試験の合格率・難易度 | ●難易度
1級 「B」 普通
2級・3級 「C」 やや易
【資格の難易度レベル】
3級は秘書になる適性と、必要な基礎知識の確認、2級は一般的な秘書能力を問う試験なので、どちらもテキストを十分読んで、大切なところを覚えれば合格は可能なので、独学で突破できます。
合格に必要な勉強時間の目安としては、3級の場合、独学で20~40時間(1ヵ月未満)でしょう。
1級は1次試験が記述式の筆記試験、2次は2人一組での面接など難易度が一気上がります。準1級と1級は3ヶ月程度の過去問などでの勉強時間と併行して通信教育を活用してもいいと思います。特に1級は、合格後も1年以内に英検2級以上、またはTOEIC470点以上など、指定された試験に合格することが条件になっていますので、さらに難易度レベルが上がります。
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●合格率
令和2年度秘書技能検定試験結果(第122回試験)
1級30.0% (受験者数1,084名 合格者数325名)
準1級39.9% (受験者数4,857名 合格者数1,936名)
2級64.1% (受験者数31,309名 合格者数20,061名)
3級81.9% (受験者数17,845名 合格者数14,607名)
※参考データ
・令和元年度秘書技能検定試験結果(第119回試験)
1級25.3% (受験者数1,044名 合格者数264名)
準1級44.1% (受験者数4,515名 合格者数2,770名)
2級48.9% (受験者数25,629名 合格者数12,523名)
3級52.5% (受験者数11,858名 合格者数6,220名)
・平成30年度秘書技能検定試験結果(第115回試験)
1級23.9% (受験者数1,090名 合格者数260名)
準1級40.5% (受験者数5,118名 合格者数2,073名)
2級54.1% (受験者数28,920名 合格者数15,637名)
3級55.3% (受験者数15,382名 合格者数8,508名)
・平成29年度秘書技能検定試験結果(第113回試験)
1級31.4% (受験者数1,092名 合格者数343名)
準1級37.2% (受験者数5,783名 合格者数2,152名)
2級54.0% (受験者数29,843名 合格者数16,129名)
3級66.3% (受験者数13,639名 合格者数9,036名) |
試験の内容・勉強法 | 秘書としての仕事は経験不問の求人も多いように、資格や免許は不要です。従って、「秘書技能検定」の資格を持っているからといって必ず秘書になれるわけではありませんが、秘書として最低限求められている要素・能力を持ち合わせていることを証明することができます。そういう意味では、秘書を目指す人だけではなく、会社員としてのビジネスマナーを身につけたい人にもぴったりの検定試験と言えます。比較的短期間で取得できるのも、この試験の魅力の一つです。ビジネスマナー習得のためにはチャレンジする価値のある試験です。
試験内容は、5項目について問われます。1つ目は「秘書の資質」 、これは感じの良い印象、上司との良好な関係の維持、秘密保持などについてです。2つ目が「業務知識」。 これは人間関係の適切な維持や、職務における自分の権限の適切な維持についてなどについて。3つ目が「一般知識」です。 企業、会社の目的・組織、経営管理、財務会計、税法、マーケティングなどについて基礎的な知識が問われます。
4つ目は「マナー・接遇」です。 適切に敬語を使うことができるかや、来客対応、電話対応、慶弔における秘書の業務などについての知識や技能です。5つ目は「技能」、会議の種類や形式、ビジネス文書、グラフ作成や日程管理、計画策定、ファイリング、出張管理、事務用品の購買など幅広い職場での能力や知識が問われます。
・2級、3級
独学でも合格できるレベルです。繰り返し過去問題を解くことで、出題と解答のパターンや考え方をつかむことができます。ただ、1級・準1級になると面接があるので、独学だけで合格するのは少し難しいかも知れません。スクールなどで講座を受けておいた方がよいでしょう。それと、受験対策の教材は「実務技能検定協会」のものを使った方が間違いなくいいと思います。
また、2級と3級、あるいは2級と準1級は同時に受験することをお薦めします。2つの級を同時に受験することで、最悪でも片方が合格する確率は上がるからです。
(注)受験用の参考書・問題集は「実務技能検定協会」発行の書籍が文句なしに良いと思います。2級ならこれで2~3周すれば大丈夫です。一般常識を学ぶにも向いた試験です。
・1級
面接試験合格時、または合格後1年以内に、次の資格(1つ以上)を取得することが条件となっています。
1.英検2級以上 2.和文タイプ3級以上 3.英文タイプCクラス以上 4.和文速記3級以上 5.英文速記60ワード以上6.ペン字3級以上 7.珠算3級以上 8.ワープロ3級以上。尚、1年以内に取れない場合は準1級合格になります。
1級合格に求められるレベルは、秘書の職務について理解を十分に持ち、専門的な秘書業務に関して、高度な知識、技能を発揮できること、面接試験による審査も加わり、さらに上記の資格取得が条件になります。言いかえれば、 1級保持者は、それだけステータスが高い人と言うことができます。履歴書にも記述でき、一定以上の評価を得ることも十分可能です。さらに自分自身の自信につながります。転職や就職にも有利であることは間違いありません。
現在秘書職に就いているひとならば、最低準1級レベルを目指して受験されることをお薦めします。
この検定試験は、一般的な社会人としての知識を試すものとも言え、男性も多く受験しています。 受験者の多くは、就職の武器にしようという大学生、短大生、高校生が占めており、すでに秘書として働いている人は、ほんの一握りのようです。受験生の職業別割合では、大学生が約40%、高校生約20%、専門学校生約15%、短大生約10%、会社員約10%といったところです。
秘書の平均的な年収は300万円~400万円、 派遣社員の場合なら時給の相場は1600~1800円です。今は高校や企業全体で秘書検定の取得を目指しているところもあります。
一般に派遣ならば時給1500円といったところが相場です、単純に時給で比較しても一般事務職に比べて給料が高いです。これはそれだけのスキルが要求されており、拘束時間や精神的、体力的な部分でも、一般職よりタフさが必要だということになります。
秘書の能力向上と専門性確立のための主な資格試験には、現在次のような試験があります。
・財団法人実務技能検定協会主催 「 秘書技能検定」(秘書検定、3級~準1級、1級)
・財団法人全国経理教育協会主催 「 秘書能力検定」(3級~1級)
この資格はどこの企業でも使える資格であり、1級を持っていれば就職に関してはかなり有望だといえます。企業によっては資格を取得するよう奨励しているところもあり、手当なども支給されているところもあります。
※日経ウーマン・アンケートによると、「仕事に役立っている資格」として、
1.実用英語技能検定 21.6% 2.TOEIC 20.9% 3.秘書技能検定 20.1% 4.簿記検定、簿記能力検定試験 19.7% という結果が出ている。
これら試験は難易度の高い試験ではなく、合格率50~55%くらい。独学の人が多い。
「秘書検定」の場合は、ビジネスマナーが身についているので、立ち振る舞いしやすいとか、普段はそこまで使う仕事ではないですが、ちょっとしたときに豆知識として役に立っています。また、名刺交換や書類の整理方法など実務に案外役に立つものが多い。また、履歴書の資格欄を埋めるために取得したのですが、事務職では宛名書きや手紙の書き方など、意外に役に立つ場面があるなどの意見が多いようです。 |