資格名

診療情報管理士
(英名)Health Information Manager(HIM)

資格の種類

民間資格

主催者

一般社団法人 日本病院会

資格試験の概要

「診療情報管理士」は、日本病院会通信教育および日本病院会認定専門学校、大学にて統一されたカリキュラムで養成されている、四病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)および医療研修推進財団の共同で認定される資格です。
1972(昭和47)年から日本病院会が、基礎課程・専門課程各1年(計2年)の通信教育により、診療録管理士の養成を開始して以来、令和4年時点では資格認定者総数 43,000名を超えるまでになりました。尚、診療情報管理士の通信教育では、授業と自習時間を合わせて約480時間が必要となっています。

診療情報管理士は、主に医療機関での患者の診療情報を基にした人の健康(health)に関する情報を収集・管理し、様々なニーズに適した情報を選択し提供する専門職です、資格所有者は医療の安全管理や病院の経営管理に寄与する高い専門性とスキルを必要とする職種として活躍しています。

平成8年に資格名称を診療情報管理士に変更し、四病院団体協議会【(一社)日本病院会、(公社)全日本病院協会、(一社)日本医療法人協会、(公社)日本精神科病院協会】および(公財)医療研修推進財団で資格の認定を行っています。




合格率・資格難易度

難易度
  「C-上」  やや易の上位   

【資格の難易度レベル】
通信教育に比べ、専門学校生の合格率が高く65~70%。通信教育の合格率は40%までいきません。平均で合格率が50%前後の試験です。試験自体はそれほど難しい試験ではないのですが、難易度が高い試験と言われます。その理由は、誰でも受験できる試験でなく、この試験の受験者は日本病院会実施の診療情報管理士通信教育の修了生、または指定の大学・専門学校で必要な単位を修得した人のみであります。受験科目を2年あるいは3年課程で勉強した人のうちで合格者は平均50%と考えると、難易度の高い試験であると言えます。さらに、この試験には過去問も、試験対策アプリもありませんので試験対策は模擬試験を解くことで実際の試験を想定した勉強をすることが大切です。そして、あとはもっぱら「おぼえる」しかない試験です。こういう状況が、この試験の難易度をさらに高くしているように思います。結局、記憶力が結果を左右する試験になっています。

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合格率

 2023年第16回 診療情報管理士認定試験結果 
  受験者総数2,457名 合格者数1,622名 合格率66.0%
・2021年第14回 診療情報管理士認定試験結果 
  受験者総数2,800名 合格者数1,748名 合格率62.4%
・2020年第13回 診療情報管理士認定試験結果 
  受験者総数3,169名 合格者数1,961名 合格率61.9%
・2019年第12回 診療情報管理士認定試験結果 
  受験者総数3,044名 合格者数1,594名 合格率52.4%
・平成29年度第11回診療情報管理士認定試験結果 
  受験者総数3,868名 合格者数2,564名 合格率66.3%
・平成28年度第10回診療情報管理士認定試験結果
  受験者総数3,775名 合格者数1,678名 合格率44.5%
・平成27年度第9回診療情報管理士認定試験結果
  受験者総数3,992名 合格者数2,118名 合格率53.1%

受験対策・学習法ほか

診療情報管理士の試験問題は、基礎分野と専門分野の2つの分野から出題され、基礎分野では「臨床医学総論」や「臨床医学各論Ⅰ」など臨床医学に関する科目が多く、専門分野では医療管理や診療情報管理に関する科目が多いことが特徴です。出題範囲が広く専門性も高いため、受検対策は、基礎分野では基礎的な医学知識、医学用語の暗記や各理論を応用できるようにしておく必要があります。また、専門分野では病院の管理や医療保険・介護保険制度について、統計理論について、診療情報管理士の実務などを重点にした勉強が必要です。
分類法では、コーディングについては、問題集を何度も解いて、問題パターンを身につけておくといいと思います。診療科に合わせて病態を選択したり、病名を選んだりするなど、診療情報管理士の実務に近い試験内容になります。コードについては手書きで記載します。

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診療情報管理士は、諸外国ではHealth Information Manager(HIM)と呼ばれ、近年、多くの国々でも育成が進んでいます。わが国においても、医療機関におけるデータ管理と活用は必須のものとなっており、管理しているカルテの情報からデータを分析して、病院経営や質を向上させるのが主な仕事の診療情報管理士は、今後のさらなる活躍が期待される仕事になることは間違いありません。また、仕事の性質上、診療情報管理士にはパソコンが使いこなせることから、病院内の業務では、より専門性の高い知識とスキルが求められます。診療情報管理士は将来性が高く、継続的な求人が見込まれるでしょう。
また、今後は国民の健康情報はさらに多くの情報管理が行われ活用も拡大する方向にあるため、日本診療情報管理学会では診療情報管理士を対象に、さらにレベルアップした人材「診療情報管理士指導者」の認定を行っています。

受験資格

●日本病院会が開講している「診療情報管理士通信教育」を修了した者か、日本病院会の指定校である大学や専門学校で指定単位を取得し、修了した者のみが受験できることになっています。
※受験できる人
(1)大学、専門学校で3年以上指定の学位を修得すると認定試験の受験資格が得られます。
(2)指定校以外の大学、短大、専門学校を卒業後、一般社団法人日本病院会が主催する「診療情報管理士通信教育」を2年間受講しても、認定試験の受験資格が得られます。

※「診療情報管理士通信教育」受講資格
・受講資格:一般の受講資格(基礎課程から受講)
原則として2年制以上の短期大学または専門学校卒以上の学歴を有する者。 ただし、現在、病院に勤務している者は、当分の間、高卒者でもよい。 このうち一部病院勤務者でない者は病院実習を必要とする場合がある。
・修業期間:基礎課程1年、専門課程1年で計2年。 受講期間は通算6年とする。
・受講料:2年間 200,000円(消費税込)(専門課程編入は100,000円)
   半期延長料(半年)は10,000円。

専門課程への編入できる資格
医師、歯科医師、看護師(保健師、助産師)、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、歯科衛生士、歯科技工士、臨床工学技士、義肢装具士、救急救命士、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師

試験方式

(1)基礎分野
 多肢選択方式(マークシート方式)/100点満点
 50問/60分
(2)専門分野1~7章:
 多肢選択方式(マークシート方式)/100点満点
 50問/60分
(3)専門分野8~12章
 多肢選択方式(マークシート方式)/100点満点
 記述式・一部多肢選択式/90分

※基礎分野の試験免除
医師、歯科医師、看護師(保健師、助産師)、薬剤師、診療放射線技師、臨床検査
技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、言語聴覚士、歯科衛生士、歯科技工
士、臨床工学技士、義肢装具士、救急救命士、あんまマッサージ指圧師、はり師、
きゅう師、柔道整復師は、その申請により基礎分野の試験が免除されます。



試験科目

(1)基礎分野(1~7 章)
・科目:医療概論人体構造・機能論、臨床医学総論、医学用語
(2)専門分野(8~12 章)
・科目:医療管理総論、医療情報学、医療統計学、診療情報管理論、国際疾病分類概論
(3)分類法
・科目:臨床医学の知識、診療情報管理の知識、コーディングの知識など

※試験の時間割
13:00 試験について注意事項
13:10~14:10 基礎分野
14:40  試験について注意事項
14:50~16:20 専門分野 1~11 章
16:40~17:00 専門分野 12 章
(注)専門分野 12 章は ICD-10 内容例示表簡易版(2013 年版)もしくは ICD-10 内容例
示表(2003 年版または 2013 年版)のいずれか 1 冊を持ち込みで行われます。

スケジュール

●試験実施:毎年7月・1月(年2回) (通信教育)認定試験2月
●受付:(通信教育)開講日の約1カ月前まで
合格発表:通信教育を修了し、認定試験に合格後

 

 2023年度 診療情報管理士通信教育受講生募集
※診療情報管理士認定試験は、毎年3月に実施されます。

試験会場

北海道、宮城、栃木、東京、神奈川、新潟、長野、愛知、三重、大阪、岡山、広島、高知、福岡、熊本、鹿児島、沖縄(17 会場)

受験料

10,000 円(税込)
※認定料 30,000 円(税込)

問い合わせ先

一般社団法人日本病院会 診療情報管理士認定試験係
〒102-8414 東京都千代田区三番町 9-15
TEL:03-5215-6647 FAX:03-5215-6648
受付時間は、午前9時から午後5時まで(土日、祝祭日を除く)

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

通信講座・eラーニング

主催者が実施する診療情報管理士通信教育

通学スクール・講座

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教材(過去問集)

「これでわかる!診療情報管理士の実務Q&A」

教材(テキスト・参考書)

診療情報管理士試験対策教材一覧

【診療情報管理士 おすすめ教材】
「診療情報管理パーフェクトガイド:資格取得からICDコーディング,統計,DPCデータ活用まで」
「診療情報管理士のためのやさしい医療統計学」

関連情報

●試験関連情報

●関連資格
 医事コンピュータ技能検定試験
 医療秘書技能検定