資格名

心不全療養指導士

資格の種類

民間資格

主催者

一般社団法人日本循環器学会

資格の概要

「心不全療養指導士」は、超高齢社会を迎えて心不全患者が急増している現状を踏まえ、心不全の発症・重症化予防に当たる医療者のスキルアップを図るために2021年度より開始された日本循環器学会認定の資格です。
2024年3月時点の心不全療養指導士の実働数は5,200名となっています。

【心不全療養指導士の資格取得までの手順】
(1)日本循環器学会への入会とeラーニング受講(4月~)
(2)オンラインでの申請(6月~7月)
(3)必要書類発送・受講料支払い(8月上旬)
(4)症例報告書の審査(11月上旬)
(5)認定試験受験(12月)
(6)合格発表(3月初旬)

尚、「心不全療養指導士」の資格は5年ごとに更新が必要になります。
更新に際しては、学術集会への参加や追加の症例報告書の提出などの条件が決められています。
資格更新の条件
 ①日本循環器学会会員(正会員・準会員)を資格有効期間中継続し、年会費を完納している
 ②日本循環器学会学術集会に5年間の中で1回以上参加している
 ③5年間で50単位以上取得している
 ④心不全療養指導士としての「症例報告書」または「活動報告書」の5件の提出
 ⑤「症例報告書」を5例報告できない場合に限り、「活動報告書」の提出をもって代替できる
 ⑥「症例報告書」は少なくとも1例は必ず記載すること
 ⑦「症例報告書」はチーム等間接的な療養指導も可とする
 ⑧2回目以降の更新(資格取得10年目)は、資格更新条件④の提出は免除とする
・資格審査料:10,000円

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試験の合格率・難易度

難易度 
  「B-下」   普通の下位 (医療従事者の場合)
  「B」      普通 (医療従事者以外の場合)

【資格の難易度レベル】
「心不全療養指導士」の試験では、臨床の現場における重要なポイントに関する問題等が多く出題されていることから、病院内の医療従事者でないと理解できないことが多く、医療従事者以外はほぼ資格取得は無理だと思われます。臨床での実経験のある方なら、メインのガイドブックを丸暗記するつもりで、理解しながら読んで覚えることに徹すれば、合格は可能だと思います。
試験の難易度は、合格基準は公表されていませんが、幅広い知識と実践力が求められることを考えれば、臨床での実経験のある医療従事者には「B-下」(普通の下位)程度。医療従事者以外の受験者には、受験のための資格要件の取得も考えて「B-上」(普通の上位レベル)のレベルが相当の試験です。
2020年度は第1回試験でしたので、合格率もかなり高くなったと考えていいでしょうが、学会は3,000名以上の資格取得者を2021年に誕生させたい希望があると宣言してきましたので、その通り、2022年も同程度の合格率の試験で終わり、3年間で3,000名以上の合格者が生まれました。
従って、今年2023年試験は目標以上の合格者がそろった後の1年目の試験になりますので、動向が気になりましたが、受験者数も3年続けて2,000名前後で変らず、人気の兆候が出てきているようなので、もうしばらく合格者数を1,700名前後にした方策を採用するのではないかと思えましたが、3年間で3000名の目標はクリアしたこともあって4年目は合格率が20%近く下がり、合格者数を過去3年平均の約75%に減らしました。今後はしばらくは、この程度の合格者数と合格率が続き、状況を見てさらに難易度が上がる可能性があるように思われます。

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合格率
・2023年心不全療養指導士認定試験結果
  受験者数1,864名 合格者数1,312名 合格率70.4% 
・2022年心不全療養指導士認定試験結果
  受験者数2,039名 合格者数1,871名 合格率91.8%  
・2021年心不全療養指導士認定試験結果
  受験者数1,914名 合格者数1,649名 合格率86.2%    
・2020年心不全療養指導士認定試験結果
  受験者数1,979名 合格者数1,771名 合格率89.5%    
  受験者数2,039名 合格者数1,871名 合格率91.8%  
※合格率の推移をみると、2022年までは80%後半~90%代でしたが、2023年試験では70%にまで下降しました。




試験の内容・勉強法

「心不全療養指導士」の受験の勉強方法については、過去の試験を参考にすると、試験問題はガイドブック全体からからまんべんなく出題されていますので、受験対策は認定試験ガイドブック(編集日本循環器学会 南江堂)主体の勉強がいいでしょう。そのためにはまず、メインのガイドブックを丸暗記を覚悟で徹底して覚えることです。
中でも特に頭の中に理解しながら、必ず覚えておかねばならない項目は、ガイドブック中で青色のアンダーラインが引いてある部分です。eラーニング講習では講師が読んで説明する部分やキーワードが重要項目に当たります。
ひと通りガイドブックをやり終えたら、ガイドブックの巻末にある知識確認問題を実力確認のために実際にやってみることです。そこで出来なかったり、分からなかった問題は、ガイドブックを確認しながら再度調べてみて出題のポイントと解答を覚えることです。また、ガイドブック以外では2021年に改訂された「急性・慢性心不全診療ガイドライン」と、「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」に目を通しておくといいと思います。

ただ、この試験の受験生の皆さんは、毎日の仕事が忙しく、勉強する時間が取れない方が多いにもかかわらず、ガイドブックを購入して勉強しようとしてる方がほとんどです。しかし、実際の試験問題を見ると、ガイドブックに記載されていない内容が出題されていることもあるので、ガイドブックを一冊丸暗記しても解答できない問題もあるということです。そういうことから考えると、ガイドブックは購入したが勉強する時間など取れない方は、ガイドブックでポイントになる部分と、心不全の基礎知識だけは完全にマスターし、あとは「心不全療養指導士試験サポート動画」などを活用する方法で対策することも選択肢の一つになると思います。

心不全療養指導士の主な役割は、医師以外の医療専門職が、各々の専門職が持つ専門知識と技術を活用しながら、心不全患者に対して最適な療養指導を行うことにあります。そのため、心不全療養指導士を目指す人には、心不全に関する知識を修得するだけでなく、より良い心不全診療を実践するためのチーム医療の在り方も学ぶ必要があるのです。
心不全療養指導士は、資格としてはまだまだマイナーですが、日々のチーム医療に不可欠な内容を網羅しており、これから活躍する機会が十分に増える資格であることは間違いありません。

試験日程

【受験者用eラーニング講習】
 ・受講申請
 ・受講方法:日本循環器学会会員ページにログイン
 ・ログイン方法が分からないときはこちら

【認定試験】
認定試験のオンライン申請・登録
・受付期間:6月1日開始
認定試験の受験申込手順
・申請書類提出期間:8月1日~8月10日(消印有効)
受験料の払い込み期限:8月10日までに(銀行振込)
資格を取るまでの流れ
・合否通知:
 筆記試験の結果通知は、翌年3月上旬の予定。
 合否の確認は、オンラインシステムのマイページにて掲示。
※認定試験合格者には結果発表後、資格認定証とピンバッジが送付されます。
 2023年度認定試験合格者の資格認定期間は、2024年4月1日~2028年3月31日となります。

     2024年心不全療養指導士認定試験日程    
     試験日:2024年12月15日(日)

受験資格

受験資格は、以下のすべてを満たしていることが必要です。
  • 医療関係の資格を有していること。
    看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、薬剤師、管理栄養士、公認心理師、臨床工学技士、⻭科衛生士、社会福祉士など、このいづれかの国家資格を有していること。
    ※それ以外の職種で受験を希望する場合は、学会専門医の推薦を受け、委員会が承認した者に受験資格を与える(医師は受験をすることはできません)
  • 日本循環器学会会員(正会員・準会員)であり、年会費を納めていること
    (会員年数は問いません。試験を受ける年度の4月1日以降の入会で問題ありません。)
    日本循環器学会への入会手続き方法
  • 現在、心不全療養指導に従事していること
  • 受験者用eラーニング講習を受講し、修了証を取得していること
  • 症例報告書5例を不備なく記載し提出していること
  • 申請書類を不備なく記載・提出し、受験料を納めていること

    ※認定試験は受験資格審査(症例報告書の書類審査)に合格した方のみ受験可能となります
    ※認定更新は5年毎となります。

試験会場

【認定試験】
・試験会場
47都道府県に試験会場を設置し、受験者の方が各都道府県をまたいでの移動をせずに受験ができるように設置。
※試験会場の決定は住所に基づき、個人の都合で変更することはできません。

受験費用

●費用:計30,000円
 (内訳)認定試験料 15,000円(税込)  eラーニング受講料 5,000円
    入会金2,000円  年会費8,000円(準会員)
 ※受験料は振込期限が決められています。
(その他)
・認定試験ガイドブック  3,850円
・日本循環器学会入会料  2,000円

試験方式

【受験者用講座】
受験者用eラーニング受講方法
受験希望者は、受験申込みまでにeラーニングによる受験者用講習の受講を完了してください。
eラーニングコンテンツは、総視聴時間6時間22分となります。途中で視聴を止めた場合でも、別の日に続きから視聴をすることが可能です。
※eラーニング受講料の領収書と、受講修了証はトップページのボタンから各自ダウンロードが可能です。

【認定試験】
  認定試験は受験資格審査(症例報告書の書類審査)に合格した方のみ受験可能となります。
・試験方式:マークシート形式
※マークシートはHB・Bの鉛筆かシャープペンシルで記入。また、消しゴムを持参。

「学会入会から資格を取得するまでの流れ」を参照ください。

試験科目

2022年4月よりeラーニングのカリキュラムが改訂されました。

 2024年度受験者用 改訂eラーニング講習概要
・eラーニング:申込期限は7月25日、eラーニング受講期限は7月31日
・eラーニングコンテンツ:総視聴時間 約7時間
・eラーニング視聴可能期間:毎年4月からその年の筆記試験日まで

試験関連情報

【資格の難易度情報】
資格の難易度とランキング
ジャンル別資格の難易度ランキング

●試験関連情報
 2022年度認定試験に合格された方は、資格の認定期間は2023年4月1日からとなります。

●関連資格
 理学療法士

問い合わせ先

一般社団法人日本循環器学会事務局 https://www.j-circ.or.jp/
〒100-0011 東京都千代田区内幸町1-1-1 帝国ホテルタワー18F
電話 : 03-5501-0861  henkou@j-circ.or.jp

【以下の各項には一部広告が含まれています。】

教材(テキスト・参考書)

・日本循環器学会より創設された「心不全療養指導士」認定制度のカリキュラムに準拠した学会編集公式ガイドブック
  心不全療養指導士 認定試験ガイドブック

【心不全療養指導士 おすすめ教材】
  慢性心不全スタートブック  
  実践! 心不全療養指導

教材(過去問・問題集)

心不全療養指導士試験対策 予想問題266問

講座・スクール

学会主催のeラーニング講習