資格名 | IPO実務検定試験
(種類)
・(標準レベル) 認定IPOプロフェッショナル(通常試験合格者)
SIP(SIPはStandard-level IPO professionalの略)
・(上級レベル) 認定上級IPOプロフェッショナル(上級試験合格者)
AIP (AIPはAdvanced-level IPO professionalの略)
※IPO(Initial Public Offeringの略 ):株式公開や株式上場を意味します。 |
資格の種類 | 民間資格 |
主催者 | 日本IPO実務検定協会 |
資格の概要 | 「IPO実務検定」は上場準備の実務能力を総合的に問うことを目的に日本で初めて創設された試験です。証券取引所の上場審査室OBや公認会計士、弁護士などにより作成され、「実務を強く意識した問題」を中心に構成された試験内容になっています。この試験の特徴は、試験に合格するための勉強をすると、自然と実務能力が身につくように設計されているところです。企業の新規上場準備を行う人向けの資格試験という位置づけの試験で、「標準レベル(SIP)」と「上級レベル(AIP)」の二段階のレベルがあります。
IPO実務検定試験に合格すると、所定の手続きを経て協会の会員となり、日本IPO実務検定協会より、「SIP」(通常試験合格者)あるいは「AIP」(上級試験合格者)の資格証が発行されます。
尚、試験合格者のレベル は、以下の通りに想定されています。
・標準レベル試験(SIP):上場準備スタッフとして、上場準備室長のサポート的な業務をこなすことができる能力を有する。
・上級レベル試験(AIP):上場準備室長として、上場準備に必要な業務の特定ができるほか、それらの業務を社内の適材適所にアサインしたり、監査法人、証券会社などの上場関連プレイヤーとの折衝ができる能力を有する。
【試験合格者の呼称】
●標準レベル:認定IPOプロフェッショナル
(英語による呼称 Standard-level IPO Professional SIP)
●上級レベル:認定上級IPOプロフェッショナル
(英語による呼称 Advanced-level IPO Professional AIP)
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試験の合格率・難易度 | ●難易度
(AIP)上級レベル 「B」 普通
(SIP)標準レベル 「C」 やや易
【資格の難易度レベル】
IPO実務検定の合格率は、標準レベル・上級レベル共に60%程度で推移していることが公式サイトに書いていています。かなり専門的な資格であることから、その分野の知識も経験もない人は手を出さない資格であることを考えると、合格率60%という数字から平均より少し高い程度の難易度であると言えます。
標準レベル試験については、実務経験がなくてもIPO実務検定公式テキストと公式問題集を併用した独学での勉強だけで合格ライン到達は可能です。ただ、上級試験レベルはそれだけでは無理なので、試験の択一問題対策には「公式テキスト+公式問題集」、また記述問題対策には「ケーススタディ・上場準備実務」と分けて勉強すれば独学でも突破は可能です。
上級試験は問題の難しさだけではなく、時間との戦いの試験になります。特に記述式についてはPCキーボードでの文字入力を苦手とする方は相当不利になると思います。この試験はパソコンスキルが重要なウエイトを占めますので、パソコンの苦手な人には合格は難しいかも知れません。
また短期間での合格を目指すのであれば、近くのスクールの検定対策講座を受講した方がいいでしょう。理想的には「簿記2級」に合格した後、ステップアップしてチャレンジするといいと思います。
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・合格率
非公開(60%前後)
公式サイトには「標準レベル、上級レベルとも合格率は60%程度で推移」と書かれています。
※合格ラインは、標準レベル試験、上級レベル試験ともに、正答率70%以上になっています。 |
試験の内容・勉強法 | IPO実務検定は既存の学問体系に入らない横断的な分野の知識が必要とされる分野の試験なので、既存の書籍等にも、IPOの実務に完全に準拠したものがほとんどありませんが、試験科目の中では「上場準備実務」が出題の50%~60%を占めているため、この範囲の問題に重点を置いて勉強するのがいいと思われます。また、「倫理・社会的責任」の問題は5%~10%しか出題されませんがそれほど難しくありませんので、ここで確実に点数を稼いでおくことがポイントになります。
IPO実務検定試験の受験者は、試験の合格を機に転職を希望する方が4割弱を占めていることもこの試験の特徴の一つです。また合格者はIPOの専門家としてベンチャー企業や急成長企業への転職を果たす人も多いようです。
IPO実務検定を独学で合格を狙うためには、勉強方法としては、標準レベルの場合は「公式テキスト」と「公式問題集」、上級レベルも同様に「公式テキスト」と「公式問題集」+「ケーススタディ・上場準備実務」を受験対策教材のメインに据えて、あとは必要があれば関連書籍を追加するという方法で勉強します。公式テキストと公式問題集は標準レベルと上級レベルのどちらも対応できる仕様になっていますので上級を目指す時に「ケーススタディ・上場準備実務」を追加で購入すればいいでしょう。この試験の公式テキストは分量は多いですが、内容は充実しているので独学用のテキストとしてはそれだけで十分です。まず、このテキストの標準レベルの範囲を繰り返し熟読して、全体を把握し理解することです。同時に個別に論点とポイントを整理しておくことから始めます。これがひと通り終われば、次は公式問題集です。問題を解きながら間違ったところや分からなかったところは、テキストとまとめたポイント集を見返して理解を深めます。またポイント集は並行して「暗記用の教材」として暗記に活用します。
上級の場合も基本的には、標準レベルと同じで公式テキスト3冊を熟読するとともに、すべての問題を解き、ポイント集で暗記をする(テキストの標準レベルの部分はひと通り通読しておくといいでしょう)。上級レベルの記述式についても、ケーススタディ・上場準備実務の書籍に記載されている問題を解けるようにしておけば、問題集を繰返し解くことにより出題形式にも慣れられ、合格ラインには十分到達します。
上記の内容は受験予定者が、この分野の知識や実務経験があるということを前提にした勉強法を書いていますが、法律知識や会計知識がある方なら必要な勉強時間は、標準レベルで15時間前後、上級レベルなら20~25時間は必要でしょう。
IPO実務検定は上場準備の担当者育成、及び実務能力を認定する、わが国唯一のライセンスで、会社法・金融商品取引法といった基本的な法律のほか、各種法令への準拠などコンプライアンス対応、上場準備スケジュール、内部統制報告度への対応や中期経営計画と予算管理、上場申請書類や財務会計などが講座や試験の対象になっており、上場準備室長(上級レベル)または上場準備室スタッフ(標準レベル)として活躍しようとする方や、経理関連の仕事に従事している方にとっては必須の資格です。
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試験日程 | ・試験実施日:随時(年末年始を除く)
・試験申込み:随時(受験日の3日前まで可能です) ➡申込みはこちらから。
・合格発表日:試験終了後、即時
※試験実施日時及び申込期間は、受験する人の都合に応じて、受験する会場や日時を自由に選択できます。また、申込月の翌月より3か月先まで予約可能です。詳細はこちらで確認下さい。
※受験した日から90日間は同一レベルの試験の再受験をすることができません。
(異なるレベルは可) |
受験資格 | ・標準レベル試験
制限なし、誰でも受験可能です。
・上級レベル試験
標準レベル試験の合格、あるいは、上場準備の実務経験が3年以上あること(自己申告制) |
試験会場 | ・試験会場
CBTソリューションズのホームページより、自分の都合のよい日時や受験会場をを予約することができます。
※受験する方の都合に応じて、受験する会場や日時を自由に選択できます。
詳細はこちらで確認下さい。
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受験費用 | ※受験料は2025年1月7日申し込み分から改定されます。
(改訂後)
・標準レベル試験 13,000円(税抜) ※税込 14,300円
・上級レベル試験 20,000円(税抜) ※税込 22,000円 |
試験方式 | ●試験方式:CBT(Computer Based Testing)方式(コンピュータ画面での試験になります)
・標準レベル
CBT:多岐択一式試験
試験時間:60分
出題数:60問
・上級レベル
CBT:多岐択一式試験 60問/60分+記述問題3問×30分/90分
試験時間:90分(選択式60分、記述式30分)
出題数:選択式60問+記述式3問
●合格ライン
・標準レベル試験、上級レベル試験ともに70%以上の正答率です。
・上級レベル試験は、択一式の採点結果と記述式の採点結果の平均値(単純平均)により合否を判定します。また、上級レベル試験は選択式に足切りライン(60%以上の正答率)が設けられており、この足切りラインをクリアできないと、記述式の正答率にかかわらず、不合格となります。
●試験結果
・標準レベル試験 試験結果は試験直後に判明します。CBT試験の端末にスコアレポートが表示されます。
・上級レベル試験 選択式の結果のみ試験直後に判明します。選択式の足切りライン(60%)をクリアした人のみ、約1か月後に、記述式の採点(手採点)結果を含めた最終合否が検定協会事務局(info@ipo-kentei.or.jp)よりメールにて通知されます。
※不合格だった場合再受験は可能ですが、受験した日から90日間は最受験できません。
※初めてCBT-Solutionsで受験される方は、ユーザIDとパスワードの取得が必要です。⇒詳細 |
試験科目 | ●試験科目:科目は3科目。標準レベル試験も上級レベル試験も同じです。
①「倫理・社会的責任」 ②「制度・コンプライアンス」 ③「上場準備実務」
・標準レベル試験
試験科目:「倫理・社会的責任」「制度・コンプライアンス」「上場準備実務」
出題範囲:➡こちらを参照 (赤星印★の項目に注意)
出題方式:選択式(60問)
・上級レベル試験
試験科目:「制度・コンプライアンス」「上場準備実務」
出題範囲:➡こちらを参照 (赤星印★の項目に注意)
出題方式:選択式(60問)+記述式(3問)
●試験科目の出題割合
・標準レベル試験
「倫理・社会的責任」5~10%程度
「制度・コンプライアンス」30~40%程度
「上場準備実務」50~65%程度
・上級レベル試験
(選択式60問)
「制度・コンプライアンス」25~40%程度
「上場準備実務」65~75%程度
(記述式3問)
「制度・コンプライアンス」及び「上場準備実務」から3問 |
試験関連情報 | 【資格の難易度情報】
・資格の難易度とランキング
・ジャンル別資格の難易度ランキング
●試験関連情報
人気のある「経営・会計 資格」のレベル解説
●関連資格
公認会計士
簿記検定
経理・財務スキル検定(FASS) |
問い合わせ先 | 一般社団法人 日本IPO実務検定協会 http://www.ipo-kentei.or.jp/
〒171-0033 東京都豊島区高田3-28-8 Tel:03-5992-7688
【受験に関する問い合わせ】
受験サポートセンター
TEL:03-5209-0553(平日10:00~17:00) E-mail: help@cbt-s.com |
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教材(テキスト・参考書) | IPO実務検定教材一覧
【IPO実務検定 おすすめ教材】
(標準レベル)
・IPO実務検定試験公式テキスト〈第8版〉
・IPO実務検定試験(R) 公式問題集 第6版 [デロイトトーマツ](TAC出版)
(上級レベル)
・IPO実務検定試験公式テキスト〈第7版〉
・IPO実務検定試験(R) 公式問題集 第6版 [デロイトトーマツ](TAC出版)
・IPO実践ケーススタディ〈第2版〉: IPO実務検定上級レベル試験[記述式問題]公式テキスト |
教材(過去問・問題集) | - |
講座・スクール | TACの「IPO実務検定対策講座」 |