資格名

心不全療養指導士

資格の種類

民間資格

主催者

一般社団法人日本循環器学会

資格試験の概要

「心不全療養指導士」は、超高齢社会を迎えて心不全患者が急増している現状を踏まえ、様々な医療専門職が質の高い療養指導を通し、病院から在宅、地域医療まで幅広く心不全患者をサポートすることを目指して取得する日本循環器学会認定の資格で、2021年度より心不全療養指導士認定制度が開始されました。心不全におけるチーム医療を展開していくことで、心不全による増悪・再入院の予防、そして生活の質(QOL)の改善を図ることを目指して、多くの専門職が取得できる資格となっています。
心不全は様々な職種の人が各自の知識と技術、経験を生かしながら、患者の情報を共有、連携して個々の患者を総合的に診ることが求められていることから、心不全の多様な知識の提供やセルフモニタリングの指導、内服・栄養管理など包括的な療養指導を行うこともこの資格取得者の目的となっています。

・心不全療養指導士認定制度の目標
1.基本的知識および技能など資質の向上を図ること。
2.心不全におけるチーム医療を展開していくことで、心不全増悪・再入院予防、そして生活の質QOL改善を図ること。 

・資格更新制度(資格有効期間 5年間)
1.日本循環器学会会員(正会員・準会員)を継続し、年会費を完納している
2.日本循環器学会学術集会に5年間の中で1回以上参加している
3.5年間で50単位以上取得している
4.症例報告5例の提出
※更新費用は10,000円です。

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合格率・資格難易度

難易度 
  「B-下」   普通の下位 (医療従事者の場合)
  「B」      普通 (医療従事者以外の場合)

【資格の難易度レベル】
心不全療養指導士の資格取得に関しては、臨床の現場における重要なポイントに関する問題等が多く出題されていることから、病院内の医療従事者でないと理解できないので、医療従事者以外はほぼ取得は無理だと思います。臨床での実経験のある方なら、メインのガイドブックを丸暗記するつもりで、理解しながら読んで覚えることに徹すれば、目標は達成できると思います。
試験の難易度は、臨床での実経験のある医療従事者には「B」普通程度。医療従事者以外の受験者には、受験のための資格要件の取得も考えて「B」普通レベルの試験にしています。
2020年度は第1回試験でしたので、合格率もかなり高くなったと考えていいでしょうが、学会は3,000名以上の資格取得者を2021年に誕生させたい希望があると宣言してきましたので、その通り、2022年も同程度の合格率の試験で終わり、3年間で3,000名以上の合格者が生まれました。
従って、今年2023年試験は目標以上の合格者がそろった後の1年目の試験になりますので、動向が気になりますが、受験者数も3年続けて2,000名前後で変動せず、人気が出てきているように思えますので、もうしばらく合格者数を1,700名前後にした方策を採用するのではないかと思えますが・・・。

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合格率
・2022年心不全療養指導士認定試験結果
  受験者数2,039名 合格者数1,871名 合格率91.8%  
・2021年心不全療養指導士認定試験結果
  受験者数1,914名 合格者数1,649名 合格率86.2%    
・2020年心不全療養指導士認定試験結果
  受験者数1,979名 合格者数1,771名 合格率89.5%    




受験対策・学習法ほか

心不全療養指導士の受験対策や勉強方法については、過去の試験を参考にすると、試験問題はガイドブック全体からからまんべんなく出題されていますので、受験対策は認定試験ガイドブック(編集日本循環器学会 南江堂)主体の勉強になります。まず、メインのガイドブックを丸暗記を覚悟で徹底して覚えることです。特に理解しながら、必ず覚えておかねばならない項目は、ガイドブック中で青色のアンダーラインが引いてある部分です。eラーニング講習では講師が読んで説明している部分や、キーワードが重要項目に当たります。
ひと通りガイドブックをやり終えたら、ガイドブックの巻末にある知識確認問題を実力確認のために実際にやってみることです。そこで出来なかったり、分からなかった問題は、ガイドブックを確認しながら調べてみて出題のポイントと解答を覚えることです。また、ガイドブック以外では2021年に改訂された「急性・慢性心不全診療ガイドライン」と、「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」は目を通しておくといいと思います。

ただ、この試験の受験生の皆さんは、毎日の仕事が忙しく、勉強する時間など取れないといわれる方が多いと思います。しかし、受験生の皆さんはガイドブックを購入して勉強しようとしてる方がほとんどです。一方で、実際の試験問題を見ると、ガイドブックに記載されていない内容が出題されることもあり、ガイドブックを一冊丸暗記しても解答できないこともあるわけです。
従って、ガイドブックは購入したが勉強する時間など取れない、と言われる方は、ガイドブックでポイントになる部分(上述)と、心不全の基礎知識だけは完全にマスターし、あとは「心不全療養指導士試験サポート動画」などを活用する方法などで乗り切ることを考えてはどうでしょうか。

国立循環器病研究センターによると、2016年の心不全患者は延べ約26万人。高齢化の進展を背景に3年前から13%増えました。我が国において心不全患者が現在約100万人いると推計されていますが、超高齢化の進行により少なくとも2035年までは増え続けると推定されており、「心不全パンデミック」と呼ばれています。そんな中、2016年に「脳卒中と循環器病克服5ヵ年計画」が制定されました。この計画は、脳卒中と心不全、血管病の3疾患を克服するための5戦略が提案されています。このうち人材育成への取り組みの一つとして、日本循環器学会が主体となり創設したのが「心不全療養指導士」資格です。

心不全は再発を繰り返して死亡につながるケースが多い病気です。心不全療養指導士の主な役割は、医師以外の医療専門職が、各々の専門職が持つ専門知識と技術を活用しながら、心不全患者に対して最適な療養指導を行うことにあります。そのため、心不全療養指導士を目指す人には、心不全に関する知識を修得するだけでなく、より良い心不全診療を実践するためのチーム医療の在り方も学ぶ必要があるのです。
さらに、その役割を実践するためには、患者を取り巻く多職種との連携、更には地域医療との連携も重要であり、心不全療養指導士はこのような患者中心のチーム医療のキープレイヤーとなることで心不全パンデミックが克服されることを期待されています。
心不全療養指導士は、資格としてはまだまだマイナーですが、日々のチーム医療に不可欠な内容を網羅しており、これから活躍する機会が十分に増える資格であることは間違いありません。

受験資格

受験資格は、以下のすべてを満たしていることが必要です。
  • 医療関係の資格を有していること。
    看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、管理栄養士、公認心理師、臨床工学技士、⻭科衛生士、社会福祉士など、このいづれかの国家資格を有していること。
    ※それ以外の職種で受験を希望する場合は、学会専門医の推薦を受け、委員会が承認した者に受験資格を与える(医師は受験をすることはできません)
  • 日本循環器学会会員(正会員・準会員)であり、年会費を納めていること
    (会員年数は問いません。試験を受ける年度の4月1日以降の入会で問題ありません。)
    日本循環器学会への入会手続き方法
  • 現在、心不全療養指導に従事していること
  • 受験者用eラーニング講習を受講し、修了証を取得していること
  • 症例報告書5例を不備なく記載し提出していること
  • 申請書類を不備なく記載・提出し、受験料を納めていること

    ※認定試験は受験資格審査(症例報告書の書類審査)に合格した方のみ受験可能となります
    ※認定更新は5年毎となります。

試験方式

【受験者用講座】
受験者用eラーニング受講方法
受験希望者は、受験申込みまでにeラーニングによる受験者用講習の受講を完了してください。
eラーニングコンテンツは、総視聴時間6時間22分となります。途中で視聴を止めた場合でも、別の日に続きから視聴をすることが可能です。
※eラーニング受講料の領収書と、受講修了証はトップページのボタンから各自ダウンロードが可能です。

【認定試験】
  認定試験は受験資格審査(症例報告書の書類審査)に合格した方のみ受験可能となります。
・試験方式:マークシート形式
※マークシートはHB・Bの鉛筆かシャープペンシルで記入。また、消しゴムを持参。

「学会入会から資格を取得するまでの流れ」を参照ください。

試験科目

・受験者用eラーニング講習科目

療養指導に必要な患者教育の考え方
療養指導の評価および修正
心不全における予防の重要性
予防啓発活動
心臓の構造
心臓の働き(健常人)
心不全の概念
心臓の基礎疾患の特徴
心不全の身体所見
検査
薬物治療
非薬物治療
併存疾患の治療
患者教育に活用する心不全に関する知識
セルフモニタリングと定期受診・増悪時の対応
服薬アドヒアランスへの支援
栄養管理
身体活動と運動
禁煙支援
日常生活の心がけ
心理的支援
季節の変化に伴う対処
旅行
災害時・医療安全上の留意点
認知機能低下のある患者への対応
心不全におけるACP
意思決定支援
末期心不全における症状と緩和
チーム医療の提供
心不全における在宅医療
心不全医療における地域連携
症例報告書の書き方

※総視聴時間 6時間22分

スケジュール

【受験者用eラーニング講習】
 ・受講申請

【認定試験】
認定試験のオンライン申請・登録
・受付期間:6月1日開始
認定試験の受験申込手順
・申請書類提出期間:8月1日~8月10日(消印有効)
受験料の払い込み期限:8月10日までに(銀行振込)
資格を取るまでの流れ

2023年心不全療養指導士認定試験日程

・合否通知:
 筆記試験の結果通知は、翌年3月上旬の予定。
 合否の確認は、オンラインシステムのマイページにて掲示。

※認定試験合格者には結果発表後、資格認定証とピンバッジが送付されます。
 2023年度認定試験合格者の資格認定期間は、2024年4月1日~2028年3月31日となります。
 認定更新は5年毎となります。

試験会場

【認定試験】
・試験会場
47都道府県に試験会場を設置し、受験者の方が各都道府県をまたいでの移動をせずに受験ができるように設置。
※試験会場の決定は住所に基づき、個人の都合で変更することはできません。

受験料

●費用:計30,000円
 (内訳)認定試験料 15,000円(税込)  eラーニング受講料 5,000円
    入会金2,000円  年会費8,000円(準会員)
 ※受験料は振込期限が決められています。
(その他)
・認定試験ガイドブック  3,850円
・日本循環器学会入会料  2,000円

問い合わせ先

一般社団法人日本循環器学会事務局 https://www.j-circ.or.jp/
〒100-0011 東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテルタワー18F
電話 : 03-5501-0861  henkou@j-circ.or.jp

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

通信講座・eラーニング

学会主催のeラーニング講習

通学スクール・講座

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教材(過去問集)

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教材(テキスト・参考書)

・日本循環器学会より創設された「心不全療養指導士」認定制度のカリキュラムに準拠した学会編集公式ガイドブック
  心不全療養指導士 認定試験ガイドブック

【心不全療養指導士 おすすめ教材】
  慢性心不全スタートブック

関連情報

【資格の難易度情報】
資格の難易度とランキング
ジャンル別資格の難易度ランキング

●試験関連情報
 2022年度認定試験に合格された方は、資格の認定期間は2023年4月1日からとなります。

●関連資格
 理学療法士