試験の合格率・難易度 | ●難易度
「C」 やや易
【資格の難易度レベル】
合格率を見ると、近年は特に国内旅行業務取扱管理者は難易度が低下傾向にあり、総合旅行業務取扱管理者は逆に難易度は上がってきています。そのため国内の合格率は高くなり、3人から1人以上が合格できるような合格率になってきました。従って、国内は独学で十分に合格を狙えます。知識がなくても必要な学習時間は150~200時間程度でしょう。
試験科目の中で国内旅行実務の観光地理の分野はこの試験で最も難易度が高いとされています。それは試験範囲が非常に広いにもかかわらず配点で大きな割合を占めるからです。全国の観光地理にある程度詳しいと有利に働く分野でもあります。
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●合格率
令和4年度国内旅行業務取扱管理者試験結果
全国平均合格率 34.9%
申込者数 10,343名 受験者数 8,945名 合格者数 3,125名
・令和3年度国内旅行業務取扱管理者試験結果
全国平均合格率 42.6%
申込者数12,598名 受験者数10,569名 合格者数 4,499名
・令和2年度国内旅行業務取扱管理者試験結果
全国平均合格率 37.9%
申込者数14,441名 受験者数11,881名 合格者数 4,499名
・令和元年度国内旅行業務取扱管理者試験結果
全国平均合格率 40.5%
申込者数16,090名 受験者数13,946名 合格者数 5,645名
・平成30年度国内旅行業務取扱管理者試験結果
全国平均合格率 39.6%
申込者数16,523名 受験者数14,327名 合格者数 5,674名
・平成29年度国内旅行業務取扱管理者試験結果
全国平均合格率 38.6%
申込者数17,018名 受験者数14,938名 合格者数 5,768名
・平成28年度国内旅行業務取扱管理者試験結果
全国平均合格率 33.1%(一般受験者32.1% 免除者49.8%)
申込者数17,579名 受験者数15,352名 合格者数 5,081名 |
試験の内容・勉強法 | 「国内旅行業務取扱管理者」は、国内旅行業務のみを取り扱う契約責任者です。それに対して国内・海外両方の旅行業務を取り扱うのを総合旅行業務取扱管理者と言います。
この2つの試験は試験範囲が重なる部分が多いため同じ年で両方合格することも可能なため、スクールなどでは一度に両方の合格を目指すコースも多いようです。「総合」が「国内」の試験範囲を含めた上級資格であるとも言えます。試験の難易度も、「国内」の方が圧倒的に易しく、また「国内」を取得すると「総合」の受験の際、2科目免除されるメリットもありますので、先に「国内」の資格を取得する方がいいでしょう。
旅行業務取扱管理者試験を独学で合格を目指す人の勉強方法は「過去問での勉強」が王道ですが、ただ、「国内旅行実務」の科目だけは出題傾向問題数や配点が変わったり、出題傾向も変わりやすいので過去問以外の予想問題などにも取り組んでおく必要があります。
過去問を何回か解いてみて間違ったところや分からなかった問題の範囲は勉強をし直し、し直した後にはまた過去問を解いてみて理解の程度を確認しながら進めるといいでしょう。
試験は国家試験の中でも間口の広い、比較的取得が簡単な部類の資格で、試験方法はマークシート方式のペーパーテストのみで、試験の合格基準は各試験項目とも60-65点以上の得点で合格、総得点では判定しませんので、苦手科目を作らない事が重要です。各科目70点くらいの出来を目指す勉強法が効率的です。高校生でも2ヶ月くらい集中すれば合格できるレベルで、試験そのものはそれほど難しくありません。試験は旅費等の計算問題と、実務問題の出来が合否を分けますのでその点が要注意です。試験全体の難易度レベルは参考書・問題集のレベルとそれほど変わらないと考えてよいでしょう。
例年「国内」試験の受験者は大学生などの学生が大半を占め、「総合」試験の受験者は旅行業など実務に従事する人が大半を占めています。どちらも旅行関連会社への就職・転職には有利です。会社によっては昇給・昇格の条件として旅行業務取扱管理者の資格取得を上げている場合もあるようです。もちろん、将来旅行会社を起こして、独立・開業も夢ではありません。
「研修」について
全国旅行業協会と日本旅行業協会はそれぞれ研修を行っています。どちらの研修でも数日間の講義を終えた後、修了テストに合格しなければ受講を修了したことにはなりません。
全国旅行業協会主催の研修をすべて修了すると「国内」試験を受験する際には国内旅行実務科目が免除となり、日本旅行業協会主催の研修をすべて修了すると「総合」試験を受験する際に国内旅行実務と海外旅行実務の科目が免除となります。 |
試験科目 | ●試験科目は3科目
1.旅行業法及びこれに基づく命令 →「法令」
2.旅行業約款、運送約款及び宿泊約款 →「約款」
3.国内旅行実務 →「国内実務」
(イ)運送機関及び宿泊施設の利用料金、その他の旅行業務に関連する料金
(ロ)旅行業務の取扱いに関する実務処理
受験区分は、免除資格の有無及び免除される科目に応じて、以下の4つとなります。
(受験区分) (受験科目)
①全科目:①法令 ②約款 ③国内実務 (免除科目:なし)
試験時間120分
②免除A:①法令 ②約款(免除科目:③実務)
試験時間80分
③免除B:②約款 ③国内実務(免除科目:①法令)
試験時間80分
④免除C:②約款(免除科目:①法令 ③実務)
試験時間40分
【科目の一部免除】
国内旅行業務取扱管理者試験科目(上記1.2.3.)のうち以下の科目について試験の免除を受けることができます。
1.本年度又は前年度の国内旅行業務取扱管理者研修の修了者、もしくは、前年度の国内旅行業務取扱管理者試験の科目合格者は、「国内旅行業務」全般が免除されます。
2.地域限定旅行業務取扱管理者試験の合格者は「旅行業法とこれに基づく命令」が免除されます。
3.地域限定旅行業務取扱管理者試験の合格者で、かつ本年度又は前年度において国内旅行業務取扱管理者研修を修了した者は、「旅行業法とこれに基づく命令」と「国内旅行業務」全般が免除されます。 |