資格名

衛生管理者(一種・二種)

資格の種類

国家資格(必置資格) 

主催者

(財)安全衛生技術試験協会

資格試験の概要

衛生管理者は、労働安全衛生法で定められた、労働者の健康や安全を守るための専門家です。常時50人以上の労働者を使用する事業場では、衛生管理者を1人以上選任することが義務付けられています。
●衛生管理者の主な役割
 ・作業環境の衛生管理
 ・労働者の健康管理
 ・衛生教育の実施
●衛生管理者の主な業務
 ・作業場の騒音や振動、有害物質の濃度などを測定し、労働者の健康に影響を及ぼす危険性がある場合は、改善策を講じる
 ・労働者の健康診断やストレスチェックを実施し、健康状態を把握する
 ・労働者に衛生に関する知識や技術を習得させるための教育を実施する

●衛生管理者の種類と業務
 衛生工学衛生管理者、第一種衛生管理者、第二種衛生管理者の3種類があります。
①衛生工学衛生管理者:騒音、振動、有害物質、放射線、熱など、作業環境の衛生に関する専門的な知識や技術を有する者
②第一種衛生管理者:すべての業種の衛生管理に関する業務を行うことができます。
③第二種衛生管理者:危険有害業務との関連が比較的薄い業種の衛生管理に関する業務を行うことができます。(下記参照)
※第二種 下記の業種を除く全業種に就くことができる。
農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(加工業を含む)、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、 医療業、清掃業

(参考)
総括安全衛生管理者とは、安全管理者、衛生管理者又は救護に関する技術的事項を管理する者を指揮し、安全衛生に関する業務の統括管理を行う者とされています。衛生管理者とは異なり、免許や経験はなくてもよいとされています。

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合格率・資格難易度

難易度
  一種 「C-上」   やや易の上位
  二種 「C」    やや易しい

衛生管理者の難易度ランキング 

【資格の難易度レベル】
衛生管理者資格には第一種と第二種がありますので、受検する場合は業種を限定されない第一種を受験する方が良いでしょう。第一種は第二種よりは難易度は高いですが、市販の参考書と問題集を使って独学でも十分に合格できます。ただ、第一種は、労働衛生や関係法令など、幅広い知識を問われる試験なので、ある程度の基礎知識や学習意欲がないと難しくなります。
勉強時間は、第二種で1~3ヵ月、第一種なら3~4ヵ月みておけばいいでしょう。勉強方法は過去問中心が効果的です。できれば5年分を正答率8割以上まで上げられれば一発合格も可能です。
ただ、過去の合格率は第一種で約40%、第二種で約50%です。合格率だけを見ると、決して高いわけではありませんが、それは一種試験の受験者は中小企業の経営者や、企業の幹部クラスなど知識と経験のある人が比較的多いので、それが合格率を高くしている可能性がありますので、気を許すと失敗しますので要注意です。

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合格率  

・令和3年度衛生管理者試験結果 
  ・第一種衛生管理者
    受験者数68,210名 合格者数29,113名 合格率42.7%
  ・第二種衛生管理者
    受験者数36,057名 合格者数17,922名 合格率49.7%
・令和元年度衛生管理者試験結果 
  ・第一種衛生管理者
    受験者数68,498名 合格者数32,026名 合格率46.8%
  ・第二種衛生管理者
    受験者数33,559名 合格者数18,511名 合格率55.2%
・平成30年度衛生管理者試験結果 
  ・第一種衛生管理者
    受験者数67,080名 合格者数29,631名 合格率44.2%
  ・第二種衛生管理者
    受験者数32,985名 合格者数17,271名 合格率52.4%
 平成28年度衛生管理者試験結果 
  ・第一種衛生管理者
    受験者数61,500名 合格者数28,003名 合格率45.5%
  ・第二種衛生管理者
    受験者数29,186名 合格者数16,189名 合格率55.5%
 平成27年度衛生管理者試験結果
  ・第一種衛生管理者
    受験者数55,129名 合格者数30,587名 合格率55.5%
  ・第二種衛生管理者
    受験者数25,716名 合格者数16,983名 合格率66.0%

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受験対策・学習法ほか

衛生管理者の試験内容は大きく以下の①~③にわかれています。
① 関係法令(労働基準法、労働安全衛生法)に関するもので、主に労働安全衛生法、労働基準法、作業管理測定法などを中心に出題されますので、労働衛生に関連する法令全般を学習しておく必要があります
② 労働衛生に関する内容で、主に作業環境面での環境管理や健康保持などに関する知識が必要です。特に作業管理、健康管理、健康管理体制などの勉強が要です。
③ 労働生理に関する内容で、作業環境または特定の化学物質などが人体に与える影響や、労働による疲労や過労、ストレスが人体機能に及ぼす影響などの関係です。
①~③を見ればわかるように、出題内容のほとんどが法律に基づいた専門的な内容になりますが、受験対策の中心になる試験科目は労働基準法や労働安全衛生法です。

この試験では、広く浅く覚えることが効果的な勉強になります。試験の合格ラインは各科目4割以上、全体で6割以上の正解率で合格です。各科目4割以上という基準があるため、苦手科目を作ることは厳禁です。試験も頻繁に行われていますので計画的に受験すれば早期に取得できます。特に、転職や独立を考えている方なら取得しておきたい資格です。

この試験は、基本的なところを押さえればそれほど難しくありません。独学でも合格することは十分可能ですが、資格試験の経験がない方などは、過去の試験問題やサポートの充実している通信教育の講座が合格の近道かも知れません。各都道府県の労働基準協会などが、衛生管理者資格試験対策の講習会を実施しているので、積極的に参加するといいでしょう。独学でも通信講座で勉強する場合にも、過去問をくり返し解き、間違えたところをテキストや参考書で、その都度確認して理解しながら進めましょう。数年分の問題をこなせば、まずは間違いないはずです。

企業にとって、社員の健康や職場の安全を維持するために「衛生管理者」は大切な存在ですが、まだまだ、絶対数が不足しているといわれており、今後も需要が増えていくことが予想される資格の一つです。最近の工場などでは必ず1人はこの資格を持った人が常駐しているので、定年後に再就職できる可能性もあり、取得しておいて絶対に損のない資格といえます。また、厚生労働省が認定する国家資格であるにもかかわらず、難易度が低いのも魅力の1つです。近年、衛生管理者の受験者が急増し、人気になっている理由は、試験の合格率が高く、比較的難易度も低めであること、また景気にも左右されないため就職や転職に有利であること、キャリアアップにも有望なこと、中高年の資格の保有者が数多く活躍していることなどが原因しているようです。

受験資格

●年齢制限や必要な免許などは基本的にありませんが、受験にあたり「条件」を満たす必要があります。その条件は、
・大学(旧制大学を含む)、又は高等専門学校(旧制高専を含む)を卒業した者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した者
・高等学校(旧制中学を含む)を卒業した者で、その後3年以上労働衛生の実務に従事した者
・その他労働大臣が定める者(10年以上労働衛生の実務に従事した者)つまり、最低1年以上の労働衛生実務経験を積んでいることが必要となってきます。
すなわち、この実務経験が大卒で1年、高卒で3年、それ以外で10年あれば、学歴に関係なく資格試験を受験することができます。最終学歴となる学校を卒業してから1年未満の方には、受験することができないことになります。
※ 詳しい受験資格はこちらで確認出来ます。⇒詳細
※第一種は第二種の上位免許に当たりますが、受験申請は段階を踏む必要はなく、最初から直接第1種を受けることもできます。

試験方式

学科試験
●試験方式:五肢択一のマークシート方式(第一種、二種共)
●出題数 
第一種衛生管理者
 ・労働衛生17問 
 ・関係法令17問 
 ・労働生理10問 (計44問)
第二種衛生管理者
 ・労働衛生10問 
 ・関係法令10問 
 ・労働生理10問 (計30問)
●試験時間
 第一種、第二種ともに3時間。 

試験科目

●資格種類別試験科目
・第1種衛生管理者
(合計44問/試験時間3時間※科目免除者は2時間15分 )
  労働衛生:
  有害業務に係るもの (10問)(80点) 、それ以外(7問)(70点)
  関係法令:
  有害業務に係るもの (10問)(80点) 、それ以外(7問)(70点)
  労働生理:(10問)(100点)
・第2種衛生管理者
(合計30問/試験時間3時間※科目免除者は2時間15分
  ・労働衛生:有害業務除く(10問 100点)
  ・関係法令:有害業務除く(10問 100点)
  ・労働生理:10問 100点
・特例第1種衛生管理者(試験時間2時間)
  ・労働衛生:有害業務に限る(10問 80点)
      ・関係法令:有害業務に限る(10問 80点)
※第一種衛生管理者試験での科目は大きく「労働衛生」と「関係法令」、「労働生理」に分けられ、主に法律的な分野においての広い知識と、人体構造や物 質による影響などの知識が必要になります。試験時間は3時間。
※第二種衛生管理者試験では「有害業務に関わるものを除いた労働衛生」と「有害業務に関わるものを除いた関係法令」、「労働生理」となり、試験時間は3時間となっています。既に第二種衛生管理者資格を有している人や、労働衛生コンサルタント試験合格者などは、申請により試験の一部を免除することができます。

スケジュール

●試験実施:毎月1~3回程度行なわれます。
     (実施日は各地域により異なる)
※年1回、全都道府県で出張試験も実施されます。
●受験申込:各試験日の2ヵ月前から2日前まで
●合格発表:各試験日の1週間後

令和5年度第一種/第二種衛生管理者免許試験日(令和5年4月~令和6年3月)

試験会場

・全国を7ブロックに分けた各地域の安全衛生技術センター、または近隣の公共施設(北海道・宮城・千葉・愛知・兵庫・広島・福岡)

受験料

・一種、二種共に 8,800円(非課税)

問い合わせ先

財団法人 安全衛生技術試験協会 
 http://www.exam.or.jp/
〒101-0065 
東京都千代田区西神田3-8-1 千代田ファーストビル東館9階

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