータ」の資格は、お金だけでは表現できないものがあると言われます。今も、経済産業省推進資格にリストアップされ、企業が営業に取らせたい資格として2006年の調査以来、トップ5の上位を占め続けている常連です。

受験資格

受験に際しての制限はありません。
ITコーディネータに必要な専門知識を有していれば、誰でも受験できます。

【専門スキル特別認定試験】を受験する人
公認会計士、税理士、中小企業診断士、技術士 (経営工学部門)、技術士 (情報工学部門)、技術士 (総合技術監理部門)、経営品質協議会認定セルフアセッサー、の7つの資格のうち1つ以上の資格を保有している者は、試験において選択問題の解答が免除されます(専門スキル特別認定制度)。
※特別認定試験
問題形式:多肢選択式  問題数:60問(選択40問免除、必須60問が対象)  試験時間:80分
出題範囲:ITCに求められる共通の基本問題、ITCに求められる共通の応用問題
※他に、ITC知識試験(ポイント不足者向け知識試験)、資格失効者(ポイント取得用)知識試験の受験があります。

試験方式

試験はITコーディネータ協会がITコーディネータを認定するために実施し、ケース研修の受講終了と共に、ITコーディネータ資格認定の条件となっているものです。

ITコーディネータ試験では、受験者は試験当日の解答時に、経営戦略からIT戦略策定までの経営系の応用問題又は、情報系の応用問題、いずれか100問 を選択解答します。いづれの問題を選択するかは、試験当日の解答用紙上の選択区分マークにより判別します。

●試験方式:CBT試験方式で行われます。 
・多肢選択式/100問(必須60問、選択40問)/ 試験時間 120分
  試験は必須問題と、選択問題で構成されています。
・必須問題(60問)
  PGL全体の領域から出題される基本問題(40問)
  PGLのIT経営共通領域から出題の応用問題(20問)
・選択問題(40問)
  経営系問題(40問):経営戦略・業務改革・IT戦略
  情報系問題(40問):IT戦略・IT利活用
 ※選択は申込時に「経営系」か「情報系」を選択

【専門スキル特別認定試験】
 ・受験資格:対象資格保有者
 ・試験形式:多岐選択問題
 ・問題数:60問(必須60問)
 ・必須問題(60問):PGL全体の領域から出題される基本問題(40問)
                               PGLのIT経営共通領域から出題の応用問題(20問)
 ・試験時間:80分
 ・受験料:9,900円(税込)

【ケース研修】
期間は15日間。4日間の座学と11日間の課題演習で構成されています。座学はITコーディネータが実務を行う上での必要な知識の習得を行い、課題演習は現実の企業事例に則してITコーディネータの活動プロセスを模擬体験することで実践能力を養います。
※ケース研修内容
・オリエンテーション・修了式 1日程度 
・座学  4日程度
・課題演習 10日程度
※ケース研修修了基準
1.出席率が90%以上であること
2.座学及び課題演習に積極的に取り組むこと
3.アンケート類をすべて提出すること

◇取得方法
 ITコーディネータ試験を合格し、協会で実施するケース研修を修了しなければなりません。
※試験、ケース研修の取得の順番は問われません。試験の合格及び、ケース研修の有効期間は合格及び修了年度を含めてそれぞれ4年間です。

試験科目

◆出題範囲
●ITコーディネータ試験(全100問)

  1. 基本問題(40問)
    IT経営推進プロセスガイドライン(PGL)全体に関する基本問題(40問)
  2. 応用問題(20問)
    IT経営共通領域に関する応用問題(20問)
  3. 応用・選択問題(40問)経営系問題か情報系問題かを選択
    経営系の範囲:経営戦略プロセス・業務改革プロセス・IT戦略プロセス
    情報系の範囲:IT戦略プロセス・IT利活用プロセス
    ※試験の予約申込みを行う際に「ITコーディネータ試験(経営系)」または、「ITコーディネータ試験(情報系」を選択してください。

※試験の出題項目は、協会発行の「IT経営推進プロセスガイドライン(Ver.3.1)」(略称:PGL)に示す領域が出題項目となります。

●専門スキル特別認定試験(全60問)
※当協会が定める専門スキル特別認定制度の対象資格を保有していることが条件になります。

  1. 基本問題(40問)
    IT経営推進プロセスガイドライン(PGL)全体に関する基本問題(40問)
  2. 応用問題(20問)
    IT経営共通領域に関する応用問題(20問)

スケジュール

●試験実施 
 ・ITC試験・専門スキル特別認定試験:年2回実施されます。
        ①7月下旬~9月上旬 ②1月下旬~3月上旬 
 ・ケース研修:年2回実施されます。
       ①5~9月    ②11月上旬~翌年3月上旬
●試験の申込み:CBTS申込みサイト
※受験には、まずITコーディネータのポータルサイト「ITC+(アイティーシープラス)」に登録し、そこから受験者登録を行います。以後ITC+から教材の購入なども行えます。試験はCBT方式で行われます。
●合格発表
 ITC試験・専門スキル特別認定試験
  合否結果は試験終了時点即時。

 2023-2024年度第52回・53回・54回ITコーディネータ試験日程

試験会場

・ITC試験・専門スキル特別認定試験
 ITC試験:全国各地のCBTソリューションズ試験会場(約300ヶ所)  
 専門スキル特別認定試験:協会が指定する資格を保有する方のみが対象です。
CBTSの受験サポートサイト

・ケース研修
  東京、名古屋、大阪、福岡、沖縄  
 ※5月、11月の試験で一部異なります。

受験料

・ICT試験:19,800円(税込み)
・専門スキル特別認定試験:9,900円(税込み)
・ケース研修:220,000円(税込み)
・認定登録料:22,000円(税込み)
※ITCになるには、ケース研修の受講修了とITC試験合格が必要です。

問い合わせ先

特定非営利活動法人 ITコーディネータ協会 試験事務局  http://www.itc.or.jp/
TEL.03-3513-0630  FAX.03-3513-0638
〒162-0845 東京都新宿区市谷本村町3-21

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

通信講座・eラーニング

協会主催の試験対策コース(2日間コース)
ITコーディネータ試験 受験対策講座

通学スクール・講座

協会が案内する講座一覧

教材(過去問集)

ITコーディネータ サンプル問題

教材(テキスト・参考書)

ITコーディネータ試験対策教材

【ITコーディネータ試験 おすすめ教材】
ITコーディネータによるIT経営の戦略企画書づくり
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