資格名

試験名:色彩検定
資格名:色彩コーディネーター

資格の種類

公的資格

主催者

社団法人全国服飾教育者連合会(A・F・T)

資格の概要

【資格の概要】
◆どんな資格?
私たちの周りにあるファッションやインテリア、食品などの色はみんな何かを伝えたり、表現しています。色彩の役割は重要で、その効果や分析結果について多くの関心が集まっています。このような色彩を趣味として楽しく学びたい人や、仕事として本格的に取り組みたい人にも、多くの受験者があるのが、色に関する知識と技能を問う試験「色彩検定」です。
創設以来、すでに20年を超える実績を誇り、年々増加する志願者数は、1990年の第1回試験以来、累計で170万人を超えています。試験の正式名称は「文部科学省後援 色彩検定」と言います。1995年度より文部科学省認定、2006年度からは同省後援の「技能検定」となりました。

◆受験級とレベルは。
色彩検定の試験級は、1級から3級までと、UC級の4種類です。
合格するとA・F・Tにより「色彩コーディネーター」の称号が与えられます。
・各試験のレベル
 UC(ユニバーサルデザイン)級:配色における注意点や改善方法を理解している。2018年冬期に新設。
 3級:色彩に関する基本的な事柄を理解している。
 2級:3級の内容に加え、基本的な事柄を理解し、技能を持っている。
 1級:2級と3級の内容に加え、色に関する事柄を十分に理解し、技能を持っている。

◆この資格試験の特徴は。
試験の特徴は、志願者が幅広い年齢層に広がっており、文部科学省後援の検定試験ということもあってか、比較的、学生が多いことや、ファッション、インテリア、グラフィック等のデザイナーから、販売、企画、事務といった職種の人達まで、一般の社会人に幅広く受け入れられてきていることです。色彩検定では色の基礎から、配色技法(色の組み合わせ方)、専門分野における利用などを幅広く学習でき、学習によって感性や経験によらない、理論の土台を身に付けることができます。色についての知識が無く基礎からしっかり学びたい方や、現在色を扱った仕事をしているが知識を整理したい方、さらなるスキルアップを目指したい方など、自分自身の現在の知識や目指すレベルに合わせて1、2、3級、UC級 のどの級からでも受検できる試験です。

◆資格の活用法やメリットは。
色彩検定を勉強すれば、色彩調和や色彩効果の専門家として、ファッションやデザインなど多彩な分野で知識を活用できますが、さらに深く学んでキャリアアップすれば、カラーコーディネーターやインテリアコーディネーターのような、専門の仕事につくための武器にすることができます。アパレルやインテリア関係の仕事以外に、飲食関係や、趣味でセンスアップしたいと思っておられる方などにもおすすめの資格です。また、洋服から、雑貨、食品など、ありとあらゆるところに色彩は使われており、配色センスと専門知識を活かし、食料品や衣料品、住宅などの各種メーカーの商品開発、広報部で、商品や広告の制作などに携われるほか、販売や営業などの接客業でもその知識は役に立ち、メリットが大きい資格です。




試験の合格率・難易度

【合格率】
◆合格ラインはどれくらい?
合格ラインは、基本的には級を問わず、満点の70%前後となっていますが、出題された問題の難易度にもよるため、必ずしも70%あれば合格すると言うことではありません。あくまでも目安と考えてください。

◆合格率の推移
・2023年度色彩検定試験結果 
  1級 志願者2,465/合格者1,021 合格率41.4%
  2級 志願者15,872/合格者11,460 合格率72.2%
  3級 志願者29,449/合格者21,822 合格率74.1%
 UC級 志願者5,091/合格者4,256 合格率83.6%
・2022年度色彩検定試験結果 
  1級 志願者2,423/合格者960 合格率39.6%
  2級 志願者16,807/合格者13,009 合格率77.4%
  3級 志願者31,452/合格者24,187 合格率76.9%
 UC級 志願者5,871/合格者5,037 合格率85.8%
・2021年度色彩検定試験結果 
  1級 志願者2,302/合格者1,213 合格率52.7%
  2級 志願者18,886/合格者14,712 合格率77.9%
  3級 志願者33,278/合格者25,557 合格率76.8%
 UC級 志願者4,901/合格者4,396 合格率89.7%
・2020年度色彩検定試験結果 
  1級 志願者1,426/合格者641 合格率45.0%
  2級 志願者9,466/合格者7,346 合格率77.6%
  3級 志願者22,498/合格者17,166 合格率76.3%
 UC級 志願者2,226/合格者1,943 合格率87.3%
・2019年度色彩検定試験結果 
  1級 志願者1,651/合格者738 合格率44.7%
  2級 志願者12,666/合格者8,537 合格率67.4%
  3級 志願者27,051/合格者20,126 合格率74.4%
 UC級 志願者29,000/合格者19,515 合格率88.6%

【難易度】
◆難易度レベルは?
  1級     「B」  普通   
  2 3級    「C」  やや易 
  UC級   「C」  やや易 
 
  色彩検定の難易度ランキング

◆試験はどこが難しいか。
色彩検定は、3級は基礎的な色彩学、2級は色彩学の基礎を発展させたレベルです。従って、1級以外は難易度はそれほど高くありません。難易度が一番高い1級は、合格率が過去は10%前後で難関試験でしたが、最近は30~40%前後と軟化しているため十分狙える資格になりました。1次試験は2級合格者なら、それほど難しくないでしょう。問題は2次試験の実技です。実際にカラーカードで色をコーディネートしていきますので、色彩学の専門知識があり配色の提案などが出来るレベルになります。これには、様々な色のシステムを変換していく作業も必要で、難易度は高いです。

◆他の試験との難易度比較
色彩検定1級>カラーコーディネータアドバンス>カラーコーディネタスタンダード≧色彩検定2級>色彩検定3級

色彩検定とカラーコーディネータを比較した場合、試験に関しては、平均的には色彩検定よりもカラーコーディネーター検定の方が難易度が高いようです。色彩検定2級と(旧)カラーコーディネーター3級が同程度の難易度と判断できます。また、(旧)カラーコーディネーター1級は、色彩検定でカラーの知識を勉強していれば、カラーコーディネーター2級・3級を取らなくても大丈夫なレベルです。

試験の内容・勉強法

【試験の内容】
◆試験ではどのような問題が出題されますか。
UC級では、色が見えるしくみや色の表し方、色覚異常による色の見え方、高齢者の色の見え方、ユニバーサルデザイン、色のユニバーサルデザインの進め方など、見え方の多様性を理解するための問題が出題されています。
3級では、協会が販売する公式テキストがそのまま試験範囲となっており、公式テキストから万遍なく出るのが出題傾向です。従って、それぞれの分野の深い知識より、広く浅い知識を身につけておくことが大事です。具体的には、「色のはたらき」や「色彩心理」、「インテリア」や「ファッション」などといった分野から出題されます。 また「色」の表し方や混色理論などの基礎知識や、色彩体系である「PCCS」についての理解しも必要です。
2級では、公式の教材の「色彩検定公式テキスト2級編」から、特にどの分野がということなく、全編にわたり内容を網羅して理解しておく必要があります。試験内容としては、3級の内容を踏まえた上で、さらに広い分野で色彩にまつわる知識と技能が問われます。出題形式は大部分がマークシート方式でありますが、単に用語を理解するだけではなく、実際の配色を見て回答する練習が必要です。
1級は、1次試験では2.3級と同じく「出題範囲=1級公式テキストの内容」で、例年 公式テキストから全体に万遍なく出題されています。1次試験では、2.3級対策と同じく公式テキストを読み、問題集で問題を解く方法です。
二次試験では一部実技試験があります。実技試験の内容は、配布されたカラーカードを正しい位置に切って貼るというものです。

◆合格のために習得が必要な知識や、重要な科目とは。
3級:
色彩心理、PCCS、色の表示、色の相性、色の作り方など、ほとんど基本的な知識ばかりです。
2級:
3級よりは、やや応用的な内容が多くなってますが、特にどの分野がということなく、全編にわたり内容を網羅して出題され、内容を本当に理解しているかどうかが問われる出題内容です。
1級:
1級1次試験では、2級と3級の内容をベースに、さらに多くの知識と技能が必要とされますが、1次試験に関しては、出題範囲=1級公式テキストの内容から全体的に万遍なく出題が行われています。
1級2次試験での出題では、PCCSの基礎知識、JISの物体色の慣用色名、配色用語、色相の分類、トーンのイメージ、マンセル値の表記方法、配色の技法、配色イメージ、景観色彩、XYZ表色系、インテリアスタイルなど。
1~3級のテキスト全体を試験範囲として出題されると考えたらいいでしょう。





【勉強方法】

◆効果的な勉強の方法とは。
色彩検定の勉強方法としては、大きく分けて①独学 ②スクール ③通信教育の3つがあります。②や③を活用する場合は、学校によってカリキュラムや費用が違いますので、十分に調べて自分に合ったところを選択することが大切です。2級や3級の受験対策で、協会監修の各級の「公式テキスト」や「過去問集」は①独学でも十分合格できます。将来は、2級や1級を目指す人で、3級の基礎知識をしっかり勉強しておきたい人は、協会主催の通信講座「文部科学省認定 たのしく学ぶ 色彩講座 初級コース」などもいいでしょう。
1級も勉強時間を十分確保し、計画的に進めれる環境で学習できれば、十分独学で合格できます。公式テキストを見て理解しがら問題集を繰り返し解く方法がベスト。ただ、1級には2次試験があるため2級や3級よりも独学のハードルは高くなり、制限時間もあるため、作業に慣れておくことも大切になります。学習期間が長くなるのでモチベーション維持に自信がない人は、通信講座をお勧めします。
どの級にも言えることですが、なるべく苦手項目を作らないように考えながら過去問とテキストを駆使し、理解しながら問題をこなすとよいでしょう。また、資格取得後にもその習得した知識を生かして専門的な道に進もうと考える人は、時間とお金の余裕があれば、専門学校や通信講座などで勉強することをお薦めします。

◆独学による勉強時間は。
3級:勉強時間1~1.5ヵ月  3級公式テキスト活用
2級:勉強時間2~2.5ヵ月(3級取得者の場合)  2級・3級公式テキスト活用
1級:勉強時間2.5~3.5ヵ月(150~180時間) 公式テキスト・過去問活用
UC級:勉強時間1ヵ月前後 公式テキスト活用

◆「色彩検定」と「カラーコーディネータ」の違いとは。
色彩検定は文部省の資格、正式名称は『文部科学省後援 色彩検定』といいます。そしてカラーコーディネーターは東商の資格です。
試験内容の違いは、一言で言えば、AFTの色彩検定の場合は実践面重視、特に配色に重点が置かれています。東商のカラーコーディネーター検定は、用語の意味や使い分けを正しく理解することなど、基本知識重視型の試験です。試験で問われること自体はあまり変わりません。
2005年に色彩検定がやや大幅なテキスト改訂を行ない、色彩検定とカラーコーディネーターの資格の内容が近づき、勉強する理論においては重なる部分が増えました。ところが、両者で使用するカラーカードが違うので、色の表記法が全く違っています。
両方とも勉強したいと思う方には、 色彩検定の3級~2級をまず勉強されることをお勧めします。カラーコーディネーターより、色彩検定のほうが、試験対策の本や、学校・講座などもたくさんあるので、自分に向いた勉強法が選びやすいはずです。また、東商のカラーコーディネートのテキストには数字などが多く出てくるので、苦手感覚を持たれる方がおられるかも知れません。
いづれにしても、履歴書に書いて力を発揮できるのは、どちらの検定も2級以上です。

試験日程

【試験実施計画】
色彩検定は夏期検定(6月)と冬期検定(11月)の年2回実施されており、1級は冬期のみの開催です。

試験実施
 UC・3級・2級:6月下旬、11月上旬
 1級1次:11月上旬 1級2次:12月中旬   
受験申込
 4月上旬~5月下旬、8月上旬~10月中旬
合格発表
試験1ヶ月後程度でHPに公開されます。
 1級1次:12月下旬 1級2次:1月下旬
 UC・3級・2級:7月下旬、12月下旬 


【次回の試験日程・申込期限】
 
2024年度夏期・冬期 色彩検定試験日程
(夏期検定) 試験日:6月23日(日)
      実施級:2級,3級,UC級

受験資格

学歴、年齢、性別、国籍などに制限はありません。誰でも、何級からでも受験できます。

 1級と2級、または、2級と3級の併願受験も可能
 1級1次試験免除システム
※1級1次試験に合格し、2次試験に不合格になった場合、又は2次試験を欠席した場合は、その後2年間(2回)に限り1次試験が免除になり、2次試験の結果のみで合否が決定されます。
但し、その場合でも新たに受験申込みが必要となります。

試験会場

・UC、3級、2級、1級1次試験
  北海道から沖縄までの全国11エリア
  (北海道、東北、関東、甲信越、北陸、東海、近畿、中国、四国、九州、沖縄)
・1級 2次試験
  札幌市・仙台市・東京23区・金沢市・名古屋市・大阪市・広島市・福岡市の8エリア

※受検会場の詳細は、申込み後、受検票に記載されます。

受験費用

1級 15,000円(各税込)  
2級 10,000円  
3級   7,000円
UC級 6,000円

※1級と2級、2級と3級の併願もできます。

試験方式

・1級
 1次試験 マークシート方式(一部記述式) 試験時間80分  
 2次試験 記述式(一部実技) 試験時間90分
※1次試験合格者は以降2年間に限り、再受験の際には1次試験が免除されます。全級で併願も可能。
・2級
 マークシート方式(一部記述式)/試験時間70分
・3級
 マークシート方式/試験時間60分 
・UC級
 マークシート方式(一部記述式)/試験時間60分

合格基準
各級満点の70%前後。問題の難易度により多少変動します。

試験科目

・UC級(配色における注意点や改善方法の理解が必要)
 色のユニバーサルデザイン、色が見えるしくみ、色の表し方、色覚のタイプによる色の見え方、高齢者の見え方、色のUDの進め方など。
・3級 (基本的な事柄の理解が必要)
 色のはたらき・光と色・色の表示・色彩心理・インテリア・色彩調和・配色イメージ・ファッション・慣用色名
・2級 (基本的な事柄の理解と技能が必要)
 色のユニバーサルデザイン・光と色・色の表示・色彩心理・色彩調和・配色イメージ・ビジュアル・ファッション・インテリア・景観色彩・慣用色名
・1級 (十分な理解と技能が必要)
 色彩と文化・色彩調和論・光と色・色の表示・測色・色彩心理・色彩とビジネス・ファッション・慣用色名

試験関連情報

●試験関連情報
「色彩」に関する資格は3種類あります。1つは、この「色彩検定」で、全国服飾教育者連合会(AFT)主催で文部科学省後援の検定試験。もう一つは、「カラーコーディネーター検定試験」で、これは東京商工会議所主催(東商)です。3つめは、全国美術デザイン教育振興会主催の「色彩士」という資格です。その中でも、「色彩検定」は2006年度には文部科学省後援の技能検定となりました。

●関連資格
 カラーコーディネーター検定
 インテリアコーディネーター

問い合わせ先

公益社団法人 色彩検定協会  http://www.aft.or.jp/index.htm
〒100-0011 東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテル本館6F  TEL03(5510)3737  

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教材(テキスト・参考書)

色彩検定試験対策教材一覧

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A・F・T色彩検定公式テキスト3級編
A・F・T 色彩検定公式テキスト2級編
A・F・T 色彩検定公式テキスト1級編
色彩検定 公式テキスト UC級

教材(過去問・問題集)

色彩検定 過去問題集1級
色彩検定 過去問題集2級
色彩検定 過去問題集3級
色彩検定 過去問題集UC級

講座・スクール

ヒューマンアカデミーの色彩検定2・3級講座