資格の概要 | 「ビジネス能力検定(B検)」は、2013年度から改訂が施され、新基準“ジョブパス”として実施されることになりました。 内容はこれまでと同様、教育現場や新人研修で必要とされるプログラムになっており、8つの意識(顧客、品質、納期、時間、目標、協調、改善、コスト)を中心にして、個人やチームで働くためのスキルやマインドを身に着けます。
⇒ 改定のポイントはこちらを参照ください。
※今回の改訂で一番大きく変わるのが1級の試験内容です。従来は論文試験や面接試験を含む内容だったのが、コンピュータを用いたCBT方式の試験へと移行され、「問題解決を円滑に推進するために必要となる論理的な思考、情報発信と表現技法、および基礎的なマネジメント技法を実践的に評価する」内容となります。
「ビジネス能力検定」は、社会人やビジネスマンとして必要なビジネス知識、一般社会常識、それにビジネスマナー、ビジネススキル等、職場で必要とするビジネス能力を、どの程度備えているかを客観的基準で評価する検定試験で、通称「B検」と呼ばれている文部科学省認定試験です。検定内容は、企業組織の理解、仕事の進め方、文書・口頭などでの表現方法、情報収集の管理、活用、経済や法律の知識など、初歩的なビジネスマナー・ビジネススキルから、実務・総合的なビジネス応用力まで、ビジネスにおいて必要不可欠な知識や技能全般について試される内容です。
試験のグレードは、1級~3級に分かれています。ビジネスの基礎能力を身につけるために、試験を新入社員研修に導入している企業もたくさんあり、就職・転職活動に利用するという方や企業が新人教育や研修の一環として取り入れたため受験されるという方が多いようです。
<評価項目>
3級 社会常識やマナーを中心に円滑な人間関係を保つためのビジネスの基礎的能力
2級 必要な情報収集、文書能力、積極的なコミュニケーション能力
1級 情報分析・活用能力、プレゼンテーション、ビジネス交渉能力など
<受験想定者>
3級 就職活動中の高校3年生。大学や専門学校への入学者(これから社会人になる人、新入社員)
2級 就職活動を間近に控えた大学生や専門学校生から入社1~2年目程度の人。
1級 就職活動を展開中の大学生や専門学校生から入社1~3年目程度の社会人まで。 |
試験の合格率・難易度 | ●難易度
1級 B 「普通」
2級 C 「やや易」
【資格の難易度レベル】
3級はビジネスマナーのほか、ビジネスに関する一般の基礎知識など、基礎レベルの問題が大半で、難易度自体は高くありません。2級は3級を少し発展させて勉強すれば、独学で十分合格することが可能な試験です。試験問題も、全体にビジネスの常識的な問題が多く、公式ホームページにて過去の問題やサンプル問題が確認できるため、仕事をしながらでも独学で進めることができます。1級は2級、3級と比較して、さらに幅広く実践的な内容となっていますので難易度も高く、侮れません。受験対策の計画を組んで、それに沿って目標を立てて準備して勉強することが必要です。
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●合格率
令和3年度後期ビジネス能力検定試験結果
1級 受験者数35名 合格者数15名 合格率42.9%
2級 受験者数1,334名 合格者数757名 合格率56.7%
3級 受験者数6,128名 合格者数5,095名 合格率83.1%
※参考データ
・令和3年度前期ビジネス能力検定試験結果
1級 受験者数44名 合格者数17名 合格率38.6%
2級 受験者数1,191名 合格者数919名 合格率77.2%
3級 受験者数6,624名 合格者数5,731名 合格率86.5%
・令和2年度後期ビジネス能力検定試験結果
1級 受験者数47名 合格者数23名 合格率48.9%
2級 受験者数1,971名 合格者数1,474名 合格率74.8%
3級 受験者数8,597名 合格者数7,625名 合格率88.7%
・令和元年度前期ビジネス能力検定試験結果
1級 受験者数63名 合格者数25名 合格率39.7%
2級 受験者数1,717名 合格者数1,430名 合格率83.3%
3級 受験者数8,546名 合格者数7,252名 合格率84.9%
・平成28年度ビジネス能力検定後期12月試験結果
1級 受験者数68名 合格者数24名 合格率35.3%
2級 受験者数2,367名 合格者数1,428名 合格率60.3%
3級 受験者数10,670名 合格者数8,672名 合格率81.3%
・平成27年度ビジネス能力検定前期7月試験結果
2級 受験者数2,276名 合格者数1,428名 合格率62.7%
3級 受験者数10,058名 合格者数7,287名 合格率72.4% |
試験の内容・勉強法 | この検定試験の合格そのものが直接、収入や就職に直結するということはありませんが、ビジネスマンに必要な基本スキルやビジネスマナーを効率的に身に付けることができ、社会的な評価も高い試験なので、後々のために勉強しておいても損は無いでしょう。どの業種、どの企業においてもある程度の効果がある資格試験といえます。
社会人として取引先との対人関係や言葉遣いなど企業内で自分の能力をアピールもできる面もあり、また、社会的な評価も高い試験でもあるため、就・転職にも有利に働く可能性はあります。
・1級
1級では2級、3級の出題範囲にプラスして、問題を解決するための論理的な思考方法や、情報発信・表現技法についてや、マネジメント技法についてなどが出題範囲に加えられています。
1級の試験対策は、特に幅広い知識が求められますが、比較的常識的な問題が多いようです。難易度レベルが比較的高いため、長期的にまじめに学習対策を立てて取り組む必要があります。
・2級
2級では、1級の出題範囲に加え、ビジネス会話、接客と営業の進め方、クレーム対応方法、プレゼンテーション方法、会社数字の読み方など、より実践的で応用的な問題が多くなっています。
2級試験は、厚生労働省のYESプログラムにも認定されおり、若者の仕事能力を判定する資格の一つととされています。試験自体は、それほど難易度は高くありませんが、議事録の作成等実務的な能力も要求されます。
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・3級
3級ではビジネス・コミュニケーションの基本から実践力、ビジネスツールの使い方が問われます。来客応対の基本マナーやビジネス文書の基本、統計・データの読み方、まとめ方など仕事に必要な基本的スキルからの出題が多いですが3級の取得は比較的簡単です。公式HPにて、過去問と解答が掲載されていますので、それを中心に勉強すればいいでしょう。ほとんどの受験者が独学で学習し、合格しています。あくまで、最終目標にする試験ではなく、スキルアップのための資格と考えて臨む試験です。
3級はまた、これから社会人になる人や新入社員を対象に、身だしなみや言葉遣い、仕事に対する基本姿勢や社会常識などのビジネス基礎能力を評価する試験なので、企業などでは面接対策にも使えます。 |
受験費用 | ・1級 8,500円(税込)但し、2級合格者が1年以内に1級を受験する場合1回限り5,500円。
・2級 4,200円(税込)
・3級 3,000円(税込) |
試験方式 | ●3級
CBT方式試験 多肢選択式(ペーパ方式は団体のみ)
100点満点 / 試験時間60分
100点満点の70%以上で合格
●2級
CBT方式試験 多肢選択式・一部記述(ペーパ方式は団体のみ)
100点満点 / 試験時間90分
100点満点の65%以上で合格
<2級・3級の問題構成>
・アチーブ問題(用語知識・行動理解) 20問
・新聞問題 5問
・ケース問題(実践事例)5問
・統計分析問題 5問
●1級
CBT方式による記述入力方式
配点は100点満点/ 試験時間90分
合格基準 60/100点
※体系的知識問題50点中25点以上、実践応用問題50点中20点以上が最低必要。
体系的知識問題で基準点に満たない場合実践応用問題は採点されません。
<1級の問題構成>
・アチーブ問題(体系的知識問題)10問
・統計分析問題(体系的知識問題2問、実践応用問題3問)5問
・ケース動画問題(実践応用問題)3問
●合格発表
各級の合格者で希望者には合格証書(A4判)を、就職等で証明書を必要とする方には合格証明書が発行されます。
合格証書発行手数料 1,100円(税・送料込)
合格証明書発行手数料 600円(税・送料込) |
試験科目 | <出題範囲> 左側の数字は対象になる級を表す
【ビジネスとコミュニケーションの基本】
③②⑴・キャリアと仕事へのアプローチ
③②⑴・仕事の基本となる8つの意識
③・コミュニケーションとビジネスマナーの基本
③・指示の受け方と報告・連絡・相談
③・ビジネスにふさわしい話し方と聞き方
③・来客応対と訪問の基本マナー
②⑴・会社活動の基本
②⑴・ビジネス会話とアクティブリスニング
②⑴・接客と営業の進め方
②⑴・不満を信頼に変えるクレーム対応
②⑴・会議への出席とプレゼンテーション
②⑴・チームワークと人のネットワーク
【仕事の実践とビジネスツール】
③②⑴・仕事への取組み方・進め方
③・ビジネス文書の基本
②⑴・ビジネス文書の作成
③・電話対応
③・統計・データの取り方・まとめ方
②⑴・統計・データの活用
③・ 情報収集とメディアの活用
③・会社を取り巻く環境と経済の基本
②⑴・会社数字の読み方
②⑴・ビジネスと税金、法律知識
②⑴・産業と経済の基礎知識
【3級】
自らの職業観や勤労観といった概念の形成を前提にビジネス常識および、基礎的なコミュニケーション、情報の利活用など、将来、職業人として適応するために身につけておくべき知識が評価されます。
【2級】(3級範囲含む)
3級の知識を前提とし、企業の役割や責任と権限などを理解するとともに、効率的な業務の進め方、問題解決のための基本的なコミュニケーション、情報活用の技法が評価されます。
【1級】 (2級、3級の範囲含む)
2級の知識、技法を前提とし、問題解決を円滑に推進するために必要となる論理的な思考、情報発信と表現技法、および基礎的なマネジメント技法が実践的に評価されます。 |