資格名

システムアーキテクト
Systems Architect Examination

資格の種類

国家資格

主催

独立行政法人情報処理推進機構(IPA)

資格の概要

経済産業省が認定する、システムエンジニアを対象とした国家試験。この試験は旧試験制度のアプリケーションエンジニア試験の後継資格で、主に対象業務の分析から始まる一連の作業に係わるシステムエンジニアが対象とされる試験です。必要とされている情報システムのグランドデザインを設計し完成させる能力が求められます。試験のレベルは、前身のアプリケーションエンジニア試験とほとんど変わらない、とされていますが、内容面では情報システムの構造設計及び、対象とする情報システムのシステム方式設計分野が重視され、選択問題として組込みシステムのアーキテクチャ設計が追加されました。

ITストラテジストからの提案を受け、情報システム・組込みシステムの開発に必要な要件を定義し、それを実現するためのアーキテクチャの設計、開発の主導を行います。上級エンジニアとしての実力を測るひとつの指標となるため、合格すれば自分の実力の証明書代わりになる資格です。
この試験が位置づけられているスキルレベル4は、高度IT人材として確立した専門分野を持ち主導する者を対象とした、情報処理技術者試験の中でも最も難易度の高いものとなっています。試験の合格者には、経済産業大臣署名の合格証書が交付されます。

試験方式

試験は「午前Ⅰ・午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ」の4つのパートに分けられています。
【午前試験Ⅰ】
・出題形式:多肢選択式(四肢択一)
・出題数/時間:30問/50分
・合格基準:100点満点中の60点以上
※基準点に達しない場合、午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ試験の採点は行われず、不合格となります。
【午前試験Ⅱ】
・出題形式:多肢選択式(四肢択一)
・出題数/時間:25問/40分
・合格基準:100点満点中の60点以上
※基準点に達しない場合、午前Ⅱ・午後Ⅰ・午後Ⅱ試験の採点は行われず、不合格となります。
【午後試験Ⅰ】
・出題形式:記述式
・出題数/時間:4問中2問解答/90分
※大問1つにつき数問の設問が出題され、それぞれ20字~50字程度で解答します。
・合格基準:100点満点中の60点以上
※基準点の60点に満たない場合は、午後試験Ⅱの採点は行われず、不合格となります。
【午後試験Ⅱ】
・出題形式:論述課題形式
・出題数/時間:3問中1問解答/120分
※※大問3問のうち1問を選択し解答します。大問1つにつき数問の設問が出題され、それぞれ600字~1600字程度で解答します。
・合格基準:評価ランクがA~Dのうち、Aを取得すれば合格

●評価方法
設問で要求した項目の充足度、論述の具体性、内容の妥当性、論理の一貫性、見識に基づく主張、洞察力・行動力、独創性・先見性、表現力・文章作成能力などを評価の視点として、論述の内容を評価します。また、問題冊子で示す「解答に当たっての指示」に従わない場合は、論述の内容にかかわらず、その程度によって評価を下げることがあります。

●合否基準
・午前Ⅰ/午前Ⅱ/午後Ⅰ  満点の60%以上
・午後Ⅱ 論述においてはAからDの評価を受けランクAを取らねばならない。
※合否は総合点ではなく、いずれの試験でも合格点に達していなければならない。また午前の試験で、合格基準点に達していない場合は、午後の試験を採点を受けられずに不合格となる。

受験資格

学歴・年齢・性別・国籍による制限はありません。誰でも受験できます。

試験科目

●午前試験:「知識」を問う試験で、午前試験Ⅰ・Ⅱの2種類があります。

【午前試験Ⅰ】
各高度試験の共通問題で、各高度資格に必要な共通知識が問われます。
技術レベルは応用情報技術者試験の午前試験と同程度とされています。テクノロジ系(IT技術)、マネジメント系、ストラテジ系の3分野から幅広く出題されます。
・テクノロジ系(基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、開発技術)
・マネジメント系(プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント)
・ストラテジ系(システム戦略、経営戦略、企業と法務)
【午前試験Ⅱ】
システムアーキテクトの専門に特化した、応用的知識レベルまたは高度知識レベルの問題が出題されます。試験問題は、以下の2分野から出題されます。
1.テクノロジ系(コンピュータ構成要素、システム構成要素、データベース、ネットワーク、セキュリティ、システム開発技術、ソフトウェア開発管理技術)
2.ストラテジ系(システム戦略、システム企画)
特に、テクノロジ系の「システム開発技術」と、ストラテジ系の「システム企画」は重点分野とされています。
【午後試験Ⅰ・Ⅱ】(午後Ⅰ:記述式 午後Ⅱ:論述式)
午後の試験は「技能」試験で出題範囲はⅠ・Ⅱ試験共通で、2分野に分かれます。

<情報システム分野>
1.契約・合意に関すること
2.企画に関すること
3.要件定義に関すること
4.開発に関すること
5.運用・保守に関すること
6.関連知識(構成管理、品質保証、監査、関連法規など)
 <組込みシステム・IOTを利用したシステム>
1.機能要件の分析、機能仕様の決定に関すること
2.機能仕様を満足させるシステムアーキテクチャ及びハードウェアとソフトウェアの要求仕様の決定に関すること
3.対象とするシステムに応じた開発手法の決定に関すること
4.汎用的モジュールの利用に関すること

※科目の免除
1.応用情報技術者試験合格者
2.いずれかの高度試験合格者
3.いずれかの高度試験の午前Ⅰ試験で基準点以上を得点
1~3のいずれかの条件を満たすことで、午前1試験の免除が受けられる。

※上記の高度試験とは、ITストラテジスト試験(春期)、システムアーキテクト試験(春期)、プロジェクトマネージャ試験(秋期)、ネットワークスペシャリスト試験(春期)、データベーススペシャリスト試験(秋期)、エンベデッドシステムスペシャリスト試験(秋期)、ITサービスマネージャ試験(春期)、システム監査技術者試験(秋期)、情報処理安全確保支援士(春期)(秋期)、を言います。

スケジュール

・試験日:年1回、春期(4月第3日曜日)に実施されます。
・申込期間:1月下旬~2月下旬(インターネット) 1月下旬~2月中旬(郵送)
・申込み:インターネットか郵送で申し込む。
・合格発表:6月下旬

 令和4年度 情報処理技術者試験試験日程   
    (システムアーキテクト)春期4月

試験会場

・(全国主要都市)各都道府県に1箇所以上設けられています。
※受験を希望する試験地を出願時に記入、受験者の郵便番号から試験会場(大学等)が割り振られます。

受験料

7,500円(税込み)

 

資格難易度

難易度 
  A  「難関」

【資格の難易度レベル】
スキルレベル4にあたる高度情報処理技術者資格という位置付けになる試験では、対象業務の分析、基本設計、詳細設計、プログラミング、テストという一連の作業が可能かどうかが問われるため、基本的にはスキルレベル3までの試験に合格する能力を持つ人でなくては、合格はかなり難しいでしょう。このシステムアーキテクト試験のレベルも、従来のアプリケーションエンジニア試験とほぼ同じと言われていますが、その内容はかなり高度な技術と知識、経験を問われるものになっています。従って、受験者の多くがシステムアーキテクト試験の下位区分とされるスキルレベル3の応用情報技術者試験や、スキルレベル2の基本情報技術者試験に合格できるほどの実力者のため、難易度は高めに設定されています。さらに、類似している他のスペシャリスト試験と違い記述形式の問題が設けられていることが難易度を高くしている要因でもあります。
従って、この試験分野に関する、ある程度の基礎知識と実務経験による知識がないと、合格はかなり厳しい上級者向け試験になります。実務経験5年程度で知識があっても、独学で最低2ヵ月間以上は集中して勉強しなければ合格できないレベルの試験になります。

受験者や合格者の平均年齢は35歳前後であり、入社間もない人や経験が浅い人、社会人経験のない学生などが取得するのはすこし無理があると思います。社会人経験をある程度積み、スキルを身につけ、キャリアを積んで初めてチャレンジできる試験だと考えていいでしょう。また、試験の対象者像から考えても、IT系の仕事に携わっていない人には取得することがかなり困難な資格であることは間違いありません。

(参考) 情報処理技術者試験の難易度

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●合格率  
令和3年度秋期システムアーキテクト試験結果
合格率 16.5% 応募者総数 5,447名  受験者数3,433名  合格者数567名

※参考データ
・令和元年度秋期システムアーキテクト試験結果
合格率 15.3% 応募者総数 8,341名  受験者数5,217名  合格者数798名
・平成30年度秋期システムアーキテクト試験結果
 合格率 12.6% 応募者総数 9,105名  受験者数5,832名  合格者数736名
・平成29年度秋期システムアーキテクト試験結果
 合格率 12.7% 応募者総数 8,678名 受験者数5,539名  合格者数703名
・平成28年度秋期システムアーキテクト試験結果
 合格率 13.9% 応募者総数 8,157名 受験者数5,363名  合格者数748名

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受験対策・資格の将来性

午前試験Ⅰでは過去問から多くの問題が出題されていますので、勉強方法は過去問中心の学習が有効なので、少なくても3年分くらいはこなしておく必要があります。反射的に答えられるくらいに過去問をやっておくとベストですが、出題範囲が応用情報技術者試験と近いので時間があれば応用情報技術者試験の過去問を解くこともおすすめです。システムアーキテクト試験では、たとえば午前Ⅰの点数が良くなかったから午前Ⅱでカバーしようということができません。午前Ⅰの時点で合格基準に達してない場合、午前Ⅱは採点されず不合格が決定してしまうためです。全ての出題範囲をしっかり網羅し合格基準を満たすことが求められている試験なのです。
午前試験Ⅱの克服すべき重点分野は、「開発技術のシステム開発技術」と「システム戦略のシステム企画」、「情報セキュリティ」です。午前Ⅱも午前Ⅰ同様、理解しながら過去問を解くことで、過去問内での不安はできる限りなくしておくことです。午前試験に関しては、どちらも過去問と予想問題集を繰り返し解くことで、ある程度の対策ができます。また午前の試験問題のレベルは午後試験と比べると簡単なものが多いので、足切りされないように確実に知識をつけておくことが大切です。

午後問題は、実務経験がある人向けの実践的な試験で実際の仕事や設計、テストなどで経験したことが役立つはずです。午後Ⅰは、事例解析の出題が中心となり、業務要件に即したシステムをどのように構築するか、ソフトウェアをどのように開発するかを問われる問題が中心になりますので、業務要件を正確に読み取った上で最適解を導き出せるようにしなければなりません。また、データベースやネットワークに関する高度な知識ではなく、 上流設計の知識が問われるため、製造やテストをメインに担当する人でも、十分に合格できるチャンスはある試験です。幅広い視点で問題を見つめる訓練をしておきましょう。午後Ⅰも過去問を解き解説を理解しながら読むことを繰り返しておくことが効果的なので、解説には重点対策のテキストがあれば尚良いでしょう。
午後Ⅱは実際の試験で、問題文の観点に対応した記述ができるかどうかがポイントになります。ただ、記述量が多いため慣れていないとかなり難しくなりますので、これには自分が経験したシステム構築、ソフトウェア開発の事例を事前にまとめておくことが大切です。論文の書き方を身に着けるために、試験前に事例を踏まえた論文を作成し、覚えておき、出題内容に即した形式に直して書く練習を十分にしておきましょう。システムアーキテクト試験でも、プロジェクトマネージャ試験やストラテジスト試験と同様、午後Ⅰの事例解析、午後Ⅱの小論文の出来が合格の明暗を分けます。
評価に関しては、設問で要求された項目の充足度、論述の具体性、内容の妥当性、論理の一貫性、見識に基づく主張、洞察力・行動力、独創性・先見性、表現力・文章作成能力などを評価の視点として、論述の内容が評価されます。また、問題冊子で示す「解答に当たっての指示」に従っていない場合は、論述の内容にかかわらず、その程度によって評価を下げられることがあるので注意が必要です。

システムアーキテクト試験は、企業から高い評価を受けており、社内で資格取得を奨励している会社も多くあります。合格者には報奨金制度がある企業も多くあり、社内評価を高めたいと考える情報技術者には、大変意義のある試験だと言えます。また資格習得できれば、システム構築やソフトウェア開発における上流設計の高度な知識を習得していることで、プロジェクトリーダレベルの能力の証明となり、業界内の評価は非常に高くなります。就職や転職、キャリアアップにおいても非常に有用性の高い資格です。現在のIT業界では、顧客とのシステム設計を担当する上流設計者のニーズは非常に高くなっていますので、特にシステム開発やプログラミング系、情報セキュリティ系などの会社で活かせる資格となります。

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