資格名

機械保全技能士
※試験名 機械保全技能検定

資格の種類

国家資格(名称独占資格)

主催者

厚生労働大臣指定の指定試験機関(公益社団法人日本プラントメンテナンス協会)

資格試験の概要

機械保全技能士とは、工場の設備機械のメンテナンス能力を含め、機械の正常な運転を維持し、機械を保全するに必要な能力を認定する資格です。
機械保全の職種(試験区分)には「機械系保全作業」「電気系保全作業」「設備診断作業」の3つがあり、試験に合格すると「機械保全技能士」と名乗ることができます。機械保全技能士の資格を取得するには、国家試験の学科および実技の各試験に合格する必要があります。
資格区分には、特級及び1級~3級(3級は機械系保全作業・電気系保全作業のみ)があります。特級は管理者または監督者が通常有すべき技能の程度、また1級~3級はそれぞれ上級技能者、中級技能者、初級技能者が通常有すべき技能の程度と位置づけられています。
この資格を取得するためには、技能検定の実技試験と学科試験の両方の試験に合格しなければなりませんが、このうち学科試験については、公益社団法人日本プラントメンテナンス協会が実施する「認定職業訓練短期課程・機械保全科」を受講・修了することで免除になります。

技能検定の合格によって付与される称号を名刺などに表記する場合には「1級機械保全技能士」、「2級機械保全技能士」のように等級を明示する必要があります。尚、職業能力開発促進法により、機械保全技能士資格を持っていないものが機械保全技能士と称することは禁じられています。

合格率・資格難易度

難易度 
 特級  「B-上」 普通の上位
 1級   「B」 普通
 2級   「C」 やや易しい
 3級   「D」 易しい 

【資格の難易度レベル】
試験を全体的にみると、どの級でも1つ1つの問題はそれほど難しくない問題が多いのですが、広い対象範囲で出題されるため、自分の経験のある分野だけの知識で試験を受けても合格できないので、現場での作業から知り得た知識だけでなく、過去の問題をよく見て、実技の場合なら実際に制作の練習を繰り返しておくことが大切です。同時に、制限時間を考えながら時間配分を掴んでおくことです。これは学科試験でも同様で、時間内の計算を済ませて、早く判断できるようになっておくことが重要です。級別に難易度を見ると、特級と1級は合格率が過去には10%代の時もあり、かなり高い難易度ことは間違いなさそうですが、2級の場合は約30%、3級は50%以上で、検定試験としては平均的な難易度と言え、それほどの難関試験ではありません。いづれにせよ、機械保全技能士の合格ラインや合格率は、どの級でも学科試験は100点満点中65点を取れば合格で、実技試験は60点以上で合格です。 受験者の平均点に関係なく一定の得点に達すれば合格なので、試験問題の難易度が高い年は合格率が低くなる傾向が出ます。

試験を種類別に特徴を比較すると、
・機械系保全は受験者が最も多く、受験者全体の8割以上を占めています。
・電気系保全の場合は、電気関係の保全が中心の実務経験者でないと難しい問題が多く、電気系設備の保全担当者が受験するための検定試験になっています。
・設備診断作業は最も受験数が少ない作業です。これは設備の異常を見つける方法や手段を知っており、その原因を明らかにして対策を行う作業のことなので、設備が正常か異常かを診断できる知識、技能を持っているかを試す検定試験になっています。

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合格率 
2020年度機械保全技能検定試験結果(3級試験は中止になりました)
 【1級】 
 受験者総数7,134名 技能検定合格者数1,693名 合格率23.7%
 学科:申請者数5,236名 合格者数1,839名 合格率35.1%
 実技:申請者数6,495名 合格者数2,123名 合格率32.7%
 【2級】 
 受験者総数10,212名 技能検定合格者数3,011名 合格率29.5%
 学科:申請者数8,474名 合格者数4,350名 合格率51.3%
 実技:申請者数9,037名 合格者数3,108名 合格率34.4%
2019年度機械保全技能検定試験結果 
 【特級】 
 受験者総数693名 技能検定合格者数150名 合格率21.6%
 学科:申請者数609名 合格者数107名 合格率17.6%
 実技:申請者数565名 合格者数294名 合格率52.0%
 【1級】 
 受験者総数10,540名 技能検定合格者数2,490名 合格率23.6%
 学科:申請者数7,255名 合格者数3,223名 合格率44.4%
 実技:申請者数9,387名 合格者数2,804名 合格率29.9%
 【2級】 
 受験者総数16,394名 技能検定合格者数5,307名 合格率32.4%
 学科:申請者数1,1381名 合格者数4,870名 合格率42.8%
 実技:申請者数1,5413名 合格者数7,491名 合格率48.6%
 【3級】
 受験者総数7,409名 技能検定合格者数2,490名 合格率23.6%
 学科:申請者数7,019名 合格者数5,432名 合格率77.4%
 実技:申請者数6,739名 合格者数5,212名 合格率70.3%
(作業別試験結果詳細)
【1級】機械系保全作業 電気系保全作業 設備診断作業
【2級】機械系保全作業 電気系保全作業 設備診断作業
【3級】機械系保全作業 電気系保全作業 
2018年度機械保全技能検定試験結果(学科試験・実技試験とも受検者データ) 
 【特級】 
 受験者数441名 技能検定合格者数94名 合格率21.3%
 学科 合格者数167名 実技 合格者数294名 
 【1級】 
 受験者数6,090名 技能検定合格者数758名 合格率12.4%
 学科 合格者数1,419名 実技 合格者数1,323名 
 【2級】 
 受験者数10,089名 技能検定合格者数1,819名 合格率18.0%
 学科 合格者数4,401名 実技 合格者数2,160名 
 【3級】 
 受験者数6,029名 技能検定合格者数2,876名 合格率47.7%
 学科 合格者数3,353名 実技 合格者数4,398名 

受験対策・学習法ほか

「機械保全技能士」という資格名は、普通はあまり耳にしないかもしれませんが、実は128種類ある国家技能検定の中で2番目に受検者数が多く、人気の高い検定試験です。需要が高いこともあって高収入で稼げる資格として人気の国家資格になっています。
機械保全技能士の仕事は、主に工場の生産ラインなど、設備機械全体の故障を未然に防ぐためのメンテナンスや設備保全を行う仕事です。そのため機械本体だけでなく、電気回路の保全や異常診断などの技能や知識も求められます。製造業においては、機械の故障や停止は大きな損害につながることが多く、そういう意味から機械保全技能士は工場ではなくてはならない存在と言えます。
この資格は、就職する際にもとても有利になるだけでなく、待遇面でも優遇される可能性の高い資格です。また機械保全技能士の資格を取得することがキャリアアップへとつながります。

機械保全技能士の資格取得のための勉強法は、学科試験に関しては一般的な勉強法とされる「過去問」に集中することが中心になります。勉強方法はシンプルです、過去問を解いて、正解だった問題も分からなかった問題も、解答を間違った問題もすべて必ず解答集で正解の解説を読み、間違ったところ、分からなかった問題の解答とその根拠を覚えます。この方法で最後まで行ったら、また元に戻って、これを最低3~4回繰り返します。解答の解説がよくわからないときは、テキストや参考書をみて確実に理解できた内容で覚えるようにすることです。3~4回繰り返せば、ほぼ理解したことが頭に入った状態になりますので、あとはアウトプットで間違えないことです。

次に実技試験対策ですが、「実技試験も過去問で・・」という方法もありますが、機械保全の実技試験は基礎知識のない方には非常に難しい試験になりますので、写真も動画もない状態で過去問対策というのは無理があります。実務経験や基礎知識のある方は過去問や予想問題集などを活用すれば、それほど難しくないと思います。基礎知識のない方には、JTEXなどの「実技試験対策セミナー」の受講がおすすめです。セミナー受講者の合格率は高く、効率的に勉強できます。

独学で実技試験対策に臨まれる方は、まず過去問や対策テキストを解きながら出題傾向をつかむことから始めるといいでしょう。学科試験に関しては、過去の問題をしっかりと繰り返して解いて覚えることが効果的な受験対策になりますが、実技試験対策では、実技トレーニングの問題集をしっかりと見て、できることはトレーニングしておくと良いでしょう。実技試験では特に、油の粘度の判定など、実際に現物に直接触れてみないと判断できないような問題は、現場で実際にトレーニングしておくことが大切です。
近年は合格率が下がる傾向にありますが、受験対策ではどういう場合でも「確実に65点を取れる」ことを目標にした勉強をしておくことが一番大切です。

受験資格

●受検資格は機械保全に関する業務に就いていた実務経験年数(過去の実務経験も含める)により判定されます。
(受験に必要な実務経験年数)
・特級:1級合格後5年以上の実務経験
・1級: 7年以上の実務経験(2級合格者は2年、3級合格者は4年)
・2級: 2年以上の実務経験(3級合格者は0)
・3級: 年齢、学歴等に制限はなく誰でも受験できます。
(各級別受験資格)
 特級 受検資格一覧(PDF)
 1級 受検資格(短縮要件)と受検資格No一覧(PDF)
 2級 受検資格(短縮要件)と受検資格No一覧(PDF)
 3級 受検資格一覧(PDF)
 当協会が個別に認定した機械保全技能検定における職業訓練による受検資格(短縮要件)

※必要な実務経験年数は、職業訓練歴、学歴等により短縮されます(下記参照)。
   → 技能検定の受検に必要な実務経験年数一覧
   → 短縮期間は受検資格判定にて確認できます。

試験方式

試験は特級、1級、2級、3級の等級に区分して実施され、その中で「機械系保全作業」「電気系保全作業」「設備診断作業」の3つの作業に分かれて、学科試験と実技試験が実施されます。
 ・学科試験
 選択肢の中から正解を選ぶ方式(多肢択一)と○×式で正誤を判断する方式(真偽法)で構成。
 ・実技試験
 作業によって「製作等作業試験」「判断等試験」「計画立案等作業試験」のいずれかの方法で行われます。

●級別の試験方式
 ・特級:(学科試験)五肢択一方式(出題数50問 試験時間 2時間)
     (実技試験)計画立案等作業試験 (10課題 試験時間150分)
 ・1級: (学科試験)真偽法及び四肢択一法(出題数25+25問  試験時間 1時間40分)
     (実技試験) 下記作業から選択
          機械系保全作業(判断等試験)80分
          電気系保全作業(製作等作業試験)110分
          設備診断作業(判断等試験)100分
 ・2級: (学科試験)真偽法及び四肢択一法(出題数25+25問  試験時間 1時間40分)
     (実技試験) 下記作業から選択
          機械系保全作業(判断等試験):(8課題/80分
          電気系保全作業(製作等作業試験):(2課題/110分)
          設備診断作業(判断等試験):(10課題/100分)
 ・3級: (学科試験)真偽法、問題数(出題数30題 /1時間)
     (実技試験) 下記作業からどちらか選択
          機械系保全作業(判断等試験)(7課題/70分)
          電気系保全作業(製作等作業試験)(2課題/110分)

 合格基準
  ・学科試験:65点以上/100点の場合、合格となります。
  ・実技試験:減点法で41点以上の減点がない場合、合格となります。

※計画立案等作業試験
現場における実際的な課題等を、紙面を用いて表、グラフ、図面、文章等によって掲示し、計算、計画立案、予測等を行わせることにより技能の程度を評価する試験
※判断等試験
対象物または現場の状態、状況等を原材料、標本、模型、写真、ビデオ等を用いて提示し、判別、判断、測定等を行わせることにより技能の程度を評価する試験
※製作等作業試験
物の作製、組立て、調整、ロールプレイング等で実際に作業を行わせる試験

試験科目

学科試験
●特級
 1.工程管理
 2.作業管理
 3.品質管理
 4.原価管理
 5.安全衛生管理及び環境の保全
 6.作業指導
 7.設備管理
 8.機械保全に関する現場技術
●1級~3級
 1.機械一般
 2.電気一般
 3.機械保全法一般
 4.材料一般
 5.安全衛生
 6.選択科目(以下より1つ選択)
   イ.機械系保全法
   ロ.電気系保全法
   ハ.設備診断法(1級、2級のみ)
※科目免除
   科目免除の詳細

実技試験
●特級:ペーパーテストで、工程管理、作業管理、品質管理、原価管理、安全衛生管理、作業指導及び設備管理について行う。試験時間 3時間
●1級~3級:作業職種ごとに行われます。

※試験科目の範囲
特級、1級、2級、3級の等級に区分して実施します。 さらに、特級を除く各級では、選択作業別に試験を実施します。詳しい試験科目は下記を参照ください。
 ・全等級の試験科目およびその範囲
 ・特級の試験科目およびその範囲
 ・1級の試験科目およびその範囲
 ・2級の試験科目およびその範囲
 ・3級の試験科目およびその範囲

スケジュール

●試験日程:次年度の実施公示を3月に当サイトにて掲載。

 (目安のスケジュール)
・試験実施日
  2級(機械系保全作業、設備診断作業)・学科試験(電気系保全作業):12月中旬
  特級・1級(機械系保全作業、設備診断作業):1月中旬
  1級・2級実技試験:12月上旬~2月下旬の指定された日
  3級学科(全作業)・実技試験(機械系保全作業):6月下旬
  3級実技試験(電気系保全作業):6月中旬~7月中旬までの指定された日

2023年度機械保全技能検定日程・概要 

試験会場

●各都道府県
・受検申請書の希望受検地区欄に受検を希望する受検地区を記入します。
・試験会場は受検地区欄に記入の都市または周辺都市に設置され、受検票内で案内があります。

●試験実施地区一覧
 特級、1級の試験実施地区(電気系保全作業実技試験除く)
 2級の試験実施地区(電気系保全作業実技試験除く)
 3級の試験実施地区(電気系保全作業実技試験除く)
 電気系保全作業実技試験の試験実施地区
※制裁した実施地区は2022年7月時点での予定です。予告なく変更になる場合があります。
 最終的には受検票で確認ください。

受験料

【特級・1級・2級・3級 一般】
●学科試験・実技試験:20,000円(各非課税)
 ・学科試験のみ:4,600円
 ・実技試験のみ:15,400円

【減免】4月1日時点で25歳未満の方
・実技試験のみ(2級、3級):6,400円
・学科/実技両方(2級、3級):11,000円
【学割】
・実技試験のみ(3級):10,000円
・学科/実技両方(3級):14,600円
【減免】【学割】両方適用の場合
・実技試験のみ(3級):2,900円
・学科/実技両方(3級):7,500円
※学生とは、学校教育法の規定による学校の在学生、あるいは職業能力開発促進法の規定の施設で職業訓練を受けている方で、受検申請締最終日時点で在籍している方

問い合わせ先

・機械保全技能検定 受検サポートセンター
TEL:03-5209-0553
受験に関するお問い合わせ

・試験制度・問題などの総合的なお問い合わせ先
公益社団法人日本プラントメンテナンス協会
http://www.kikaihozenshi.jp/
TEL:03-6865-6083
E-mail:kikaihozen@jipm.or.jp

お問い合せフォーマット

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

通信講座・eラーニング

JTEXの機械保全(機械系)実技試験対策セミナー
JTEXの機械保全(電気系)実技試験対策セミナー

通学スクール・講座

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教材(過去問集)

機械保全技能士 過去の試験問題(公式サイト)
技能検定過去問ページ
機械保全技能士1級・2級学科試験過去問集一覧

教材(テキスト・参考書)

【機械保全技能士検定試験 おすすめ教材】
よくわかる! 2級機械保全 合格テキスト 機械系 学科 【改訂4版】 
改訂版 機械保全の徹底攻略[3級機械系学科・実技]

関連情報

【資格の難易度情報】
資格の難易度とランキング
ジャンル別資格の難易度ランキング

●試験関連情報
機械保全の技能を評価する唯一の国家検定が「機械保全技能検定」です。技能検定の全職種の中で受検者数が2番目に多く、モノづくり分野の職種の中では1番の受検数を誇る検定です。

●関連資格
 危険物取扱者
 衛生管理者