合格率・資格難易度 | ●難易度
甲種 「B」 普通
乙種 「C」 やや易
【資格の難易度レベル】
危険物取扱者資格の難易度はそれほど高くなく、合格率は平均して40%前後。どのクラスも独学での取得も十分に可能で勉強方法によっては短期間での合格も可能です。知識がそれほどなくても、乙種なら独学(通信講座)で50時間(1ヶ月程度)で取得できる方法もあります。 国家資格の中でも比較的簡単だと言われている危険物取扱者ですが、甲種の場合は、しっかり勉強しないと簡単には合格できない試験ですので油断は禁物です。科目的には、甲種では物理化学の6問が意外と難関が多い場合があります。また、乙類では第1類と第4類が難しいようです。また、甲種も乙種も危険物に関する法令だけはきちっと勉強し覚える必要があります。受験者は社会人や化学系の大学生が特に多く、合格には、すべての科目で60パーセント以上正解しなくてはいけませんが、よく出題される問題は傾向があるようです。
危険物取扱者甲種と乙種1~6類の難易度ランキングは、
(難易度の高い方から)甲種→乙種4類→1類→5類→2,3,6類
乙種2,3,6類はそれほど差がなく同じレベルと考えていいと思います。甲種は乙種に比べて範囲が広いだけでなく、問題も難しく差があります。乙類では4類、第1類以外はそれほど難しくありません。勉強法は過去問とテキストで「覚えて問題を解く」の繰り返しで突破できます。
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●合格率
令和3年度危険物取扱者(令和3年4月~令和4年3月)試験結果
・甲種 受験者数22,835名 合格者数9,050名 合格率39.6%
・乙種 受験者数295,437名 合格者数127,876名 合格率43.3%
・乙種4類 受験者数234,481名 合格者数84,564名 合格率36.1%
・丙種 受験者数24,220名 合格者数12,442名 合格率51.4%
※参考データ
・令和2年度危険物取扱者(令和2年4月~令和2年12月)試験結果
・甲種 受験者数12,098名 合格者数5,301名 合格率43.8%
・乙種 受験者数172,993名 合格者数78,209名 合格率45.2%
・乙種4類 受験者数137,465名 合格者数53,818名 合格率39.2%
・丙種 受験者数16,399名 合格者数9,051名 合格率55.2%
・令和元年度危険物取扱者(平成31年4月~令和2年3月)試験結果
・甲種 受験者数19,540名 合格者数7,721名 合格率39.5%
・乙種 受験者数282,416名 合格者数126,875名 合格率44.9%
・乙種4類 受験者数221,867名 合格者数85,669名 合格率38.6%
・丙種 受験者数27,523名 合格者数13,879名 合格率50.4%
・平成30年度危険物取扱者(平成30年4月~平成31年3月)試験結果
・甲種 受験者数20,977名 合格者数8,358名 合格率39.8%
・乙種 受験者数304,356名 合格者数136,471名 合格率44.8%
・乙種4類 受験者数240,102名 合格者数93,667名 合格率39.0%
・丙種 受験者数30,028名 合格者数15,366名 合格率51.2%
・平成29年度危険物取扱者(平成29年4月~平成29年12月)試験結果
・甲種 受験者数16,824名 合格者数6,329名 合格率37.6%
・乙種 受験者数247,537名 合格者数102,244名 合格率41.3%
・乙種4類 受験者数196,045名 合格者数67,490名 合格率34.4%
・丙種 受験者数25,829名 合格者数13,213名 合格率51.2% |
受験対策・学習法ほか | 危険物取扱者試験のお薦めの勉強法としては、問題を解きながら解説の参考書を何回も読む方法です。1冊だけでなく、2~3冊読み込んで習得しておけば、どの種類でもまず問題ありません。
危険物取扱者資格の大きな特徴は、この資格は難易度もそう高くないので比較的簡単に取得できるにもかかわらず、以下に記載している通り、取得後のステップアップや横展開がしやすい資格であるということです。
危険物取扱者の資格は、受験する種類の順番を考えて受けた方が効率的に取得できる場合があります。例えば、まず乙種を一つとります。そうすると他の乙種を取るときに科目免除があり、比較的楽に取れるのです。乙種の試験は、3つの分野から出題されます。3つの分野とは、(1)「危険物に関する法令」15問、(2)「基礎的な物理・化学」10問、(3)「危険物の性質と消火方法」10問、です。そして、6割の正解率が合格ラインです。乙種を一つでも持っていると、(1)と(2)が科目免除となり、(3)「危険物の性質と消火方法」の10問のみ答えればいいので、問題数も少なく集中して勉強できます。それに一度に2種類の受験ができます。さらに、乙種を取得し実務経験を2年以上積めば、さらに上の「危険物取扱者甲種」の取得も可能になります。
また、危険物取扱者の有資格者になると有利な特典がつくものがいくつかあります。例えば、甲種危険物取扱者の有資格者は、技術士一次試験の一部科目が免除されます。また、危険物保安監督者に選任されている甲種危険物取扱者には防火管理者の資格を自動的に取得できる特典があります。その他、甲種危険物取扱者の有資格者には陸上自衛隊の技術陸曹の任用資格もあります。
危険物取扱者資格の取得に関しては、乙種の第1類から第6類まで全ての試験に合格すれば、甲種取扱者と同様にすべての危険物を取り扱えるため、甲種の受験資格のない人がこの方法で全類取得するケースもあります。その中で一般的に需要が多いのはガソリン・灯油などの引火物を扱う4類資格です。丙種ではセルフガソリンスタンドなどで監督者になることは出来ません。製造所・販売所など(例えばガソリンスタンド)で危険物を取扱う場合には、必ず危険物取扱者自身が行うか、危険物取扱者が作業に立ち会うかの条件が必要です。そのため、危険物を扱うような事業を行っている会社にとって、危険物取扱者は無くてはならない存在なのです。化学系出身者にとっては、昇給・資格手当てを受けられることも多く、有用な資格と言えるでしょう。
乙種第4類以外の乙種の資格は役に立つ場所が限定されますが、工場系では資格を持っていることが採用の決め手になることもあります。仕事としてはタンクローリーの運転手やビルの管理業務、各種工場などで需要が高いですが、男性の取得率が高いので、女性でこの資格があると就職に有利です。危険物取扱者の仕事は主に、危険物の貯蔵・取り扱いの作業、火災などの災害が発生した場合の応急措置、保安監督者になった場合の作業者への指示と監督業務などを行います。
人気のあるタンクローリーの運転手の場合、通常は1人で運転と危険物の取り扱いを行いますので、大型自動車運転免許・牽引免許のほかに第4類の資格免許が必要になります。
●2020年度 技術系資格試験「受験者数ランキング」
・1位:危険物取扱者 267,000人
・2位:電気工事士 159,500人
・3位:土木施工管理技士 64,000人
・4位:消防設備士 56,200人
・5位:電気主任技術者 50,000人
・6位:建築士 48,450人 |