資格難易度 | ●難易度
第一種 「B」 普通
第二種 「C」 やや易
【資格の難易度レベル】
試験は、第一種、第二種ともにそれほど難易度は高くなく、しっかりと過去問題を中心とした勉強をすれば、誰でも筆記試験は合格することは可能です。技能試験は与えられた材料と持参した工具で時間内に作品を作っていく試験ですが、欠陥等がなければ合格できます。試験では慎重な作業が求められます。第1種の試験に合格しても一定期間の実務経験がないと免状を取得することができないので、資格を取得する順番としては第2種試験を受験し合格したあとに第一種試験を受験した方が良いでしょう。(第二種電気工事士の免状を取得していないと実務経験を積むことは出来ません。)難易度がよく電検Ⅲ種と比較されますが、知名度も難易度も電検Ⅲ種の方が高いです。
・第一種電気工事士試験
一種の知識レベルは高卒レベル程度で、数学の知識で言えば三角関数や指数計算ができれば問題ありません。高校生も多く合格しています。
・第二種電気工事士試験
ある程度の知識が必要な中級者向けの試験ですが、きちっと勉強することが必要です。試験レベルは、高卒程度の基礎数学があれば内容は十分理解できる範囲です。問題もよく似た問題が繰り返し出題されるため、過去問の繰り返し勉強をしておけば、比較的合格しやすいと思います。
実務経験はなくても基礎知識をある程度持っている人なら、独学で3ヵ月程度集中して勉強すれば合格できるレベルです。第二種の場合は、一般住宅の屋内配線(低圧工事です)のみを行いますので、その範囲の問題を中心に対策を立てることをお薦めします。技能試験についてもそれほど難易度は高くありませんが、試験会場に独特の雰囲気があり、別の意味で一つのハードルのようです。
・第一種と二種試験の比較
第一種と二種試験では、試験自体の内容が筆記試験・技能試験の両方で大きく変わります。
筆記試験の場合は、二種に比べて一種試験は計算問題の難易度は上がり、暗記する量も増えます。一種の計算問題は難易度が上がりますが、基本的には二種の問題の応用です。
技能試験の場合では、作業内容自体の難易度が高くなり、より難しい課題を完成させなければいけません。
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●合格率
・令和2年度第二種電気工事士試験結果(下期)
(筆記)平均合格率62.1% (受験者数104,883名 合格者数65,114名)
(技能)平均合格率72.4% (受験者数72,997名 合格者数52,868名)
※第二種の上期試験は中止
・令和元年度第一種電気工事士試験結果
(筆記) 平均合格率52.0% (受験者数30,520名 合格者数15,876名)
(技能) 平均合格率64.1% (受験者数21,162名 合格者数13,558名)
※参考データ
・令和元年度第二種電気工事士試験結果,
(筆記)平均合格率70.6% (受験者数75,066名 合格者数53,026名)
(技能)平均合格率69.4% (受験者数55,612名 合格者数38,586名)
・令和元年度第一種電気工事士試験結果
(筆記) 平均合格率54.1% (受験者数37,610名 合格者数20,350名)
(技能) 平均合格率64.7% (受験者数23,816名 合格者数15,410名)
・平成30年度第二種電気工事士試験結果,,
(筆記)平均合格率51.8% (受験者数49,188名 合格者数25,497名)
(技能)平均合格率64.8% (受験者数39,786名 合格者数25,791名)
・平成30年度第一種電気工事士試験結果
(筆記) 平均合格率40.5% (受験者数36,048名 合格者数14,598名)
(技能) 平均合格率62.8% (受験者数19,815名 合格者数12,434名)
・平成29年度第二種電気工事士試験結果,
(筆記)平均合格率61.0% (受験者数71,646名 合格者数43,724名)
(技能)平均合格率71.3% (受験者数55,660名 合格者数39,704名)
・平成29年度第二種電気工事士試験結果,
(筆記)平均合格率55.6% (受験者数40,733名 合格者数22,655名)
(技能)平均合格率63.4% (受験者数25,696名 合格者数16,282名)
・平成29年度第一種電気工事士試験結果
(筆記)平均合格率47.0% (受験者数38,427名 合格者数18,076名)
(技能) 平均合格率63.5% (受験者数24,188名 合格者数15,368名) |
受験対策・資格の将来性 | ●第一種電気工事士
二種試験とは異なり、高圧受電設備が工事範囲に含まれるため、筆記試験・技能試験の両方において高度な知識が必要になってきます。主に、「シーケンス」「保護継電器」「高圧受電設備の概要」「変圧器の結線方式」「配電方式」等が中心になります。これらの知識を既にある程度習得されている方は比較的簡単に合格できると思われます。第一種の場合は、自家用電気工作物(工場など高圧部分)の工事も行いますので、高圧関係の知識・受電設備の問題などが出題される傾向があります。筆記試験も技能試験も、ポイントを押さえた学習の準備が必要です。定員が決まっている試験ではありませんので、合格ラインさえクリアすれば全員有資格者となれます。
試験対策は、スクールもありますが、独学でも合格は十分可能です。筆記試験対策3ヶ月、技能試験対策2ヶ月の勉強をすれば合格レベルに達すると思われます。まったく初めてという場合は多少苦戦するかも知れませんが、覚えられないとか、理解できないというものではありませんので、集中できれば問題ないと思います。自信がない人は、試験対策に早めにとりかかり、苦手な項目がある場合はきちん と克服しておくことが大切です。
第一種資格が取得出来たら、電気技術主任者や電検等、他の電気関係資格も併せて取得しておくと良いでしょう。第一種資格の受験者数は多く、例年3万人以上が受験する人気の資格です。
●第二種電気工事士
第二種試験でもで必要とされるのは電気の知識と実技力です。中でもポイントは実技試験です。実技試験の試験対策は、練習の繰り返ししかありません。また、事前に最低1~2回は、時間を計って練習し完成写真と良く見比べておくことと、時間配分の感覚をつかんでおくことが重要です。
筆記試験は一種試験と同じで過去問中心の勉強になります。ただ、苦手なところはなくしておくことです。
試験対策は、筆記試験は過去問中心の勉強。技能試験は経験が浅い場合は試験の性質上、対策を考えなければならないでしょう。実技講習会に参加するのがいいですが、できない場合はDVDを見ながらの練習などが必要。また、筆記試験から技能試験までの日数が少ないため、それを考えた勉強のスケジュールを立てなければなりません。
この試験もよく似た問題が毎年出題されますので、繰り返し練習で克服できます。ただ、技能試験での問題は、筆記試験に比べ、時間的余裕がない点です。そのため、問題の主旨を的確に理解し、スピーディーに作業を進めていかなければなりませんが、本試験では、緊張感もあり、本来の実力が出し切れないで〝時間切れ…〟になることもありますので注意が必要です。いづれにしても、時間もお金もかかる試験ですが、県が開催しているキャリアアップ講習(技能試験対策)の受講はお勧めです。受講料も高くなく(6,500円)教材に書いていないテクニックなども教えてもらえます。二種試験は独学で十分合格を狙える試験ですが、初学者の場合は技能試験が合否の鍵を握っていると言ってよいでしょう。
一般住宅、ビル、工場などの配線設備工事やメンテナンスなどで電気工事士のニーズは非常に高く、給与、昇給、転職にも有利とされています。
また、電気関係の資格の中では、比較的取るのが簡単な資格であり、電気工事士から少しずつレベルアップしていき、次に 電験→エネルギー管理士→技術士へとステップアップできればベストです。
※この試験は平成18年度に試験制度の変更があり、「候補問題の事前公表」が始まりました。平成18年以降の合格率の上昇は、この制度変更が原因していると思われます。13問程度の候補問題のうちの1問が出題されるため、的を絞った学習ができるようになりました。
※この試験は、1次の筆記試験を合格すれば2次試験は翌年も受験することが出来るのですが、試験はどうしても時間をおかず、一発合格を狙わないと不利になりますので一発合格が鉄則です。
※筆記試験、技能試験ともに過去の問題からの出題が多いので過去の問題をしっかりと勉強することが大切。また、技能試験の単位作業試験では30分程度の短い時間で完成させるためにはかなりの練習が必要です。自分で材料を購入して十分に練習して試験に臨みましょう。 |