試験の合格率・難易度 | ●難易度
2級 「B」 普通
3級 「C」 やや易
【資格の難易度レベル】
この検定試験、第1回、第2回は比較的易しかったですが、第3回から難易度が非常に高くなり、今後もこのレベルで推移すると思われます。2級、3級の試験対策はテキスト利用の独学で十分取得できるレベルです。この試験の受験対策で スクール行ってる人はほとんどいないでしょう。ビジネス会計検定2級試験は、財務諸表を完成させることに時間が取られる試験です。その結果、肝心な総合問題で時間が足りなくなります。対策は、時間を計りながら総合問題を公式問題集で何度も繰り返してやっておくことです。
・3級
難易度は、簿記検定より少し易しい程度です。簿記の知識がある人や、日頃から数字を扱っている人には有利になります。簿記の勉強を始めた人にはもってこいの試験と言えます。
・2級
簡単に解ける問題はは少なく、簿記や会計の知識がないと難易度が高くなり苦しいでしょう。2級の難易度レベルは簿記検定とそれほど変らないと考えてよいでしょう。
・1級
ハードルが高いのは「論述問題」で、試験の合否の鍵をにぎります。難易度も高く、さらにボリュームがあるため、試験の時間配分や時間管理も含め、論述能力がかなり重要になります。
試験の難易度は 公認会計士(短答)> ビジネス会計1級 ≧ 中小企業診断士(財務) といったところに思われます。このビジネス会計検定試験は、人気が年々高まり、年々難易度も高くなってきています。
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●合格率
ビジネス会計検定第29回試験(2021年10月)結果
2級 受験者数1,948名 合格者数1,014名 合格率52.1%
3級 受験者数4,160名 合格者数2,866名 合格率68.9%
※参考データ
・ビジネス会計検定第27回試験(2020年10月)結果
2級 受験者数1,774名 合格者数822名 合格率46.3%
3級 受験者数3,937名 合格者数2,774名 合格率70.5%
・ビジネス会計検定第24回試験(2019年3月)結果
1級 受験者数211名 合格者数62名 合格率29.4%
2級 受験者数1,858名 合格者数892名 合格率48.0%
3級 受験者数3,859名 合格者数2,408名 合格率62.4%
・ビジネス会計検定第20回試験(2017年3月)結果
1級 受験者数205名 合格者数33名 合格率16.1%
2級 受験者数1,498名 合格者数747名 合格率49.9%
3級 受験者数3,422名 合格者数2,235名 合格率65.3%
・ビジネス会計検定第19回試験(2016年9月)結果
2級 受験者数1,390名 合格者数482名 合格率35.4%
3級 受験者数3,222名 合格者数1705名 合格率52.9% |
試験の内容・勉強法 | この検定試験は、財務諸表に関する知識や分析力を問うもので、財務諸表が表す数値を理解し、ビジネスに役立てていくことに重点を置いた試験であるため、簿記とは性質を異にします。そのため、簿記の特別詳しい知識は持っていなくとも致命的ではありませんが、 合格のためには、最低限の基本的な簿記の知識は必要なので、スムーズに学習を行うためには簿記検定の3級~2級レベルの知識があれば尚良いでしょう。
・3級
3級は公式テキストからの出題が多いので、学習に特別な方法は必要ありません。徹底的にテキスト中心の学習が効果的です。公式テキストに目を通し、財務諸表分析の練習問題の解く練習をしておくことが必要です。公式テキストは分かりやすく書かれており、練習問題も豊富なので、これをきちんと勉強すれば合格点を獲得できます
・2級
2級の学習方法も基本的には3級と同じで公式テキスト中心の学習でOKですが、出題にはオリジナル問題も多く、公式テキストだけの勉強で合格は無理です。試験方式もマークシート式ですが、基本的には会計知識全般をビジネスの活用レベルで問う内容なので、簡単に解ける問題はありません。
・1級
論述で足切りにならないように、戦術的にはマークシート問題で稼いで、論述で足切りを食わない線まで点数を取る、という方法になります。特に1級はまだ過去問もほとんどないため、予想問題集を活用することしかありません。傾向的には、マークシート問題は、計算問題もありますが制度が重点的に聞かれます。論述では財務指標に関する問題が多いように思います。
このビジネス会計検定試験は、基本的には、簿記を知らない学生や新入社員向けかもしれませんが、難易度的には、現在のところは3級は日商簿記の3級と、2級は日商簿記2級とほぼ同ランクか、やや少し易しめの難易度と考えていいでしょう。従って、両方の資格を取得したい方には、これから数年がダブルライセンス取得のチャンスかもしれません。
また、日商簿記検定とは相関関係があるため、これら2つの検定試験に合格し、活用することで、より実践的な会計リテラシーを身につけることが可能となります。
就職対策にも、この検定試験合格は有効ですが、履歴書に書くには最低2級は欲しいところです。
「販売士検定試験」の試験範囲で一般的に受験生が最も苦手とする項目のひとつに会計がありますが、一方で、このビジネス会計検定試験では財務分析だけでなく、企業会計原則に関する知識も得ることができるため、 販売士の会計問題に最も対応している検定試験と言えます。
そういうことから、簿記検定試験と併せて受験すると一層効果を発揮することができると思われます。 |
試験科目 | ●1級
目標:企業の成長性や課題、経営方針・戦略などを理解・判断するため、財務諸表を含む会計情報を総合的かつ詳細に分析し企業評価できる力を身につけます。
出題範囲
1.会計情報に関する総合的な知識
・ディスクロージャー
(会社法上のディスクロージャー、金融商品取引法上のディスクロージャー、証券取引所のディスクロージャー、インベスター・リレーションズ(IR)、ディスクロージャーの電子化)
・財務諸表と計算書類
(財務諸表の体系、連結損益計算書・連結貸借対照表・連結キャッシュ・フロー計算書・連結株主資本等変動計算書の内容、連結附属明細表と連結注記表、四半期財務諸表の体系と内容)
・財務諸表項目の要点
(金融資産、棚卸資産、固定資産と減損、繰延資産と研究開発費、金融負債、引当金と退職給付、純資産、外貨換算、リース会計、税効果、企業結合・事業分離、中小企業の会計に関する指針)
・財務諸表の作成原理
(概念フレームワーク、会計基準、内部統制)
2.財務諸表を含む会計情報のより高度な分析
・財務諸表分析
(財務諸表分析の方法、収益性の分析、生産性の分析、安全性の分析、不確実性の分析、成長性の分析)
・企業価値分析
(企業価値評価の意義と基本的な考え方、割引キャッシュ・フロー法による企業価値評価、資本コスト、エコノミック・プロフィット法による企業価値評価、乗数アプローチによる企業評価)
●2級
目標:企業の経営戦略や事業戦略を理解するため、財務諸表を分析する力を身につけます。
出題範囲
1.財務諸表の構造や読み方、財務諸表を取り巻く諸法令に関する知識
・会計の意義と制度 ・連結財務諸表の構造と読み方
2.財務諸表の応用的な分析
・基本分析 ・安全性の分析 ・収益性の分析 ・キャッシュ・フローの分析 ・連単倍率 ・損益分岐点分析
・1株当たり分析 ・1人当たり分析
●3級
目標:会計の用語、財務諸表の構造・読み方・分析等、財務諸表を理解するための基礎的な力を身につけること。
出題範囲
1.財務諸表の構造や読み方に関する基礎知識
・財務諸表とは ・貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書の構造と読み方
2.財務諸表の基本的な分析
・基本分析 ・成長率および伸び率の分析 ・安全性の分析 ・収益性の分析 ・1株当たり分析 ・1人当たり分析 |