資格名

商業経済検定

資格の種類

民間検定試験

主催者

公益財団法人 全国商業高等学校協会

資格の概要

「商業経済検定」の目的は、商業経済についてどれだけの知識と能力があるかを、商業高校の在校生や卒業生対象に検定することですが、学校で学んだことや学び終えた科目についての実力を試すための絶好の試験であることから、経済社会において必要な一般的な知識から、経営活動に必要な知識やマーケティング、法律まで、経済活動全体に関する知識を認定する検定試験として一般にも広く活用されています。
また、この試験では4科目のうち1科目に合格すれば2級、2科目に合格すると1級が認定されることから、就職活動の際には試験に合格することが、在学中に勉学にまじめに取り組み励んだという良いアピールになります。

・受験級は1級から3級までの3種類。受験生には商業高校の生徒、卒業生が比較的多い試験で、試験の申込み者数は、1~3級の合計で年間約85,000人になります(令和6年1月現在)。
・出題される問題は、文部科学省の学習指導要領に準拠した内容になっています。

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試験の合格率・難易度

難易度
  1級・2級  「C」  やや易
  3級      「D-上」  易しいの上位 

【資格の難易度レベル】
商業経済検定試験 は、公益財団法人全国商業高等学校協会が主催する試験で、商業や経済に関する知識がどれくらいあるかを認定する試験という位置づけなので、自己の能力アップとか、就労対策とかに活かせる資格試験ではありません。そのため難易度もどの科目もそれほど高くありません。試験科目については、「基礎」以外の4つの科目に難易度の差はほとんどないと言っていいでしょう。ただ、あえて言えば、1級を受験する場合の科目選択で比較的取得しやすいのは「マーケティング」と「商品開発と流通」でしょう。この2つの科目は関連性があるので、2科目同時に勉強するのであれば、この2つのセットが良いように思います。理由は、この科目試験では計算が主になるような問題は出題されませんし、主に経済学、商業、ビジネスの基本的な知識を問う内容が多く、経済学の基本的な理論や実務知識、経済の動向やビジネスの現状などが中心になっていますので取り組みやすく、難易度も高くありません。ただ関連用語は十分に覚えておかねばなりません。
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●合格率
・令和5年度第36回商業経済検定試験結果(平均合格率 %) 
 ビジネス基礎69.8%(17,355/24,878) マーケティング65.1%(19,852/30,496) 
 経済活動と法 52.1%(5,212/10,006) ビジネス経済A 52.1%(4,358/12,573)
 ビジネス経済B 58.8%(2,576/4,379)
・令和4年度第36回商業経済検定試験結果(平均合格率 %) 
 ビジネス基礎77.3%(20,242/26,200) マーケティング71.1%(21,451/30,156) 
 経済活動と法 59.2%(6,502/10,986) ビジネス経済A 60.0%(9,012/15,016)
 ビジネス経済B 38.6%(1,286/3,329)
・令和3年度第36回商業経済検定試験結果(平均合格率 %) 
 ビジネス基礎80.0%(20,930/26,162) マーケティング66.6%(20,785/31,195) 
 経済活動と法 57.8%(6,914/11,955) ビジネス経済A 72.1%(10,808/14,996)
 ビジネス経済B 49.3%(2,160/4,380)
・令和2年度第35回商業経済検定試験結果(平均合格率 %) 
 ビジネス基礎85.4%(25,099/29,403) マーケティング66.5%(23,467/35,291) 
 経済活動と法 53.4%(6,982/13,085) ビジネス経済A 62.8%(9,823/15,649)
 ビジネス経済B 60.1%(2,328/3,874)
・令和元年度第34回商業経済検定試験結果(平均合格率 %) 
 ビジネス基礎80.3%(24,568/30,600) マーケティング43.2%(14,838/34,387) 
 経済活動と法 59.9%(7,639/12,757) ビジネス経済A 64.1%(9,395/14,651)
 ビジネス経済B 40.3%(1,933/4,791)

試験の内容・勉強法

商業経済検定試験の試験対策については、一番重要なのは「過去問・模擬試験を解く」ことです。過去問や模擬問題を時間のある限り解きまくってください。理由は、試験問題を見ると過去問や模擬試験問題集に載っている問題とよく似た問題が大半であることが分かってきます。本番直前にはちゃんと時間を測って模擬試験問題集を繰り返し解くことも忘れないことです。

次に重要なのが「用語を暗記する」ということです。とにかく繰り返しすべての用語をチェックし、用語と関連用語を暗記するということです。教科書は軽く補う程度にしか必要ないと思っていいでしょう。試験の合否は「過去問・模擬問題」と「用語の暗記」がどれだけできるかにかかっていると言っても過言ではありません。ちなみに、過去問は全商協会のサイトにPDF形式で載っています。さらに模擬試験問題集を一冊追加で購入してください、できれば用語チェックが付いている問題集がベストです。



商業経済検定試験は、商業高校で学んだ内容を総合的、客観的に証明できる資格試験であり、商業高校出身者にとっては馴染み深い検定試験で、この試験を合格することは、ある程度は有益なことであると言えますが、一般の社会人やビジネスパーソンにとっては就職や転職に直接的に役立つことはほとんどありません。ただ、試験に合格することで、商業・経済の仕組み、マーケティング、ビジネス法規の知識など習得認定が受けられるため、経理関係の仕事につきたい人などは、これ以外に簿記の資格と組み合わせれば就職に有利になります。
それ以外では、商業経済検定試験の「ビジネス基礎」と「マーケティング」の合格者は、販売士検定試験3級試験の「マーケティング」が免除されるなどの措置が取られていますので、そういう制度を活用し大学や短大への推薦入試を有利にできることは可能です。

この検定試験は受験して合格した、で終わる試験ではなく、合格して経営や経済の基礎知識を習得した後に、ビジネス現場で十分な実務経験を積み重ねながら、更に上位の資格にチャレンジできれば、以後のキャリアアップを目指す事も可能になり、商業経済検定試験を勉強して合格したことが活かされることになります。

試験日程

 ・試験日:年1回(2月上旬)全国一斉試験
 ・申込期間:試験実施日の約3か月前まで
 ・合格発表:試験当日試験場校において日時・場所を発表 
 【申込方法】
  ①受験票に受験料を添えて申し込む。
  ②2科目以上受験する場合には、それぞれについて受験票と受験料を提出する。
  ③在校生については、原則として在籍校に受験票により申し込みます。
  ④高校生以外は一般受験を受け付ける試験場校に申し込むこと。

令和6年度第39回商業経済検定 試験日程
  試験日:令和7年2月2日(日) 

受験資格

・制限なし、誰でも受験できます。

試験会場

・全国各地(各都道府県の本部校が指定する試験場)

受験費用

・1~3級
 1科目 1,300円(税込み)

試験方式

【1級・2級】
・試験時間:1科目50分
・出題数: 1科目50問
・出題方式:択一式
・科目と点数:1科目100点(1問×50問)
(合格基準)
 各科目とも100点満点中、70点以上で合格となります。
 5科目のうち2科目合格で1級。1科目合格で2級として認定されます。

【3級】
・試験時間:1科目40分
・出題数: 1科目50問
・出題方式:択一式
・科目と点数:1科目100点(1問×50問)
(合格基準)
 100点満点中、70点以上で合格となります。

試験科目

検定科目
【1級】 (①~④のうち、いずれか2科目)
①マーケティング
②商品開発と流通
③ビジネス法規
④ビジネスマネジメント
※上記のいずれかの科目のうち1科目取得で2級が、2科目取得で1級が取得できます。

【2級】 (①~④のうち、いずれか1科目)
①マーケティング
②商品開発と流通
③ビジネス法規
④ビジネスマネジメント

【3級】ビジネス基礎
(1)商業の学習とビジネス ➡(2)~(5)に含める。
(2)ビジネスに対する心構え
(3)経済と流通
(4)取引とビジネス計算
(5)企業活動
(6)身近な地域のビジネス ➡(2)~(5)に含める。 

◆【1級、2級】科目の内容と出題数
・(マーケティング) 各 2 点・計 50 問
 (1)現代市場とマーケティング 12 問
 (2)市場調査 8 問
 (3)製品政策  (3),(4)で15 問
 (4)価格政策
 (5)チャネル政策  (5),(6)で15 問
 (6)プロモーション政策

・(商品開発と流通) 各 2 点・計 50 問
 (1)現代市場と商品開発・流通 10 問
 (2)商品の企画  (2),(3)で30 問
 (3)事業計画
 (4)流通とプロモーション 10 問

・(ビジネス法規)  各 2 点・計 50 問
 (1)法の概要 10 問
 (2)企業活動と法規 15 問
 (3)知的財産と法規 ➡ (1),(2),(4),(5)に含める。
 (4)税と法規 7 問
 (5)企業責任と法規 18 問

・(ビジネス・マネジメント) 各 2 点・計 50 問
 (1)ビジネスとマネジメント 6 問
 (2)組織のマネジメント 10 問
 (3)経営資源のマネジメント 20 問
 (4)企業の秩序と責任
 (5)ビジネスの創造と展開  (4),(5) で14 問

※形式別の出題内訳は以下の通りです。
  直接解答型 20 問(4 題× 5 問),本文参照型 30 問
※設問数はいずれも基準であり、年度によって各項目の設問に若干の変動があります。

●出題内容
【3級】
・ビジネス基礎部門
企業の行う経済活動をビジネスとして捉え、経済活動の基礎を学ぶ「ビジネス基礎」の教科から出題されます。ビジネスの基礎的な常識問題が出題されます。 

試験関連情報

【資格の難易度情報】
資格の難易度とランキング
ジャンル別資格の難易度ランキング

●試験関連情報
平成27年2月改正後の内容は「商業検定試験規則」を参照ください。

●関連資格
 税理士  
 簿記検定    
 BATIC(国際会計)検定

問い合わせ先

公益財団法人全国商業高等学校協会
http://www.zensho.or.jp/puf/examination/economics.html
〒160-0015 東京都新宿区大京町26
Tel:03-3357-7911 Fax:03-3341-1039

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教材(テキスト・参考書)

商業経済検定試験対策教材一覧

【商業経済検定試験 おすすめ教材】
令和2年度版 全商商業経済検定模擬試験問題集 1・2級 マーケティング 
全商商業経済検定模擬試験問題集3級ビジネス基礎〈平成30年度版〉

教材(過去問・問題集)

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